2006年04月16日
外貨準備の有効活用
外貨準備を有効活用するというのは、面白い考えかも知れない。
「外貨準備 有効活用」でググルと一番最初に
大和総研/コラム:中国、7000億ドルを超えた外貨準備の有効活用の好機(北京駐在 齋藤尚登、2005.08.19)
が出てくる
中国の外貨準備が昨年6月に7110億ドルに達したが、その有効活用として
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中国人民銀行は、金融システムの安定維持を目的に、外貨準備から、中国銀行と中国建設銀行に合計450億ドル(2003年末)、中国工商銀行に150億ドル(2005年4月)の資本注入を実施し、自己資本比率の引き上げと不良債権処理の加速を促した。いずれは四大国有商業銀行の最後の一角を占める中国農業銀行への資本注入が実施されよう。先日面談した中国人民銀行研究局の唐旭局長によれば、「中国は外貨準備が1000億ドルを超えた時点から、有効活用のための議論がなされ、ひとつの結論が国有商業銀行への資本注入であった」という。
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と説明している。その上で、「より大胆な運用を開始する好機であろう。例えば、外貨準備から一定割合を拠出して、内外の資産に投資するファンドを立ち上げ、その運用益で、改革・開放政策の恩恵を享受できていない、農村部や内陸部の発展のためのインフラ投資や設備の購入などを行うのである」と提言している。
外貨準備は多ければよいかというと、そうでもない。
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変動相場制の元では本来外貨準備は不要であるが(為替が変動して決済尻を調整)、その不要な外貨準備が70兆円を越えている。とほうもない額である。このまま米ドルの下落傾向が続くとしたなら、政府・日銀が米ドル買い介入がどこまで行くのか予想もつかない。筆者の予想では、日本が没落するまで、この外貨準備は国内では半永久的に使えない資産である。使おうとしたならたちまち円高が進行するのである。
「経済コラムマガジン」04/2/2(330号)
http://www.adpweb.com/eco/eco330.html
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外貨準備を中国は有効活用しているが、日本の場合は政府が米国債にして持っているので、その金利分しか活用されない。しかし、ときどき日銀に米国債を売却してドル買い介入に使っている。
田中直毅のHPに、こんなのもある。田中氏も中国で外貨準備の有効活用について議論になったそうだ。
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議論は外貨準備の使い道は本当にないのか、という点に絞られた。「たまり金」だから何にでも使えるはずだ、というのは明らかに誤りである。キャッシュリッチ(手元の資金余剰)は、時として無駄金になる。もし政府による資金配分で不良資産化すれば、負債の側の政府短期証券は残ったままなので、外貨準備を冒険的に使うことは無理だ、との私の説明は受け入れられた。日本経済の今後を考えれば、資源配分に規律をもたらすことの重要性は明らかである。ゼロ金利からの離脱が可能となる状況が現出すれば、その時は日本政府のバランスシートの圧縮が可能だ、という説明に対しては、手順を含めて具体的な問いが寄せられた。中国も雇用増を狙いドル買いを続けているが、「何かほかに方策はないか」を真剣に考えていることがよくわかった。政府資産の内容の吟味は日中双方で続くことになろう。
東洋経済新報社「金融ビジネス」2004年4月号
http://www.21ppi.org/japanese/message/200404/040419b.html
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田中直毅は外貨準備は冒険的に使えない、といっている。大和総研のコラムもファンドにして有効活用すべきとワンクッション置いている。経済コラムマガジンも自由に使えないとしたが、前エントリで引用した教科書通り、日銀に売却するなら政府通貨発行と同じことになると述べている。
これはやはり使い方の工夫の問題だろう。もともとあまり必要ない外貨を準備しておくことが無駄であり、活用すべきだ。日銀が外貨準備(の米国債)を買って、円を政府に渡すというのはカネを印刷することであり、政府はそれでドル買い介入だけするのではなく、財政支出にも回せばよいのだ。
総合政府=政府+(政府の子会社の)日銀
だから、政府と日銀の国債のやり取りは内部の問題ということになる。政府が米国債を日銀に売却して得た円は自由に使える。必要な公共事業に使うべきだ。米国債は日銀が市場で売らなければ、米政府もなにも文句を言わないはずである。かわって市場に円が出回るが、これは円安圧力になるだけで、円安は日本の輸出企業の利益になる。現在の輸出拡大政策と同じであり、副作用もない。
グアム基地の100億ドル、沖縄再開発の1000億ドルはこれで問題解決。
「外貨準備 有効活用」でググルと一番最初に
大和総研/コラム:中国、7000億ドルを超えた外貨準備の有効活用の好機(北京駐在 齋藤尚登、2005.08.19)
が出てくる
中国の外貨準備が昨年6月に7110億ドルに達したが、その有効活用として
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中国人民銀行は、金融システムの安定維持を目的に、外貨準備から、中国銀行と中国建設銀行に合計450億ドル(2003年末)、中国工商銀行に150億ドル(2005年4月)の資本注入を実施し、自己資本比率の引き上げと不良債権処理の加速を促した。いずれは四大国有商業銀行の最後の一角を占める中国農業銀行への資本注入が実施されよう。先日面談した中国人民銀行研究局の唐旭局長によれば、「中国は外貨準備が1000億ドルを超えた時点から、有効活用のための議論がなされ、ひとつの結論が国有商業銀行への資本注入であった」という。
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と説明している。その上で、「より大胆な運用を開始する好機であろう。例えば、外貨準備から一定割合を拠出して、内外の資産に投資するファンドを立ち上げ、その運用益で、改革・開放政策の恩恵を享受できていない、農村部や内陸部の発展のためのインフラ投資や設備の購入などを行うのである」と提言している。
外貨準備は多ければよいかというと、そうでもない。
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変動相場制の元では本来外貨準備は不要であるが(為替が変動して決済尻を調整)、その不要な外貨準備が70兆円を越えている。とほうもない額である。このまま米ドルの下落傾向が続くとしたなら、政府・日銀が米ドル買い介入がどこまで行くのか予想もつかない。筆者の予想では、日本が没落するまで、この外貨準備は国内では半永久的に使えない資産である。使おうとしたならたちまち円高が進行するのである。
「経済コラムマガジン」04/2/2(330号)
http://www.adpweb.com/eco/eco330.html
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外貨準備を中国は有効活用しているが、日本の場合は政府が米国債にして持っているので、その金利分しか活用されない。しかし、ときどき日銀に米国債を売却してドル買い介入に使っている。
田中直毅のHPに、こんなのもある。田中氏も中国で外貨準備の有効活用について議論になったそうだ。
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議論は外貨準備の使い道は本当にないのか、という点に絞られた。「たまり金」だから何にでも使えるはずだ、というのは明らかに誤りである。キャッシュリッチ(手元の資金余剰)は、時として無駄金になる。もし政府による資金配分で不良資産化すれば、負債の側の政府短期証券は残ったままなので、外貨準備を冒険的に使うことは無理だ、との私の説明は受け入れられた。日本経済の今後を考えれば、資源配分に規律をもたらすことの重要性は明らかである。ゼロ金利からの離脱が可能となる状況が現出すれば、その時は日本政府のバランスシートの圧縮が可能だ、という説明に対しては、手順を含めて具体的な問いが寄せられた。中国も雇用増を狙いドル買いを続けているが、「何かほかに方策はないか」を真剣に考えていることがよくわかった。政府資産の内容の吟味は日中双方で続くことになろう。
東洋経済新報社「金融ビジネス」2004年4月号
http://www.21ppi.org/japanese/message/200404/040419b.html
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田中直毅は外貨準備は冒険的に使えない、といっている。大和総研のコラムもファンドにして有効活用すべきとワンクッション置いている。経済コラムマガジンも自由に使えないとしたが、前エントリで引用した教科書通り、日銀に売却するなら政府通貨発行と同じことになると述べている。
これはやはり使い方の工夫の問題だろう。もともとあまり必要ない外貨を準備しておくことが無駄であり、活用すべきだ。日銀が外貨準備(の米国債)を買って、円を政府に渡すというのはカネを印刷することであり、政府はそれでドル買い介入だけするのではなく、財政支出にも回せばよいのだ。
総合政府=政府+(政府の子会社の)日銀
だから、政府と日銀の国債のやり取りは内部の問題ということになる。政府が米国債を日銀に売却して得た円は自由に使える。必要な公共事業に使うべきだ。米国債は日銀が市場で売らなければ、米政府もなにも文句を言わないはずである。かわって市場に円が出回るが、これは円安圧力になるだけで、円安は日本の輸出企業の利益になる。現在の輸出拡大政策と同じであり、副作用もない。
グアム基地の100億ドル、沖縄再開発の1000億ドルはこれで問題解決。
2006年04月16日
外貨準備でグアム基地建設、沖縄再開発がよい
前エントリで、外貨準備で、グアムの工事費を出したらどうかと述べた。その際、外貨準備のほとんどが米国債だから、それを市場で売ってドルに替えて原資にしたらよいと述べた。突拍子もない話だと自分でも思うが、現実に、政府はアメリカ国債を売って、資金を調達しているケースがある。
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(略)日銀が保有する81兆円の国債は、国の日銀への債務である。日銀から見れば国に対する債権を持っていることになる。しかし日銀を国の子会社と見なし、連結決算を行なえば、子会社に対する債務と親会社(日本国)に対する債権は相殺される。つまり日銀が引受けた国債は実質的に国の借金ではなくなる。実際、日銀が購入した国債にも国から利息が払われるが、この利息は最終的に国庫納付金として国に吸い上げられている。つまり日銀が国債を引受けた場合、その分の国債は実質的に国の借金にならない。
もっと驚くことは、為替特別会計の補正予算が成立する前(補正予算は2月9日に国会を通過)、介入予算がなくなった日本政府は、米国債を日銀に売却して資金を調達し、5兆円の為替介入を行なった。しかしこれを冷静に考えると、日銀が米国連銀に代って「非伝統的な金融政策」、つまり中央銀行による国債引受け(広義のセイニアーリッジ政策)を行なったことを意味する。(略)
「経済コラムマガジン」04/2/16(332号)
http://www.adpweb.com/eco/eco332.html
=========
なーんだ、政府保有の米国債は売れないというのではなく、ときどき日銀に売って円に替えているというわけだ(市場では売れないということだろう)。上の場合、替えた円を使ってドル買い介入し、円安にしたわけだ。しかし、日銀から受け取った円は為替介入以外の目的で使ってはいけない法律があるのだろうか。
なければ、グアムへの100億ドル、沖縄再開発の1000億ドルを、外貨準備から出しても誰も困らないのではないか。政府が米国債で得ていた金利を、今度は日銀が受け取ることになるだけだ。日銀は米国債の金利などで利益が出たら全部政府に上納することになっているから、政府は損はないし、国民の税金はまったく使わないでいい。
政府保有の米国債をアメリカにくれてやるというのではなく、政府保有の米国債を日銀に売り、そこで得た円をグアムや沖縄に投資する。沖縄に投資された円はそのまま国内の景気拡大に貢献する。グアムに投じられた円は、ドル買い介入と同じでアメリカでは使えないから結局、日本に戻ってくる。
市場に円が出回るので円安になるが、03年1月から04年3月までに政府は35兆円のドル買い介入を行って、円安にしたのだった。目的が円安なら、外貨準備を日銀に売ってグアムや沖縄に投資した方が良いということになる。
ちなみに、「経済学入門」(千種義人著)には紙幣が発行されるケースの主なものの第4として「輸出業者が商品輸出によって得た外貨が、市中為替銀行を通じて、政府の外国為替資金特別会計に売られる。政府はこのための資金を一般会計からの繰り入れによって賄うか、また手持ち外貨を日銀に売却して賄う。この場合、それに相当する紙幣が発行される」とある。
アメリカは当然こんなことは分かっているから、多少の値引きに応じるフリはするかも知れないが、100億ドルを日本が拠出するのに何の疑問も持っていないだろう。最悪のケースは政府が一般会計から100億ドルを拠出すると決めて、その分、他の支出を減らしたり、増税で穴埋めすると決めたときである。この場合100%国民にしわ寄せが行くことになる。
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(略)日銀が保有する81兆円の国債は、国の日銀への債務である。日銀から見れば国に対する債権を持っていることになる。しかし日銀を国の子会社と見なし、連結決算を行なえば、子会社に対する債務と親会社(日本国)に対する債権は相殺される。つまり日銀が引受けた国債は実質的に国の借金ではなくなる。実際、日銀が購入した国債にも国から利息が払われるが、この利息は最終的に国庫納付金として国に吸い上げられている。つまり日銀が国債を引受けた場合、その分の国債は実質的に国の借金にならない。
もっと驚くことは、為替特別会計の補正予算が成立する前(補正予算は2月9日に国会を通過)、介入予算がなくなった日本政府は、米国債を日銀に売却して資金を調達し、5兆円の為替介入を行なった。しかしこれを冷静に考えると、日銀が米国連銀に代って「非伝統的な金融政策」、つまり中央銀行による国債引受け(広義のセイニアーリッジ政策)を行なったことを意味する。(略)
「経済コラムマガジン」04/2/16(332号)
http://www.adpweb.com/eco/eco332.html
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なーんだ、政府保有の米国債は売れないというのではなく、ときどき日銀に売って円に替えているというわけだ(市場では売れないということだろう)。上の場合、替えた円を使ってドル買い介入し、円安にしたわけだ。しかし、日銀から受け取った円は為替介入以外の目的で使ってはいけない法律があるのだろうか。
なければ、グアムへの100億ドル、沖縄再開発の1000億ドルを、外貨準備から出しても誰も困らないのではないか。政府が米国債で得ていた金利を、今度は日銀が受け取ることになるだけだ。日銀は米国債の金利などで利益が出たら全部政府に上納することになっているから、政府は損はないし、国民の税金はまったく使わないでいい。
政府保有の米国債をアメリカにくれてやるというのではなく、政府保有の米国債を日銀に売り、そこで得た円をグアムや沖縄に投資する。沖縄に投資された円はそのまま国内の景気拡大に貢献する。グアムに投じられた円は、ドル買い介入と同じでアメリカでは使えないから結局、日本に戻ってくる。
市場に円が出回るので円安になるが、03年1月から04年3月までに政府は35兆円のドル買い介入を行って、円安にしたのだった。目的が円安なら、外貨準備を日銀に売ってグアムや沖縄に投資した方が良いということになる。
ちなみに、「経済学入門」(千種義人著)には紙幣が発行されるケースの主なものの第4として「輸出業者が商品輸出によって得た外貨が、市中為替銀行を通じて、政府の外国為替資金特別会計に売られる。政府はこのための資金を一般会計からの繰り入れによって賄うか、また手持ち外貨を日銀に売却して賄う。この場合、それに相当する紙幣が発行される」とある。
アメリカは当然こんなことは分かっているから、多少の値引きに応じるフリはするかも知れないが、100億ドルを日本が拠出するのに何の疑問も持っていないだろう。最悪のケースは政府が一般会計から100億ドルを拠出すると決めて、その分、他の支出を減らしたり、増税で穴埋めすると決めたときである。この場合100%国民にしわ寄せが行くことになる。





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