2006年02月25日

下水道シンポ、水不足は解消か

昨日の下水道シンポは意外に(失礼)面白かった。

琉球大学の堤純一郎教授は世界の下水道について、幅広く、分かりやすく述べた。

パネルディスカッションでは桑江良光県土木建築部下水道課長が、下水道の整備によって、沖縄の海がきれいになっている実例と、従来の下水道事業が降った雨を早く排出することと、汚泥を早く処理して捨てることを主眼としていた政策を、排水を浄化して再利用すること、汚泥も再利用する方向に大転換したことを述べた。

農学部の渡嘉敷義浩教授は処理水は飲み水に使えること、固形物は肥料にして再利用していることを述べた。

わたしは、観光客数は景気とは無関係に受け入れ施設が増えると伸びルというメカニズムで拡大し、一方不況の影響は消費金額の減少となって確かにあらわれていると見られる、と述べた。

NPO法人海と渚保全会の田中幸雄理事長は、沖縄の海が世界一豊であることを新聞記事を引用して精密に述べた。

沖縄県婦人連合の平良菊理事は、生活排水を汚さないための主婦の工夫について、述べたが、圧巻は「下水道工事は長期にわたって県内の土木建設業者が請け負える仕事であり、雇用を安定させる」と述べたことだった。すばらしい。

また、それぞれの立場から、問題点はないかとのコーディネーターの振りに答えて「観光産業は先進地であるハワイで環境破壊などの問題が起こっていないことから、沖縄の観光産業の拡大に関してわたしは楽観視している。ハワイは沖縄観光の4倍の規模があり、昨年の沖縄観光が550万人であったことから、沖縄も2000万人までは行ける。その時、下水と上水は間に合うのか」と述べたら、

桑江氏は「北谷町など下水が整備されると海で泳げるようになったことから、観光客増加に下水道は貢献できる。また、水路が普及すれば農業用水として確保しているダムの水を上水に回し、超高度処理水を農業用に使うことで、解決の可能性がある」と述べた。

処理水は飲めるほどキレイになっているにもかかわらず、現在はそのまま海に捨てており、現実には再利用という出口の政策が課題になっているという。水の確保にはすでにダムがどうしても必要という状態ではなくなっているのかも知れない。

発言者の発言全体がデータを示しながらの実証的なもので、わたし自身が非常に参考になった。

参加者は約百人。用意したテーブル席に収まらず、後ろにイスを追加した。県内マスコミは誰も来なかったが、わたしが詳しく自分の新聞で記事にしようと思う。  
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2006年02月23日

温度が低い(高い)気体モデル(メモ)

観光客一人当たりの消費金額が低迷しているが、観光客数そのものは増えている、という状態と似たモデルが、

気体の粒子数と粒子温度の関係としてアナロジーを組める。

粒子数は増やせるが、温度が上がらない場合があり、これは粒子にエネルギーを与え切れていない状態。エネルギー不足。

エネルギーを与えきれない状態がデフレであると考えると、うまく説明が付く。粒子温度を上げるには、粒子を打ち込む前にエネルギーを高めておくという方法と、エネルギーが低い粒子を打ち出したあとで何かの方法であたためるという方法の二つがある。しかし、いずれにしてもエネルギーの投入が必要になり、どれが効率がよいかの話になりそうだ(以下略)。  
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2006年02月23日

下水道シンポジウム・INオキナワ

「家庭から海へ! 美ら島ウチナー下水道“新時代”」

というシンポジウムが、明日、13:30から16:30まで、沖縄県青年会館で開催される。

わたしも観光産業について、7、8分、持ち時間があるので、発言します。2018年には観光客は1000万人になるという理屈を猛スピードで話す予定。参加できる方はどうぞおいで下さい。入場無料です。

主催:沖縄総合事務局
共催:沖縄県土木建築部
後援:県内新聞・放送局

基調講演(13:35):堤純一郎 琉球大学工学部環境建設工学科教授

パネルディスカッション(14:30):堤教授コーディネート
パネリスト:渡嘉敷義浩 琉球大学農学部教授
      渡久地 明 沖縄観光速報社編集長
      平良  菊 沖縄県婦人連合会理事
      田中 幸雄 NPO法人海と渚保全会理事長
      桑江 良光 沖縄県土木建築部下水道課長  
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2006年02月20日

なぜ、銀行は過去最高の利益が出るのか

 銀行にカネを預けると年利は0.1%、借りても1‐2%なのに、なぜ、銀行は過去最高の利益を上げるのだろうか。株価が上がって資産が増えたからというのもあるかも知れないが、もともと銀行はカネがなくてもカネを貸し付けることができる。100万円の現金があれば、9900万円まで貸付けることができ、金利はその9900万円に対してつくから、銀行はぼろ儲け。そのカネで店舗を維持し、行員に高い給料を払う。同じことを言っている二つの記述を引用するが、いっていることを理解すると借り手の金利はゼロでも、いやマイナスでも銀行はぼろ儲けであることが分かる。

 最初はビル・トッテンさんの次のコラム。ちょっと難しいかも知れないが、後に教科書の記述で意味が鮮明になる。

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(略)

 銀行は企業や個人からお金を預かり、それを貸して利息をとる。しかし実際は、自分が持っていないものを貸し出して、利益(利息)を受け取っているのである。仕組みを簡単に説明すると、銀行は預金者からお金を預かり、払い戻しを想定して日本銀行に一定の準備金を預ける。準備率を1%とすると(実際は1.3%)、100万円預かると1万円を日銀に預け、残りの99万円は貸し付けることができる。貸し付けられた99万円が再び銀行口座に入れば銀行はまたその1%を預け、残りを貸し出す。こうして預かったお金は百万円でも、これを繰り返すと準備金を積んで9900万円まで貸し出すことができる。これが専門用語で「信用創造」とよばれるメカニズムであり、日本に出回っているお金の約99.9%は何もないところから銀行が作ったお金だということになる。

 銀行がお金を作ることをやめたら、経済の血液ともいわれるお金の流れが滞ってしまうとの反論があるだろう。しかしそれは政府日銀がお金を作ることで解決できる。経済状況に応じて、経済が必要とする新しいお金を日銀が刷り、それで政府の支出をカバーしていくのだ。例えば国家予算は82兆円だが36兆円は金融機関などからの借金である。その利子を払うのは国民である。実際、82兆円の国家歳出のうち約18兆円は過去の借金の利払いだ。だから政府予算が30兆円足りなければ、日銀が30兆円を印刷して政府に渡せばよい。これで政府は金融機関から借金をする必要がなくなり、数年間これを続ければ日本の国家債務は消滅し、それ以降は毎年経済に必要な分として日銀が決めて刷る新札の分だけ税金を減らすこともできる。

(略)

「無知な国民に対する隠謀」ビル・トッテンコラム(Our World)
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1175719_629.html

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 銀行にぼろ儲けさせるのではなく、国が銀行の役割を果たせば、税金は安くなるし、財政赤字などさっさとなくなるという話だ。ビル・トッテンさんはTBSテレビ・ブロードキャスターのコメンテーターもやっているが、アシストというコンピュータ関連企業の社長で、日本に惚れ込んで日本人以上に日本の伝統や歴史、文化を愛している。経済学博士でもある。

 もう一つは、このブログでお馴染みの経済学の教科書。

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2 預金貨幣の供給

 貨幣には現金のほかに預金貨幣がある。預金貨幣とは、小切手あるいは小切手類似の支払指図証をもって随時に引き出しうる預金をいう。この種の預金を当座預金(checking deposit)という。銀行は一定額の現金を基礎にして当座預金をつくり出すことができる。その手続はつぎのようである。
 いま、ある人がある銀行に100万円の現金を預金したとする。銀行はその預金のうち一定割合、たとえば10%を現金準備(または預金準備または支払準備)として保有し、残り90%を貸し付けることができる。この貸付がすべて当座預金に預け入れられるならば、90万円の預金貨幣がつくり出されることになる。借手がそれをただちに小切手で引き出し、その小切手が現金に換えられてしまうならば、銀行の信用創造能力はそれでつきてしまう。しかし、もし借手がそれを一応当座預金として銀行にとどめておくならば、あるいは振り出された小切手がどこかの銀行の当座預金勘定にそのまま預け入れられるならば、それを受け入れた銀行はその10%、すなわち9万円を現金準備として保有し、残り81万円をだれかに貸し付けることができる。このようにして預金貨幣がつぎつぎに創造されていく。結局、創造されうる預金貨幣の総額は次式のように最初の預金額の9倍に当たる900万円となる。

  100万円(1−0.1)+100万円(1−0.1)^2+100万円(1−0.1)^3+……
  =90万円+81万円+72万9千円+……
  =100万円×(1−0.1)/1−(1−0.1)=100万円×0.9/0.1=900万円

 この倍数を信用創造乗数という。以上の例を一般式で示せばつぎのようになる。もとの預金をD、預金準備率をγ、派生金額総額をZとするならば

 Z=D(1−γ)十D(1−γ)^2+D(1−γ)^3+……
  =D×(1−γ)/(1−(1−γ))=D×(1−γ)/γ

 なおこの乗数は市中銀行が組織全体として創造しうる預金貨幣の限度を示すものである。一銀行だけが信用創造を行なうならば、やがて手形交換において支払不能となるが、すべての銀行が歩調を揃えて信用創造を行なうならば、手形が相互に相殺されてしまうので、信用創造をその限度までつづけることができる。
 もしまた貸付けの一部が現金でなされるか、あるいは振り出された小切手の一部がただちに現金化されるならば、それだけ乗数は減少する。
 最初に新預金がなされなくても、預金準備率が引き下げられるならば、それによって生じた現金の余剰をもとにして信用創造を行なうことができる。昔は預金準備率は20%とか10%とか、かなり高かったが、現在の日本では約1%前後に引き下げられている。この率は銀行の種類、預金の種類および預金額によって細かに定められている。なおこの預金準備額は中央銀行に強制的に預け入れなげればならないことになっている。したがって政府はこの準備率を操作することによって通貨数量を調節することができるわけで、このような調節を預金準備率政策とよび、貨幣政策の重要な手段となっている。
 
(千種義人「経済学入門」(同文館)、240‐241ページ)

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 さすがに教科書は無味乾燥という感じがするが、非常に分かりやすい。以上、二つのいっていることは、全く同じである。なお、教科書で当座預金といっているのは、手形を使っているときの話だが、借り入れして預金通帳に振り込まれ、現金に替えないでそのまま支払に回すことが多いので、当座預金の説明と同じになる。
 
 このことから、100万円を預けてゼロ以上の金利を受けるのは、当然として。
 
 信用乗数1%で、99人に100万円を貸した場合、100万円借りた本人が1年後に元金のみ100万円を返しても、銀行は総額で9900万円の返済を受けることになり、金利ゼロでもぼろ儲けである。法定金利15%というのはいかに法外であるかが分かる。
 
 さらに100万円を99人に貸して、1年後に半分の50万円だけ返してもらって、あとはいらないとしたら、5割のマイナス金利になるにもかかわらず、銀行には4950万円返ってくるので、それでも十分儲かる、ということになる。
 
 さらにさらに、信用乗数を0.1%にしたら、銀行は100万円のキャッシュをもとに9億9900万円まで貸し付けることができる。80%のマイナス金利でも充分もとが取れるのだ。

 真ん中でカネを握っている銀行がこのような虚業であるのを知れば(だから政府が監視しているのだが)、借金を苦に犯罪に走るという無知な国民がいればいるほど、そしてその犯罪の残虐性のみを追求するだけなら、虚業がばれずにすむ銀行はいつまでも安泰。無知な国民は搾り取られ続ける、というわけだ。それを加速する郵便貯金私有化、構造改革とはいったい…(以下略)。
 
 わたしは中学生の頃からおぼろげながら経済学の教科書でいう信用創造の概念があり、銀行というのはインチキだろうと考えてきた。数学を勉強すると(上の教科書の信用創造乗数で使われている数学は等比数列の和で、昔は高校2年で習った。中学でも似たようなことは教えている)、銀行というのは無から莫大なカネを貸し出すことができると知れる。根拠は初歩的な数学で完全に説明されるわけだ。なお、同じ数学はバブルの形成でも全く同じ形で現れる。ライブドアバブルにもこれがあったと予想される。
 
 数学だけを勉強していたら何のための計算だろうと思う人が多いかも知れないが、経済学の教科書で精密に説明されると、意味が鮮明に分かる。このようなことに数学を使う訓練をしてこなかったので、長い間、おぼろげながら銀行はインチキだろうという程度の理解しかなかったのは悔やまれる。ビル・トッテンさんのような解釈は見事である。  
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2006年02月18日

景気は回復という数値がどんどんでてくる

 ある大企業サラリーマンとの会話。
 
(1)景気は良くなっていく

 ●景気はどんどん良くなるよ。ウチの会社の場合、来年から団塊世代の退職が始まり、20人くらいが定年。3年で100人がやめる。一人1000万円の人件費削減としたら、3年後には売上が増えなくても毎年利益が10億円出る。
 
 日本中でで、定年した人が退職金で薄型テレビでも買うか、というので、ものも売れる。景気は良くなるのが目に見えている。
 
 ■それは大企業だけだろう。
 
 ●もちろんその通り。しかし、大企業の利益は目に見えて増えるから、政府は景気は回復しているというよ。
 
 実際に、ウチではアルバイトや派遣社員が数十人いて、賃金は安い。若い人は賃金は減っていくのに何で構造改革というんだろう。財政赤字を20年前から問題にしてきたのが若い人に染みついている。

(2)小泉構造改革で世の中は本当に良くなるのか

 ■末端まで景気を良くして税収を増やすように政策転換しなければならないのさ。確かに30年前から国の借金が大きくなりすぎるとか、公共工事談合や政治家の汚職で無駄な金を使っているという批判がありすぎた。それをキレイにしようというムードが広がっているのは致し方ない。それと構造改革が結びついた。
 
 現実には無駄をなくすための制度改革というのは一番簡単な政策だが、効果が出るかというと、証拠がない。本当は日本の官僚も政治家も、まともな人たちが100年来の伝統や長い間改良を加えて定着した制度を守ってきた。若い人も若いうちに制度の批判をするが、さらに10年、20年仕事をしていく課程でなぜいまの制度がこのようにできあがってきたかを理解することができた。
 
 ところがそこまで行かない内に自分の仕事がうまくいかないのは制度が古いからだと考える。改革をしようという人たちは仕事ができない人たちばかり、という皮肉があったが、その側面は確かにある。
 
 アメリカがいい例だ。80年代の貿易摩擦でアメリカ企業が日本社会に参入しようとしたら、独特の商慣習があってアメリカのようにトントン拍子に仕事が進まない。それで制度を変えろ、規制を緩和しろという話になった。ところが、まともに日本社会にとけ込んでいる米系企業は当時いくらでもあった。コカコーラやマクドナルドなどは日本社会にすんなり受け入れられていた。
 
 そうでないところが規制緩和を求めたわけだが、それによって入ってきた、たとえばトイザラースなんかはいまどうなっているんだい。マクドナルドでさえ不況の影響を受けている。

(3)世界中の経済学者が通は増発を助言

 ●景気を回復するには。
 
 ■国債を発行して、公共工事を増やす。
 
 ●また借金かい。
 
 ■国の借金というのは、個人がサラ金唐金を借りているのと全く違う。第一、返せという人がいないだろう。
 
 国債というのはカネと同じで国債を発行すると言うことはカネを印刷するのと同じだ。カネの場合は持っていても金利はつかないが、国債は10年持っていれば金利分増える。それだけの違いでカネとは金利ゼロの国債と同じなんだ。国債の発行額がそれほど心配なら、カネを印刷して政府は国債と交換すればよい。すると、国の借金といわれているものはなくなる。公共工事もそうやって捻出したカネでどんどんやればよい。
 
 ●それじゃ、まずいのではないの。
 
 ■全然まずくない。というより世界中の経済学者が通貨の増発を日本政府に助言している。
 
 アメリカなんかしょっちゅうそれをやっている。ブッシュが当選した直後に大幅な減税をするといって、小切手をどんどん印刷して国民に配ったよね。これは何の減税がよく分からないが、とにかくカネを国民にばらまいて景気を良くしようとした。
 
(4)サラ金国家日本の貧富の格差はこうして生まれる

 ●小泉には無理だろう。
 
 ■無理さ。しかし、景気が悪くなると倒産する企業や人が増えると、銀行は貸したカネがとれなくなる。しかし、損金で処理するからその分税金を払わないということになる。すると、政府は税収が減る。減った税収を埋めるために消費税を上げると言ってるんだろ。企業が潰れたり、個人が破産すると銀行や取引企業は損金処理し、その分の税を支払わない。足りない税収は幅広く国民から搾り取る。もともと飯を食うのが精一杯の貧困層は消費税が上がる分、まるまる政府に搾り取られる。
 
 ●株は上がっているよ。
 
 ■もっと上がる。郵便局の350兆円はこれまで公共工事や特殊法人に回っていたのが、市場にでてくる。ほとんど金利がつかないカネなので、リスクもあるがリターンが大きい株を買っておく方がよい。郵便局のカネがなくなるまで、株価は上がる。上がりきったところで売り逃げれば儲かる。それを計画しているのは、郵便局を民営化しろと要求した勢力だろうね。当然売り抜けるときには円でできるだけ多くのドルが買えるようにしておく。ま、数年先の話になると思うけど。

 ●サラ金の親分みたいなのが経済界の代表だろ。このままものづくりが廃れると、ますます日本はおかしくなって行くね。
 
 ■サラ金国家さ。いくらでも貧乏人にカネを貸し付けて、貸し倒れが出たら、損金処理する。政府は税収が減ったら増税する。この繰り返しでますます貧富の差が開き、犯罪も増える。
 
 だから増税ではなく、いまは政府が赤字を出してでも景気をよくしろ、というのがいま一番やるべき政策。政府の債務の増え方以上に景気が良く、GDPが増えていれば、何も問題はない。
 
 ●貧富の差は本当に広がっているね。ウチの会社を見れば分かる。正社員は給料は高いが、アルバイトは時給800円とかだ。しかも、仕事ができても、正社員にはなれない。

(5)急速に幼稚になる日本

 ■その状態を本当に憂えているのは、抵抗勢力だとレッテルを貼られた政治家や官僚の中でも骨のある人たちだよ。
 
 マルクスもケインズもそのズーッと前のマルサスも市場原理に任せたら貧富の差が広がるとちゃんと理解していた。現実そうなっていたわけだ。だから、抵抗勢力といわれる政治家のホームページの政策を見てご覧よ。マルクスみたいなことを言っている人が結構いるよ。
 
 ●イデオロギーの時代は終わったのでは。
 
 ■終わった。ソ連崩壊で社会主義イデオロギーが死んだ。一緒に政府に大きな役割を求めてきたケインズ経済学も戦う相手がいなくなったら、構造改革、規制緩和、国の借金、グローバリゼーション、市場原理主義がごっちゃになって、抵抗勢力というレッテル貼りと抵抗勢力叩きが世の中の風潮になってしまった。イデオロギーを分かる人がいなくなった。日本社会は急速に幼稚になってきているよ。
 
 ●本当に幼稚な理由で殺人事件や幼児虐待が起こっているね。弱いものがもっと弱いものをいじめている。
 
 ■そのうち虐待を受けた幼児も自己責任だと言われるかもね。昔のジャーナリストは貧困が犯罪を生むことを知っていたので、弱いものを助けたんだけど、最近は格差が開いて何が悪いと開き直るところだらけだね。
 
 ●ジャーナリストも学力低いんじゃないの。新聞もテレビもサラ金の宣伝ばっかりだし。
 
 ■それで給料の半分くらいカバーしてるんじゃないの。ハートの問題だろうよ。
 
 ●なかなか話が落ちないので帰るよ。
 
 ■すまん。話が長くなった。  
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2006年02月18日

565万人インタビューなど

ホームページを更新した。

565万人の設定の仕方などを観光商工部長にインタビューした記事
http://www.sokuhou.co.jp/backno2/692.html#t1

県内ホテルで岩盤浴が好調なことをホテルサン沖縄と沖縄レインボーホテルに取材した記事
http://www.sokuhou.co.jp/backno2/692.html#t2

琉球大学計量モデルの景気予測
http://www.sokuhou.co.jp/backno2/692.html#t3

わたしのコラム「景気はかなり精密に計算できる」
http://www.sokuhou.co.jp/library/COLUMN/692-COLUMN.html

新年号記者座談会
http://www.sokuhou.co.jp/library/05shimoki-zadan.html  
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2006年02月18日

旅行業の基幹システム

 昔からの持論であって、たぶん真理だと思うが、観光業界のIT化は観光業界のプロがITの細かいところを知らず、IT開発者が観光業界を全然分かっていないので、できあがった観光IT製品が全く観光業界の役に立たないものになっている。
 
 コンピュータ化でさまざまな企画がITの側から観光業界に持ち込まれたが、多くは失敗した。
 
 観光業界は逆にIT開発者に対して、どんどん注文をつけていけば良かったのだが、それをやってこなかった。
 
 だから両者の橋渡しになる人や会社が必要で、それが観光産業のIT化に貢献するだろうと予想していた。30年前の話だ。30年前、すでに電気通信の研究者らの間では、現代のインターネットのような環境が整うと予測していた。NTTは2000年までに現代のインターネットのような通信環境を整えるというロードマップをつくっていた。いま、ほぼロードマップ通りになったと言える。
 
 わたしの予想は観光産業とIT企業の橋渡しになる人や企業が必要になるというものだったが、この予想は修正しなければならない。旅行会社経験者自身がシステム開発を行ない、製品を一般化するのがベストだ。
 
 旅行業の経験がないシステム開発者に旅行業務を教えて製品を作るより、旅行を知り尽くしたプロフェッショナルが、自分でシステムを開発すれば、ベストの製品ができる。
 
 旅行宇業務をコンピュータの処理に置き換える開発過程で、旅行業務全体の合理化、効率化が図られ、できあがったものは普遍性を持つようになる。
 
 会社は伝統や企業風土があって、同じ業種でも仕事の仕方にクセ(個性)があるものだが、上のように開発された製品を使うのが合理的と判断できれば、それまでの仕事のやり方を製品にあわせた方がよい。
 
 30年前、朝日新聞がIBMと組んで何百億円もかけて大型コンピュータを使った日本語の新聞製作システムを開発。その後、大手新聞も続々独自に新聞製作システムを開発した。ところが、パソコンの性能の向上で、それまで大型コンピュータが必要だった新聞製作もパソコンソフトで作れるようになった。大型コンピュータの経験はパソコンで十分活かされていることと思う。
 
 わたしは新聞製作に主にページメーカーを使うが、ページメーカーでできることだけをやろうと、10数年前に考え方・製作方針を変えた。新聞の伝統にしたがってそれまでの紙面を再現するより、ページメーカーの機能にしたがった方が効率がよいからだ。インデザインというもっと機能が多くついたソフトも持っているが、わたし自身は使ったことがない。ページメーカーになれてしまうと、ワードや一太郎といったワープロソフトも全く使っていない(使い方も知らない)。
 
 新聞製作と同じように、パソコンを使った旅行業の基幹システムを開発している企業があり、非常に面白い仕組みになっていることを最近知った。パソコンを使うので、システムへの投資額は劇的に減り、日常業務も大幅に合理化・効率化できる。
 
 ビィー・フリーソフトという会社だが、わたし自身は旅行業の実務経験者ではないから、旅行社に面白さを精密に伝え切れない。システム開発の基本的なスタンスと新聞製作の実例をもとに、雰囲気だけ紹介した。  
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2006年02月17日

お読みいただき、ありがとうございます

 珍しく飲み会が重なって、年に1回の那覇での大学の同窓会はすっぽかしてしまった。諸先輩方、申し訳ないです。
 
 この間、ブログもお休みしたのは、飲み会に出て酔っ払っていたからだった。これもすみません。
 
 100人くらいのパーティーに出ると、意外にも2、3人の方からブログ面白いよ、という声をかけていただいた。ありがとうございます。
 
 また、わたしの構造改革批判を見て喝采しているのだが、コメントをつけのはかなり怖い。でも、楽しく読んでますよ、とわざわざ事務所を訪ねてきていう方もいて、何とか冥利に尽きる気持ちになる。ありがとうございます。
 
 圧巻はある県内の非常にまじめなエコノミストから、パーティー会場から別れ際、タクシーに乗る直前
 
 「渡久地さん話がある。大したことじゃあないんだけど、○○××さんの計算の精度は渡久地さんが絶賛するほど高くはない、肩入れしすぎだ。そのうち会おう」
 
 というような指摘を受けたことだ。ただしこれはブログの原稿なのかわたしの新聞の記事についてなのかその場では分からなかった。
 
 「ありがたい。そこまで真剣にわたしの書いたものを読んでいただいていたとは知らなかった。酔っ払っていないときに話しましょう」
 
 と返してある。後日、詳しく話したいと思う。  
Posted by 渡久地明 at 21:48Comments(0)TrackBack(0)

2006年02月14日

罰金200億円、すべきでない

 今日の沖縄タイムス朝刊トップ記事
 
 県工事 談合認める 県内建設業者
 公取委、来月処分か
 罰金最大165社・160億円

 がある。
 
 昨年だったか、公取が県内建設業者100社の調べに入ったという記事があったが、その結果がこれだ。
 
 琉球新報夕刊トップは
 
 談合罰金 最大200億円、業界が試算
 
 という記事だ。
 
 爆弾発言であるが、この場合の談合はわたしは悪ではないと考える。そして、罰金で200億円を支払えという処分もやるべきではない。
 
 談合は悪だという常識があるが、そうではない。多数の工事会社が少ない需要のなかで必死に生きており、順番を決めて各社の体力に応じて仕事を割り振っていたことは、合理的でさえある。
 
 県内建設業界は工事を請け負い、それによって得たカネを県内の幅広い関連業界に分配していた。建設や材料の業界だけでなく、多くの雇用を生みだし、幅広い県民に所得を発生させてきた。
 
 大手建設業者が工事費の大半を得て、安い下請けに仕事を回していると指摘する識者もいるが、これは本当だろうか。県内大手建設業者の利益が莫大に出ているという話しも全然聞かない。
 
 いま、談合して工事価格を釣り上げるということにはなっていない。予定価格はどんどん小さくなっており、規定の利益が出る程度にまで絞られている。予定価格の3割引で受注などしたら赤字となるから、かえって手抜きや耐震強度偽装などの問題が出てくることになる。
 
 もっといえば、沖縄での公共工事は産業インフラを整えるためにどうしても必要なものばかりなのに、行財政改革で全国の公共工事を格段に減らした結果、いまの不況が一層深刻化している。結果として、業界は結束せざるを得なかった。誰かが特別に儲かったのではなく、少ない仕事を文句が出ないように、分け合ったのだ。
 
 そして得られたカネは企業や労働者の所得となり、これが消費に回り、県民に分配されていった。
 
 沖縄の公共工事は立ち遅れたインフラを整えるという本来の意味があると同時に、所得の再配分装置として、機能していた。県民のカネをだまし取ったのではなく、むしろ国の金も含めて県民に再分配する機能として、重要な役割を果たした。
 
 談合が悪だとい思いこんでしまったため、当の建設業者の中には人相も悪くなっているものもいるが、本当は役に立っている。何万人もの県民がそれで飯を食ってきた。非難することはできない。
 
 終戦直後、公共事業は失業対策事業とも呼ばれ、特に失業者の多い地域に厚く実施された事実がある。それによって、地域間の格差をなくし、地域経済が成長することで、他の産業が起こってきたのだった。
 
 戦後の沖縄は軍需工事はあったが、産業インフラを整えるための公共工事は少なかった。結果として、復帰まで道路は行き渡らず、港湾も小さなものだったので、物価も高く、産業が起こりにくい状態が続いたのだった。これを取り戻すための復帰後の公共工事であるべきところが、1998年以降どんどん削減され、これが沖縄の景気を落ち込ませている。観光産業がこの落ち込みをカバーする形で伸びているが、カバー仕切れていない。また、観光産業も不況の影響を受けているのは、すぐ前のエントリで述べた通り。
 
 罰金などの処分はいまやるべきではない。現実に罰金を支払えず、倒産企業が出てきたら(上記新聞記事には罰金を払えず、倒産するところも出ると書かれている)、沖縄全体にとってその損害の方が大きい。
 
 処分はストレートな県内企業の破壊でしかなく、百害あって一利なしだ。

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 この記事を書いたあと、TBSのブロードキャスターのアンカーマンもつとめるビル・トッテンさんが「私は談合を悪いどころか、弱者を救うとても良い制度だと思っている」と書いているのに気が付いた。あわせてお読み下さい。(06年2月19日、追記)

http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1176149_629.html  
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2006年02月14日

観光客数・消費金額・業況判断

不況なのに観光客はなぜ増える、を書いたが、

観光客数と一人当たり消費額を一枚のグラフに描き、さらにそれに日銀短観の業況判断のグラフを重ねてみた。

美観上、あまりこういうグラフの重ね合わせは見たことがないと思うが、観光客数は不況下で減りはしなかったが、消費金額は91年のバブル崩壊後の不況下で毎年減少していることが分かる。

業界によると、旅行費用は下げざるを得ず、その結果、お客は増えているが、一人当たり消費金額は減少しているはずだという。具体的には旅行パッケージの中にギフト商品や入場料を組み込んで価格は据え置きのようなことをせざる得ないという。これによってお客が増えているだけ沖縄は他の地域に比べて恵まれている。他の地域はそのような値下げを行っても観光客そのものが増えていないという。沖縄観光は不況の影響をやはり受けている。これを改善するには沖縄サイドの工夫もさることながら、もっと根本的には不況脱出が必要である。

グラフを眺めてみて欲しい。

  
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2006年02月13日

1991年ハワイで何があった

 ハワイへの観光客数が1991年から伸び悩み、その理由は新しいホテルができずに、それ以上観光客を受け入れることができなかったからだということに去年、気が付いて、そのように述べた(http://www.sokuhou.co.jp/library/COLUMN/676-COLUMN.html)。
 
 一方、90年代ハワイの観光行政はプロモーションに力を入れて回復を目指したが、なかなか回復しなかった。HVBなどの機構改革も行った。ハワイが苦戦しているというのはリアルタイムで知っていたが、伸び悩みの理由がなかなか分からなかった(http://www.ryugin.co.jp/chosa/report/pdf/367senshin.pdf)。
 
 このハワイの伸び悩みが始まる1991年という年は湾岸戦争の年であり、世界中の有力観光地がマイナス成長を記録した年でもある。

 同時に日本のバブル崩壊も1991年。しかし、GDPは97年92年まで拡大を続けた。
 
 アメリカではクリントン大統領が登場するのが1993年1月。
 
 沖縄観光成長の法則で、客室が増えなければ観光客も増えないことが分かったので、ハワイの客室を調べたら、客室も91年から増えていない。だから、客室が伸びないため観光客も増えないと結論した。
 
 では、なぜ客室が増えないのか。最近、ハワイの失業率が3%以下に下がり、ほぼ完全雇用に近い状態になっていることから、ホテルを造っても従業員が集まらないからだろうと推測していたのだが、それはテロ後、ここ数年の傾向であり、確かに90年代を通じてハワイは苦悩していた。

 それにしても91年からバッタリ客室も増えず、観光客も増えないのはなぜだろう。ハワイはこの伸び悩みを確かに悩んでいる時期があった。悩んでいないのは最近のことのようだ。
 
 もう少し数値を詳しく見てみると、91年からの伸び悩みは、東洋からの観光客数=主に日本人がバブル崩壊で減少したのかと思っていたら、97年まで堅調に伸びている(橋本政権の逆噴射まで!!)。
 
 91年から減ったのは米本土からの観光客で、日本人が増えていたおかげで、大幅なマイナスをカバーして横這いを維持できたのだった。98年からの日本人の伸び悩みは橋本政権での行革・消費税アップという逆噴射政策のおかげだろう。

 ハワイの91年ごろからの低迷は、日本のバブルの崩壊で日本人が減ったのではなく、米本土からの観光客が減っていたのだった。なぜだろう。
 
 クリントン大統領は、
 
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アメリカ経済の中心を鉱工業から情報・金融に重点を移し、第二次大戦後としては2番目に長い好景気をもたらし、インフレなき経済成長を達成した。グリーンスパンFRB議長の助言の下に、均衡財政をめざし、巨額の財政赤字を解消して、2000年には2300億ドルの財政黒字を達成した。

教育を重視し、学校へのPC導入など、IT教育を推進した。その他、就学前児童の早期教育プログラムの拡大、移民の英語教育の充実を図った。後期には「強いドル」政策を実行し、他国の通貨に対してドル高を維持し、海外からの投資を呼び込んだ。また、アル・ゴアの提唱した「情報スーパーハイウェイ構想」を推進し、IT産業の育成と、IT化による生産性向上(ニューエコノミー)を押し進めた。

税制では、レーガノミックスで引き下げられた高額所得者の所得税率を引き上げた。国民健康保険のような制度が整備されていないため高額な、国民の医療費負担を改善させるための制度を導入しようと試みたが、民間保険会社や企業などからの法案反対活動で成立させることは出来なかった。

(中略)

一方では、好景気の原因は大統領の政策によるものではないとする意見や、好景気は冷戦から解放された資源が民需に回ったことによる「平和の配当」だとする評価、クリントン政権以前のレーガン・ブッシュ時代の知的財産権重視、市場原理強化政策の成果が周回遅れで出て来たとする評価もある。

しかし、FRBの金融緩和、それと連携した財政再建およびドル高容認などによる「金利の低下」に、当時の好景気の主要因を求める意見が、専門家の多数説である。クリントンの経済政策は、後任のジョージ・ウォーカー・ブッシュのそれとは好対照であり、現在その政策は再評価されている。ただし、長期にわたる好景気をもってしても、レーガノミックスによって拡大した社会格差を是正することは、ついに出来なかった。(ウィキペディア「ビル・クリントン」、下線はわたし)

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 という政策をとり、景気を回復し、財政赤字まで解消したのだった(いまの日本は、この政策をとるべきであるのに、全く逆のことをしている)。
 
 ハワイはアメリカでは高所得者層の観光地なのだろうか。上の記事にもある高額所得者の所得税率引上げは有名だが(非常に高所得者層からの評判は悪かった。これを元に戻すためブッシュが誕生したという見方もある)、まさかそれによってハワイに行けるアメリカ人が減ったとは思えないのだが。

 ハワイ島に全米の金持ちの別荘ブームが起こっているというが、ブッシュの高所得者優遇政策と関係があるのだろうか。そして、ハワイの観光客数は05年は730万人程度と初めて700万人を越え、過去最高を記録するのは間違いない。

 ハワイ…。10年くらい行っていないなあ。行くといろんなことが分かりそうなのだが。  
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2006年02月09日

蹴飛ばされるイヌ=小泉

増田俊男氏は「本日の目からウロコ」(ラヂオもりおかhttp://www.radiomorioka.co.jp/index_pc.html

で、ワシントンの複数の政治家から聞いた話しとして、

小泉は沖縄基地問題で何もしていなかったことが分かった、8月に国賓として迎える予定だったのをドタキャンした、狂牛病輸入肉問題でも、同盟国なんだから事前にこういう措置をとるから、アメリカはこういう態度をとってくれ、という事前打ち合わせもなく、いきなり輸入禁止にした、その他その他、

で小泉はブッシュのイヌはイヌでも蹴飛ばされるイヌだ、

というほど嫌われ、評価は地に落ちている、何だあいつはということになっている、ということだそうだ。

リンク先で、木曜日をクリックすると、リアルプレーヤーの音声がある。  
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2006年02月08日

不況なのに観光客はなぜ増える

 デフレ不況にも関わらず、沖縄観光は伸び続けているが、沖縄観光はそもそも不況の影響を受けにくくなっているのではないか。

(1)これまでの30年間、不況だから観光客も伸び悩んだという事実がない。

(2)不況と無関係な原因
 考えられる最も大きな理由は、沖縄観光の規模がわずか91年の300万人から95年の550万人と規模が小さすぎるからである。つまり、所得の大きい方から30%をマーケットと設定しても、1000万人くらいの観光客は難しくない。
 

(3)衣食住旅行の完全な定着
 不況の影響が出ている可能性がある実例は消費金額の低迷である。不況でカネを使いたくないという風潮になっているが、旅行そのものは実行し、行った先で消費を抑えるという行動になって、沖縄での消費金額の低下となっている可能性がある。

(4)逆は成り立たない
 以上が成り立つなら、沖縄は観光が好調で景気回復している(=日銀那覇支店。というより観光が好調なため、公共投資の落ち込みをカバーして、全体の落ち込みを防いでいるといった方がよいと思われ)といえる。しかし、全国的な景気の回復で沖縄観光が伸びているとは言えない。
 国内旅客数全体は90年以降、沖縄に比べて伸びが非常に小さい(1、2%程度)。この低い伸びは不況の影響かも知れない。  
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2006年02月07日

サンドイッチの中身が日本政府になった

 日米2+2合意で辺野古に滑走路をつくるのと引き換えに海兵隊の撤退・縮小、嘉手納以南の基地返還、基地機能の国内他の地域への分散が打ち上げられたが、雲行きがあやしくなってきた。

 辺野古沿岸案の修正に応じない政府に対して岸本健男名護市長が協議に応じない、岸本市長の後継の島袋吉和新市長も同じ見解を示した。

 稲嶺恵一県知事は従来の沖合い案から沿岸案に変更になった瞬間に沿岸案拒否、従来案以外なら県外移転と明快に意志表示している。おかげで06年の政府の沖縄予算は数百億円規模で削減されている。

 岩国基地(山口県)のある岩国市長は空母艦載機を移駐させる計画について、住民投票を行う意向を表明。

 当の米軍も普天間のKC‐130空中給油機の移転先を、2+2合意の鹿屋基地(鹿児島)から、岩国基地に変更を求めるなど、政府は地元に説明の付けにくい重大な局面を迎えている。

 おまけに防衛施設庁の官製談合が発覚して政府は地元への説得力を失いつつある。

 米の沖縄海兵隊撤退計画に対して、地元が強硬に反対、政府は沖縄と米のサンドイッチになって、何の打開策も示していない。

 この米軍再編はわたしは当初から米側の都合に基づくものであり、沖縄が反対でも強行突破されるだろう。沖縄の負担軽減というのは方便である、と述べてきた。

 その視点に変化はないが、米の都合によって撤退するのであるから、全く動けない状態が続いて困るのは実は米だろう。

 もちろん沖縄も困る。事故が今後も起こったり、基地が沖縄振興の邪魔になったりしているのは事実である。しかし、沖縄基地がこのままの状態では米軍の世界戦略上不利なのであるから、最も困るのは米であるはずだ。もし、困らないというなら、わざわざ大きなカネを使ってグアムまで海兵隊を下げる必要は最初からなかった。そのまま、沖縄にいておけばよい。政治的不安が沖縄で発生するだろうが、そんなものは軍隊の任務に比べれば屁でもない。これが軍隊の論理である。その論理に基づいて沖縄から撤退する再編策を決めたのであり、実現しないと困るのは米の方である。

 米の要求に対して沖縄が反対し、間に立っている日本政府はサンドイッチになっている。ここがポイントだろう。長期にわたって沖縄は日本政府と米との間でサンドイッチになって不利な条件にあった。いま、サンドイッチの中身が入れ替わっている。

 米自身は沖縄と日本のサンドイッチになりたくない、と前からいっていたが、もし日本政府が米に、沖縄から出ていってくれという側に回ると、米は本当に撤退もあり得た。それが元国務副長官のアーミテージ氏の「日本政府が出て行けといえばいつでも出ていく」という、わたしに対する発言の意味だろう。

 日本政府が沖縄と米のサンドイッチになっている状態というのは珍しい。普天間の分散先の各地が沖縄とともに反対し、財政難の折から何でグアムに日本のカネで基地を建設してやる必要があるのかという世論が起こり、防衛施設庁の官製談合発覚という不祥事のなかで、強行策はとれるのだろうか。連日、沖縄安和県民と政府との衝突が報道され、その一方でグアムで巨大基地を建設し、グアム住民が喜ぶ様子が報道される。…マンガのような状態。

 日本政府を飛び越して米と沖縄がマクロ経済政策で連合を組み、日本全体をデフレから救った上に沖縄政策ではもっと有利な条件を引き出す、というささやきがわたしの中からきこえてくる。悪魔のささやきには思えない。  
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2006年02月06日

東横インの問題

東横インの問題だが、あまり報道には出てこないので、わたしの考えを述べておくと、

まず、東横インは観光業界では相手にされていない。県内ホテルは7、8年くらい前から、ホテル組合などで勉強会を開いて、身障者用の手すりをつけたり、段差をなくすなど改造をすすめており、リニューアルの際にはユニバーサルデザインに変更している。ユニバーサルデザインは障害のない人にとっても安全な作りになっているというのが常識。新設ホテルはこの点に気も使い、カネも使っている。

それを身障者の利用はないからつくらない、改造したというのはウソ。カネをかけたくないというのがホントの理由だ。ただし、ホテル従業員はそれを知らなかった可能性はある。

次に、業界は30年かけて沖縄観光を550万人まで拡大してきたが、この間にはいろいろな困難を乗り越えてきた歴史がある。木を植え、世話をして大木にし、実がなるようになってきたと思ったら、実だけ取りに来たのが東横イン。それでも商売は自由だからと、け落としたり、悪口も言わなかった。それがこのような事件になって沖縄全体のイメージがそこなわれるのではないかと心配していることと思う。

東横インとは別のビジネスホテルは建設前から組合などに加盟して、新規参入者として礼儀を通すところあるが、東横インにはそのような意識はなかった。業界は怒っているが、黙っているだけ。

第3にいま、1泊4日のような沖縄旅行があるが、これは観光ホテル1泊と往復航空券のセット。あと2泊はビジネスやドミトリーを勝手に使ってチョ、という旅行。ビジネスホテルの5800円は安いように見えるが、総合ホテルの方が安い時期もある。ビジネスホテルの5800円は最初から5800円の部屋。総合ホテルの場合は1万円の部屋が時期によって5000円になっているだけだから、ホントは観光ホテルの方が割安のはずだが…。  
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2006年02月04日

ライブドア・バブルと沖縄観光

 ライブドア問題が、バブルであったという分かりやすい解説が、

「小泉の波立ち」2月4日分に出ている。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm

 ライブドア問題を事件報道とは別のマクロの視点から論じていて、説得力もある。バブルそのものについての分かりやすい解説になっている。

 そこで、バブルの頃の沖縄について思い出すのだが、当時といま、で違うのは、わたし自身がバブルとは何か上の説明にあるような経済的な意味を知らなかったことがある。いろいろな本を読んでいたかも知れないが、経済学について本気で学ぼうという気持ちがなかった。必要な学問だと思っていたが、いまほど鮮明なイメージはなかった。

 その上でバブルの頃の沖縄を振り返ると、確かにライブドアが成り上がっていく様子と重なる。

 沖縄全体で100を越えるリゾート構想が持ち上がり、わたしの新聞では構想リストを出したものだ。その後、日刊紙でもリストづくり競争が起こり、91年に県がトロピカルリゾート構想をまとめた頃には最終的には300を越えるリゾート構想があったという。

 いまを見れば明らかなようにそれらの構想のほとんどが構想倒れになった。

 あの頃は海沿いでも山の中でも適当な空き地があると、地主じゃないのにリゾートホテルの絵を描き、カネもないのに地主に売ってくれという交渉をしに行き、カネはあとでどこかから調達する、というというパターンが通用していた。飲み屋ではドンペリをあけて、キャッシュをばらまいた。なぜか知らないが、東京では明日の朝までに1000万円使わないといけないといっているやつもいた。

 絵が描かれた段階の「沖縄リゾート構想」のリストアップだから、バブル崩壊と同時に消えてなくなるのは当たり前である。で、あの頃は沖縄の地主は土地を手放したわけではなかったと思う。売れば儲かったと思うが、売らなかった人の方が多いと想像している。なかなか土地が買えなかったから、買って損したという人も少ないと思う(いるのは確かだ)。沖縄にもバブルの波は押し寄せ、その波に乗ろうとした人がいて、損した人も出たが、全体としては大きな損も得もはなかったのではないか。
 
 わたし自身はバブルのころ、「会社の保養所を造ったが、カネが余っているのでプールもつけたい。そこで、プールがあると資産価値が上がるという原稿を書いて欲しい」というような依頼が、建設会社からあり、原稿用紙に10枚くらい書いたら、20万円になった。みみっちい原稿料バブルであるが…。

 東京は沖縄のバブルどころではなかった。

 ライブドアがバブルのまっただ中にあったという説明は、90年代初頭の沖縄のリゾート構想バブルを見た経験からも非常に分かりやすい。

 赤字会社を買収して、粉飾、上場させ、カネをあとで回収するというようなやり方は、空き地にリゾートホテル構想を描いて、地主と交渉、カネはあとで調達するという話によく似ている。

 なお、最近の沖縄もイシングループ(不二ホテル=沖縄ポートホテル)、ローンスター(ロワジールホテル)、ゴールドマンサックス(ホテル日航アリビラ)など外資の進出ラッシュだが、これは90年代初頭までのバブルとは異なり、実需である。90年代初頭までのバブルでは外資は沖縄に目を向けていなかった。これら外資の沖縄進出は土地の値上がりを見越しているわけではなく、観光産業が長期的に成長できると見てのものだ。(「沖縄観光成長の法則」)

 アメリカにいったん流出した円は結局は日本に戻ってきて活用されるが、その円の行き先としてもっとも有望なのが沖縄のリゾート産業である。

 以上はわたし自身の結論であるが、全く別の思考回路や情報源から同じことを言う業界人も増えてきている。わたしに教える人がいるので、わたし自身の考えを補強することになり、楽しく話しを聞いている。  
Posted by 渡久地明 at 17:31Comments(0)TrackBack(0)

2006年02月02日

右肩上がりは前提ではない

 琉球大学の台風講座(石島英、大田喬、安谷屋隆司、東盛良夫、杉山卓也、渡久地明)の1コマで観光の話をしている。石島先生は定年退官後、NPO沖縄台風センター研究会を主催しておられて、その新年会が正月31日にあった。
 
 講座とは別にNPO会員の新年会なので、わたしはゲストとしてお招きいただき、観光の話をし、沖縄観光は2018年に1000万人になると述べた。
 
 質問者がいて「右肩上がりを前提にしているのではないですか」というので、
 
 「違う。現実を観測したら結果として右肩上がりとなっており、世界の実例から将来も同じ伸びをすることが分かったのだ」
 
 と答えたのだが…。
 
 この右肩上がりはあり得ない、という迷信がどこからきたのかが一番不思議だ。成熟社会でいままでのような右肩上がりはあり得ない、ということを言う人がいるが、世界の成熟社会では右肩上がりが続いている。アメリカもイギリスもドイツも右肩上がりだが、これらの国と日本では成熟の仕方が違うというのだろうか。そもそも、成熟社会と何であるか。成熟して衰退に向かっているなら、若返って再び活気を取り戻そうと思わないのだろうか。
 
 日本経済復活の会の小野盛司氏が
 
 これで景気がよいと言えるのか。−かつて世界一だった一人当たりのGDPは11位まで急降下−http://www.tek.co.jp/p/ajer06_01.html

 で簡単に景気低迷の理由と解決策を述べているので、読者はぜひ見ていて欲しい。

 右肩上がりはあり得ないのではなく、無理矢理よこばいにしたため、少子化、パート・アルバイトの増加、若年失業率が高まり、格差が開くという衰退そのものが起こっているのである。右肩上がりが自然現象であり、それ以外のことをするなら、代償が必要になる。それをまともに食らっているのがわれわれである。

 痛みを伴う改革が実現した暁にはわれわれの暮らしは良くなるかと思ったら、格差があって何が悪い、という改革だったというわけだ。下らない。本当に腹が立つ。  
Posted by 渡久地明 at 19:30Comments(0)TrackBack(0)

2006年02月01日

グラビティーモデルがあるなら

観光地の消長に関して、グラビティーモデルというのがある。先ほど見つけたばかりで、詳しく検討したわけではないが、元は貿易取引のモデルとしてよく使われるらしい。

グラビティーモデルとは日本語でいえば、万有引力の法則を経済現象に流用する(アナロジーを使う)ものと理解した。

観光地でいえば、観光客数や観光収入は発地と着地の人口や経済規模などの積に比例し、距離の2乗に反比例するモデルとなる。

なるほど、しかしこれでは距離が日本中のどこよりも遠い沖縄で観光客が増えていることが説明しにくい。

「沖縄観光成長の法則」でわたしは、別のモデルを提出してある。

質量に比例し、距離の2乗に反比例する万有引力モデル(グラビティーモデル)より、わたしのモデルの方が分かりやすい。

だいぶ前から3つのアナロジーを想定し、それぞれで別の論文が書けると思っているが、結論は3つとも同じものになるだろうと予想している。

㈰真空管モデル(グリッドを入れて運賃や旅費の影響を説明できる。電子数・電流=観光客数、陽極=発地、陰極=着地、グリッド電圧=パック料金や運賃)。短期的な価格変動と観光客数の変動を説明できる。

㈪プラズマ閉じ込めのモデル(粒子数=観光客数、ライフタイム=滞在日数、消費金額=温度のアナロジー)。一番難しいモデル。不安定性なども検討できる。

㈫中間子理論モデル(「沖縄観光成長の法則」で絵を描いて示した(背景に星空を描いたので、グラビティーモデルのように見えるが、そうではない)。需要と供給の二つのポテンシャルを繋ぐのが流通企業(旅行社、航空会社)であるとするモデル)。一番単純なモデル。

㈰から㈫までのようなことをいうと、「トンデモ」と思われる可能性があるので黙っていたが(言わない方がよいとのアドバイスも受けているが)、グラビティーモデルが経済学のある分野で通用しているなら(内閣府資料「平成16年度年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)−改革なくして成長なしIV−平成16年7月」http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je04/04-00203.html)、それよりはこっちの方が精密に議論がすすめられ、かつ、現実にもあう。誰もやる人がいないならわたしがやることになるのだが。(グラビティーモデルも成り立つなら大統一理論ができたりして…)  
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2006年02月01日

肥満と貧困

観光商工部の1月24日の記者懇談会で、長寿県沖縄の男性の寿命が全国26位に落ちているというのが改めて話題になった。

これは長年、長寿日本一だった沖縄の男性の寿命が26位まで下がった(女性はいまでも1位を維持)という話で、1位に返り咲くためにはどうしたらよいかというものだ。

わたしは

「この問題は過去に確かに一位だった時期が長く続いたという事実だけでよいのではないか。その時の料理にいま人気があるのであって、最近はアメリカ文化の影響でファストフードを食べるようになったから、回復は難しいのでは」

と述べた。

すると

「やはり現状で一位じゃないと説得力がないですよ」

という意見が大勢となった。

すると翌日、沖縄の肥満が日本一というニュースがあった。琉球新報1月25日。http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-10496-storytopic-1.html

記事ではやはり食生活に問題があるということになっている。これでは長寿世界一返り咲きはやっぱり難しいではないか、と思っていた。

ところが、今度はNHKのラジオのニュースで(何のニュースだったかころりと忘れているのだが)、米国の肥満は貧困が原因、というのを聞いた。

気になっていたので、「肥満 貧困」でググルと次のような記事に出くわす。

紙屋研究所=G.クライツァー『デブの帝国』書評http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/fat-land.html

皮肉なことに貧困層が手軽に購入できる食は糖分、脂肪分、精製された穀類を多く含むジャンクが主食となりやすい、ということが肥満の原因のようだ。

ということは、肥満の問題は健康の話ではなく、経済的な話になる。

沖縄が肥満日本一ということは、貧しいから、ということに…。  
Posted by 渡久地明 at 16:14Comments(4)TrackBack(0)