2007年07月22日

新潟のリカバリー策

いま新潟中越沖地震の原発の様子を中心にしたTBSの報道特集が終わったところだが、最後に新潟県の泉田知事が観光地を訪れて、取れたての魚介類を観光客と一緒に食べ、風評に負けないよう頑張りましょうといった、と締めくくった。

ちゃんと聞いていなかったので、どこの観光地に知事が出向いて言ったか聞き取れなかったが、この「風評」については新潟はかなりしっかりした対応策を採っている。

観光情報学会が「風評」の伝わり方や「被害」への対策について、沖縄観光がテロの風評で落ち込んだ時から取り組んでいた。04年の新潟中越地震ではゆざわ観研が中心になって風評を抑え込むのに成功した。05年の沖縄大会では01年テロでの沖縄観光の風評被害について、パネルディスカッションで取り上げているし、06年には大内会長らの論文も出ている。

地震被害について、能登半島沖のケースを調べたところ、報道される件数も記事の長さも、最初にドーッと大量に出て、その後の記事の量は、一定の減少率で減少していったことが分かっている。

ゆざわ観研は04年の中越地震に際して、報道各社に対して、当初から被害だけの報道ではなく、元気に営業している観光地の様子も取り上げてくれと申し入れ、当初キャンセルが続出した観光客数は、3カ月後には完全に回復した。その間、報道機関や旅行社、口コミやインターネットなどあらゆる手段で、被災していない観光地に来てくれという声を組織的に出したという。

今回も新潟旅行のキャンセルが危惧されるが、冒頭で述べたように、地震後1週間という早い段階で、地元観光地が頑張っているというニュースが出てくるのは、これまでの取組の成果だと思う。

越後湯沢では6月に観光情報学会の全国大会が開かれ、新潟県副知事が来賓のあいさつを述べた。わたしも一泊してきた。

その後、7月13日にはゆざわ観研の岸野さんから、沖縄を直撃した台風の被害はどんなものか心配して問い合わせを受けたところだった。

「沖縄は無事でした」と返事をしたところに16日の中越沖地震だった。湯沢は深度3で温泉の営業には全く影響がないという返事をもらっていた。

被害は大きく、お見舞いを申し上げる。これを回復するには、多くの国民が予定通り、新潟を訪れることであると改めて提言したい。

ちなみに観光情報学会誌創刊号「観光と情報」(05年5月1日)には「強力にリカバリーを求めることが重要である‐中越地震風評被害に対する沖縄の経験と対策」(渡久地明)が出ている。沖縄のテロ時の落ち込みではわたし自身回復のための論陣を張ったし、台湾の地震で台湾観光協会とチャイナエアライン、SARSでは香港政府観光局、上海政府からの招待を受けてリカバリーのための記事を書いた。その間の実際とマスコミの対応についてレポートしたものだ。WEBでは未公開なので観光情報学会の許可を受けて、近く公開しようと思う。  

Posted by 渡久地明 at 19:25Comments(0)TrackBack(0)