2008年07月12日
土井教授のホテルのプロムナード
HP「沖縄観光ニュース」を更新した。
「土井教授のホテルのプロムナード」1〜10を一挙掲載(08年7月12日)
<1>新年号から連載開始(web版の追記「土井先生との出会い」渡久地明)
<2>2008年の観光市場を展望する
<3>ホテル産業の採用の展望
<4>ホテルは人なり
<5>旅行社依存とホテル・サービス
<6>出張先では寝るだけで充分
<7>サービスとは何か(上)
<8>サービスとは何か(下)
<9>ブランド別、市場の細分化
<10>学校でのキャリア・デザイン指導
土井先生との出会い(web版への追記を転載)
土井教授は07年6月から一年計画で沖縄本島北部の名護市にマンションを借りて長期滞在し、計画通り一年後の08年6月30日に東京の実家へお帰りになった。
30年前、現在のJALプライベートリゾートオクマの開業スタッフとして、沖縄で仕事をした。その後、世界中で働き、70歳を過ぎて「戦後の日本人の幸福とは何だろうか、ということを沖縄で考えてみたい。それを残された人生のテーマにしたい」と表明された。
「観光とけいざい」をご覧になって、07年11月頃「あなたは頑張っている。友情の印に原稿をプレゼントしたい」といって始まったのがこの連載。年内に20回分のコラムをメールで受け取った。この間、那覇においでの際に朝食をご一緒したり、夜には泡盛を飲み、時にはカラオケをうたった。
6月29日に那覇市内で開かれた土井教授を囲んでの少人数のお別れの宴では、沖縄観光をどうするかという話を何時間も交わした。
「東京からたった2時間、これからも、いつでもおじゃまする」
とあいさつされ、お開きとなった。原稿はその後もどんどん届いているので、ご期待下さい。
(本紙編集長・渡久地明、2008年7月12日)
「土井教授のホテルのプロムナード」1〜10を一挙掲載(08年7月12日)
土井先生との出会い(web版への追記を転載)
土井教授は07年6月から一年計画で沖縄本島北部の名護市にマンションを借りて長期滞在し、計画通り一年後の08年6月30日に東京の実家へお帰りになった。
30年前、現在のJALプライベートリゾートオクマの開業スタッフとして、沖縄で仕事をした。その後、世界中で働き、70歳を過ぎて「戦後の日本人の幸福とは何だろうか、ということを沖縄で考えてみたい。それを残された人生のテーマにしたい」と表明された。
「観光とけいざい」をご覧になって、07年11月頃「あなたは頑張っている。友情の印に原稿をプレゼントしたい」といって始まったのがこの連載。年内に20回分のコラムをメールで受け取った。この間、那覇においでの際に朝食をご一緒したり、夜には泡盛を飲み、時にはカラオケをうたった。
6月29日に那覇市内で開かれた土井教授を囲んでの少人数のお別れの宴では、沖縄観光をどうするかという話を何時間も交わした。
「東京からたった2時間、これからも、いつでもおじゃまする」
とあいさつされ、お開きとなった。原稿はその後もどんどん届いているので、ご期待下さい。
(本紙編集長・渡久地明、2008年7月12日)
2008年05月08日
講義のメモ
月曜日(08年5月12日)の沖縄大学(藤澤宜広先生担当)での講義のメモ。当日までにやや手直しする予定。(追加済5月10日)
4月に琉球大学工学部で講義した際(何年か続いているので準備無しで行ってしもうた)、最新のMacbookを操作しながら、遠藤聡志先生が講義の面倒を見るというので、ネットで必要なところを開いてプロジェクターで映しだしてもらい、説明した。これが便利だったので、当日ここを開いて講義しようと思う。
(0)沖縄観光速報社と渡久地明略歴
http://www.sokuhou.co.jp/info/info.html
http://www.sokuhou.co.jp/
観光立国沖縄−成長の法則−
(2008年度「沖縄経済・企業論入門」)
(1)1972〜2003年
http://www.sokuhou.co.jp/library/okinawa-cycle.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/72-75.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/76-79.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/80-86.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/87-90.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/91-94.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/95-99.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/00-03.jpg
(2)この間の出来事
http://www.sokuhou.co.jp/library/30Syuyou.html
(3)2016年、1000万人の見通し(1998年、2006年)
http://www.sokuhou.co.jp/library/semilog.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/simatathi40.jpg
(4)沖縄県の目標
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/08-11-16.jpg?k=1210237471
(5)成長の法則(PDF)
http://www.sokuhou.co.jp/pdf/705.pdf
(html版を作成、追加)
http://www.sokuhou.co.jp/library/growththeory.html
(6)懸念材料もあるが…
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/98-06kaikyu.jpg?k=1210237471
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/89-97kaikyu.jpg?k=1210237471
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/GDP95-06.jpg?k=1210237471
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/vistor-arrival.jpg?k=1210237471
http://www.sokuhou.co.jp/library/kessan07-3.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/2010-crisis.html
(7)世界と沖縄
http://www.unwto.org/facts/eng/vision.htm
4月に琉球大学工学部で講義した際(何年か続いているので準備無しで行ってしもうた)、最新のMacbookを操作しながら、遠藤聡志先生が講義の面倒を見るというので、ネットで必要なところを開いてプロジェクターで映しだしてもらい、説明した。これが便利だったので、当日ここを開いて講義しようと思う。
(0)沖縄観光速報社と渡久地明略歴
http://www.sokuhou.co.jp/info/info.html
http://www.sokuhou.co.jp/
観光立国沖縄−成長の法則−
(2008年度「沖縄経済・企業論入門」)
(1)1972〜2003年
http://www.sokuhou.co.jp/library/okinawa-cycle.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/72-75.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/76-79.jpg
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http://www.sokuhou.co.jp/library/87-90.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/91-94.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/95-99.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/00-03.jpg
(2)この間の出来事
http://www.sokuhou.co.jp/library/30Syuyou.html
(3)2016年、1000万人の見通し(1998年、2006年)
http://www.sokuhou.co.jp/library/semilog.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/simatathi40.jpg
(4)沖縄県の目標
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/08-11-16.jpg?k=1210237471
(5)成長の法則(PDF)
http://www.sokuhou.co.jp/pdf/705.pdf
(html版を作成、追加)
http://www.sokuhou.co.jp/library/growththeory.html
(6)懸念材料もあるが…
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/98-06kaikyu.jpg?k=1210237471
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/89-97kaikyu.jpg?k=1210237471
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/GDP95-06.jpg?k=1210237471
http://img01.ti-da.net/usr/toguchiakira/vistor-arrival.jpg?k=1210237471
http://www.sokuhou.co.jp/library/kessan07-3.jpg
http://www.sokuhou.co.jp/library/2010-crisis.html
(7)世界と沖縄
http://www.unwto.org/facts/eng/vision.htm
2008年01月25日
3つの目標値の位置
本日、県の08年度の観光客の目標数値が出た。変更もあり得るという前置きがあったが620万人とわたしの予想610万人(暦年)を上回る目標を打ち出した。
これで11年度の目標720万人、16年度の目標1,000万人の3つがそろった。
これらが過去の観光客数の実績と未来予測のなかでどのような位置を占めるのか、グラフで示した。グラフの中の直線部分がわたしの予測(16年で観光客数は2倍になる=沖縄観光成長の法則)である。

今日は琉球大学で講義をしてきた。台風講座という沖縄らしい講義があるが、観光も台風と関係があるだろうということで、観光の話をここ10年くらいやっている。
で、台風と観光の話は本に書いてあるので、もっぱら沖縄観光成長の法則を解説するのだが、ついつい話は間違った構造改革の話になるわけだ。終了後、連れションをした学生が「いままで聞いたことのない話しで面白かったです」というので「それはありがとう」と応じた。いまの大学って、脱線話はしないのか?
本日の脱線ネタ(間違った構造改革の実例として)
・トヨタがアメリカで車を作るより、日本でつくった方がはるかに安い、政治的理由でアメリカでつくっている、とのアメリカの新聞記事
・職場で分援を提案したらクビになったので、裁判になったという話
・それまで禁止だった派遣会社の解禁でどんどん給料が安くなっている話
・景気が回復するといわれた郵便局の私物化は、全然景気に関係なかったこと
・97‐98年を境に年収400万円以下の層の増大と400万円以上の層の縮小
・ハワイに行けなくなった日本人(驚いたことにハワイに行ったことのある学生はゼロ、これから行く予定があるという人もゼロだった(50人中))
これで11年度の目標720万人、16年度の目標1,000万人の3つがそろった。
これらが過去の観光客数の実績と未来予測のなかでどのような位置を占めるのか、グラフで示した。グラフの中の直線部分がわたしの予測(16年で観光客数は2倍になる=沖縄観光成長の法則)である。

今日は琉球大学で講義をしてきた。台風講座という沖縄らしい講義があるが、観光も台風と関係があるだろうということで、観光の話をここ10年くらいやっている。
で、台風と観光の話は本に書いてあるので、もっぱら沖縄観光成長の法則を解説するのだが、ついつい話は間違った構造改革の話になるわけだ。終了後、連れションをした学生が「いままで聞いたことのない話しで面白かったです」というので「それはありがとう」と応じた。いまの大学って、脱線話はしないのか?
本日の脱線ネタ(間違った構造改革の実例として)
・トヨタがアメリカで車を作るより、日本でつくった方がはるかに安い、政治的理由でアメリカでつくっている、とのアメリカの新聞記事
・職場で分援を提案したらクビになったので、裁判になったという話
・それまで禁止だった派遣会社の解禁でどんどん給料が安くなっている話
・景気が回復するといわれた郵便局の私物化は、全然景気に関係なかったこと
・97‐98年を境に年収400万円以下の層の増大と400万円以上の層の縮小
・ハワイに行けなくなった日本人(驚いたことにハワイに行ったことのある学生はゼロ、これから行く予定があるという人もゼロだった(50人中))
2008年01月06日
720万人という県の目標の考え方について
去年の12月17日になるが、沖縄県は2011年までの観光客数の目標値を650万人から720万人に上方修正すると県議会観光振興委員会で表明した(第3次沖縄県観光振興計画素案)。
これに対して、数値の根拠がないとか、これまでの伸びをそのまま伸ばしただけとか、2016年の知事公約1000万人とつじつまを合わせただけ、といった批判が上がった(県内日刊紙2紙)。これに対して、「観光とけいざい」紙面でその批判はおかしいと述べたが、改めて別の観点から批判を加える。
沖縄観光の過去30年の経験では、毎年4〜5%成長するという、これまでの伸びを妨げる要因はこの先、あまり見当たらない。唯一の問題は那覇空港の滑走路不足だが、これは新聞が好きな自衛隊などの訓練の自粛で容量満杯まで2〜3年猶予がつくれる。自衛隊などに自粛を求めることこそ、沖縄の新聞の役割ではないのか。それが実現すれば、あと4年くらいの期間ならトレンドの延長で観光客は増えると考えて合理的だろう。
知事公約とのつじつま合わせ、という批判は、県がトップの公約を実行しようとしているのを、やめろと言っているようなもので、中央政府や他の県の知事が公約を破ろうものなら猛烈な批判を浴びせてきた新聞が、公約を守るのはおかしいといっているのと同じであり、血迷ったのかと思わせる批判である。
2016年に観光客が1000万人になるという予測はわたし(たち)が98年に「おきなワ世紀末」というケーブルテレビの番組で最初に公表し、後に「観光とけいざい」に収録したもの(トレンドが延長する場合のグラフを参照。このグラフ以外の主張には公務員を減らせとか冷や汗もの、というか非現実的な点もあるが、当時の世相を反映しているので、そのまま置いておきます)と同じ。
http://www.sokuhou.co.jp/library/2005.html
その後、06年に1000万人到達は18年から20年だろうと修正し、観光情報学会の雑誌『観光と情報』創刊2号に寄稿し、もちろん「観光とけいざい」にも再録してある。
http://www.sokuhou.co.jp/pdf/705.pdf
知事公約もわたしと同様な方法でトレンドを認識していたものと推測され、それほど大それた設定ではない。
また、650万人が720万人になることの根拠をもっと詳しく示すべき、という点については
『考える技術としての統計学』(飯田泰之著、NHKブックス、07年12月25日、920円+税)
に次のような記述がある。ガチガチの因果関係(回帰式)を求めるのは最初から困難であり、それよりも、経済学では過去のトレンドを延長する時系列分析の方が主流になっているという趣旨の考え方だ。
=========================
経済学の分野では1980年頃から、因果関係を重視する伝統的な回帰分析にかわって時系列分析が重視されるようになりました。時系列分析は、たとえば「明日の株価を予想するためには今日・昨日・一昨日の株価が参考になる」というように、あるデータの過去の状態から将来を予想します。これならば、説明変数はそれほど多くはなりませんし、説明変数を選ぶ際の悩みもせいぜい「どのくらい前の値まで含めるか」といった単純なものに置き換えることができます。(略)
1 時系列分析の思考法
前章では曜日と天気といったごく少数の説明変数によって居酒屋の来店者数を予想しましたが、本来、来店者数の予想はそれほど単純ではありません。来店者数は人の流れ、常連の気分、他店の状況や周辺でのイベントの有無など、それこそ無数のファクターからの影響が集約されています。前章のような因果関係の探求にもとづいた思考では、明日の来店者数を予想するためには、無数の説明変数を含んだ回帰分析を行わなければならないことになりますが……、データは無限にはないのでこのような回帰式の推計は困難です。
因果よりもまず予想
ここで「今日の来店者数はすでにわかっている」「今日の来店者数もまた無数の要因から決定されていた」ことに注目しましょう。
つまりは、今日の来店者数には、無数の要因に関する情報がつまっているのです。すると、明日の来店者数の説明変数として「今日の来店者数」を用いて、たった一つの説明変数で(それを決めている)無数の要因をも含む回帰を実行できるということになるのです。
時系列分析の革命的な割り切りは、根本的な因果関係……たとえば居酒屋の来店者数にもっとも大きな影響を与えているのは何か、経済成長の要因は技術なのか政策なのかといった問題に立ち入らないところにあります。因果関係を考えるためには、前章で説明したように理論的な仮説を立て、それを検証していくといった仮説演繹の方法諭が必要になります。しかし、このような「出発点となる仮説」が見あたらない、それにもかかわらず将来予想は必要だということも少なくないでしょう。
そこで登場するのが時系列分析です。「変化の要因」はわからないけれども「どのように変化しているか」については過去のデータという情報があります。つまり、変化の数学的な特徴のみに注目することで、因果関係をスキップした予想を目指すというわけです。
基本的な時系列分析では、「今日のデータが明日のデータに影響を与えている」「今日と明日の関係は明日と明後日、明後日と明明後日の関係と同じだ」という仮定のもと、時点間のデータの関係を推計します。これは予想以上に有用性の高い単純化です。
=========================
この本は経済学で使われる統計の手法について相当分かりやすく解説してあるので、お薦めである。
これに対して、数値の根拠がないとか、これまでの伸びをそのまま伸ばしただけとか、2016年の知事公約1000万人とつじつまを合わせただけ、といった批判が上がった(県内日刊紙2紙)。これに対して、「観光とけいざい」紙面でその批判はおかしいと述べたが、改めて別の観点から批判を加える。
沖縄観光の過去30年の経験では、毎年4〜5%成長するという、これまでの伸びを妨げる要因はこの先、あまり見当たらない。唯一の問題は那覇空港の滑走路不足だが、これは新聞が好きな自衛隊などの訓練の自粛で容量満杯まで2〜3年猶予がつくれる。自衛隊などに自粛を求めることこそ、沖縄の新聞の役割ではないのか。それが実現すれば、あと4年くらいの期間ならトレンドの延長で観光客は増えると考えて合理的だろう。
知事公約とのつじつま合わせ、という批判は、県がトップの公約を実行しようとしているのを、やめろと言っているようなもので、中央政府や他の県の知事が公約を破ろうものなら猛烈な批判を浴びせてきた新聞が、公約を守るのはおかしいといっているのと同じであり、血迷ったのかと思わせる批判である。
2016年に観光客が1000万人になるという予測はわたし(たち)が98年に「おきなワ世紀末」というケーブルテレビの番組で最初に公表し、後に「観光とけいざい」に収録したもの(トレンドが延長する場合のグラフを参照。このグラフ以外の主張には公務員を減らせとか冷や汗もの、というか非現実的な点もあるが、当時の世相を反映しているので、そのまま置いておきます)と同じ。
http://www.sokuhou.co.jp/library/2005.html
その後、06年に1000万人到達は18年から20年だろうと修正し、観光情報学会の雑誌『観光と情報』創刊2号に寄稿し、もちろん「観光とけいざい」にも再録してある。
http://www.sokuhou.co.jp/pdf/705.pdf
知事公約もわたしと同様な方法でトレンドを認識していたものと推測され、それほど大それた設定ではない。
また、650万人が720万人になることの根拠をもっと詳しく示すべき、という点については
『考える技術としての統計学』(飯田泰之著、NHKブックス、07年12月25日、920円+税)
に次のような記述がある。ガチガチの因果関係(回帰式)を求めるのは最初から困難であり、それよりも、経済学では過去のトレンドを延長する時系列分析の方が主流になっているという趣旨の考え方だ。
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経済学の分野では1980年頃から、因果関係を重視する伝統的な回帰分析にかわって時系列分析が重視されるようになりました。時系列分析は、たとえば「明日の株価を予想するためには今日・昨日・一昨日の株価が参考になる」というように、あるデータの過去の状態から将来を予想します。これならば、説明変数はそれほど多くはなりませんし、説明変数を選ぶ際の悩みもせいぜい「どのくらい前の値まで含めるか」といった単純なものに置き換えることができます。(略)
1 時系列分析の思考法
前章では曜日と天気といったごく少数の説明変数によって居酒屋の来店者数を予想しましたが、本来、来店者数の予想はそれほど単純ではありません。来店者数は人の流れ、常連の気分、他店の状況や周辺でのイベントの有無など、それこそ無数のファクターからの影響が集約されています。前章のような因果関係の探求にもとづいた思考では、明日の来店者数を予想するためには、無数の説明変数を含んだ回帰分析を行わなければならないことになりますが……、データは無限にはないのでこのような回帰式の推計は困難です。
因果よりもまず予想
ここで「今日の来店者数はすでにわかっている」「今日の来店者数もまた無数の要因から決定されていた」ことに注目しましょう。
つまりは、今日の来店者数には、無数の要因に関する情報がつまっているのです。すると、明日の来店者数の説明変数として「今日の来店者数」を用いて、たった一つの説明変数で(それを決めている)無数の要因をも含む回帰を実行できるということになるのです。
時系列分析の革命的な割り切りは、根本的な因果関係……たとえば居酒屋の来店者数にもっとも大きな影響を与えているのは何か、経済成長の要因は技術なのか政策なのかといった問題に立ち入らないところにあります。因果関係を考えるためには、前章で説明したように理論的な仮説を立て、それを検証していくといった仮説演繹の方法諭が必要になります。しかし、このような「出発点となる仮説」が見あたらない、それにもかかわらず将来予想は必要だということも少なくないでしょう。
そこで登場するのが時系列分析です。「変化の要因」はわからないけれども「どのように変化しているか」については過去のデータという情報があります。つまり、変化の数学的な特徴のみに注目することで、因果関係をスキップした予想を目指すというわけです。
基本的な時系列分析では、「今日のデータが明日のデータに影響を与えている」「今日と明日の関係は明日と明後日、明後日と明明後日の関係と同じだ」という仮定のもと、時点間のデータの関係を推計します。これは予想以上に有用性の高い単純化です。
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この本は経済学で使われる統計の手法について相当分かりやすく解説してあるので、お薦めである。
2007年10月31日
人の顔が見える観光情報システム
下のような観光情報システムを、昔、構想したことがある(最後の日付に注目して欲しい)。00年頃、おきなわ観光情報学研究会の先生方と公募に応募して、没になったこともある。それとは独立に実際のニーズに基づいて、中央ツーリストとJTAインフォコムがほぼ同じコンセプトの仕組みを最近、実現した。すばらしいと思った。理想に近く、現段階で完璧ではないだろうか。次のわたしの新聞で詳しく伝える予定。
最初のアイデアを述べた下の記事は沖縄観光ニュースのHPにも収録してある(図表付)が、検索しないと出てこない状態になっていた(まだ直してないけど)。以下、本文だけ再録。
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《観光週間ワイド特集/非日常からの発想/観光論文・標語法まる/高度情報化社会が旅行業に与える影響/観光情報システムを考える》
観光情報システムを考える ニューメディア・コンパニオン方式を…
■めんどうな操作
キャプテンなどのニューメディアを使った観光情報提供システムが、各方面で研究・実験されている。キャプテンには地方自治体としては長崎県がいちばん乗りで観光情報を組み込んだ。また、東京駅や大阪駅には、ボタンをたたけば、全国の主要な観光地の情報が得られる機械がある。
日本航空はJ‐VISSを開発して、全国の旅行社の窓口にこれを置いて、海外旅行のテレビ画面による紹介をしている。
いずれの装置も、基本的には利用者がボタンを操作し、テレビ画面の表示にしたがって、ほしい情報までたどりつくというものである。
情報(たとえば列車の時刻表や旅館の紹介)はテレビ画面にうつし出されるし、必要な場合はそれを印刷して出してくる。
ニューメディアによる情報の提供は一般にいま述べたようなものが多い。
しかし、よく考えてみるとこの方法ほど不親切なものはあるまい。その理由を次に示そう。
第一に、利用者自身に端末機器の操作をさせる点である。画面にあらわれたとおりのボタン操作をすればよいのだが、これかかなりメンドウである。
ニューメディアによる観光情報提供のいききつをふりかえってみよう。本来、旅行に出ようと考える人は、旅行ガイドブックや旅行会社の窓口で目的地の情報を手に入れていた。
これは実に簡単な方法である。ガイドブックを見て文字を読めばよい。あるいは旅行社の窓口にいる女のコにきけばよかった。
ボタン操作を利用者がしなければならない、というのは、利用者に余計な手間をかけることになる。
■ふれあいがない?
第二に、いうまでもないことかも知れぬが、機械には感情がない。だから、つまらない。人間的ふれあいがゼロであることはあたりまえのことである。
物理学の実験やお金の振り込みなどの場合には、機械を単に操作すれば目的は達成される。だから、人間的ふれあいなど必要はない。
だが、観光の場合、心のふれあいを大切にしているので、機械まかせ、は致命的な欠陥といわねばなるまい。
以上の二点が、観光情報システムを作りあげるときの問題点であろう。
現在のところこのほかに、出力までに時間がかかる、データがおおざっぱである、内容がパンフレット程度しかない、などの声も聞かれる。
だが、これらは技術や情報収集体制がととのえば自然に解決される問題である。
また、第一の理由であるボタン操作の手間は、人の声に反応する機械もそろそろ出てきたので何年かすれば解決されよう。あるいは、未来社会では、端末のボタン操作はだれにでも簡単にできるようになっているかも知れない。現代の人間が文字を書くのと同じくらいに。
解決がむずかしいのは第二の心のふれあい、に関してである。端末を利用者に操作させるという発想からは、この問題は解決できないであろう。では、旅行集でのニューメディア利用の方法にはどのようなものがあるか。
コミュニケーションの基本は人と人との対応である。だから、窓口で美しい女性が旅行客にアドバイスする、というのが一番よい。しかも、事務的な対応ではダメ、旅客を処理してはならない。仮りに旅客と対応する美しい女性をニューメディア・コンパニオン、略してNCとしよう。
端末のかわりに、NCをいろいろな場所に配置すればよい。とはいえ、ボタン操作の端末が便利なのは、小型であり、各家庭に置けるという点である。
■NCで一挙解決
ではどうするか。ニューメディアの使い方はここから発想したほうがよい。
電話あるいはテレビ電話でNCを呼びだして旅行情報を問いあわせる、という方法である。
NCは、細かな旅行情報をすばやく利用者に伝えるよう訓練を積まねばならない。
沖縄の観光情報を考える場合、このNCを、五十人くらいつくり、情報センターに常駐させる。朝から晩まで、問い合わせに応じさせるのである。うけこたえはさすが、といわれるほど親切でなければをらない。
情報は、NCが覚える必要はない。これは機械に覚えこませておく。問い合わせに応じてNCが機械を操作し、その内容を利用者に伝えるのである。必要に応じて、ハードコピーも作ればよい。
さらに、NCをセンターに常駐させる必要もない。センターには、情報の蓄積がある。NCは自宅やオフィスにいて、問い合わせがあったときにセンターのコンピュータを呼び出して知識を得ればよいのである。したがって、NCは、それほど費用をかけることなく大量に採用可能である。
最も便利なのは、県内の各旅行社やホテルの協力を得て、NCを選定してもらい、問い合わせを順番にふりむけることである。
通常は各社で日常の業務をNCは行なっているが、問い合わせがあったときにそれに応じるようにするのである。問い合わせの件数によって、NCに手当てを支払う方法をとることも可能である。こうすれば、問い合わせが少ない場合の経費も少なくてすむ。
以上をまとめると、次のようになる。
㈰利用者は、端末のボタンを操作するのでなく、NCに肉声で問い合わせる
㈪NCは各家庭あるいはオフィスにいて、問い合わせに応対する。
㈫NCはセンターのコンピュータを操作し、必要なデータを得る。これを利用者に伝えるのである。
㈬必要に応じてデータのハードコピーを利用者が得られるようにしておく。
だいたい以上がニューメデイア時代の観光情報の理想的な提供のしかたである。
以上の方法は、ニューメディアが発達しなければ解決できなかった問題を二つばかり解決している。
まず、旅行社の窓口に聞いても不明だった細かい情報を、センターのコンピューターを利用して明確にする点。
次に、電話での問い合わせは人手不足などの理由でむずかしかったが、各家庭やオフィスのNCに対応してもらう、という方法で解決している。
これらを図示すると次のようになる。
もちろん、利用者のなかには自分でボタン操作をしたいという人があるかも知れないので、その場合は直接、センターとつながるようにしておけばよい。データは専門の情報収集係がいて常に新しいものをとりそろえることはいうまでもない。
また、バンキングや予約も、少し工夫すれば可能であろう。(第244号、85年8月1日、本誌・渡久地明)
最初のアイデアを述べた下の記事は沖縄観光ニュースのHPにも収録してある(図表付)が、検索しないと出てこない状態になっていた(まだ直してないけど)。以下、本文だけ再録。
=========================================
《観光週間ワイド特集/非日常からの発想/観光論文・標語法まる/高度情報化社会が旅行業に与える影響/観光情報システムを考える》
観光情報システムを考える ニューメディア・コンパニオン方式を…
■めんどうな操作
キャプテンなどのニューメディアを使った観光情報提供システムが、各方面で研究・実験されている。キャプテンには地方自治体としては長崎県がいちばん乗りで観光情報を組み込んだ。また、東京駅や大阪駅には、ボタンをたたけば、全国の主要な観光地の情報が得られる機械がある。
日本航空はJ‐VISSを開発して、全国の旅行社の窓口にこれを置いて、海外旅行のテレビ画面による紹介をしている。
いずれの装置も、基本的には利用者がボタンを操作し、テレビ画面の表示にしたがって、ほしい情報までたどりつくというものである。
情報(たとえば列車の時刻表や旅館の紹介)はテレビ画面にうつし出されるし、必要な場合はそれを印刷して出してくる。
ニューメディアによる情報の提供は一般にいま述べたようなものが多い。
しかし、よく考えてみるとこの方法ほど不親切なものはあるまい。その理由を次に示そう。
第一に、利用者自身に端末機器の操作をさせる点である。画面にあらわれたとおりのボタン操作をすればよいのだが、これかかなりメンドウである。
ニューメディアによる観光情報提供のいききつをふりかえってみよう。本来、旅行に出ようと考える人は、旅行ガイドブックや旅行会社の窓口で目的地の情報を手に入れていた。
これは実に簡単な方法である。ガイドブックを見て文字を読めばよい。あるいは旅行社の窓口にいる女のコにきけばよかった。
ボタン操作を利用者がしなければならない、というのは、利用者に余計な手間をかけることになる。
■ふれあいがない?
第二に、いうまでもないことかも知れぬが、機械には感情がない。だから、つまらない。人間的ふれあいがゼロであることはあたりまえのことである。
物理学の実験やお金の振り込みなどの場合には、機械を単に操作すれば目的は達成される。だから、人間的ふれあいなど必要はない。
だが、観光の場合、心のふれあいを大切にしているので、機械まかせ、は致命的な欠陥といわねばなるまい。
以上の二点が、観光情報システムを作りあげるときの問題点であろう。
現在のところこのほかに、出力までに時間がかかる、データがおおざっぱである、内容がパンフレット程度しかない、などの声も聞かれる。
だが、これらは技術や情報収集体制がととのえば自然に解決される問題である。
また、第一の理由であるボタン操作の手間は、人の声に反応する機械もそろそろ出てきたので何年かすれば解決されよう。あるいは、未来社会では、端末のボタン操作はだれにでも簡単にできるようになっているかも知れない。現代の人間が文字を書くのと同じくらいに。
解決がむずかしいのは第二の心のふれあい、に関してである。端末を利用者に操作させるという発想からは、この問題は解決できないであろう。では、旅行集でのニューメディア利用の方法にはどのようなものがあるか。
コミュニケーションの基本は人と人との対応である。だから、窓口で美しい女性が旅行客にアドバイスする、というのが一番よい。しかも、事務的な対応ではダメ、旅客を処理してはならない。仮りに旅客と対応する美しい女性をニューメディア・コンパニオン、略してNCとしよう。
端末のかわりに、NCをいろいろな場所に配置すればよい。とはいえ、ボタン操作の端末が便利なのは、小型であり、各家庭に置けるという点である。
■NCで一挙解決
ではどうするか。ニューメディアの使い方はここから発想したほうがよい。
電話あるいはテレビ電話でNCを呼びだして旅行情報を問いあわせる、という方法である。
NCは、細かな旅行情報をすばやく利用者に伝えるよう訓練を積まねばならない。
沖縄の観光情報を考える場合、このNCを、五十人くらいつくり、情報センターに常駐させる。朝から晩まで、問い合わせに応じさせるのである。うけこたえはさすが、といわれるほど親切でなければをらない。
情報は、NCが覚える必要はない。これは機械に覚えこませておく。問い合わせに応じてNCが機械を操作し、その内容を利用者に伝えるのである。必要に応じて、ハードコピーも作ればよい。
さらに、NCをセンターに常駐させる必要もない。センターには、情報の蓄積がある。NCは自宅やオフィスにいて、問い合わせがあったときにセンターのコンピュータを呼び出して知識を得ればよいのである。したがって、NCは、それほど費用をかけることなく大量に採用可能である。
最も便利なのは、県内の各旅行社やホテルの協力を得て、NCを選定してもらい、問い合わせを順番にふりむけることである。
通常は各社で日常の業務をNCは行なっているが、問い合わせがあったときにそれに応じるようにするのである。問い合わせの件数によって、NCに手当てを支払う方法をとることも可能である。こうすれば、問い合わせが少ない場合の経費も少なくてすむ。
以上をまとめると、次のようになる。
㈰利用者は、端末のボタンを操作するのでなく、NCに肉声で問い合わせる
㈪NCは各家庭あるいはオフィスにいて、問い合わせに応対する。
㈫NCはセンターのコンピュータを操作し、必要なデータを得る。これを利用者に伝えるのである。
㈬必要に応じてデータのハードコピーを利用者が得られるようにしておく。
だいたい以上がニューメデイア時代の観光情報の理想的な提供のしかたである。
以上の方法は、ニューメディアが発達しなければ解決できなかった問題を二つばかり解決している。
まず、旅行社の窓口に聞いても不明だった細かい情報を、センターのコンピューターを利用して明確にする点。
次に、電話での問い合わせは人手不足などの理由でむずかしかったが、各家庭やオフィスのNCに対応してもらう、という方法で解決している。
これらを図示すると次のようになる。
もちろん、利用者のなかには自分でボタン操作をしたいという人があるかも知れないので、その場合は直接、センターとつながるようにしておけばよい。データは専門の情報収集係がいて常に新しいものをとりそろえることはいうまでもない。
また、バンキングや予約も、少し工夫すれば可能であろう。(第244号、85年8月1日、本誌・渡久地明)
2007年07月22日
新潟のリカバリー策
いま新潟中越沖地震の原発の様子を中心にしたTBSの報道特集が終わったところだが、最後に新潟県の泉田知事が観光地を訪れて、取れたての魚介類を観光客と一緒に食べ、風評に負けないよう頑張りましょうといった、と締めくくった。
ちゃんと聞いていなかったので、どこの観光地に知事が出向いて言ったか聞き取れなかったが、この「風評」については新潟はかなりしっかりした対応策を採っている。
観光情報学会が「風評」の伝わり方や「被害」への対策について、沖縄観光がテロの風評で落ち込んだ時から取り組んでいた。04年の新潟中越地震ではゆざわ観研が中心になって風評を抑え込むのに成功した。05年の沖縄大会では01年テロでの沖縄観光の風評被害について、パネルディスカッションで取り上げているし、06年には大内会長らの論文も出ている。
地震被害について、能登半島沖のケースを調べたところ、報道される件数も記事の長さも、最初にドーッと大量に出て、その後の記事の量は、一定の減少率で減少していったことが分かっている。
ゆざわ観研は04年の中越地震に際して、報道各社に対して、当初から被害だけの報道ではなく、元気に営業している観光地の様子も取り上げてくれと申し入れ、当初キャンセルが続出した観光客数は、3カ月後には完全に回復した。その間、報道機関や旅行社、口コミやインターネットなどあらゆる手段で、被災していない観光地に来てくれという声を組織的に出したという。
今回も新潟旅行のキャンセルが危惧されるが、冒頭で述べたように、地震後1週間という早い段階で、地元観光地が頑張っているというニュースが出てくるのは、これまでの取組の成果だと思う。
越後湯沢では6月に観光情報学会の全国大会が開かれ、新潟県副知事が来賓のあいさつを述べた。わたしも一泊してきた。
その後、7月13日にはゆざわ観研の岸野さんから、沖縄を直撃した台風の被害はどんなものか心配して問い合わせを受けたところだった。
「沖縄は無事でした」と返事をしたところに16日の中越沖地震だった。湯沢は深度3で温泉の営業には全く影響がないという返事をもらっていた。
被害は大きく、お見舞いを申し上げる。これを回復するには、多くの国民が予定通り、新潟を訪れることであると改めて提言したい。
ちなみに観光情報学会誌創刊号「観光と情報」(05年5月1日)には「強力にリカバリーを求めることが重要である‐中越地震風評被害に対する沖縄の経験と対策」(渡久地明)が出ている。沖縄のテロ時の落ち込みではわたし自身回復のための論陣を張ったし、台湾の地震で台湾観光協会とチャイナエアライン、SARSでは香港政府観光局、上海政府からの招待を受けてリカバリーのための記事を書いた。その間の実際とマスコミの対応についてレポートしたものだ。WEBでは未公開なので観光情報学会の許可を受けて、近く公開しようと思う。
ちゃんと聞いていなかったので、どこの観光地に知事が出向いて言ったか聞き取れなかったが、この「風評」については新潟はかなりしっかりした対応策を採っている。
観光情報学会が「風評」の伝わり方や「被害」への対策について、沖縄観光がテロの風評で落ち込んだ時から取り組んでいた。04年の新潟中越地震ではゆざわ観研が中心になって風評を抑え込むのに成功した。05年の沖縄大会では01年テロでの沖縄観光の風評被害について、パネルディスカッションで取り上げているし、06年には大内会長らの論文も出ている。
地震被害について、能登半島沖のケースを調べたところ、報道される件数も記事の長さも、最初にドーッと大量に出て、その後の記事の量は、一定の減少率で減少していったことが分かっている。
ゆざわ観研は04年の中越地震に際して、報道各社に対して、当初から被害だけの報道ではなく、元気に営業している観光地の様子も取り上げてくれと申し入れ、当初キャンセルが続出した観光客数は、3カ月後には完全に回復した。その間、報道機関や旅行社、口コミやインターネットなどあらゆる手段で、被災していない観光地に来てくれという声を組織的に出したという。
今回も新潟旅行のキャンセルが危惧されるが、冒頭で述べたように、地震後1週間という早い段階で、地元観光地が頑張っているというニュースが出てくるのは、これまでの取組の成果だと思う。
越後湯沢では6月に観光情報学会の全国大会が開かれ、新潟県副知事が来賓のあいさつを述べた。わたしも一泊してきた。
その後、7月13日にはゆざわ観研の岸野さんから、沖縄を直撃した台風の被害はどんなものか心配して問い合わせを受けたところだった。
「沖縄は無事でした」と返事をしたところに16日の中越沖地震だった。湯沢は深度3で温泉の営業には全く影響がないという返事をもらっていた。
被害は大きく、お見舞いを申し上げる。これを回復するには、多くの国民が予定通り、新潟を訪れることであると改めて提言したい。
ちなみに観光情報学会誌創刊号「観光と情報」(05年5月1日)には「強力にリカバリーを求めることが重要である‐中越地震風評被害に対する沖縄の経験と対策」(渡久地明)が出ている。沖縄のテロ時の落ち込みではわたし自身回復のための論陣を張ったし、台湾の地震で台湾観光協会とチャイナエアライン、SARSでは香港政府観光局、上海政府からの招待を受けてリカバリーのための記事を書いた。その間の実際とマスコミの対応についてレポートしたものだ。WEBでは未公開なので観光情報学会の許可を受けて、近く公開しようと思う。
2007年06月20日
談合とユイマール
19日から始まった観光情報学会の新潟大会に出てきた。越後湯沢の岸野裕さんがGW明けにわざわざ全国を回って参加を呼びかけ、ぜひ沖縄から20人くらい来て欲しいということだったが、参加は4人、それぞれで5人分の酒をのむ計算となったわけだ。
岸野さんの作戦で、開会宣言をわたしがやるというプログラムが配布されていたので、開会宣言だけしにいった。
おっと、もちろん会議にも出た。それよりも面白かったのは、北大の先生でいわゆる「談合」を合理的な地方振興策として、市民権を与えることに腐心している、という話があった。
談合は沖縄のユイマールの考え方と全く同じであり、本来、日本の伝統的な助け合いの精神から成り立っているはずである。仕事を分け合うという地方の談合はこの役割をよく果たしたと思う。
談合は美徳であるという考え方は確かに成り立つ場合がある。また、その地域だけ残っているような特殊な技術を継承している人や会社を積極的に保護・育成する政策や法律もある。伝統工芸や産業工芸品は沖縄県でも充分な手当があるとはいえないが、保護の対象になっている。伝統工芸に限らず、中小企業の受注の機会を確保し、中小企業を発展させるための官公需法という法律もある。目的は次の通り。
===============
(目的)
第1条
この法律は、国等が物件の買入れ等の契約を締結する場合における中小企業者の受注の機会を確保するための措置を講ずることにより、中小企業者が供給する物件等に対する需要の増進を図り、もつて中小企業の発展に資することを目的とする。
(官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律)http://www.chuokai-gunma.or.jp/kankoju/hou.htm
================
わたしは法律の知識はゼロに近いのだが、沖縄の建設業界が全部集まって組合を作って、上の法律の適用を受け、仕事を組合内部で分け合うような場合は談合にはならないのではないかと思う。
ま、昨日の話しでは上の法律ではちょっと使い勝手が悪いという意見もあった。ただし、その場に集まった6、7人のメンバーの間では、「談合は必ずしも悪ではない」という点で考えはだいたいそろった。(わたしは談合は善であると述べたけど)
あ、学会の開会宣言は「それでは平成19年度観光情報学会全国大会を始めます」とひとことで済ませた。また、役員改選があり2年間わたしは副会長ということになっていたが、任期が来たので交代した。
岸野さんの作戦で、開会宣言をわたしがやるというプログラムが配布されていたので、開会宣言だけしにいった。
おっと、もちろん会議にも出た。それよりも面白かったのは、北大の先生でいわゆる「談合」を合理的な地方振興策として、市民権を与えることに腐心している、という話があった。
談合は沖縄のユイマールの考え方と全く同じであり、本来、日本の伝統的な助け合いの精神から成り立っているはずである。仕事を分け合うという地方の談合はこの役割をよく果たしたと思う。
談合は美徳であるという考え方は確かに成り立つ場合がある。また、その地域だけ残っているような特殊な技術を継承している人や会社を積極的に保護・育成する政策や法律もある。伝統工芸や産業工芸品は沖縄県でも充分な手当があるとはいえないが、保護の対象になっている。伝統工芸に限らず、中小企業の受注の機会を確保し、中小企業を発展させるための官公需法という法律もある。目的は次の通り。
===============
(目的)
第1条
この法律は、国等が物件の買入れ等の契約を締結する場合における中小企業者の受注の機会を確保するための措置を講ずることにより、中小企業者が供給する物件等に対する需要の増進を図り、もつて中小企業の発展に資することを目的とする。
(官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律)http://www.chuokai-gunma.or.jp/kankoju/hou.htm
================
わたしは法律の知識はゼロに近いのだが、沖縄の建設業界が全部集まって組合を作って、上の法律の適用を受け、仕事を組合内部で分け合うような場合は談合にはならないのではないかと思う。
ま、昨日の話しでは上の法律ではちょっと使い勝手が悪いという意見もあった。ただし、その場に集まった6、7人のメンバーの間では、「談合は必ずしも悪ではない」という点で考えはだいたいそろった。(わたしは談合は善であると述べたけど)
あ、学会の開会宣言は「それでは平成19年度観光情報学会全国大会を始めます」とひとことで済ませた。また、役員改選があり2年間わたしは副会長ということになっていたが、任期が来たので交代した。
2007年05月01日
観光情報学会新潟大会のご案内
各位
渡久地明です。
今年の観光情報学会全国大会が
第4回観光情報学会 全国大会 テーマ「即戦力!」
日程:平成19年6月18日(月)~20日(水)
場所:新潟県 越後湯沢温泉 越後のお宿いなもと
大会聴講:無料 懇親会:8,000円
という日程、内容で開催されます。
開催に当たって、ゆざわ観研の岸野裕主査が、大会への「誘客活動」の一環とし
て、いっぱいやりにきます。(全国を回るそうです)
5月8日昼過ぎ、那覇空港到着。わたしが迎える予定です。
当日、夜、ぜひいっぱいやりましょう。また、大会にも出席して、夜は飲みま
しょう。
ちなみに、新潟大会のプログラムは次の通りです。(大会は札幌、沖縄、函館で
これまで開催。沖縄大会にも全国から確か60人くらいの参加をいただきまし
た)あれ、下を見るとわたしが開会宣言することになってます・・・
====================================
第4回観光情報学会 大会プログラム(予定稿)
大会テーマ「即戦力!」
6月18日(月)
18:30~21:00 ウェルカムパーティー(大会前泊者のみ対象)
6月19日(火)
10:00~11:30 プレ発表「即戦力!」湯沢町の取組み事例紹介
湯沢町各地区にある観光協会や業種別組合などが独自に取組み
実践している誘客活動の事例をご紹介します。年間500万人
集客の実力の一端をご覧下さい。
11:30~12:45 昼食(温泉街にて各自)
13:00~13:35 開会式
13:00~13:05 開会宣言(渡久地副会長)
13:05~13:10 開会挨拶(大内会長)
13:10~13:20 来賓挨拶(新潟県知事挨拶)
13:20~13:25 〃 (湯沢町長挨拶)
13:25~13:30 〃 (湯沢温泉観光協会長挨拶)
13:30~13:35 来賓紹介
13:40~14:20 基調講演1
「お客様が必要とする情報とサービスの質~個客満足度」
~湯沢アンケート調査を踏まえ~
(財)新潟経済社会リサーチセンター 主管研究員 江口智章氏
14:25~15:05 基調講演2
「お客様に好まれるスキー場」
日本ケーブル(株)「スノービジネス」編集長 ○○○○氏
15:15~16:15 パネルセッション
テーマ「今後の観光産業のあり方と情報」
パネラー: フリーライター くらたまなぶ氏(予定)、前出 江口
智章氏、
NPO法人「ゆ」理事長 林敏幸氏、会長 大内東
司会: 日本経済新聞社 長岡支局長
16:20~ 17:10 各観光情報学研究会活動報告(各5分)
たいせつカムイ、スノーリゾート、さっぽろ、にせこ、はこだて、
ゆざわ、かが・のと、おきなわ、ほくだいがくせい
17:10~18:10 一般発表(ポスター/展示)
18:15~18:45 観光情報学会 総会
19:00~21:00 懇親会
6月20日(水)
9:30~10:30 一般発表(各研究発表)
10:35~11:25 能登半島沖地震風評被害研究報告
大内会長、北海道情報大学長尾先生、ゆざわ観研 主査 岸野裕
11:30~11:45 閉会式
11:30~11:35 閉会挨拶(松原副会長)
11:35~11:40 監事講評(田中監事)
11:40~11:45 閉会宣言(北山副会長)
観光情報学会ゆざわ観研のHPに正式なお知らせがあります。
↓↓↓
http://www.hanjoh.com/sti-yuzawa/
渡久地明です。
今年の観光情報学会全国大会が
第4回観光情報学会 全国大会 テーマ「即戦力!」
日程:平成19年6月18日(月)~20日(水)
場所:新潟県 越後湯沢温泉 越後のお宿いなもと
大会聴講:無料 懇親会:8,000円
という日程、内容で開催されます。
開催に当たって、ゆざわ観研の岸野裕主査が、大会への「誘客活動」の一環とし
て、いっぱいやりにきます。(全国を回るそうです)
5月8日昼過ぎ、那覇空港到着。わたしが迎える予定です。
当日、夜、ぜひいっぱいやりましょう。また、大会にも出席して、夜は飲みま
しょう。
ちなみに、新潟大会のプログラムは次の通りです。(大会は札幌、沖縄、函館で
これまで開催。沖縄大会にも全国から確か60人くらいの参加をいただきまし
た)あれ、下を見るとわたしが開会宣言することになってます・・・
====================================
第4回観光情報学会 大会プログラム(予定稿)
大会テーマ「即戦力!」
6月18日(月)
18:30~21:00 ウェルカムパーティー(大会前泊者のみ対象)
6月19日(火)
10:00~11:30 プレ発表「即戦力!」湯沢町の取組み事例紹介
湯沢町各地区にある観光協会や業種別組合などが独自に取組み
実践している誘客活動の事例をご紹介します。年間500万人
集客の実力の一端をご覧下さい。
11:30~12:45 昼食(温泉街にて各自)
13:00~13:35 開会式
13:00~13:05 開会宣言(渡久地副会長)
13:05~13:10 開会挨拶(大内会長)
13:10~13:20 来賓挨拶(新潟県知事挨拶)
13:20~13:25 〃 (湯沢町長挨拶)
13:25~13:30 〃 (湯沢温泉観光協会長挨拶)
13:30~13:35 来賓紹介
13:40~14:20 基調講演1
「お客様が必要とする情報とサービスの質~個客満足度」
~湯沢アンケート調査を踏まえ~
(財)新潟経済社会リサーチセンター 主管研究員 江口智章氏
14:25~15:05 基調講演2
「お客様に好まれるスキー場」
日本ケーブル(株)「スノービジネス」編集長 ○○○○氏
15:15~16:15 パネルセッション
テーマ「今後の観光産業のあり方と情報」
パネラー: フリーライター くらたまなぶ氏(予定)、前出 江口
智章氏、
NPO法人「ゆ」理事長 林敏幸氏、会長 大内東
司会: 日本経済新聞社 長岡支局長
16:20~ 17:10 各観光情報学研究会活動報告(各5分)
たいせつカムイ、スノーリゾート、さっぽろ、にせこ、はこだて、
ゆざわ、かが・のと、おきなわ、ほくだいがくせい
17:10~18:10 一般発表(ポスター/展示)
18:15~18:45 観光情報学会 総会
19:00~21:00 懇親会
6月20日(水)
9:30~10:30 一般発表(各研究発表)
10:35~11:25 能登半島沖地震風評被害研究報告
大内会長、北海道情報大学長尾先生、ゆざわ観研 主査 岸野裕
11:30~11:45 閉会式
11:30~11:35 閉会挨拶(松原副会長)
11:35~11:40 監事講評(田中監事)
11:40~11:45 閉会宣言(北山副会長)
観光情報学会ゆざわ観研のHPに正式なお知らせがあります。
↓↓↓
http://www.hanjoh.com/sti-yuzawa/
2007年02月07日
沖縄観光はいつのまにか最先端
本日の琉大主催の観光シンポジウムが沖縄ハーバービューホテルで開かれた。カナダやハワイ、シンガポールの教授の話しを聞く限り、沖縄は彼らがいうサステイナブルな観光地の条件を満たしているようだ。
というか、「新しい観光は地域の貧困をなくす役割がある」、とか、「観光は開発のツールとして活用できる」(ハワイ大学)というコンセプトだけは30年以上前から沖縄で取り入れられてきた(沖縄振興開発計画)。
「もともと最先端になるべくやってきたではないか」ということを再確認したわけだ。沖縄観光は(貧困を減らすということも、開発も)30年前に比べて格段に向上しているが、これを継続することで一層品質が高まることは間違いない。
また、サステイナブルな観光地の条件30項目くらいをカナダの学者が示したが、これは整理してもらってホントに役に立つ。なるほど世界の観光大学のテキストの著者だ。それに沖縄を当てはめるとほとんどの条件はそろっており、規模が違うというだけで、どこに力を入れたらよいか、がよく分かる。
(物理実験でデスクトップのサイクロトロンと超巨大なそれで「追っている現象は同じ」というのに似ている。検出器の精度を上げるか(質)、装置の規模(量)を広げるかという話なら、当然両方やるべきとなるわけだ。)
また、シンガポールの教授は海浜開発の類型化を行い、世界のいい例も悪い例も見せたが、沖縄ではおそらくすべての例が見つかり、海浜リゾートの世界的な代表例が全部揃うという非常に多様な観光地であることが分かる。これは沖縄の優れた特性だと思う。
海外の先生方は沖縄を見ていないので、沖縄が何をやってきたのか分からないと思われる。沖縄の事例をそれぞれの専門にあわせて見せてあげたらビックリするだろう。そういうことを琉球大学はやるべきではないか。
先日、竹富島観光は世界一かも知れないと紹介したが、本日のシンポジウムで、それが確信に変わった。外国の先生たちも竹富島の事例を見たらびっくりするのではないか。リゾートウェディングも海外(ハワイ)より沖縄が優れているといってウェディング会社が沖縄に進出して、需要を引き込んだ。
沖縄観光(学)はもっと足元を掘りさげるべきだ。海外に沖縄の答はないのではないか。30年前にはなにかを教えてもらう必要があったかも知れない。そしてその通り、世界中・日本中から先生を招いて講義してもったものだ。1980年代初頭には観光業界は講演会をやりすぎて、早く実践しようよというところに来ていた。それらの多くが実現したいまとなっては、これから観光に乗り出そうという外国に沖縄の先進事例(他山に石も含めて)を輸出できる状態になっているのだと思う。
今日のシンポジウムは、世界の最先端がこんなに身近な手の届くところにあるということが分かり、非常に「勉強」になった。(笑)
というか、「新しい観光は地域の貧困をなくす役割がある」、とか、「観光は開発のツールとして活用できる」(ハワイ大学)というコンセプトだけは30年以上前から沖縄で取り入れられてきた(沖縄振興開発計画)。
「もともと最先端になるべくやってきたではないか」ということを再確認したわけだ。沖縄観光は(貧困を減らすということも、開発も)30年前に比べて格段に向上しているが、これを継続することで一層品質が高まることは間違いない。
また、サステイナブルな観光地の条件30項目くらいをカナダの学者が示したが、これは整理してもらってホントに役に立つ。なるほど世界の観光大学のテキストの著者だ。それに沖縄を当てはめるとほとんどの条件はそろっており、規模が違うというだけで、どこに力を入れたらよいか、がよく分かる。
(物理実験でデスクトップのサイクロトロンと超巨大なそれで「追っている現象は同じ」というのに似ている。検出器の精度を上げるか(質)、装置の規模(量)を広げるかという話なら、当然両方やるべきとなるわけだ。)
また、シンガポールの教授は海浜開発の類型化を行い、世界のいい例も悪い例も見せたが、沖縄ではおそらくすべての例が見つかり、海浜リゾートの世界的な代表例が全部揃うという非常に多様な観光地であることが分かる。これは沖縄の優れた特性だと思う。
海外の先生方は沖縄を見ていないので、沖縄が何をやってきたのか分からないと思われる。沖縄の事例をそれぞれの専門にあわせて見せてあげたらビックリするだろう。そういうことを琉球大学はやるべきではないか。
先日、竹富島観光は世界一かも知れないと紹介したが、本日のシンポジウムで、それが確信に変わった。外国の先生たちも竹富島の事例を見たらびっくりするのではないか。リゾートウェディングも海外(ハワイ)より沖縄が優れているといってウェディング会社が沖縄に進出して、需要を引き込んだ。
沖縄観光(学)はもっと足元を掘りさげるべきだ。海外に沖縄の答はないのではないか。30年前にはなにかを教えてもらう必要があったかも知れない。そしてその通り、世界中・日本中から先生を招いて講義してもったものだ。1980年代初頭には観光業界は講演会をやりすぎて、早く実践しようよというところに来ていた。それらの多くが実現したいまとなっては、これから観光に乗り出そうという外国に沖縄の先進事例(他山に石も含めて)を輸出できる状態になっているのだと思う。
今日のシンポジウムは、世界の最先端がこんなに身近な手の届くところにあるということが分かり、非常に「勉強」になった。(笑)
2007年02月04日
竹富島観光は世界最先端

町並み保存で有名な竹富島は、年間40万人以上が訪れる人気の観光地である。
この秘密は何だろうと思うが、それは別にして、おそらく沖縄県内で最も成功し
た観光地であるといえる。世界最先端かも知れない。
島の人口は360人、かつて過疎の島で人口は240人まで減少したことがある
が、盛り返している。Uターンが増え、島の民宿には全部、後継者が戻った。島
の魅力が再認識されたこと、十分観光でやっていけるまでに規模が拡大したこと
によるところが大きいと思われる。
民宿は年中満杯で、予約は取りにくく、島に失業はない。
祭りの島で、年間22回の行祭事がある。最大の行事・種取り祭をピークにその
序曲のような祭りが続くそうだ。
島の住民は祭りのための芸能の準備に精を出し、祭りとその練習を通じて、(よ
そ者にも)伝統を伝え、受け継がれ、強力な共同体ができている。
公民館が中心となって活動資金を集め、高度な自治が行われている。たとえば、
環境省のビジターセンターは建て替えられたが、設計の細部にわたるまで住民の
考えを取り入れさせた。コンクリートづくりの設計図面は、木造に変更となり、
展示内容もまったくやり変えた。(写真。竹富島公民館、商工会の面々と座間味
村メンバー)
また、桟橋のターミナルは待合い施設であるため、商業施設として使えなかった
のを、使えるようにした。同じ問題で悩んでいる離島は多いから、竹富島がどう
やって政治を動かしたか、学ぶべきことは多い。役場や県、省庁をうまく住民が
活用しているのだが、そうするノウハウを蓄えるまでに住民がどれほど学習し、
相手を説得するために努力をしたか、想像がつく。ポイントを突いた提案ができ
るから、役所もそれを取り入れないわけには行かないということだろう。
300人が一丸となれば住民の意思は通るという典型的な実例だろう。
祭りの維持にはテマヒマがかかるが、負担を減らす必要もあるとのことで、島の
適正な人口は500人くらいではないかという、目標がある。
その500人に仕事が行き渡るように、徐々に伝統工芸を復活させたり、民宿や
宿泊施設を増やしていく計画の途中である。
観光客はこれ以上増やす必要がない、という状況になっているのはハワイと同じ
だが、新規の開発が少なくなったハワイとは異なり、竹富島の場合は町並み保存
地区の外には広大な開発可能な土地がある。そこへ、これまで大資本の進出を許
さなかったのも住民の意思であった。
いま、時宜を得て、観光の量から質への転換が始まろうとしている。竹富島は外
部資本に開発を任せたハワイよりも進んだ観光地になる可能性が非常に高い。住
民がやろうと思えば、徹底的に条件をつけた上で相手を選び(もちろん地元資本
でやってもいいし、その方が現実的だ)、快適なリゾートホテルの建設も可能
で、その根拠となるのが先に述べた、
年間の祭り22回、人口500人が適切
という部分だ。竹富島は時間はかかるかも知れないが、これからその目標に向
かって動き出そうとしている。ここまでくるのに30年かかっている。わたしも
30年前の学生の頃に一人の観光客として島を一周し、その後、しばしば取材で
出かけた。
しかし、その時には昨日、竹富町で聞いたような話が進んでいるとはまったく知
らなかった。当時は単純に外部資本の参入を阻止したり、街並みを保存しようと
いう運動が目立っていた。しかし、表面からは見えないところで、揺るぎのない
地域のあり方が確立されていた。100年前まで人頭税があったころの経験も積
極的に活用されているように見受けられた。公民館に台帳があり、犬やネコの飼
い主も明記され、だれの犬かネコかを島中で知っている。島の生産人口のすべて
から公民館の維持費用が捻出されていた。
いまから振り返ると竹富島の30年は一瞬の出来事のようだ。これからの30年
もアッという間に過ぎるし、計画は実現すると思う。すごいところだ。
2006年12月01日
12月16日に観光に関するシンポと懇親会
おきなわ観光情報学研究会からのお知らせ
--記--
=観光と情報の人材育成について考えるシンポジウム=
~文理融合・領域横断型インターンシップの可能性~
【目 的】
観光と情報という専攻、琉球大学とインターナショナルリゾートカ レッジという教育機関、そして首都圏と沖縄という地域、これら様々な 領域を融合・横断した形でのインターンシップを9月11日~ 29日に実施いたしました。本シンポジウムはその中間報告を兼ねるとと もに、これからの沖縄観光・情報業界そして地域経済活性化に必要とさ れる人材の受入れと育成について考えていくことを目的としています。
【主催】
国立大学法人琉球大学法文学部観光科学科・工学部情報工学科
専修学校インターナショナルリゾートカレッジ (KBC学園グ ループ)
株式会社ビィー・フリーソフト
観光情報学会
【後援】
沖縄県、 財団法人沖縄観光コンベンションビューロー、
財団法人沖縄県産業振興公社、 社団法人沖縄県専修学校各種学校協会、
沖縄観光速報社、 沖縄団塊マーケティング研究会
【日 時】 2006年12月16日(土) 13:30~17:30
【会 場】 琉球大学法文学部講義棟215号室 / 沖縄県 中頭郡西原町字千原1番地
【定 員】 200名(先着順)
【参加費】 無料
ー プログラム ー
13:00~13:30 会場受付
13:30~13:45 本事業ならびにシンポジウムに関する概要説明
13:45~14:15 基調講演 『観光産業で働くということ。 バトラー、コンシェルジュの役割とは』
阿部 泰年 氏 (パンパシフィックホテル横浜 チーフバトラー兼 コンシェルジュ)
14:15~15:00 再現インターンシップ 『団塊世代 (アクティブシニア)への取り組み』
福田 日出男 氏 (クラブツーリズム株式会社 人事部 業務課長)
インターンシップ参加学生6名
15:00~15:30 ー 休憩 ー
15:30~16:45 パネルディスカッション 『求めら れる人材とは。インターンシップで学んだこと』
【コーディネーター】
島田 勝也 氏 (株式会社NTT西日本ー沖縄 ITビジネス 部 主査)
【パネリスト】
阿部 泰年 氏 (パンパシフィックホテル横浜 チーフバトラー兼 コンシェルジュ)
福田 日出男 氏 (クラブツーリズム株式会社 人事部 業務課長)
前田 貴子 氏 (ホテルマハイナウェルネスリゾートオキナワ 専 務取締役)
インターンシップ参加学生3名
16:45~17:15 学外有識者による事業講評
17:15~17:30 閉会の挨拶
【お問い合わせ】
この件に関するお問い合わせは、
事務局 ビィー・フリーソフト 沖縄営業所(白井 旬)まで。
メールアドレスjshirai@be-free.co.jp
沖縄県那覇市小禄1831番地1 沖縄産業支援センター410号室
【懇親会】
日時: 平成18年12月16日(土)シンポジウム終 了後
会場: 琉球大学法文学部講義棟112号室 / 沖縄県中頭郡 西原町字千原1番地
--以上
--記--
=観光と情報の人材育成について考えるシンポジウム=
~文理融合・領域横断型インターンシップの可能性~
【目 的】
観光と情報という専攻、琉球大学とインターナショナルリゾートカ レッジという教育機関、そして首都圏と沖縄という地域、これら様々な 領域を融合・横断した形でのインターンシップを9月11日~ 29日に実施いたしました。本シンポジウムはその中間報告を兼ねるとと もに、これからの沖縄観光・情報業界そして地域経済活性化に必要とさ れる人材の受入れと育成について考えていくことを目的としています。
【主催】
国立大学法人琉球大学法文学部観光科学科・工学部情報工学科
専修学校インターナショナルリゾートカレッジ (KBC学園グ ループ)
株式会社ビィー・フリーソフト
観光情報学会
【後援】
沖縄県、 財団法人沖縄観光コンベンションビューロー、
財団法人沖縄県産業振興公社、 社団法人沖縄県専修学校各種学校協会、
沖縄観光速報社、 沖縄団塊マーケティング研究会
【日 時】 2006年12月16日(土) 13:30~17:30
【会 場】 琉球大学法文学部講義棟215号室 / 沖縄県 中頭郡西原町字千原1番地
【定 員】 200名(先着順)
【参加費】 無料
ー プログラム ー
13:00~13:30 会場受付
13:30~13:45 本事業ならびにシンポジウムに関する概要説明
13:45~14:15 基調講演 『観光産業で働くということ。 バトラー、コンシェルジュの役割とは』
阿部 泰年 氏 (パンパシフィックホテル横浜 チーフバトラー兼 コンシェルジュ)
14:15~15:00 再現インターンシップ 『団塊世代 (アクティブシニア)への取り組み』
福田 日出男 氏 (クラブツーリズム株式会社 人事部 業務課長)
インターンシップ参加学生6名
15:00~15:30 ー 休憩 ー
15:30~16:45 パネルディスカッション 『求めら れる人材とは。インターンシップで学んだこと』
【コーディネーター】
島田 勝也 氏 (株式会社NTT西日本ー沖縄 ITビジネス 部 主査)
【パネリスト】
阿部 泰年 氏 (パンパシフィックホテル横浜 チーフバトラー兼 コンシェルジュ)
福田 日出男 氏 (クラブツーリズム株式会社 人事部 業務課長)
前田 貴子 氏 (ホテルマハイナウェルネスリゾートオキナワ 専 務取締役)
インターンシップ参加学生3名
16:45~17:15 学外有識者による事業講評
17:15~17:30 閉会の挨拶
【お問い合わせ】
この件に関するお問い合わせは、
事務局 ビィー・フリーソフト 沖縄営業所(白井 旬)まで。
メールアドレスjshirai@be-free.co.jp
沖縄県那覇市小禄1831番地1 沖縄産業支援センター410号室
【懇親会】
日時: 平成18年12月16日(土)シンポジウム終 了後
会場: 琉球大学法文学部講義棟112号室 / 沖縄県中頭郡 西原町字千原1番地
--以上
2006年08月28日
那覇空港需要予測、推計式への疑問
その後、航空需要予測の元になった報告書を国土交通省航空局が公表しているのを知った。
航空需要予測の手法について
http://www.mlit.go.jp/koku/02_topics/01_juyou/index.html
このなかで、冒頭に「航空需要の伸びはGDPの伸びより大きい。需要の変動は経済指標だけでは説明できない要因があるものと考えられる」と述べている。
ところが、需要予測モデルでは沖縄観光に限るとGDP以外の需要変動要因について、説得力のある要因が挙げられていない。
具体的には、需要は空港や道路、移動時間などのハードに依存するという理屈の組立になっていて、全国の動向とはまったく異なる沖縄観光の変動要因であるキャンペーンやプロモーション、セールスなどソフト部門が考慮されていないようだ。
もちろん、ソフトはハードに付随するので短期的には無視できると考えることは可能だ。しかし、それなら最初から航空需要は空港容量(ホテルや観光施設などを含めて受け入れ容量)に主に依存するので、GDPとは無関係に毎年適当なスピードで拡大すると考えた方がすっきりするのではないか。そしてその適当なスピードとは沖縄県の場合、過去30年間平均で、毎年平均4.5%成長、が有力候補として挙げられる。
航空需要予測の手法について
http://www.mlit.go.jp/koku/02_topics/01_juyou/index.html
このなかで、冒頭に「航空需要の伸びはGDPの伸びより大きい。需要の変動は経済指標だけでは説明できない要因があるものと考えられる」と述べている。
ところが、需要予測モデルでは沖縄観光に限るとGDP以外の需要変動要因について、説得力のある要因が挙げられていない。
具体的には、需要は空港や道路、移動時間などのハードに依存するという理屈の組立になっていて、全国の動向とはまったく異なる沖縄観光の変動要因であるキャンペーンやプロモーション、セールスなどソフト部門が考慮されていないようだ。
もちろん、ソフトはハードに付随するので短期的には無視できると考えることは可能だ。しかし、それなら最初から航空需要は空港容量(ホテルや観光施設などを含めて受け入れ容量)に主に依存するので、GDPとは無関係に毎年適当なスピードで拡大すると考えた方がすっきりするのではないか。そしてその適当なスピードとは沖縄県の場合、過去30年間平均で、毎年平均4.5%成長、が有力候補として挙げられる。
2006年08月15日
那覇空港の需要予測のトホホな内容
那覇空港調査連絡調整会議(内閣府総合事務局・国土交通省大阪航空局・沖縄県)が
「那覇空港の調査報告書2」
http://www.pref.okinawa.jp/nahakuukou/src/step2_report.html
をまとめた。
この中で、
(1)将来の人口
(2)将来の経済成長
を元に那覇空港の需要予測を計算している。
ここまで書いただけで、このブログの読者はわたしが何をいいたいか分かると思うが、結論を先にいうと、極めて弱気な予測となっており、弱気すぎて間違っているといってもいいくらいになっている。
GDPと旅行回数が関係があることから、「構造改革と経済財政の中期展望(2005年度改定)」(内閣府経済諮問会議)や「日本21世紀ビジョン」をもとに、構造改革が進展した場合の成長率を「経済進展ケース」、逆に停滞した場合の成長率を「経済停滞ケース」として設定し…将来の潜在的な需要を計算した。
問題は構造改革をやめて、積極財政をとった場合、日本経済は目を見張る成長を遂げ、数年以内に500兆円のGDPは600兆円に拡大、その後も成長を続けるという理論があり、こちらの方が正統な経済のあり方であると世界中の有力な学者が主張していることだ。
なぜ、トンデモ経済政策としか言えない構造改革理論をもとにするのだろうか。
そのようなトンデモ理論を採用して得られた需要予測は、次のようなものだ。
那覇空港需要予測
2004年 1,281万人(実績) 観光客数515万人
ケース1 ケース4
(高位ケース) (低位ケース)
2010年 1,461万人 1,358万人
2015年 1,655万人 1,419万人
2020年 1,850万人 1,456万人
04年実績の1,281万人というのは那覇空港を往復する人数。このうち約20%が「県民」と「観光客のうち県内線利用者」だから、その分を除いて約1,025万人が県外を往復する観光客数で、その半分が入域観光客数ということになる。
上の需要予測を観光客数に置き換え、高位ケースだけ書くと、
2005年 550万人(実績)
2010年 584万人
2015年 662万人
2020年 740万人
となる。
2005年から2020年までの成長率は毎年2.0%である。いくら弱気の業界人でもこんな低い伸びを想定する経営者はいない。それではやっていけないだろう。ばかばかしすぎる。
低位予測の場合、2020年の観光客数は583万人でしかなく、この数値は今年の565万人を経て、来年2007年にはほぼ達成するだろう。こんな情けない内容を印刷して欲しくないなあ。ナンセンスだ。
ついでに、報告書には需要予測の推計式を明示すべきだ。それがあればもっと精密に内容を吟味できる(たとえば、10年前にさかのぼって、その推計式で現在を計算してみる。推計式の妥当性が一発で分かる)のに、これでは推計の根拠が不明である。学生の論文なら落第点だ。それとも推計式なんか書いても県民は分からないだろうと考えているのだろうか。
なお、わたしの計算では2015年の観光客数は875万人、2020年は1,095万人である。根拠はわたしの新聞で何度も述べているが、初歩的な数理を使って説明したものを観光情報学会雑誌「観光と情報」(6月)に寄稿してある(わたしの推計式は1990年にさかのぼっても現状を極めてよく説明できている)。また「観光とけいざい」8月1日号に転載した。全文をそのうちWebでも公開するので、ここでお知らせする予定だ。細かい内容は今後のわたしの講義や講演などで随時述べる。
「那覇空港の調査報告書2」
http://www.pref.okinawa.jp/nahakuukou/src/step2_report.html
をまとめた。
この中で、
(1)将来の人口
(2)将来の経済成長
を元に那覇空港の需要予測を計算している。
ここまで書いただけで、このブログの読者はわたしが何をいいたいか分かると思うが、結論を先にいうと、極めて弱気な予測となっており、弱気すぎて間違っているといってもいいくらいになっている。
GDPと旅行回数が関係があることから、「構造改革と経済財政の中期展望(2005年度改定)」(内閣府経済諮問会議)や「日本21世紀ビジョン」をもとに、構造改革が進展した場合の成長率を「経済進展ケース」、逆に停滞した場合の成長率を「経済停滞ケース」として設定し…将来の潜在的な需要を計算した。
問題は構造改革をやめて、積極財政をとった場合、日本経済は目を見張る成長を遂げ、数年以内に500兆円のGDPは600兆円に拡大、その後も成長を続けるという理論があり、こちらの方が正統な経済のあり方であると世界中の有力な学者が主張していることだ。
なぜ、トンデモ経済政策としか言えない構造改革理論をもとにするのだろうか。
そのようなトンデモ理論を採用して得られた需要予測は、次のようなものだ。
那覇空港需要予測
2004年 1,281万人(実績) 観光客数515万人
ケース1 ケース4
(高位ケース) (低位ケース)
2010年 1,461万人 1,358万人
2015年 1,655万人 1,419万人
2020年 1,850万人 1,456万人
04年実績の1,281万人というのは那覇空港を往復する人数。このうち約20%が「県民」と「観光客のうち県内線利用者」だから、その分を除いて約1,025万人が県外を往復する観光客数で、その半分が入域観光客数ということになる。
上の需要予測を観光客数に置き換え、高位ケースだけ書くと、
2005年 550万人(実績)
2010年 584万人
2015年 662万人
2020年 740万人
となる。
2005年から2020年までの成長率は毎年2.0%である。いくら弱気の業界人でもこんな低い伸びを想定する経営者はいない。それではやっていけないだろう。ばかばかしすぎる。
低位予測の場合、2020年の観光客数は583万人でしかなく、この数値は今年の565万人を経て、来年2007年にはほぼ達成するだろう。こんな情けない内容を印刷して欲しくないなあ。ナンセンスだ。
ついでに、報告書には需要予測の推計式を明示すべきだ。それがあればもっと精密に内容を吟味できる(たとえば、10年前にさかのぼって、その推計式で現在を計算してみる。推計式の妥当性が一発で分かる)のに、これでは推計の根拠が不明である。学生の論文なら落第点だ。それとも推計式なんか書いても県民は分からないだろうと考えているのだろうか。
なお、わたしの計算では2015年の観光客数は875万人、2020年は1,095万人である。根拠はわたしの新聞で何度も述べているが、初歩的な数理を使って説明したものを観光情報学会雑誌「観光と情報」(6月)に寄稿してある(わたしの推計式は1990年にさかのぼっても現状を極めてよく説明できている)。また「観光とけいざい」8月1日号に転載した。全文をそのうちWebでも公開するので、ここでお知らせする予定だ。細かい内容は今後のわたしの講義や講演などで随時述べる。
2006年07月30日
なぜ1000万人なのか=象徴的な数値だ
メールマガジン<夢先案内人「バクのビジネスマインド論」>に次の記事があった。
===========
観光関連が今年も好調に推移してますが、
有り難い事に未だホテルの建設ラッシユが続いています。
観光記者の渡久地氏曰く、
「ホテルが増えた分、観光客は必ず増えるんだ」、、、。
「ホテルの建設が止まればそれに見合う観光客数で止まってしまう」。
だそうです。
2018年には観光客数が1,000万に到達すると彼は断言します。
誠に県経済にとっては頼もしい役者のひとりです。
私としては長期滞在型の観光開発が望ましいと思うのです。
今の観光客数でも滞在日数が2〜3倍に増えたなら、
1,000万の観光客数に匹敵する効果があるのではと考えるのですが・・・。
いかがでしょうか、渡久地記者〜!。
まぐまぐマガジンID:0000175593
http://blog.mag2.com/m/log/0000175593/
(最新号のみ表示)
==========
書いてあることはその通り。ちょっと誤解がありそうなのは、人数より、滞在日数を増やしたほうがよいとバクさんは考えているようだが、わたしの言う1000万人論と意味は同じ(同値)であること。
わたしもあまり人数にはこだわらないでいいと思う。しかし、いまは人数が必要である。以下にその理由を述べる。
沖縄観光の目標は観光収入の拡大であり(その奧には高い失業率の解消や所得格差の是正がある)、観光収入は
観光収入(円/年)=観光客数(人/年)×平均滞在日数(日)×一人一日当たり消費額(円/日/人)・・・(1)
で表される。
各項は()内の次元を持っており、両辺で次元はあう。
問題にしている観光収入の拡大には、(1)式右辺の
観光客数、平均滞在日数、一人一日当たりの消費額
のそれぞれを増やせば良いのだから、基本的に観光客数のみの拡大にこだわる必要はない。
バクさんが志向しているのは、平均滞在日数を増やすことによって観光収入を増やそうじゃないかというもの。それも正解である。また、同様に観光客数は増えなくても、一人一日当たり消費額を増やす手もある。当然、3つを同時に増やす方法もある。どれを採用しても結果は同じだ。
わたしが1000万人といっているのは、単に分かりやすいからで、現状の500万人が倍の1000万人になるなら、どんなビジネスが成り立つか、イメージしやすい。
しかし、単純に数式の結論が同じだから、どうでもよいというわけには行かない。これまでの実情、現状、今後の傾向といった数式に表れにくいものを考慮しなければならない。そして、数式に現れない部分の方が現実に大きな影響を与えると思う。(系列も影響するし、派閥やトップリーダーの方針も数式に現れないが、現実に大きく影響を与える)。
それについて、最低限の現状を取り込んで、方針を出した方がよい。
(1)観光業界には人数の増加によって、売上を拡大できる業種がある。航空会社は典型例で、この業種は日帰り客だろうと1ヶ月の長期滞在客だろうと、売上は一人一往復にしかならない。同様な業種に空港売店の売上などがある。
(2)一方、観光客数が増えなくても、滞在日数さえ伸びれば売上が拡大する業種にホテルがある。
(3)業種間のバランスのとれた発展のために、観光客数も滞在日数も同時に延ばすのがベストだ。しかし、もし人数を拡大する政策のコストパフォーマンスが高い、または、より売上が拡大する事業者が多いなら、沖縄全体のGDP拡大のために、それを選ばざるを得ないとと考える。
この間、30年間の沖縄観光の現状を見ると、滞在日数の拡大は困難だったが、人数の拡大はそれに比べて実現しやすかった。業界の幅広いメンバーが相乗りできるからだ。したがって、政策的(国や県の観光政策)にも、人数拡大策が採用されてきた。この方向性は正しいと思う。
(4)また、一人一日当たりの消費額は、マクロ経済と密接に関連があると思われる。いまの縮小均衡の経済環境下では消費額の拡大の実現はかなり厳しい。97年の消費税増税と縮小均衡経済政策(バブル崩壊とその後のデフレ環境の下、デフレを加速する橋本政権の行財政改革→小泉構造改革)の加速で、沖縄の観光消費金額は年々縮小傾向にある。しかし、マクロを良くすることによってこの問題が解決できる。このためマクロを改善すべきだというのがわたしのここ数年来の強い主張である。
なお、これ以上人数が増えないという状況にやがて沖縄もなるが、その時から一人一日当たり消費額拡大策が重要になってくると思う。これはハワイの例からの経験則である。もちろん個別企業は必死に消費額拡大策を実行しているが、人数が伸びている内は人数の伸びに対応せざるを得ない。伸びなくなってから「構造」が変わるものといまは予想している。
そこで、人為的に(わざっと)人数を増やすのをやめて(たとえば空港をつくらないで、観光客を制限する)、売上を増やしてはどうかと考えることもできるが、それでは小泉構造改革と同じで、犠牲が多すぎ、失敗する可能性もある。これでは責任ある政策とはならず、問題(沖縄の高失業率の解消・格差の是正)を解決できないか、解決までに極めて長い時間を要することになるのではないか。
===========
観光関連が今年も好調に推移してますが、
有り難い事に未だホテルの建設ラッシユが続いています。
観光記者の渡久地氏曰く、
「ホテルが増えた分、観光客は必ず増えるんだ」、、、。
「ホテルの建設が止まればそれに見合う観光客数で止まってしまう」。
だそうです。
2018年には観光客数が1,000万に到達すると彼は断言します。
誠に県経済にとっては頼もしい役者のひとりです。
私としては長期滞在型の観光開発が望ましいと思うのです。
今の観光客数でも滞在日数が2〜3倍に増えたなら、
1,000万の観光客数に匹敵する効果があるのではと考えるのですが・・・。
いかがでしょうか、渡久地記者〜!。
まぐまぐマガジンID:0000175593
http://blog.mag2.com/m/log/0000175593/
(最新号のみ表示)
==========
書いてあることはその通り。ちょっと誤解がありそうなのは、人数より、滞在日数を増やしたほうがよいとバクさんは考えているようだが、わたしの言う1000万人論と意味は同じ(同値)であること。
わたしもあまり人数にはこだわらないでいいと思う。しかし、いまは人数が必要である。以下にその理由を述べる。
沖縄観光の目標は観光収入の拡大であり(その奧には高い失業率の解消や所得格差の是正がある)、観光収入は
観光収入(円/年)=観光客数(人/年)×平均滞在日数(日)×一人一日当たり消費額(円/日/人)・・・(1)
で表される。
各項は()内の次元を持っており、両辺で次元はあう。
問題にしている観光収入の拡大には、(1)式右辺の
観光客数、平均滞在日数、一人一日当たりの消費額
のそれぞれを増やせば良いのだから、基本的に観光客数のみの拡大にこだわる必要はない。
バクさんが志向しているのは、平均滞在日数を増やすことによって観光収入を増やそうじゃないかというもの。それも正解である。また、同様に観光客数は増えなくても、一人一日当たり消費額を増やす手もある。当然、3つを同時に増やす方法もある。どれを採用しても結果は同じだ。
わたしが1000万人といっているのは、単に分かりやすいからで、現状の500万人が倍の1000万人になるなら、どんなビジネスが成り立つか、イメージしやすい。
しかし、単純に数式の結論が同じだから、どうでもよいというわけには行かない。これまでの実情、現状、今後の傾向といった数式に表れにくいものを考慮しなければならない。そして、数式に現れない部分の方が現実に大きな影響を与えると思う。(系列も影響するし、派閥やトップリーダーの方針も数式に現れないが、現実に大きく影響を与える)。
それについて、最低限の現状を取り込んで、方針を出した方がよい。
(1)観光業界には人数の増加によって、売上を拡大できる業種がある。航空会社は典型例で、この業種は日帰り客だろうと1ヶ月の長期滞在客だろうと、売上は一人一往復にしかならない。同様な業種に空港売店の売上などがある。
(2)一方、観光客数が増えなくても、滞在日数さえ伸びれば売上が拡大する業種にホテルがある。
(3)業種間のバランスのとれた発展のために、観光客数も滞在日数も同時に延ばすのがベストだ。しかし、もし人数を拡大する政策のコストパフォーマンスが高い、または、より売上が拡大する事業者が多いなら、沖縄全体のGDP拡大のために、それを選ばざるを得ないとと考える。
この間、30年間の沖縄観光の現状を見ると、滞在日数の拡大は困難だったが、人数の拡大はそれに比べて実現しやすかった。業界の幅広いメンバーが相乗りできるからだ。したがって、政策的(国や県の観光政策)にも、人数拡大策が採用されてきた。この方向性は正しいと思う。
(4)また、一人一日当たりの消費額は、マクロ経済と密接に関連があると思われる。いまの縮小均衡の経済環境下では消費額の拡大の実現はかなり厳しい。97年の消費税増税と縮小均衡経済政策(バブル崩壊とその後のデフレ環境の下、デフレを加速する橋本政権の行財政改革→小泉構造改革)の加速で、沖縄の観光消費金額は年々縮小傾向にある。しかし、マクロを良くすることによってこの問題が解決できる。このためマクロを改善すべきだというのがわたしのここ数年来の強い主張である。
なお、これ以上人数が増えないという状況にやがて沖縄もなるが、その時から一人一日当たり消費額拡大策が重要になってくると思う。これはハワイの例からの経験則である。もちろん個別企業は必死に消費額拡大策を実行しているが、人数が伸びている内は人数の伸びに対応せざるを得ない。伸びなくなってから「構造」が変わるものといまは予想している。
そこで、人為的に(わざっと)人数を増やすのをやめて(たとえば空港をつくらないで、観光客を制限する)、売上を増やしてはどうかと考えることもできるが、それでは小泉構造改革と同じで、犠牲が多すぎ、失敗する可能性もある。これでは責任ある政策とはならず、問題(沖縄の高失業率の解消・格差の是正)を解決できないか、解決までに極めて長い時間を要することになるのではないか。
2006年07月09日
観光情報学会誌「観光と情報」が到着
観光情報学会の雑誌「観光と情報」を受け取った。学会の普及に活用するようにと部数をいただいたので、週明けから何カ所かに届けようと思う。

また、おきなわ観光情報学研究会の集まり(飲み会)を琉球大学の方で企てているので、そこでも十部ほど配布できる。
5本の学術論文、1本の産業化研究論文、網走市長の特別寄稿、各地の研究会の近況とわたしの寄稿(「沖縄観光成長の法則」)も掲載されている。
わたしの原稿は論文としては未熟だが、査読者が読んで、疑問点に応えるなら寄稿として掲載するというので、指摘にそって書き直し、掲載してもらったものだ。そのうち論文にする予定である。

また、おきなわ観光情報学研究会の集まり(飲み会)を琉球大学の方で企てているので、そこでも十部ほど配布できる。
5本の学術論文、1本の産業化研究論文、網走市長の特別寄稿、各地の研究会の近況とわたしの寄稿(「沖縄観光成長の法則」)も掲載されている。
わたしの原稿は論文としては未熟だが、査読者が読んで、疑問点に応えるなら寄稿として掲載するというので、指摘にそって書き直し、掲載してもらったものだ。そのうち論文にする予定である。
2006年03月18日
沖縄観光成長の法則
下のグラフは1972年以降の沖縄県の入域観光客数をセミログに描いたものだ。

わたしが沖縄で仕事をし始めたのが1982年ごろで、当時はグラフ用紙を買ってきて、鉛筆で観光客数をプロットしたものだ。しかし、何も規則性を見つけることができなかった。
その後、やみくもに観光産業について取材したわけだが、15年後、90年代半ばにパソコンで簡単に精密なグラフが描けるようになり、改めてセミログにとってみるときれいな直線になっているではないか。直線になっていること自体が面白いので、当時おきなワ世紀末というケーブルテレビの番組で、知事選に向けて勝手に政策提言しようということになり「2005年ビジター1000万人ポリシー」(98年9月25日)というのを打ち出し、その中で初めてグラフを公開した(当時のグラフがそのままある。上は、少し新しい)。自分の新聞記事(1998年10月1日)にもしてある。最新のグラフもあるが、まだWEB用に加工してないので古いものを使うが、それでもグラフのトレンド通りに沖縄観光が成長していることが分かる。
なぜこうなるのかが長い間分からなかった。02年暮れだったと思うが、後に観光情報学会を設立する北大工学部の大内東教授らが、おきなわ観光情報学研究会の定例講演会に合わせて来沖したので、グラフを見せてわたしも講演したところ、「なぜこうなっているのか、解明するように」といわれた。
それから2年。04年5月に沖縄観光速報社30周年記念の紙面をつくっているときに、過去30年の記事やデータを子細に検討しながら、グラフを何時間も穴が空くほど見つめて過去の出来事と照らし合わせながら考えていると、ふと単純な成長原理に気が付いた。久々に学生みたいに興奮してしまった。それが「沖縄観光成長の法則」だ。その時の興奮が残ったまま、とにかくまとめたのが、「見つけた! 沖縄観光成長の法則」(04年6月1日)である。その後、大量に関連記事を自分の新聞に追加、それらをまとめて「沖縄観光成長の法則」(A4判32ページ)として、04年10月のおきなわ観光情報学研究会シンポジウムで講演した。また、琉球大学で講義の際にはいまでもそれをそのまま使っている。
理科系の読者がこのブログには結構いるようなのでグラフの科学的意味は分かると思う(失礼、理系・文系はあまり関係がない)。わたしの答を見る前に、このグラフがなぜ直線になっているのか、謎解きに挑戦してみて欲しい。誰が解いても同じ答が出てくると思う。あまりにも単純明快な結論なので、県内の観光学者(?)の最大の研究テーマの一つがなくなってしまったほどだ(外国で同じ結論を出した人がいるだろうか。いなければ世界で初めての論文ということになるが…)。ただし、上のグラフだけから結論は出ないかもしれない。なお、この法則は沖縄と同じ環境条件にある世界中で通用している(ちなみに、3月1日付けエントリで、総合事務局の昼食会で講演したという内容は、成長の法則とそれが世界でも通用しているというもの)。
(絵が簡単に貼れるのが分かったので、当分、絵に関連するネタになりそうです。あはは)

わたしが沖縄で仕事をし始めたのが1982年ごろで、当時はグラフ用紙を買ってきて、鉛筆で観光客数をプロットしたものだ。しかし、何も規則性を見つけることができなかった。
その後、やみくもに観光産業について取材したわけだが、15年後、90年代半ばにパソコンで簡単に精密なグラフが描けるようになり、改めてセミログにとってみるときれいな直線になっているではないか。直線になっていること自体が面白いので、当時おきなワ世紀末というケーブルテレビの番組で、知事選に向けて勝手に政策提言しようということになり「2005年ビジター1000万人ポリシー」(98年9月25日)というのを打ち出し、その中で初めてグラフを公開した(当時のグラフがそのままある。上は、少し新しい)。自分の新聞記事(1998年10月1日)にもしてある。最新のグラフもあるが、まだWEB用に加工してないので古いものを使うが、それでもグラフのトレンド通りに沖縄観光が成長していることが分かる。
なぜこうなるのかが長い間分からなかった。02年暮れだったと思うが、後に観光情報学会を設立する北大工学部の大内東教授らが、おきなわ観光情報学研究会の定例講演会に合わせて来沖したので、グラフを見せてわたしも講演したところ、「なぜこうなっているのか、解明するように」といわれた。
それから2年。04年5月に沖縄観光速報社30周年記念の紙面をつくっているときに、過去30年の記事やデータを子細に検討しながら、グラフを何時間も穴が空くほど見つめて過去の出来事と照らし合わせながら考えていると、ふと単純な成長原理に気が付いた。久々に学生みたいに興奮してしまった。それが「沖縄観光成長の法則」だ。その時の興奮が残ったまま、とにかくまとめたのが、「見つけた! 沖縄観光成長の法則」(04年6月1日)である。その後、大量に関連記事を自分の新聞に追加、それらをまとめて「沖縄観光成長の法則」(A4判32ページ)として、04年10月のおきなわ観光情報学研究会シンポジウムで講演した。また、琉球大学で講義の際にはいまでもそれをそのまま使っている。
理科系の読者がこのブログには結構いるようなのでグラフの科学的意味は分かると思う(失礼、理系・文系はあまり関係がない)。わたしの答を見る前に、このグラフがなぜ直線になっているのか、謎解きに挑戦してみて欲しい。誰が解いても同じ答が出てくると思う。あまりにも単純明快な結論なので、県内の観光学者(?)の最大の研究テーマの一つがなくなってしまったほどだ(外国で同じ結論を出した人がいるだろうか。いなければ世界で初めての論文ということになるが…)。ただし、上のグラフだけから結論は出ないかもしれない。なお、この法則は沖縄と同じ環境条件にある世界中で通用している(ちなみに、3月1日付けエントリで、総合事務局の昼食会で講演したという内容は、成長の法則とそれが世界でも通用しているというもの)。
(絵が簡単に貼れるのが分かったので、当分、絵に関連するネタになりそうです。あはは)
2006年03月10日
不況の直撃受けた消費金額
おきなわ観光情報学研究会のメーリングにわたしが投稿した記事(3月9日)。誤字もあるが直さないで掲載する。
========
各位
渡久地明です。
入域観光客数に不況の影響が出ていない、と述べました。不況でも観光客数が伸
ばせるのは、沖縄の観光客数がたったの500万人と日本全体の需要に比べて
シェアがわずか1.5%前後と小さすぎるからです。日本全体の観光需要から見
たら、沖縄の500万人が600万人になることなど、誤差範囲でしかない。そ
こで、沖縄観光は客室が増えれば、観光客数も増えるという成長の法則が成り立
つ条件を満たしているわけです。
一方で、消費金額の減少は不況と密接に関連があると思われます。
このような現象の身近な実例を考えると、
(1)袋ラーメンをつくるケース
熱湯をどんぶりに注いで3分待つケース。
熱湯の温度によって、出来が異なるでしょう。
100度なら3分で食べ頃になるのに、間違って60度のお湯を使ったら、5分
かかるかも知れないし、できあがったものもぬるくておいしくない。
60度のお湯を注いでしまった場合、お湯の分量は充分だけれども、温度不足な
ので、再度加熱が必要となります。
観光客数=熱湯の量
とみる。
消費金額=熱湯の温度
と見れば、不況時でも観光客数は増えるのに消費金額は減少しているというイ
メージができます。
上の例で加熱が必要ということは、地元でのまつりやイベントで消費を引き出す
環境をつくるということに対応します。
しかし、それには地元から熱を観光客に与えるということになり、このことは地
元業者にとって、より多くの出費や値引きをする羽目になります。いま、観光業
界がやっている値引きや無料入場券、お土産プレゼントはまさにこのことです。
このような競争によって、消費金額が増えるならまだしも、せいぜい前年並みな
ら、業界は毎年、出費だけ増える、という悪循環になります。
それでも何とかなっているのは、観光客数が着実に増えているという点に支えら
れているからです。誰かが言うように、供給サイドを工夫して諸費金額を増やす
べき、というのは言葉の上では理解できますが、現実には困難で、それは過去
15年の日本の不況が供給サイド工夫では改善しなかったという事実から明らか
でしょう。
これに対して、不況を脱却すべきとわたしが前から唱えているのは、最初から熱
湯を注げ、ということです。
(2)気体電子工学での実例
水素に高電圧をかけると電離し、プラズマができます。水素原子、電子、水素分
子が入り交じった状態が簡単にできるので、わたしは30年前にこれを扱ってい
ましたが、カネがない研究室では粒子温度をプラズマ容器内で高めるのは至難の
業で、実験では最初から高エネルギーのプラズマをつくって、容器内に射出する
のが基本でした。(カネがあれば直径6キロのサイクロトロンで加熱実験ができ
るわけで(略)=フェルミ研究所の葉恭平博士)
同じことは観光客にも当てはまることが、経験上分かっています。
すなわち、
A.高額旅行商品を購入したお客は、行った先でも消費額が大きい。
B.格安旅行商品を購入したお客は、行った先でも消費しない。
この二つが観光業界では経験的常識となっており、現状は不況のためBが多い。
これでは供給サイドが相当に思い切った投資を行わない限り、消費を増やすのは
難しいと思われます。サービスの強化といった小手先の工夫で売上が上がるなら
誰でもやっていますし、その結果がやっと前年並みの維持でしょう。
ちなみに100億円かけたDFSの昨年の仕入額はわたしの計算では55億円程
度でした。県統計では土産品の消費額が05年は04年比プラス3千円の1万
8606円となり、これはDFSの効果と見られています。ところが03年の土
産品消費額もほぼ同じ16838円なんですね。04年の消費の落ち込みが大き
く(商品価格と消費金額が上がるピークシーズンを台風が直撃)、05年はその
反動で伸びたとしか見えない。100億円かけても消費は伸び悩んでいるわけで
す。DFSだけは儲かったかも知れないが、DFSでの消費分、他の部門が売り
上げを落としたと考えられます。もっとも、DFSがなければ、もっとドーンと
消費額が減少したかも知れないですけど。
朝っぱらから長くなりましたが、観光客数の伸びは不況とは無関係だが、消費金
額は不況の直撃を受けているというのは以上のイメージです。
だから早く緊縮財政をやめて、積極財政に転じろと、さらに小一時間(藁)
========
さらに細かい分析が「観光とけいざい」3月1日号にあるが、WEB公開は2、3カ月後の予定。
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各位
渡久地明です。
入域観光客数に不況の影響が出ていない、と述べました。不況でも観光客数が伸
ばせるのは、沖縄の観光客数がたったの500万人と日本全体の需要に比べて
シェアがわずか1.5%前後と小さすぎるからです。日本全体の観光需要から見
たら、沖縄の500万人が600万人になることなど、誤差範囲でしかない。そ
こで、沖縄観光は客室が増えれば、観光客数も増えるという成長の法則が成り立
つ条件を満たしているわけです。
一方で、消費金額の減少は不況と密接に関連があると思われます。
このような現象の身近な実例を考えると、
(1)袋ラーメンをつくるケース
熱湯をどんぶりに注いで3分待つケース。
熱湯の温度によって、出来が異なるでしょう。
100度なら3分で食べ頃になるのに、間違って60度のお湯を使ったら、5分
かかるかも知れないし、できあがったものもぬるくておいしくない。
60度のお湯を注いでしまった場合、お湯の分量は充分だけれども、温度不足な
ので、再度加熱が必要となります。
観光客数=熱湯の量
とみる。
消費金額=熱湯の温度
と見れば、不況時でも観光客数は増えるのに消費金額は減少しているというイ
メージができます。
上の例で加熱が必要ということは、地元でのまつりやイベントで消費を引き出す
環境をつくるということに対応します。
しかし、それには地元から熱を観光客に与えるということになり、このことは地
元業者にとって、より多くの出費や値引きをする羽目になります。いま、観光業
界がやっている値引きや無料入場券、お土産プレゼントはまさにこのことです。
このような競争によって、消費金額が増えるならまだしも、せいぜい前年並みな
ら、業界は毎年、出費だけ増える、という悪循環になります。
それでも何とかなっているのは、観光客数が着実に増えているという点に支えら
れているからです。誰かが言うように、供給サイドを工夫して諸費金額を増やす
べき、というのは言葉の上では理解できますが、現実には困難で、それは過去
15年の日本の不況が供給サイド工夫では改善しなかったという事実から明らか
でしょう。
これに対して、不況を脱却すべきとわたしが前から唱えているのは、最初から熱
湯を注げ、ということです。
(2)気体電子工学での実例
水素に高電圧をかけると電離し、プラズマができます。水素原子、電子、水素分
子が入り交じった状態が簡単にできるので、わたしは30年前にこれを扱ってい
ましたが、カネがない研究室では粒子温度をプラズマ容器内で高めるのは至難の
業で、実験では最初から高エネルギーのプラズマをつくって、容器内に射出する
のが基本でした。(カネがあれば直径6キロのサイクロトロンで加熱実験ができ
るわけで(略)=フェルミ研究所の葉恭平博士)
同じことは観光客にも当てはまることが、経験上分かっています。
すなわち、
A.高額旅行商品を購入したお客は、行った先でも消費額が大きい。
B.格安旅行商品を購入したお客は、行った先でも消費しない。
この二つが観光業界では経験的常識となっており、現状は不況のためBが多い。
これでは供給サイドが相当に思い切った投資を行わない限り、消費を増やすのは
難しいと思われます。サービスの強化といった小手先の工夫で売上が上がるなら
誰でもやっていますし、その結果がやっと前年並みの維持でしょう。
ちなみに100億円かけたDFSの昨年の仕入額はわたしの計算では55億円程
度でした。県統計では土産品の消費額が05年は04年比プラス3千円の1万
8606円となり、これはDFSの効果と見られています。ところが03年の土
産品消費額もほぼ同じ16838円なんですね。04年の消費の落ち込みが大き
く(商品価格と消費金額が上がるピークシーズンを台風が直撃)、05年はその
反動で伸びたとしか見えない。100億円かけても消費は伸び悩んでいるわけで
す。DFSだけは儲かったかも知れないが、DFSでの消費分、他の部門が売り
上げを落としたと考えられます。もっとも、DFSがなければ、もっとドーンと
消費額が減少したかも知れないですけど。
朝っぱらから長くなりましたが、観光客数の伸びは不況とは無関係だが、消費金
額は不況の直撃を受けているというのは以上のイメージです。
だから早く緊縮財政をやめて、積極財政に転じろと、さらに小一時間(藁)
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さらに細かい分析が「観光とけいざい」3月1日号にあるが、WEB公開は2、3カ月後の予定。
2006年02月23日
温度が低い(高い)気体モデル(メモ)
観光客一人当たりの消費金額が低迷しているが、観光客数そのものは増えている、という状態と似たモデルが、
気体の粒子数と粒子温度の関係としてアナロジーを組める。
粒子数は増やせるが、温度が上がらない場合があり、これは粒子にエネルギーを与え切れていない状態。エネルギー不足。
エネルギーを与えきれない状態がデフレであると考えると、うまく説明が付く。粒子温度を上げるには、粒子を打ち込む前にエネルギーを高めておくという方法と、エネルギーが低い粒子を打ち出したあとで何かの方法であたためるという方法の二つがある。しかし、いずれにしてもエネルギーの投入が必要になり、どれが効率がよいかの話になりそうだ(以下略)。
気体の粒子数と粒子温度の関係としてアナロジーを組める。
粒子数は増やせるが、温度が上がらない場合があり、これは粒子にエネルギーを与え切れていない状態。エネルギー不足。
エネルギーを与えきれない状態がデフレであると考えると、うまく説明が付く。粒子温度を上げるには、粒子を打ち込む前にエネルギーを高めておくという方法と、エネルギーが低い粒子を打ち出したあとで何かの方法であたためるという方法の二つがある。しかし、いずれにしてもエネルギーの投入が必要になり、どれが効率がよいかの話になりそうだ(以下略)。
2006年02月18日
旅行業の基幹システム
昔からの持論であって、たぶん真理だと思うが、観光業界のIT化は観光業界のプロがITの細かいところを知らず、IT開発者が観光業界を全然分かっていないので、できあがった観光IT製品が全く観光業界の役に立たないものになっている。
コンピュータ化でさまざまな企画がITの側から観光業界に持ち込まれたが、多くは失敗した。
観光業界は逆にIT開発者に対して、どんどん注文をつけていけば良かったのだが、それをやってこなかった。
だから両者の橋渡しになる人や会社が必要で、それが観光産業のIT化に貢献するだろうと予想していた。30年前の話だ。30年前、すでに電気通信の研究者らの間では、現代のインターネットのような環境が整うと予測していた。NTTは2000年までに現代のインターネットのような通信環境を整えるというロードマップをつくっていた。いま、ほぼロードマップ通りになったと言える。
わたしの予想は観光産業とIT企業の橋渡しになる人や企業が必要になるというものだったが、この予想は修正しなければならない。旅行会社経験者自身がシステム開発を行ない、製品を一般化するのがベストだ。
旅行業の経験がないシステム開発者に旅行業務を教えて製品を作るより、旅行を知り尽くしたプロフェッショナルが、自分でシステムを開発すれば、ベストの製品ができる。
旅行宇業務をコンピュータの処理に置き換える開発過程で、旅行業務全体の合理化、効率化が図られ、できあがったものは普遍性を持つようになる。
会社は伝統や企業風土があって、同じ業種でも仕事の仕方にクセ(個性)があるものだが、上のように開発された製品を使うのが合理的と判断できれば、それまでの仕事のやり方を製品にあわせた方がよい。
30年前、朝日新聞がIBMと組んで何百億円もかけて大型コンピュータを使った日本語の新聞製作システムを開発。その後、大手新聞も続々独自に新聞製作システムを開発した。ところが、パソコンの性能の向上で、それまで大型コンピュータが必要だった新聞製作もパソコンソフトで作れるようになった。大型コンピュータの経験はパソコンで十分活かされていることと思う。
わたしは新聞製作に主にページメーカーを使うが、ページメーカーでできることだけをやろうと、10数年前に考え方・製作方針を変えた。新聞の伝統にしたがってそれまでの紙面を再現するより、ページメーカーの機能にしたがった方が効率がよいからだ。インデザインというもっと機能が多くついたソフトも持っているが、わたし自身は使ったことがない。ページメーカーになれてしまうと、ワードや一太郎といったワープロソフトも全く使っていない(使い方も知らない)。
新聞製作と同じように、パソコンを使った旅行業の基幹システムを開発している企業があり、非常に面白い仕組みになっていることを最近知った。パソコンを使うので、システムへの投資額は劇的に減り、日常業務も大幅に合理化・効率化できる。
ビィー・フリーソフトという会社だが、わたし自身は旅行業の実務経験者ではないから、旅行社に面白さを精密に伝え切れない。システム開発の基本的なスタンスと新聞製作の実例をもとに、雰囲気だけ紹介した。
コンピュータ化でさまざまな企画がITの側から観光業界に持ち込まれたが、多くは失敗した。
観光業界は逆にIT開発者に対して、どんどん注文をつけていけば良かったのだが、それをやってこなかった。
だから両者の橋渡しになる人や会社が必要で、それが観光産業のIT化に貢献するだろうと予想していた。30年前の話だ。30年前、すでに電気通信の研究者らの間では、現代のインターネットのような環境が整うと予測していた。NTTは2000年までに現代のインターネットのような通信環境を整えるというロードマップをつくっていた。いま、ほぼロードマップ通りになったと言える。
わたしの予想は観光産業とIT企業の橋渡しになる人や企業が必要になるというものだったが、この予想は修正しなければならない。旅行会社経験者自身がシステム開発を行ない、製品を一般化するのがベストだ。
旅行業の経験がないシステム開発者に旅行業務を教えて製品を作るより、旅行を知り尽くしたプロフェッショナルが、自分でシステムを開発すれば、ベストの製品ができる。
旅行宇業務をコンピュータの処理に置き換える開発過程で、旅行業務全体の合理化、効率化が図られ、できあがったものは普遍性を持つようになる。
会社は伝統や企業風土があって、同じ業種でも仕事の仕方にクセ(個性)があるものだが、上のように開発された製品を使うのが合理的と判断できれば、それまでの仕事のやり方を製品にあわせた方がよい。
30年前、朝日新聞がIBMと組んで何百億円もかけて大型コンピュータを使った日本語の新聞製作システムを開発。その後、大手新聞も続々独自に新聞製作システムを開発した。ところが、パソコンの性能の向上で、それまで大型コンピュータが必要だった新聞製作もパソコンソフトで作れるようになった。大型コンピュータの経験はパソコンで十分活かされていることと思う。
わたしは新聞製作に主にページメーカーを使うが、ページメーカーでできることだけをやろうと、10数年前に考え方・製作方針を変えた。新聞の伝統にしたがってそれまでの紙面を再現するより、ページメーカーの機能にしたがった方が効率がよいからだ。インデザインというもっと機能が多くついたソフトも持っているが、わたし自身は使ったことがない。ページメーカーになれてしまうと、ワードや一太郎といったワープロソフトも全く使っていない(使い方も知らない)。
新聞製作と同じように、パソコンを使った旅行業の基幹システムを開発している企業があり、非常に面白い仕組みになっていることを最近知った。パソコンを使うので、システムへの投資額は劇的に減り、日常業務も大幅に合理化・効率化できる。
ビィー・フリーソフトという会社だが、わたし自身は旅行業の実務経験者ではないから、旅行社に面白さを精密に伝え切れない。システム開発の基本的なスタンスと新聞製作の実例をもとに、雰囲気だけ紹介した。
2006年02月01日
グラビティーモデルがあるなら
観光地の消長に関して、グラビティーモデルというのがある。先ほど見つけたばかりで、詳しく検討したわけではないが、元は貿易取引のモデルとしてよく使われるらしい。
グラビティーモデルとは日本語でいえば、万有引力の法則を経済現象に流用する(アナロジーを使う)ものと理解した。
観光地でいえば、観光客数や観光収入は発地と着地の人口や経済規模などの積に比例し、距離の2乗に反比例するモデルとなる。
なるほど、しかしこれでは距離が日本中のどこよりも遠い沖縄で観光客が増えていることが説明しにくい。
「沖縄観光成長の法則」でわたしは、別のモデルを提出してある。
質量に比例し、距離の2乗に反比例する万有引力モデル(グラビティーモデル)より、わたしのモデルの方が分かりやすい。
だいぶ前から3つのアナロジーを想定し、それぞれで別の論文が書けると思っているが、結論は3つとも同じものになるだろうと予想している。
㈰真空管モデル(グリッドを入れて運賃や旅費の影響を説明できる。電子数・電流=観光客数、陽極=発地、陰極=着地、グリッド電圧=パック料金や運賃)。短期的な価格変動と観光客数の変動を説明できる。
㈪プラズマ閉じ込めのモデル(粒子数=観光客数、ライフタイム=滞在日数、消費金額=温度のアナロジー)。一番難しいモデル。不安定性なども検討できる。
㈫中間子理論モデル(「沖縄観光成長の法則」で絵を描いて示した(背景に星空を描いたので、グラビティーモデルのように見えるが、そうではない)。需要と供給の二つのポテンシャルを繋ぐのが流通企業(旅行社、航空会社)であるとするモデル)。一番単純なモデル。
㈰から㈫までのようなことをいうと、「トンデモ」と思われる可能性があるので黙っていたが(言わない方がよいとのアドバイスも受けているが)、グラビティーモデルが経済学のある分野で通用しているなら(内閣府資料「平成16年度年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)−改革なくして成長なしIV−平成16年7月」http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je04/04-00203.html)、それよりはこっちの方が精密に議論がすすめられ、かつ、現実にもあう。誰もやる人がいないならわたしがやることになるのだが。(グラビティーモデルも成り立つなら大統一理論ができたりして…)
グラビティーモデルとは日本語でいえば、万有引力の法則を経済現象に流用する(アナロジーを使う)ものと理解した。
観光地でいえば、観光客数や観光収入は発地と着地の人口や経済規模などの積に比例し、距離の2乗に反比例するモデルとなる。
なるほど、しかしこれでは距離が日本中のどこよりも遠い沖縄で観光客が増えていることが説明しにくい。
「沖縄観光成長の法則」でわたしは、別のモデルを提出してある。
質量に比例し、距離の2乗に反比例する万有引力モデル(グラビティーモデル)より、わたしのモデルの方が分かりやすい。
だいぶ前から3つのアナロジーを想定し、それぞれで別の論文が書けると思っているが、結論は3つとも同じものになるだろうと予想している。
㈰真空管モデル(グリッドを入れて運賃や旅費の影響を説明できる。電子数・電流=観光客数、陽極=発地、陰極=着地、グリッド電圧=パック料金や運賃)。短期的な価格変動と観光客数の変動を説明できる。
㈪プラズマ閉じ込めのモデル(粒子数=観光客数、ライフタイム=滞在日数、消費金額=温度のアナロジー)。一番難しいモデル。不安定性なども検討できる。
㈫中間子理論モデル(「沖縄観光成長の法則」で絵を描いて示した(背景に星空を描いたので、グラビティーモデルのように見えるが、そうではない)。需要と供給の二つのポテンシャルを繋ぐのが流通企業(旅行社、航空会社)であるとするモデル)。一番単純なモデル。
㈰から㈫までのようなことをいうと、「トンデモ」と思われる可能性があるので黙っていたが(言わない方がよいとのアドバイスも受けているが)、グラビティーモデルが経済学のある分野で通用しているなら(内閣府資料「平成16年度年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)−改革なくして成長なしIV−平成16年7月」http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je04/04-00203.html)、それよりはこっちの方が精密に議論がすすめられ、かつ、現実にもあう。誰もやる人がいないならわたしがやることになるのだが。(グラビティーモデルも成り立つなら大統一理論ができたりして…)


