2008年07月18日

8月8日に宍戸vs。大田、公開討論

TV中継はあるのだろうか。神州の泉で小野盛司氏が告知していた。日程だけは10日ほど前にお知らせがあったが、直接討論が20分だけでは、話にならないのじゃないか。


ESRI-経済フォーラム
~経済政策とマクロ計量モデル~

1.日時 8月8日(金) 13時から15時
2.場所 霞ヶ関ビル東海大学校友会館

 しかしながら、内閣府の提案は到底受け入れがたいものだった。つまり彼らのプランは最初の20分だけ、大田大臣と宍戸氏の対談があり、それが終わると、大田大臣は逃亡(敵前逃亡?)し、その後は、御用学者がぞろぞろ登場にて、政府の政策の擁護をするというもの。なぜ内閣府はいつもそのような悪知恵をはたらかすのだろう。政府は、ちゃんと国民の声を聞くべきだ。随分長い間、国の借金を返そうとして、緊縮財政をしているが、全然返せてない。緊縮財政は国民の大きな犠牲のもとで行われたのだが、その結果として日本経済は随分縮小した。得る物は何もなかった。政策の根本的な間違いがあったのではないかと疑うときに来ている。今こそ専門家の声に耳を傾けるときだ。

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/07/gdp_06db.html  

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2008年07月07日

バーナンキ理事長の「カネを刷れ」

 政府支出を拡大して、大型減税や公共投資を行い、景気を良くすべきである、と前から述べているが、先日あるパーティーで
 
 「政府支出で景気拡大は分かるが、モトになるカネはどうするのだ。増税して税収を上げるのが先ではないか」
 
 という人がいた。
 
 「増税は景気を余計冷え込ませるので、カネを日銀が印刷して、国民や政府に渡すのがよい」
 
 と述べたら、そっぽを向かれたわけだが、カネを刷れというのは経済学ではよく知られた政策であり、現在の日本にとって最も的確な政策である。
 
 たとえば、2003年の日本金融学会60周年記念大会の特別講演で米連邦準備制度理事会のバーナンキ理事(当時、いま理事長)が、明快に日本に金を刷れと提言している。
 
 バーナンキ氏は講演の最後でこう述べている。
 
 本日私は、財務省が日銀のバランス・シートの金利リスクを免除する代償(a quidpro quo)として、日銀が公債を買い増すという政策協調が、現下の日本のデフレを退治するのに有効な方法であるということを主張させていただきました。私のお話を終わるにあたり、冒頭に申し述べたことをもう一度繰り返したいと思います。すなわち、消費者物価のデフレを終息させることは、日本を本格的な回復軌道に戻すために必要なことの一部にしか過ぎない点です。金融改革と構造改革は決定的に重要であり、可及的速やかに、かつ大胆に、実行される必要があります。改革の重要性については反論の余地はありませんが、デフレは日本が直面する問題のマイナーな一部に過ぎない、という見解に私は同意できません。デフレ問題への取り組みは実質的にも心理的にも大きなメリットを日本経済にもたらし、デフレの終息は、日本が直面している他の問題の解決をその分容易にします。日本経済のみならず世界経済のためにも、私はこれらすべての面で、早期に進展が見られることを強く望むものであります。

 
 さすがに学会の講演なので「カネを刷れ」という下品な言葉ではないが、同じことを「日銀が公債を買い増す」と明快にいっているのである。
 
 刷ったカネを政府が財源として使うことのメリットは、新たな借金にならない=国民の負担増にならないことなどがある。もっとも、デフレを脱却しながら緩やかなインフレが起こり、国民はインフレという名前の一種の間接的な税を支払うことになる。
 
 より一般的に言えば、日銀による公債の買い取りは、有利子負債を貨幣に置き換えることによって、国家財政上の経常収支の赤字幅と利払い負担を軽減し、将来の税負担についての国民の懸念を和らげることになるのです。勿論、ただで何かを得ることは決してできないのであって、財政の観点からは、このように国債のマネー化(訳者注:これはキーワードで、2つの要因がこれに込められている。すなわち、第1は、発行された国債が民間から日銀に買い取られること。第2は、その支払い代金は、日銀が創造するマネタリー・ベースから支払われ、マネタリー・ベースを増大させることであり、国債の貨幣化とも言われる。)を増加させるのは、単に物価上昇という1種の税で他の諸税を代替しているに過ぎないのです。しかし、デフレが蔓延している日本の場合には、ほんのわずかなプラスのインフレ(そして、それに伴う名目支出の増加)を起こすことは、経済回復の促進と遊休資源の再活用という目標の実現を助け、その結果、税収入を増やし、政府の財政状況を改善することになるのであります。

 
 デフレ脱却のための財源は国民に負担をかけないカネを刷ることで得るべきであり、景気が拡大する中でインフレ(物価が上がり、給料も上がる。給料が上がると、物価も上がる。以下同じというスパイラル。現状は物価は上がるのに給料は増えないという最悪の状態)という名の税を広く薄く国民全部が支払う。また、景気がよくなることで累進税制が働き、政府の税収は飛躍的に拡大する。拡大した税収で医療改革や年金改革、格差を縮小させるためのあらゆる政策、必要な道路も建設できるようになる。かくして、刷った分のカネは国民の幸福を追求しながら、いつのまにか国民が返済することになり、政府債務のGDP比はどんどん縮小する。なぜ、このような政策に転換しないのか。
 
 バーナンキ講演の原文(英文)は

日本金融学会のHP
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsme/

にPDFが貼ってある。  

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2008年07月06日

香港での沖縄ブーム

IMFのHPに便利な機能があった。

World Economic Outlook Database
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2008/01/weodata/index.aspx

 ここから世界181カ国の名目GDP、一人当たり、デフレーター、購買力平価換算GDP、労働力、政府財政などがHTMLとエクセルデータで得られる。

 適当に国を選んで、名目GDPと一人当たりGDPをグラフにしたら下のようになる。

 多くの国が2006年までが実績、2013年までの予測が出ている。日本の予測は伸びすぎの感じだが、2011年には中国が日本のGDPを上回ると見込まれている。



 次に一人当たりGDPを見ると、2007年時点で日本はシンガポールに追い越されている。2012年には香港にも追い越される予定である。



 2001年頃から日本はもやは経済成長しない、欲しいものは国民は何でもっているので、消費は増えない、公共投資は意味がないのでやめたらよい、労働力を流動化するために派遣を自由化した…、結果、日本の国力は世界各国に比べてどんどん低下していった。
 
 この事が、最近の香港からの沖縄への観光客の増加(香港での沖縄ブーム)となって現れている可能性がある。香港に力を入れると、沖縄観光は大きく伸びるだろう。
 
 ちなみに2006年の沖縄の一人当たり県民所得は205万円前後で、香港の一人当たりGDPは沖縄の1・4倍、韓国、台湾も沖縄より多いだろう。  

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2008年06月14日

ますます哀れな後期高齢者制度

県議会選挙は間違いなく後期高齢者医療制度で与野党が逆転した。

得票率は

与党系44.10%
野党系55.90%

となり、定数48の議席数で自公の与党系が22議席、その他(失礼)の野党系が25議席、中立1議席となった。ほぼ得票に比例した議席だ。

争点は明快に後期高齢者医療制度だった。姥捨て山制度とこき下ろされたが、最近では75歳以上早く死ね制度といわれるようになった。

当のお年寄りからインタビューに応えて「もう早く死んだ方がいい」という声が聞かれるようになった。

こんなクソ制度でよく選挙を戦ったものだと思うが、実際に制度がスタートすると、問題はさらに噴出しそうだ。

佐々木洋氏のメルマガ「10秒で読む日経」は、次のように予測している。

入院中の後期高齢者の入院代を病院は最初の90日までは1.55万円以下を保険から受取れるが、91日目からは9280円に減額される。同時に90日までは薬代、検査代、処置代は別途保険から受取れたが、これがゼロになる。


すると、91日目以降のお年寄りは病院を出て、在宅療養せざるを得なくなり、その内病院で治療を受けられずに在宅死する人が出てくる…。

「あわれ、後期高齢者。医療を受けれず自宅で孤独死」との見出しが新聞の1面や社会面を飾り、ワイドショーで毎日放映される情況の後に衆議院選挙が行われることになったのだ。

「10秒で読む日経」08年6月13日付
http://archive.mag2.com/0000102800/index.html


沖縄県議会選挙は投票率が57.82%と史上最低だったのは、お年寄りは「わがこと」として投票したのに、若い人が「他人事」として投票に行かなかったからのかも知れない。それとも、あきらめているのか?

後期高齢者医療制度の問題も、政府がムダなカネを省きたいとして取り入れるものだ。しかし、カネを刷って国民にバラ撒くことでこの問題は解決できる。

これはさまざまな国で行われている、ごく当たり前の経済政策だ。それをやらないから哀れな事件があちこちで起こる。「わがこと」として多くの人と価値観が共有できるなら、一発の選挙で日本は生まれ変わる。絶対できる。  

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2008年06月14日

秋葉原事件、市場原理主義のなれの果て

 デフレで景気が悪く、それを市場原理主義で解決しようなどとした結果、毎年、国民の収入は減り、失業と自殺者が増えた。秋葉原の事件は、通り魔というより、社会に対するテロだろう。
 
 この事件では犯人はよくしゃべっている。絶望して死ぬほかないと思いこんだようだが、どうせなら幸福そうに見える他人を巻き込んでやると考えた。
 
 98年から企業は労働者の賃金を下げている。その結果、非正規雇用が増え、人件費が浮いた分企業は黒字を出すようになった。このころから経済的理由で毎年3万人を超える人たちが自殺するようになった。どうせ死ぬなら、世の中に復讐しようと考えるものが出てもおかしくはない。不況が大量の自殺者を生みだし、その中から今回の犯人のようなものが次第に出てきたということだ。
 
 早くデフレ不況から抜けるための政策転換をすべきだ。
 
 犯人が雇われていたのはトヨタの関連企業。新聞にはあまり出てこないが、これは重要な事実である。
 
 トヨタ看板方式で人間も必要なとき、必要なだけ雇えばよい。いつでも労働者をクビにできる社会体制を整えていたわけだ。
 
 ざっと沖縄の新聞のこの事件に対する記事に目を通したが、次の各サイトの視点は重要であると思う(昔は新聞が先頭に立ってこのような記事を書いたものだが、最近は腰が引けている。構造改革を推進した手前か、あるいはトヨタが出てくるからか? 最近はブログの中にもまともなものがいくつもある)。

何かごにょごにょ言ってます【秋葉原無差別殺傷】人間までカンバン方式
http://d.hatena.ne.jp/boiledema/20080610

新小児科医のつぶやき2008-06-11 秋葉原の事件
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080611

泉の波立ちニュースと感想(6月15日)「派遣社員の問題の本質」について。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm

事件全体のまとめは、

2008年6月8日に秋葉原で発生した通り魔事件 まとめwiki
http://www11.atwiki.jp/akb_080608/

最後のサイトは画像や犯人が書いたとされるケータイ掲示板の書き込みも収録してある。  

Posted by 渡久地明 at 21:00Comments(2)TrackBack(0)

2008年06月04日

バカな増税派とアホな成長派、両方間違い

 6月8日投開票の県議選を国政選挙の前哨戦ととらえ、国政の党首級が沖縄入りして、県議選を盛り立てている。争点は後期高齢者医療制度である。
 
 この制度は姥捨て山そのものといっていいだろう。貧乏な農村で働けなくなった年寄りをむかしは山に捨てたという話だが、いまは政府が貧しくなったので政府が年寄りを切り捨てるというものだ。TV討論会などで口をとんがらせて自民党の大村議員などが姥捨て山制度を擁護しているが、国民は納得しない。わたしのまわりでも、自民党支持と見られる人から「福田はもういい」「自民党は負けるだろう」という批判の声が挙がっている。
 
 ところが日本はホントに医療費も出せないほど貧しいのだろうか。東南アジアの途上国や戦前の日本の話しを聞いているようだ。いまの日本で医療費が増えるとホントに国民は困るのだろうか。
 制度の導入は、日本は貧しくなった。財政が厳しいおり、医療費が増大するということは、他に回すカネがなくなることだ、だから抑制したいということである。
 
 文春6月号で衆議院の堀内光雄氏が、制度成立の経緯について述べている。

 「小泉チルドレン」などの圧倒的多数で導入を決めた。その時の国会では堀内さんを始め亀井静香、綿貫民輔、自見庄三郎さんといった「うるさ型」が郵政選挙で自民党を追い出されていたので、すんなり自民党内の意見が通った。制度は廃止すべきで、根本的には日本経済を立て直すことで国民負担は減らせると述べている(手元にないので適当に要約)。

 しかし、医療費が増えるということは、国民が支払った税金や保険料が政府支出となって世の中に出てくるということであって、カネが出回れば景気はよくなり、国民経済にとってプラスである。
 公共投資であろうと医療費であろうと、政府支出が増えることで景気刺激策となり、経済規模が拡大する。拡大した経済を国民が分け合うわけだから国民の収入も増えるということになる。

 問題は医療費が増えるなら他の政府支出を減らす、あるいは医療費を削減しなければならないと考えるところにある。つまり、日本が貧しいのではなくて、政治家のおつむの中が貧しいのだ。

 この解決に新聞やテレビでは増税と成長のどちらがよいかという問題を立てているが、これは両者が手を組んだイカサマ、やらせだろう。

 増税派は自民党前官房長官の与謝野馨氏、政調会長の谷垣禎一氏、民主党は前代表の岡田克也氏が消費税を上げるといっている。ところが、消費税を拡大すれば余計に景気は落ち込むから、間違った政策である。政治というのは国民を豊かにするのが第一の仕事であって、国民を痛めつけて(負担を増やして)、財政を立て直そうというのは本末転倒である。

 一方、成長派は竹中平蔵氏や中川秀直氏らだ。GDPを拡大して税収の自然増を図り、財源を増やすといっている。もちろん成長派の主張が正論である。しかし、どうやって成長するかについては、無駄な財政支出を減らし、規制を緩和し、企業の競争力を高めれば成長するというのである。

 これは、改革なくして成長無し、という小泉構造改革そのものである。戦後五十年余、小泉政権以前の政府の借金が約五百兆円だったのに対し、〇一年からのたった八年間の小泉構造改革で三百四十兆円も借金を増やし、いまでは八百四十兆円となった。構造改革がいかに間違った政策だったかが分かるだろう。

 結局、デフレ不況下で政府が支出を削ると猛烈なスピードで赤字が増え、増えた分を消費税で埋めるというのがバカな増税派、いや、もっと支出を削減すれば景気は回復するというのがアホな成長派である。

 両者の政策が行き着く先を現実を踏まえてイメージして欲しい、全然美しくない未来しか見えてこない。

 これに対して、日本のバブル崩壊と似たようなサブプライムローン問題に直面したアメリカは、緊急経済対策を行って政府支出を増やし、国民に減税の名目で16兆円のカネを配った。それとは別に連銀は潰れそうな金融機関に素早く3兆円の公的資金を導入し、景気の落ち込みを最小限に抑え込もうとしている。貧困大国となりさがったとはいえ、経済政策は日本とは大違いに迅速である。景気が回復すれば将来の自然増収で釣り合いはとれる。同じ考えで景気対策を行っている国はいくらでもある。

 最近届いた「香港ライナー」という香港政府のPR誌には今年の予算案の概要が出ている。各種のインフラ投資はもちろん「43億(香港)ドルを割当て、電気料金補助金として各世帯に1800ドルを提供」「困窮している人の医療費に10億ドル」「子育てサービスに3年で6000万ドル」「家庭内暴力の被害者、困窮している家庭への支援強化のため4000万ドル」「障害者に1億ドル」「月収1万ドルいかの人々を対象に強制年金基金に6000万ドルを一度限りで支給するために85億ドル」「医療制度改革に500億ドル」などなどといった支出を行う。これらによって、一時的に政府の収入は減るが2、3年後には景気が回復して税収が増えるとしている。

 日本もかつてはこれを実行していたのだ。なぜいまできないという政治家が増えたのか。本当の貧困は政治家のおつむの中にあるというのはこのことだ。

 日本では国民新党が同様の緊急経済対策を提言している。正論をはいているのは間違いないのに、あまり知られていないのが残念だ。  

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2008年05月20日

年金財源の試算を嗤う

 本日の地元紙朝刊は両方とも
 
基礎年金財源最大で消費税18%

と打ちあげている。昨日の夜のTVニュースでも散々取り上げられていて、バカかと思っていたのだが、朝刊を見て嗤った。

2050年までの試算を示して、諸費税率は最大18%になるといっている。

ホントーにこんなあほな試算はない。記事を読むと全然出ていないが、現状の成長が続くということを前提にしているようだ。

しかし、2050年まで、いまと同じようなバカな政治を続けるという前提が間違っているのだから、この試算は意味がない。

前提を変えることこそがいまのわれわれの責任である。そして、変えるのは簡単だ。政界からバカを追放すればよい。

こんな簡単なことを何で新聞は分からないのだろう。政界もバカだが、こんなモノを無批判に、最悪の現状を維持するという前提を受け入れる新聞はタチが悪い。分かってやっているなら、犯罪。分からずにやっているなら真性のバカだが、重過失であり、責任は逃れられない。

もともと新聞もテレビも反権力、弱いモノの味方であったはずだが、最近は徹底して市場原理主義者の洗脳マシンに成り下がっている。

毎日、市場原理至上主義の記事を垂れ流しているうちに、自ら洗脳されてしまったわけだ。

今日の朝刊を見て笑えた人は健全である。

えーっ、そんなに上がるの、とか、社会保障制度の維持のために仕方がなかろう、と感じた人は洗脳がかなり進んでいると自覚すべきだ。

ついでに数値を見ておくと、

2050年には追加財源が最大50兆円必要になるので、消費税額は18%になるそうだ。2050年のGDPはいくらになっているのか記事からは分からない。が、政策転換を行って(前提を変えて)、世界平均並みの経済成長(たったの5%)を日本が取り戻せば、

現状のGDP500兆円は2050年には3800兆円になる。追加財源の50兆円など屁のようなものになる。

人口はどうやらあまり増えない可能性があるので、一人当たりのGDPの分け前は今後どんどん増えていく。ヘタをするとカネがあまりすぎて、個人も豊かになり、社会保障の負担も給付も要らないというくらいのところにも行けるくらいだ。

つまり、今朝の朝刊のような試算は典型的な落第の答案。恥ずかしくて外国人に見せられない紙面だ。学力低すぎ、そのような試算をしたという人間の貧相な価値観そのままだ。

いまの日本はあらゆるところで情けない試算だらけだが、年金の試算はその中でももっともできが悪い。嗤うしかない。無視しすべきではあるが、こういう試算を見て将来を悲観して自殺する人もいるかも知れないので、嗤うところであるとわざわざ書いておこうと思う。  

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2008年05月13日

しっかりしてよ、民主党

民主党の「次の内閣」で外務副大臣を担当している武正公一衆議院議員らが来沖、知事らと面談。「沖縄ビジョン」を改定するという記事が今日の夕刊両紙に出ている。

その中の二人と酒をのんだ。

衆院解散についてはわたしは来年の任期切れまでないのではないかと思っているが、今秋、来年1月にも選挙がありそうという。

それはいいとして、財政について強力にカネを刷るべきである、その勉強を民主党はやるべきである、と申し入れた。

このブログで何度も取り上げた宍戸駿太郎氏と大田弘子経産大臣の公開討論について「知りませんでした。自見さんに早速聞いてみます」というのには驚いたが、

「それを機に日銀からカネを借りて財政にぶち込むといった積極財政に転じてもらいたい」

「聞くところによると政府はカネがないので那覇空港の増設はPIで決まった1300m沖合いでなく、数百m沖合でお茶を濁すというバカな話も出ている。3年がかりのPIは何だったのか」

「オレが景気を良くするとなぜいまの政治家はいえないの」

という話をしてある。しっかりしてよ民主党。選挙したら票は集まりそうなのに大丈夫かね。  

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2008年05月10日

大学ではカネを刷れと教えている

 今日は久しぶりに大学の先生と楽しい話ができた。
 
 スティグリッツ先生が教科書の中で「日本に『カネを刷って財政赤字を埋めろ』と書いてあるじゃないか」といったら、「その通りですよ」と適当に要約すると次のように話した。
 
 「ボクはマンキューの教科書を使ってますが、それにもデフレときにはカネを刷って財政支出すべきとありますよ。
 道路整備も2兆円くらいの話でしょう。後期高齢者医療制度もわずかな財政負担でしょう。
 日銀副総裁候補になった伊藤先生はインフレターゲティング論者で、インフレにして借金の重みを減らすという人で、本来なら民主党は反対すべきじゃなかったですよねえ」
 
 「わはは。オレもインフレターゲディングの話は詳しいよ。亀井静香勝手連の掲示板のコテハンで、随分書き込んでいたことがある。荒らしがひどくて、管理する限界を超えたのでなくなったけど。で、そのカネを刷れという話は大学でちゃんと教えているの」
 
 「1年生ではそこまで行きませんが、2年目、3年目にはカバーしますよ」
 
 「じゃ、大学でまともな経済学をちゃんと教えているのに何で卒業したら小泉構造改革支持者ばっかりになるの」
 
 「うーん。大学で学んでいることと現実社会が無関係だと思いこんでいるんじゃないでしょうか」
 
 「それじゃあ、どの政策が望ましいかも分からない可能性があるんじゃないの。いま、緊急経済対策が必要だといっているのは国民新党だけじゃない」
 
 「国の借金が800兆円だったら、緊急経済対策の20兆円くらいどうってことはないですよね。それでデフレから脱却するなら安いですよ」
 
 「オレも20代じゃ、政治に興味はなかったし、経済学も知らなかったけどね。でもいまスティグリッツの入門書を読んでも、初めて聞いたという話はあまりなかった。カネを刷れ、の話も含めて。先生もっと大きな声で、いろんなところでまともな経済学の話をすべきでないの」
 
 「もちろん。そうしてます」
 
 …
 
 というわけで、わたし一人でカネを刷れといってるわけじゃないのだ。  

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2008年05月02日

宍戸駿太郎vs.大田弘子の公開討論、GW明けに実現

宍戸駿太郎vs.大田弘子の公開討論が連休明けの予算委員会でTV中継を入れて実現するそうだ。(神州の泉)

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_d22b.html

日程は未定。釘付けになってみなければ。これを機に大田弘子はお払い箱にして福田首相が政策転換すれば、めでたいのだが。

宍戸先生の主張は動画で見られる。(日本経済復活の会)

http://www.tek.co.jp/p/meeting_past/video_043_s.html

を参照。講演の最後の方で日本経済の成長シナリオが世界各国にどのように影響するか、主要国のマクロ計量モデルとリンクして調べた結果についても言及、中国やアメリカ経済に多大な恩恵を与えるとしている。

(会社の古マックではとぎれとぎれにしか見れなかったが、3月に出たMacbookが使えたので改めてストレスなく見た。非常に面白い)  

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2008年04月30日

カネを刷れという教科書の忠告

神州の泉で快調に続いている小野盛司氏の論説の整理。全部読むべきだ。

カネを刷れという主張が中心になっているが、これは世界中の経済学者が日本に忠告しているデフレ脱却策でもある。

ちなみに世界中で最もよく読まれている経済学の教科書の一つ、スティグリッツ「入門経済学」(第3版)(2005年4月第一刷、東洋経済新報社、藪下史郎他訳)のコラムに、日本のデフレ脱却のための戦略として次の記述がある。

================

 別の戦略として、財政赤字の一部を、紙幣を印刷して調達することがある。もちろん、過剰な紙幣の印刷が急激なインフレーションをもたらす恐れはある。しかし、それは、紙幣の印刷が物価に上昇圧力を加えるということを強調した言い方にすぎない。したがって、適切な額の紙幣を印刷すれば、財政赤字の資金調達をするための借入れによって政府が負う負担(日本の国債残高の対GDP比は140%を超えており、先進工業諸国ではもっとも高い国の一つとなっている。そのため、この負担はますます大きな問題となっている)が軽減されるだけでなく、デフレーションから緩やかなインフレーションへの逆転をも可能にするのである。これは実質利子率を低下させ、投資を刺激し、経済にさらなる刺激を与えるであろう。

(スティグリッツ「入門経済学」第3版、480‐481ページ)(続きを読むにコラム全体を引用)

================

 もっとも、スティグリッツは日本経済が2003年から回復に向かったとして、上に続けて
 
「このような戦略が試される機会が生じる前に、日本の景気回復が始まった。」
 
 といっている。2008年の現状をみれば、日本の景気回復はまだまだ著にもついておらず、カネを刷れという政策はまだまだ撤回すべきでないだろう。この判断はフライングだと思う。財政再建のためにこの状況で消費税を上げなければならないというおバカな政治家がいる間は、景気回復に向かったという判断はできない。なお、スティグリッツは財務省の講演でも同じ主張を行っている。

http://www.mof.go.jp/singikai/kanzegaita/giziroku/gaic150416.htm

 を参照。

====================

小野盛司氏の明快な積極財政論(1〜15)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1953002.html

道路建設費60兆円はさっさと使え(16〜29)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1988153.html

シミュレーションで決着はついている(30〜51)
http://toguchiakira.ti-da.net/e2046467.html

52.国民はいつまで騙され続けているのか−内閣府が乗数表を公表−
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_e523.html

53.内閣府の経済モデルは過去の日本経済を説明できるのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_10bd.html

54.デフレ下で消費税増税をさせてはいけない
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_5a70.html

55.労働はロボットに、人間は貴族に
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_129b.html

56.内閣府の試算と日本経済復活の条件
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_bf88.html

57.宍戸vs大田大臣の公開討論会はどうなったのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_081d.html

58.IMF委 共同声明 景気刺激へ財政政策を
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/imf_d4bb.html

59.生産性向上が国を豊かにする。国がお金を使わないと生産性は向上しない
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_80ea.html

60. 未来の医療はどうあるべきか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_ff0e.html

61.マスコミは誤った世論誘導をやめよ
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_bc55.html

62.経済を良く理解している国会議員に期待しよう
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_7d85.html

63.無益な経済論争をいつまで続けるのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_518a.html

64.国益を考えてみよう
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_b555.html

65.山口補選で国民の審判は下った。政府は国民の声を真摯に受け止めよ
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_5dfc.html

66.ガソリン暫定税率と高齢者医療で明らかになった民意
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_2444.html

67.一流でなくなった経済を一流に戻すには何をすべきか
一流でなくなった経済を一流に戻すには何をすべきか

68.報道2001での与謝野馨氏の発言について
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_4c82.html

69.消費を伸ばすには1500兆円の個人金融資産を「活用」すればよいのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_84e4.html

70.暮らしに対する不安感が高まっている—内閣府調査—
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_82e0.html  
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2008年04月11日

南堂さんに拍手

見事な解説だなあ。南堂久史氏のガソリンの暫定税率廃止と後期高齢者医療制度について。

泉の波立ち
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm

の「ニュースと感想(4月12日)」参照。  

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2008年04月10日

国民を騙すシミュレーション

 政府の経済運営が間違い続けていると述べてきた。その根拠はまともな経済理論に基づくなら、デフレのいまは減税、公共事業の拡大、利下げを行うのが定石だからだ。高校の教科書にもそう出ている。景気の変動には様々な要因があるが、考えられるあらゆる要因を組み込んで経済モデルをつくり、コンピュータでシミュレーションするという方法で、現実経済の動きをかなり予想できるようになる。このようなモデルは民間・政府を問わずいくつもの経済研究所や研究機関が活用している。市販のソフトにも有力なものがあり、たとえば東洋経済新報社から出ているエコノメイトなどがよく活用される。また、日本経済新聞は日経NEEDSというモデルを持っており、これが現実経済をよく説明できることから、さまざまなシンクタンク、研究所で活用されている。
 
 政府も独自にモデルを持っているわけだが、これもかなり現実経済を予想できる優れものだ。ところが、それをまともに使うと、構造改革が間違いだったということがばれてしまうため、最近になって内部をいじって、構造改革が正しいという細工をしていたことが発覚した。(下に引用)
 
 このような細工をするということは、政府は自分自身が間違った政策を継続していることを自覚しているということに他ならない。
 
 つまり、経済理論としては構造改革派間違いだが、間違いと国民に気づかれたら大変なことになる、政権を失う、仕返しされる、経済苦を理由に死んだ人が浮かばれない、という経済とは全く関係がないことを恐れて間違い続けているとしか考えられない。
 
 こんなバカな政治は早くやめさせるべきである。このブログで何度も言及している「神州の泉」で小野盛司氏が内閣府シミュレーションの細工について詳述している。

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内閣府の試算と日本経済復活の条件(小野盛司)
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_bf88.html

(前略)
 2005年の経済シミュレーションには、「構造改革を行わなかったら、こんなに経済が悪化する」という試算が添えてあった。構造改革の意義をPRしようとしたのだが、明らかに国民を騙す試算だ。確かに急激に経済の悪化する試算になっていたのだが、よく見ると実質長期金利が7%にまで上がるという前提になっているのだ。7%まで金利を上げれば、景気が悪くなるのは当たり前で、これは構造改革をやるかやらないかを試した試算ではなく実質、金利を上げればどれだけ景気が悪くなるかを示したにすぎなかった。

 積極財政を行えば景気は良くなるが、すぐに金利が上がって、国の利払いが増え、財政が悪化するから、景気は絶対によくしてはいけないというのが、政府(内閣府)の論理だ。しかし、日銀が金利を抑えれば、金利は上がらず、財政も改善し続けるはずだと我々は政府を追及した。内閣府の試算に従うと確実にそうなる。これには、政府(内閣府)は反論できなかった。

そこで内閣府は驚くべき行動に出た。内閣府の経済モデルを自分たちに都合の良いように変えることだった。国民を更に騙し続けるため、内部の関数を変えてきたのだ。こんなことをすれば、どんな結果でも出せる。設備投資の関数と物価・金利の関係を示す関数をメチャクチャに変えてきた。結果はどうなったか。金利引き上げの影響に関するデータで言えば、2006年の試算では1年目の潜在GDPの減少幅が0.14%であったのに、2007年では0.01に減った。なんと14分の1にまで減らしたのだ。よくやるよと、呆れて物が言えない。ここまでやって国民を騙し続けるのかと怒りがこみ上げてくる。

 つまり、2006年の内閣府のモデルでは、景気対策と金利に低め誘導で、景気は回復し、財政も健全化してしまうので、景気対策が悪いと言えなくなってしまう。そうするとそれまで行ってきた政府の政策が間違えていたことになるので、モデルを作り替えてしまったのだ。2007年からのモデルでは金利低め誘導の効果を激減させた結果、景気対策と金利低め誘導を行っても、財政健全化は最初の2,3年だけで、それ以後は財政が悪化すると主張し始めた。我々の追求が無かったらこのようなモデルの作り替えを行うことはなかっただろう。積極財政で財政が健全化することに、国民が気付かなければ、今までの政策が間違いだったことを隠し続けることができるのだから。
(後略)

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 わたしも「神州の泉」に出張して小野先生の記事にコメントをつけたら、それに回答をもらった。ぜひ、一連のエントリに目を通して欲しい。

 「脳死状態」と週刊誌に書かれている福田首相がなぜ政権にしがみついているのかは上のような事情があるからに違いないと思う。自分が間違っていたことが分かればさっさと謝って方針転換すべきだが、それができないのなら、倒すしかない。早く選挙やれ。本当に腹が立つ。役に立たない日銀総裁人事なんかどうでもよい。「かわいそうなくらい翻弄された」のは国民の方だろ。日銀総裁になれなかった人なんか、全然かわいそうくないよ。

 なお、民主党が勝っても期待できないのであるが、いままで正統なことをいってきたのに、小泉政権以降、弾圧を受けてきた政治家、官僚、経済学者らが復権する可能性が少しでもあるなら、その方がズーッとよい。実際にこのままの市場原理至上主義では国民はますます不幸になると警告していた、真の愛国者と呼べる人たちがいくらでもいるのである。  

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2008年04月07日

アメリカの「生活できる賃金」

今日のNHKクローズアップ現代はよい作品だった。

自治体が委託施設の清掃などの賃金を上げることで、雇用を生み、所得が発生することで税収が増え、逆に生活保護などの社会保障費が減少、地域が活性化するという例を取り上げていた。キャスター国谷さんの問題意識は正解であり、解説を加える武藤教授も真摯な経済理論を展開していた。

ずーっと前から述べてきた、予算を競争入札などで安く抑え節約するのではなく、逆に増やすことによって国民の生活が豊かになる上に景気が回復、税収も増えるという典型的な実例であった。

念のためNHKがUPしている放送内容は次の通り(この説明はいわばイントロで結論にはなっていないが、番組内容は上のようなものであった)。

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4月7日(月)放送
官から民へ
  揺れる“委託の現場”

いま、全国の自治体施設の半数以上を民間が運営。学校給食から事務まで、あらゆる自治体業務が民間に委ねられようとしている。しかし、コスト削減の中で、賃金低下や解雇に直面する人たちも生まれている。関西のある市では、市の嘱託職員が民間企業のもとで個人事業主として働くことになった。ある政令指定都市では、最低賃金レベルで入札しても仕事を取れず、会社の半分の従業員が解雇に直面する事態も生まれている。自治体がワーキング・プアを作り出してはならないと、アメリカでは、自治体関係の仕事をする人たちに「生活できる賃金」を払う条例が100を超える市や町で制定されている。コスト削減と地域の雇用をどう両立させるのか、民間委託で生まれる課題について考える。
(NO.2561)

スタジオゲスト:武藤博己さん(法政大学教授)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0804fs.html

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2008年04月03日

後期高齢者医療制度の哀れ

佐々木洋氏のメルマガ「10秒で読む日経」(08年3月28日付)
http://archive.mag2.com/0000102800/20080328111000001.html

に後期高齢者医療制度について、出色のコメントがあった。

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佐々木の視点・考え方

★4月から医療制度が変る。主な変更は高齢層だ。内容は、

・65〜74歳の高齢者の国民健康保険料を年金から天引き
・70〜74歳の患者の窓口負担を1割から2割に引き上げ

・75歳以上の人を「後期高齢者」と呼び、ほかの世代と切り離した医療保険制度に加入することになる。
 新制度では、75歳以上の人は今まで入っていた保険を脱退させられるため、夫75歳、妻70歳の場合は、これまで同じ保険制度だったものが別のシステム、医療体制になる。

・75歳以上のすべての人から保険料を徴収。年金額が月1.5万円以上の人は保険料を年金から天引き
 これまで扶養家族として支払い義務がなかった約2百万人の高齢者が、新規で保険料を払わなければならなくなる。
 高齢者の大多数が、収入は年金からに頼り切っている。この年金から天引きするシステムのため、手取り可処分所得が減る。

・保険料滞納者からは保険証を取り上げ、資格証明書を発行病院の窓口でかかった医療費を全額(十割)支払うことになる。
 1年以上保険料を滞納すれば、保険証を取り上げられ、代わりに資格証明書が発行される。保険料滞納者は、唯一の収入の年金が少なくて個別納付しているのだから、実質的に病院に行くことが出来なくなる。

・後期高齢医療制度は診療報酬を現役世代とは別建てにして、保険で受けられる医療に制限をつける等を予定している。
 社会保障審議会特別部会の「診療報酬体系の骨子」によると、新制度で75歳以上が受けられる医療は、「治療の長期化が見られる」「いずれ死を迎える」と特徴づけ、それに見合った格安の医療にとどめることを求めている。
 後期高齢医療制度の保険料は、健保・国保など現役世代の医療保険からの支援が40%、国・自治体負担が50%、被保険高齢者自身の負担が10%となっている。
 この記事の保険料とは、10%を占める高齢者の負担額が、各自治体でどう変るかを示したもの。
 保険料は2年ごとに改定される。しかし、この制度の目的が高齢者医療費の削減であるため、改定のたびに後期高齢者の保険料を徐々に増やして行く予定。

★このメルマガの読者で後期高齢医療制度に該当する人はかなり少ない。だから、「しょせんひとごとでしょ。」と思われたろう。
 それは間違い。この制度の本質はこうだ。
 両親や祖父母がシビアな状態になったとき(残念ながらいつかは必ずやって来る)に、医師から「保険では出ませんので、退院してください」とか、「ICUから出てください」と言われる事になる。
 その時、「幾ら高額でも、医療費を10割全額現金で支払いますから両親や祖父母に医療を受けさせてください」と、あなたが言える(それだけの経済準備をしている)か、言えずに「親に満足な医療を受けさせてやれなかった」と後で後悔し続けるかのいずれかの立場に、あなたがなるということだ。

 「老後の準備」には、こうした現状への対応も含めなければいけない。

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 「シッコ」や「貧困大陸アメリカ」で見た市場原理主義に基づく医療制度の典型例が後期高齢者医療制度というわけだ。満足な医療が受けられず哀れに死んでいくお年寄り。それを後悔し続ける若い世代。これが何代も続くとどんな国になるのだろうかと思う。こんな制度は早く取り消し、今まで通りにすべきだ。これが改革とは…。解決策は今まで何度も述べたように積極(以下略)  

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2008年03月31日

アメリカのほうがまともだ

日本は緊急経済対策が必要であることを、正しく認識しているヒラリー・クリントン候補。確かサブプライム問題でも12兆円プラス4兆円前後の財政出動すべきと1月には主張していたと思うが。その後ブッシュが16兆円出したんじゃなかったけ。アメリカのほうがまともだ。

週刊誌には福田首相は脳死状態と出ているが、週刊誌がまともな経済政策に気がつくのが新聞より早いかも知れない。

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クリントン氏、「米経済は日本病」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080328AT2M2703S27032008.html

 【ワシントン=藤井一明】「日本のような状況に陥るのかもしれない」。米大統領選で民主党候補の指名獲得を争うヒラリー・クリントン上院議員が27日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、現在の米国経済の苦境を日本のバブル崩壊になぞらえた。

 クリントン氏は同紙との会見で「奥の深い経済の問題を金融政策だけで乗り越えられるとは思わない。それは日本が何度も何度も試みたことだ」と主張。米連邦準備理事会(FRB)の利下げだけではなく、公約に掲げる米連邦住宅局(FHA)による住宅ローン債権の買い取りなど政府の対策を追加しない限り日本の失敗を繰り返すとの判断を明らかにした。

 外交面では日本への言及が少ないクリントン氏だが、経済面では「日本病」を教訓にすべきだとの見方を示した。(「日経ネット」3月28日07:03)
 
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ヒラリー・クリントンの発言より少しあとに、こんなニュースも

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ブッシュ米大統領:住宅ローンの借り手救済策を拡充へ−ラジオ演説
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aNwKEMA2tRfI&refer=jp_news_index

3月29日(ブルームバーグ):ブッシュ米大統領は29日のラジオ演説で、住 宅保有者が自宅差し押さえを回避できるよう米政府が救済策を拡大することを明らかにした。大統領は借り手のローン借り換えの支援策を拡充する方針。

 ブッシュ政権はこれまで、公的資金の活用などに反対してきた。29日付の米紙ワシントン・ポストによると、検討中の計画はローンが住宅価格を上回っている物件が対象。米連邦住宅局(FHA)が銀行に債務の一部免除を促し、政府の支援で 従来よりも少額のローンに借り換えを行う。

 ワシントン・ポストによれば、住宅保有者は自宅にとどまることに同意するとともに、新たなローンを支払う能力を必要とする。金融機関の合意も必要。

 また、ブッシュ大統領はラジオ演説で、戻し減税(税還付)について言及し、「すべての米国民が米内国歳入庁(IRS)からの知らせを楽しみにしているわけではないが、過去数週間に国民の多くにIRSから良い知らせが届いている」と述べ、数百万人の国民に間もなく税還付が実施されると強調した。(「ブルームバーグ」08/03/30 09:43 JST)

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2008年03月30日

シミュレーションで決着はついている

だいぶ間が空いたが、「神州の泉」に精力的に投稿が続いている小野盛司氏の論説のリンク集。経済予測の方法はいくつもあるが、さまざまな変動要因をコンピュータに組み込んで計算するという手法がある。これを使うと、減税や消費税増税、財政支出や円高で景気がどう変動するかが精密に分かる。シミュレーション結果をもとにした、経済政策である。景気対策では構造改革とか緊急経済対策とかいろいろな政治家、エコノミスト、著名人が相反することを述べているが、とっくに決着はついている。基本的には多くの経済学者が唱える需要拡大策こそがが正解である。全部読むべきだ。

小野盛司氏の明快な積極財政論(1〜15)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1953002.html

道路建設費60兆円はさっさと使え(16〜29)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1988153.html

30.「なぜ財政赤字なのにインフレにならないか、国債は暴落しないのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_7d58.html

31.「(続)政府による経済予測計算の偽装」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_25ea.html

32.「アメリカが圧力をかけて日本に景気対策をさせないようにしているのか?」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_2c7a.html

33.「国の借金が大変なら日銀が買い取れば良いと世界を代表するエコノミストが提言」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_f921.html

34.「日銀は、なぜ国の借金を買い取らないのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_737f.html

35.「杉並区は75年後は無税?無税国家とは?」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_7d07.html

36.「貿易赤字になると輸入ができなくなるのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_4fde.html

37.「環境問題に対する正しい考え方」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_cdf4.html

38.「構造改革、不良債権処理が終わって、景気は回復したか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_0506.html

39.「政府よ、企業に賃上げの圧力を掛けるのをやめよ」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_2f01.html

40.「財政と金融の分離、日銀の独立性について」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_872e.html

41.「積極財政の経済シミュレーションと、その驚くべき結果」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_ee7d.html

42.「宍戸駿太郎vs大田弘子大臣 公開討論会で時代が動く」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_bce8.html

43.「ドル急落、円95円台、株急落、政府は日本経済を見殺しにする気か」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_79f1.html

44.「日銀総裁人事の議論で欠けるもの」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_680f.html

45.「景気が「踊り場」入り?? デフレとは大不況を意味するのに!」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_76e0.html

46.「外国人の日本株離れ鮮明」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_d0d8.html

47.「日本経済の4重苦:円高、株安、原材料高、米国不況」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_44e2.html

48.「景気悪化を放置する政府」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_0ed0.html

49.「出版記念パーティーの開催」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_5980.html

50.「積極財政に関する質問に対する福田首相の答弁書」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_9ccf.html

51.「どうやれば「お金を刷る」ことができるのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_627b.html  

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2008年03月22日

若者が旅行しなくなったというJTB調査

JTBの調査で、年収が減って20代の若者の海外旅行が減ったが、意外に費用の安い国内旅行が旺盛だという結果がでている。

株式会社ジェイティービー
「20代若者の旅行動向調査」(PDF:272KB)
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=821

日本人の旅行需要は海外が伸び悩み、旅行先も近場にシフト、消費金額もどんどん減っていた。それについて、下のような予想や分析をこれまで述べた。

ハワイに行けなくなった日本人(HP沖縄観光ニュース)
http://www.sokuhou.co.jp/backno2/732.html#t2

不況でハワイに行けなくなった日本人(このブログ内)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1780710.html

ハワイに行かなくなった日本人(このブログ内)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1799325.html

1997年に何が起こったのか(このブログ内)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1799325.html

国民所得が増えずに、多くの国民の年収が減れば、国民生活に定着した旅行は、取りやめにするよりも旅行費用を減らすことになったというのがわたしの考えだ。その結果がここ20年来の全国のホテル旅館の閉鎖、航空・旅行会社の経営不振になって現れていると思う。

ところが、JTB調査ではなかなかそこまで踏み込んだコメントがなかったように記憶している。旅行総消費額はすこし減少したり、反転したりして、長期的には減少傾向だが、ごくわずかなため目立たなかったのだろうか。しかし、20年前に比べるとドーンと落ちた。また、前年より旅行者数がわずかでも拡大すると、景気が回復しているからだと分析していた。

冒頭の調査では、旅行に行かない理由は①お金がない等金銭的理由、②休みが取れない、③一緒に旅行したい人とのスケジュールが合わない、だった。と紹介した上で「有給休暇が取りにくい、休暇を取ると年収が減るなど旅行に出かけるために休みが取りにくい状況が増えてきている」と珍しくコメントしている。

つい最近まで、若者が旅行に出かけ、旅行・観光産業をリードしていた。様変わりである。旅行会社・航空会社はマクロ経済の回復をもっと政治に求めるべきではないだろうか。  

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2008年03月18日

今こそ金を刷れ

IMFが積極財政策で世界恐慌を乗り越えなければならないとする記事(少し古いけど転載。下線はわたし)。

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IMF筆頭副専務理事:金融危機対応で財政出動を−利下げでは不十分
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=ajEJ6hYbVFa8&refer=jp_commentary

3月12日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)のジョン・リプスキー筆頭副専務理事は12日、世界的な金融危機に利下げで対応するには十分ではない可能性があるとして、各国に税制や財政出動を通じた政策を取るよう促した。

リプスキー筆頭副専務理事はワシントンでの講演で、「現在の環境では、金融政策の効果が過去よりも薄れるリスクがある。加盟各国には、一時的に財政措置を取る余地がないか検討するよう助言している」と述べた。

財政支出拡大の助言は、歳出抑制を勧めてきたこれまでのIMFの方針を転換するものだ。リプスキー筆頭副専務理事は米国の住宅ローン問題に始まった危機が今や「持続的かつ安定的な世界成長」を揺るがす「世界的な難題」となったと指摘した。

筆頭副専務理事はさらに、この問題に拍車が掛かるリスクがあると警告し、世界のシステムを安定させるには「断固たる」政策上の措置が必要だと強調した。

原題:IMF's Lipsky Sees Need for Fiscal Measures in Crisis (Update2)(抜粋) {NXTW NSN JXN1H51A74EA }

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 蒲原桂子 Keiko Kambara kkambara@bloomberg.net Editor:Masami Kakuta 記事に関する記者への問い合わせ先: Matthew Benjamin in Washington at mbenjamin2@bloomberg.net ; Christopher Swann in Washington at cswann1@bloomberg.net
更新日時 : 2008/03/13 09:52 JST

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上の記事の前に

IMF、アジア地域の財政支出拡大策を支持−日米欧への輸出鈍化で
http://toguchiakira.ti-da.net/e2019454.html

というのもあった。

IMFはスティグリッツ教授が徹底的に批判してきたが、方向転換している。

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IMF: 緊縮財政オマエモナー
http://cruel.org/economist/economistimf.html

IMF はいきなり財政刺激策のファンと化した。その新しい親分ドミニク・ストラウス=カーン——もとフランス財務大臣——は、世界恐慌の危機に対抗すべく、財政刺激をアメリカやその他の国で求めている。フィナンシャルタイムズでの最近のコメントで、ストラウス=カーンはこう語る:「中期財政政策は、要は雨が降り始めたとき(もしものとき)のために貯金しておくという話だ。でもいまは、実際に雨が降り始めているのだ」

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さらにこんなのもあった。アメリカのヘリマネの前兆のような記事。

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10秒で読む日経(3月17日付)
http://archive.mag2.com/0000102800/20080317114000000.html

★先週末に出たベア・スターンズの取り付け騒ぎも、JPモルガンが買収することで決着。

 昨年には147ドルの株価だったベアスターンズの株価も、先週末には30ドルと大幅に値を下げて感慨深いものだったが、この30ドルの15分の1の価格で買われる事となった。
 ベアスターンズの株式の3分の1は従業員が保有している。つまり、従業員の多くは自己資産と仕事の両方を一気に失うことになる。
 「自社株に投資してはいけない」というのは個人のリスク管理の鉄則だが、守れない人はこうなると言う格好の例。
 このディールで強かったのはJPモルガン。今回の契約には、FRBがベアスターンズのもつ流動性の無い資産の内300億ドルまで保障する内容のため、実際にはJPモルガンは実質的にマイナスの値段で同社を手に入れた事になる。
 FRBのバーナンキ議長は「ヘリコプター・ベン」のあだ名がある。「(日本のように)流動性危機の時にはヘリコプターで空からお札をばら撒くのが良い方法だ」との自説を持つからだ。
 このところの、アメリカの流動性危機では、いつバーナンキがお札をばら撒くのかと期待した人も多かったが、ずうっと期待を裏切って対策を小出しにしてきた。
 今回ようやく、局所的にお札をばら撒いたわけだ。


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これらの積極財政策は世界では当たり前のことと認識されていることが分かると思う。バーナンキ議長は前職のプリンストン大学教授時代から日本に対し、いろんなところで政府がカネを刷ってばらまけといっていたのは有名だ。

大田弘子vs.宍戸駿太郎
http://toguchiakira.ti-da.net/e2022980.html

が注目されると前に書いたのは、宍戸教授が世界の主流の経済学者と同様にデフレ時の積極財政を主張している日本の代表的な経済学者であるからだ。

引用の例のように世界的にデフレ不況の際には政府がカネを使わなければならないというのが常識だ。好況になれば不況時につぎ込んだカネは企業や個人がもうかって税を納めるので自然増収となって政府に戻ってくる。財源は印刷したカネでよい。

日本の歴史の中でもデフレに直面し、小判の改鋳をやって(金貨に混ぜる銀の比率を上げて通貨を増やした)、不況を乗り切った例が何度もある。日本史の教科書にも出てくる(ただし、デフレ解消後のインフレばかりが強調されているのは、大いに疑問だ)。

ところがいまの日本では(1929年の世界恐慌時の世界でも)、デフレ期に財政を引き締め(公共投資を減らし、政府収入を増やそうと増税して国民の所得を奪い…、道州制もこの文脈で進められている=政府にカネがないから地方は勝手にやってよ、緊縮的な予算を組んで財政建て直し至上主義をとり、規制緩和や生産性の向上で景気回復)を唱える大田弘子が世界の常識にどう反論するのか。これほど面白い見物はないと思う。

ところで、世界が協調して金融緩和や積極財政策をとることが、高い確度で予想できれば、絶対もうかる方法がありそうだ。世界恐慌の時にも暴落した株をどんどん買って富を増やした人たちがいたのではなかったか。あまり露骨なことはできないだろうが、日本政府、年金で積み立てたカネの運用で世界の株を買うチャンスじゃないのか。ついでに円高だし、いまこそカネを大量に印刷して準備すべきじゃないの。

<おまけ>

ついでにカネを刷って財源にすることをセイニアーリッジとかシニョレッジという。通貨発行益と訳す。これの正統性について、面白いやり取りがあるのでリンクを張っておく。

「通貨発行益(シニョリッジ)をめぐる勘違い」の勘違い
http://bewaad.sakura.ne.jp/index.rb?date=20050513#p01

江戸時代のデフレ期の小判の改鋳については日銀のホームページに次の記事がある。

貨幣の散歩道 第27話 米将軍吉宗と元文の改鋳
http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_27.htm  

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2008年03月15日

全国での開催を望む

昨日の首相が指示し、大田経済相が受けると宣言した

大田弘子VS.宍戸駿太郎

の公開討論は、今日の地元の新聞では1行も出ていないのね。

全国紙電子版もみても、どこも書いていないようだ。

大きなニュースだと思うのだが…。やや専門的な知識が必要なので、このやり取りの意味をすぐに理解できる記者は少ないかも知れない。

国会で大田弘子は宍戸駿太郎のマクロシミュレーションについて、公共工事の乗数効果が1.9と大きすぎる、政府の計算では変数を精査しており、こちらの方が正しい、


というようなことを言っていたが、もしこのような議論になるなら、政府のシミュレーションの方が間違い続き、宍戸氏らのシミュレーションの方が現実をよく説明しているということが証明される結果となるだろう。現に宍戸氏らのシミュレーションはこれまでの日本経済の不振の様子を見事に説明しているのだから。

面白いので、討論会は東京だけで、一回だけやるのではなく、地方住民やエコノミストやメディアの蒙を啓く意味でも、全国で複数回開催してもらいたい。世界で当たり前に行われている経済とは何かを住民に知らせるタウンミーティングとして復活させるべきである。  

Posted by 渡久地明 at 09:39Comments(0)TrackBack(1)