2005年06月19日

観光客は減っているとの体感

 沖縄県統計の観光客数は増えているのに、業界では

 「県の統計は信用できない。売上は減っているし、お客の数も増えてない」

 といわれた時期が何度かある。

 最初にこれを聞いたのは80年代半ばのような気がする。

 次に、90年代半ばにも聞いた。いま、同じ状況になっている。

 これは客観的には、

 観光客はわずかに伸びているが、ホテルなら客室が増えており、競争相手が増えているので、お客が分散して、自分のホテルの売上が減る。

 同じことはお土産品店やレストランでも起こる。お土産品店もレストランもどんどん増えており、競争相手が増え、観光客の伸びが追いつかないと、自分の店の売上は減っている。観光客は減っていると体感するわけだ。

 このようになっていることは簡単に分かるから、業界から観光客は減っているのではないかと聞かれたら、県の統計の正当性を説明して、お客が分散しているからだと分析し、観光客が増えていることは間違いないと説明してきた。

 しかし、このような説明はやはり他人事であろう。個々の事業所からすると、確かに観光客は減っているのである。

 個別の事業所から見て、観光客は減っている→経営は苦しい。

 ことと、

 全体の観光客はやや増えている→苦しいのは経営側の問題。

 と他人事のようにいっていたわけだ。

 他人事でない解決策は、たとえ統計の数値が増えていても、観光客が減っていることが正しい現実であると認めた上で、

 個々の事業所のお客が増えたと実感できる程度に、全体の観光客数は大幅に増やすこと。

 が実現したときである。このとき、はじめて、全体がハッピーになる。

 これを達成するための観光客数の増加率は、いまなら、直感的には年間7、8%くらいの伸びが必要になるだろう。

 直感的と述べたのは、5月の観光客数が6%程度伸びているが、ホテル稼働率は前年並みにしかなっていないからだ。前年を上回るには7、8%の観光客の増加が必要ということになる。

 したがって、04年の観光客数は03年に比べて3%増えたが、個々の事業所の売上は芳しくなく、実態は厳しかったということになる。

 ただし、事実上2社しかない航空会社は沖縄が伸びた分そのまま実績が伸びるので、売上は単純に増えた。
 
 このことから、航空会社は沖縄に限ると、7、8%成長が実現できる運賃体系をとるべきだという、結論が一つ出る。

 もし、現行運賃より5%下げて、乗客が8%増える運賃体系がとれるなら、そうすべきだ。両航空会社は県内にいくつもホテルや関連事業を持っており、そこが利益を出せば万々歳という政策を考えるべきだ。単体の利益最大化なら、観光客数は低い伸びに止まる。

 せいぜい5%成長が限界という経営判断なら、今年は運賃は下げる必要はなく、5%成長で最大の利益が出るように運賃が決められ、6%以上伸びる見込みがあると、さらに運賃を上げようという経営判断になる可能性がある。最初から7、8%成長で利益が最大になる運賃体系を組むべきだ。04年、03年の低い伸びはこの経営判断のミスがあったのではないか。

 やはり、全体の伸びを最優先にした運賃体系が航空会社に求められ、全体を増やす中で利益を最大化するプログラムを組むべきだ。

 日本経済全体についても似たようなことが言えるかも知れない。右肩下がりが当たり前、とみんなが思い込んだら売上が減っても利益が出るような経営が求められ、人件費を減らすという判断になる。

 もっとも、沖縄の場合は伸びる余地があるが、日本全体の場合は政府が緊縮予算を組んでGDPが増えない状態で、どうしようもないが。
  
Posted by 渡久地明 at 00:06Comments(0)TrackBack(0)