2008年06月21日
回想する守護神(上)
まず、絵を見てもらいたい。

これは沖縄出身の画家、大嶺政敏(1912〜1994年)の代表作といわれる作品だ。
「大嶺政敏作品集」(1996年、(有)ぷろじぇくとT&R発行)の写真をスキャナで読み取った。(フォトショップで全体の雰囲気が写真に近くなるようレタッチした)
キャプションには
回想する守護神(沖縄戦)150F 1979年
とある。大作である。
現物は他の画家からの作品とともに平和祈念堂に展示してあり、絵葉書の売れ行きナンバーワンの、最も人気のある作品である。
この絵を描いた大嶺政敏氏の作品を含む特別展「情熱と戦争の狭間で」が、いま、県立博物館・美術館で開催されている。大嶺政敏の息子・大嶺隆さんを含む県関係画家の遺族5人が出るアートトークがあるというので、あとで見に行こうと思っている。大嶺隆さんはわたしの20年くらい前からの友人で、このほど老朽化した政敏の自宅を取り壊すに当たり、作品を売却する考えである。頒布リストには大作、小品を取り混ぜ27点が並んでいる。
「回想する守護神」について、作品集の解説にはこうある。
売却するというなら代表作が欲しいところであるが、平和祈念堂に恒久展示されている。となると、いくらカネを積んでも誰かが手に入れることはできないわけだ。ところが頒布リストには840万円(6月20日現在)という最低頒布価格が記されているではないか…。買えるのか? (以下、数日後に続く)
(写真の掲載について、著作権者である大嶺隆氏の了承を得ています)

これは沖縄出身の画家、大嶺政敏(1912〜1994年)の代表作といわれる作品だ。
「大嶺政敏作品集」(1996年、(有)ぷろじぇくとT&R発行)の写真をスキャナで読み取った。(フォトショップで全体の雰囲気が写真に近くなるようレタッチした)
キャプションには
回想する守護神(沖縄戦)150F 1979年
とある。大作である。
現物は他の画家からの作品とともに平和祈念堂に展示してあり、絵葉書の売れ行きナンバーワンの、最も人気のある作品である。
この絵を描いた大嶺政敏氏の作品を含む特別展「情熱と戦争の狭間で」が、いま、県立博物館・美術館で開催されている。大嶺政敏の息子・大嶺隆さんを含む県関係画家の遺族5人が出るアートトークがあるというので、あとで見に行こうと思っている。大嶺隆さんはわたしの20年くらい前からの友人で、このほど老朽化した政敏の自宅を取り壊すに当たり、作品を売却する考えである。頒布リストには大作、小品を取り混ぜ27点が並んでいる。
「回想する守護神」について、作品集の解説にはこうある。
沖縄をテーマとした「沖縄の石像」(53回春陽会展)、「沖縄の綱引」(54回)、「羽衣(銘苅子沖縄民話)」(55回)、「回想する守護神」(沖縄戦)(56回)、「沖縄の行事」(57回)、「貫花・長恩納節」(58回)、「女こてい節」(59回)、「情炎(伊野波節)」(60回)には3次元の絵画を、違った次元によって置き換える未知への冒険の意欲が滲み出ている。
その中でも「回想する守護神」は、「土俗の活力ある」(読売新聞昭和54年5月2日夕刊)と評され、時間の流れを過去に引き戻し、戦争と平和のテーマを色彩と構図において表現しようとした意図において見事である。画面には沖縄のシーサー(獅子の神の石像)を中央に配置し、これを拝む老婆の向こうから、戦場を逃げまわる人々の姿が写し出され、背後の空は戦場の燃えさかる炎と人々の怨情や嘆き、悲しみなどを包含して赤黒く塗り込められている。
この絵は、昭和53年10月1日に、沖縄県南部の摩文仁の丘に開堂した「沖縄平和祈念堂」の付属美術館に恒久展示されている。堂を管理している財団法人沖縄協会の吉田嗣延専務理事(当時)からの寄贈依頼に応えたものである。(「大嶺政敏作品集」の解説文「大嶺政敏 赤の到達と挫折」大嶺隆より)
売却するというなら代表作が欲しいところであるが、平和祈念堂に恒久展示されている。となると、いくらカネを積んでも誰かが手に入れることはできないわけだ。ところが頒布リストには840万円(6月20日現在)という最低頒布価格が記されているではないか…。買えるのか? (以下、数日後に続く)
(写真の掲載について、著作権者である大嶺隆氏の了承を得ています)
2008年06月14日
ますます哀れな後期高齢者制度
県議会選挙は間違いなく後期高齢者医療制度で与野党が逆転した。
得票率は
与党系44.10%
野党系55.90%
となり、定数48の議席数で自公の与党系が22議席、その他(失礼)の野党系が25議席、中立1議席となった。ほぼ得票に比例した議席だ。
争点は明快に後期高齢者医療制度だった。姥捨て山制度とこき下ろされたが、最近では75歳以上早く死ね制度といわれるようになった。
当のお年寄りからインタビューに応えて「もう早く死んだ方がいい」という声が聞かれるようになった。
こんなクソ制度でよく選挙を戦ったものだと思うが、実際に制度がスタートすると、問題はさらに噴出しそうだ。
佐々木洋氏のメルマガ「10秒で読む日経」は、次のように予測している。
すると、91日目以降のお年寄りは病院を出て、在宅療養せざるを得なくなり、その内病院で治療を受けられずに在宅死する人が出てくる…。
沖縄県議会選挙は投票率が57.82%と史上最低だったのは、お年寄りは「わがこと」として投票したのに、若い人が「他人事」として投票に行かなかったからのかも知れない。それとも、あきらめているのか?
後期高齢者医療制度の問題も、政府がムダなカネを省きたいとして取り入れるものだ。しかし、カネを刷って国民にバラ撒くことでこの問題は解決できる。
これはさまざまな国で行われている、ごく当たり前の経済政策だ。それをやらないから哀れな事件があちこちで起こる。「わがこと」として多くの人と価値観が共有できるなら、一発の選挙で日本は生まれ変わる。絶対できる。
得票率は
与党系44.10%
野党系55.90%
となり、定数48の議席数で自公の与党系が22議席、その他(失礼)の野党系が25議席、中立1議席となった。ほぼ得票に比例した議席だ。
争点は明快に後期高齢者医療制度だった。姥捨て山制度とこき下ろされたが、最近では75歳以上早く死ね制度といわれるようになった。
当のお年寄りからインタビューに応えて「もう早く死んだ方がいい」という声が聞かれるようになった。
こんなクソ制度でよく選挙を戦ったものだと思うが、実際に制度がスタートすると、問題はさらに噴出しそうだ。
佐々木洋氏のメルマガ「10秒で読む日経」は、次のように予測している。
入院中の後期高齢者の入院代を病院は最初の90日までは1.55万円以下を保険から受取れるが、91日目からは9280円に減額される。同時に90日までは薬代、検査代、処置代は別途保険から受取れたが、これがゼロになる。
すると、91日目以降のお年寄りは病院を出て、在宅療養せざるを得なくなり、その内病院で治療を受けられずに在宅死する人が出てくる…。
「あわれ、後期高齢者。医療を受けれず自宅で孤独死」との見出しが新聞の1面や社会面を飾り、ワイドショーで毎日放映される情況の後に衆議院選挙が行われることになったのだ。
「10秒で読む日経」08年6月13日付
http://archive.mag2.com/0000102800/index.html
沖縄県議会選挙は投票率が57.82%と史上最低だったのは、お年寄りは「わがこと」として投票したのに、若い人が「他人事」として投票に行かなかったからのかも知れない。それとも、あきらめているのか?
後期高齢者医療制度の問題も、政府がムダなカネを省きたいとして取り入れるものだ。しかし、カネを刷って国民にバラ撒くことでこの問題は解決できる。
これはさまざまな国で行われている、ごく当たり前の経済政策だ。それをやらないから哀れな事件があちこちで起こる。「わがこと」として多くの人と価値観が共有できるなら、一発の選挙で日本は生まれ変わる。絶対できる。
2008年06月14日
秋葉原事件、市場原理主義のなれの果て
デフレで景気が悪く、それを市場原理主義で解決しようなどとした結果、毎年、国民の収入は減り、失業と自殺者が増えた。秋葉原の事件は、通り魔というより、社会に対するテロだろう。
この事件では犯人はよくしゃべっている。絶望して死ぬほかないと思いこんだようだが、どうせなら幸福そうに見える他人を巻き込んでやると考えた。
98年から企業は労働者の賃金を下げている。その結果、非正規雇用が増え、人件費が浮いた分企業は黒字を出すようになった。このころから経済的理由で毎年3万人を超える人たちが自殺するようになった。どうせ死ぬなら、世の中に復讐しようと考えるものが出てもおかしくはない。不況が大量の自殺者を生みだし、その中から今回の犯人のようなものが次第に出てきたということだ。
早くデフレ不況から抜けるための政策転換をすべきだ。
犯人が雇われていたのはトヨタの関連企業。新聞にはあまり出てこないが、これは重要な事実である。
トヨタ看板方式で人間も必要なとき、必要なだけ雇えばよい。いつでも労働者をクビにできる社会体制を整えていたわけだ。
ざっと沖縄の新聞のこの事件に対する記事に目を通したが、次の各サイトの視点は重要であると思う(昔は新聞が先頭に立ってこのような記事を書いたものだが、最近は腰が引けている。構造改革を推進した手前か、あるいはトヨタが出てくるからか? 最近はブログの中にもまともなものがいくつもある)。
何かごにょごにょ言ってます【秋葉原無差別殺傷】人間までカンバン方式
http://d.hatena.ne.jp/boiledema/20080610
新小児科医のつぶやき2008-06-11 秋葉原の事件
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080611
泉の波立ちニュースと感想(6月15日)「派遣社員の問題の本質」について。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm
事件全体のまとめは、
2008年6月8日に秋葉原で発生した通り魔事件 まとめwiki
http://www11.atwiki.jp/akb_080608/
最後のサイトは画像や犯人が書いたとされるケータイ掲示板の書き込みも収録してある。
この事件では犯人はよくしゃべっている。絶望して死ぬほかないと思いこんだようだが、どうせなら幸福そうに見える他人を巻き込んでやると考えた。
98年から企業は労働者の賃金を下げている。その結果、非正規雇用が増え、人件費が浮いた分企業は黒字を出すようになった。このころから経済的理由で毎年3万人を超える人たちが自殺するようになった。どうせ死ぬなら、世の中に復讐しようと考えるものが出てもおかしくはない。不況が大量の自殺者を生みだし、その中から今回の犯人のようなものが次第に出てきたということだ。
早くデフレ不況から抜けるための政策転換をすべきだ。
犯人が雇われていたのはトヨタの関連企業。新聞にはあまり出てこないが、これは重要な事実である。
トヨタ看板方式で人間も必要なとき、必要なだけ雇えばよい。いつでも労働者をクビにできる社会体制を整えていたわけだ。
ざっと沖縄の新聞のこの事件に対する記事に目を通したが、次の各サイトの視点は重要であると思う(昔は新聞が先頭に立ってこのような記事を書いたものだが、最近は腰が引けている。構造改革を推進した手前か、あるいはトヨタが出てくるからか? 最近はブログの中にもまともなものがいくつもある)。
何かごにょごにょ言ってます【秋葉原無差別殺傷】人間までカンバン方式
http://d.hatena.ne.jp/boiledema/20080610
新小児科医のつぶやき2008-06-11 秋葉原の事件
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080611
泉の波立ちニュースと感想(6月15日)「派遣社員の問題の本質」について。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm
事件全体のまとめは、
2008年6月8日に秋葉原で発生した通り魔事件 まとめwiki
http://www11.atwiki.jp/akb_080608/
最後のサイトは画像や犯人が書いたとされるケータイ掲示板の書き込みも収録してある。
2008年06月05日
5月の観光客数3〜4%増の見込み
(1)5月の実績予想
5月のJAL、ANA、JTA、RACの県外=沖縄線搭乗実績は1.9%増となった。JALが1.0%増、ANAが1.2%増、JTAが9.9%増、RACが0.2%増となった。SKYの実績は未着だが、増便しており、全体を1%程度底上げする見込み。
前年5月は各社が前年割れとなっていたことから、反動増の要素が強く、伸びたとはいえ水準は低い。
また、GWの実績は前年並みだったが、連休が5月に集まったため、上旬が伸びたもよう。SKYを除く10日ごとの県外線下り便実績(県観光企画課集計、WEB公開データ)は10日(上旬)までが4.5%増、11から20日(中旬)が0.2%増となっている。1から20日までの実績は2.3%増となっている。
(2)年間目標達成は困難
今年度(=ほぼ1から12月)の県の目標は620万人だが、達成には毎月平均5.2%成長が必要だった。しかし、1から5月までが2.1%増程度なので、6月以降平均7.3%増が必要となり、ハードルはさらに高まった。
このくらいの伸びは過去にはいくらでも達成したことがあるから、楽観的な人はこれからでも達成可能というかもしれない。しかし、景気の先行きに不透明感が高まっている現状で7、8%増を見込むのはかなり難しいと思われる。
したがって、この時点でこのまま何もしなければ目標達成は困難とわたしは判断する。いまテコ入れすべきだ。
なお、年初のわたしの予想は610万人(暦年)だった。その場合、6月以降5.3%成長が必要になる。これについてはまだ撤回しない。理由は第一にわたしがかなり楽観的な人であること、海外客の伸びが期待されること、前年10月から実績を落とした航空会社の巻き返しで10月以降の反動増見込み(甘いけど)、県や業界のテコ入れが実現する可能性がまだ残っているためだ。
5月のJAL、ANA、JTA、RACの県外=沖縄線搭乗実績は1.9%増となった。JALが1.0%増、ANAが1.2%増、JTAが9.9%増、RACが0.2%増となった。SKYの実績は未着だが、増便しており、全体を1%程度底上げする見込み。
前年5月は各社が前年割れとなっていたことから、反動増の要素が強く、伸びたとはいえ水準は低い。
また、GWの実績は前年並みだったが、連休が5月に集まったため、上旬が伸びたもよう。SKYを除く10日ごとの県外線下り便実績(県観光企画課集計、WEB公開データ)は10日(上旬)までが4.5%増、11から20日(中旬)が0.2%増となっている。1から20日までの実績は2.3%増となっている。
(2)年間目標達成は困難
今年度(=ほぼ1から12月)の県の目標は620万人だが、達成には毎月平均5.2%成長が必要だった。しかし、1から5月までが2.1%増程度なので、6月以降平均7.3%増が必要となり、ハードルはさらに高まった。
このくらいの伸びは過去にはいくらでも達成したことがあるから、楽観的な人はこれからでも達成可能というかもしれない。しかし、景気の先行きに不透明感が高まっている現状で7、8%増を見込むのはかなり難しいと思われる。
したがって、この時点でこのまま何もしなければ目標達成は困難とわたしは判断する。いまテコ入れすべきだ。
なお、年初のわたしの予想は610万人(暦年)だった。その場合、6月以降5.3%成長が必要になる。これについてはまだ撤回しない。理由は第一にわたしがかなり楽観的な人であること、海外客の伸びが期待されること、前年10月から実績を落とした航空会社の巻き返しで10月以降の反動増見込み(甘いけど)、県や業界のテコ入れが実現する可能性がまだ残っているためだ。
2008年06月04日
バカな増税派とアホな成長派、両方間違い
6月8日投開票の県議選を国政選挙の前哨戦ととらえ、国政の党首級が沖縄入りして、県議選を盛り立てている。争点は後期高齢者医療制度である。
この制度は姥捨て山そのものといっていいだろう。貧乏な農村で働けなくなった年寄りをむかしは山に捨てたという話だが、いまは政府が貧しくなったので政府が年寄りを切り捨てるというものだ。TV討論会などで口をとんがらせて自民党の大村議員などが姥捨て山制度を擁護しているが、国民は納得しない。わたしのまわりでも、自民党支持と見られる人から「福田はもういい」「自民党は負けるだろう」という批判の声が挙がっている。
ところが日本はホントに医療費も出せないほど貧しいのだろうか。東南アジアの途上国や戦前の日本の話しを聞いているようだ。いまの日本で医療費が増えるとホントに国民は困るのだろうか。
制度の導入は、日本は貧しくなった。財政が厳しいおり、医療費が増大するということは、他に回すカネがなくなることだ、だから抑制したいということである。
文春6月号で衆議院の堀内光雄氏が、制度成立の経緯について述べている。
「小泉チルドレン」などの圧倒的多数で導入を決めた。その時の国会では堀内さんを始め亀井静香、綿貫民輔、自見庄三郎さんといった「うるさ型」が郵政選挙で自民党を追い出されていたので、すんなり自民党内の意見が通った。制度は廃止すべきで、根本的には日本経済を立て直すことで国民負担は減らせると述べている(手元にないので適当に要約)。
しかし、医療費が増えるということは、国民が支払った税金や保険料が政府支出となって世の中に出てくるということであって、カネが出回れば景気はよくなり、国民経済にとってプラスである。
公共投資であろうと医療費であろうと、政府支出が増えることで景気刺激策となり、経済規模が拡大する。拡大した経済を国民が分け合うわけだから国民の収入も増えるということになる。
問題は医療費が増えるなら他の政府支出を減らす、あるいは医療費を削減しなければならないと考えるところにある。つまり、日本が貧しいのではなくて、政治家のおつむの中が貧しいのだ。
この解決に新聞やテレビでは増税と成長のどちらがよいかという問題を立てているが、これは両者が手を組んだイカサマ、やらせだろう。
増税派は自民党前官房長官の与謝野馨氏、政調会長の谷垣禎一氏、民主党は前代表の岡田克也氏が消費税を上げるといっている。ところが、消費税を拡大すれば余計に景気は落ち込むから、間違った政策である。政治というのは国民を豊かにするのが第一の仕事であって、国民を痛めつけて(負担を増やして)、財政を立て直そうというのは本末転倒である。
一方、成長派は竹中平蔵氏や中川秀直氏らだ。GDPを拡大して税収の自然増を図り、財源を増やすといっている。もちろん成長派の主張が正論である。しかし、どうやって成長するかについては、無駄な財政支出を減らし、規制を緩和し、企業の競争力を高めれば成長するというのである。
これは、改革なくして成長無し、という小泉構造改革そのものである。戦後五十年余、小泉政権以前の政府の借金が約五百兆円だったのに対し、〇一年からのたった八年間の小泉構造改革で三百四十兆円も借金を増やし、いまでは八百四十兆円となった。構造改革がいかに間違った政策だったかが分かるだろう。
結局、デフレ不況下で政府が支出を削ると猛烈なスピードで赤字が増え、増えた分を消費税で埋めるというのがバカな増税派、いや、もっと支出を削減すれば景気は回復するというのがアホな成長派である。
両者の政策が行き着く先を現実を踏まえてイメージして欲しい、全然美しくない未来しか見えてこない。
これに対して、日本のバブル崩壊と似たようなサブプライムローン問題に直面したアメリカは、緊急経済対策を行って政府支出を増やし、国民に減税の名目で16兆円のカネを配った。それとは別に連銀は潰れそうな金融機関に素早く3兆円の公的資金を導入し、景気の落ち込みを最小限に抑え込もうとしている。貧困大国となりさがったとはいえ、経済政策は日本とは大違いに迅速である。景気が回復すれば将来の自然増収で釣り合いはとれる。同じ考えで景気対策を行っている国はいくらでもある。
最近届いた「香港ライナー」という香港政府のPR誌には今年の予算案の概要が出ている。各種のインフラ投資はもちろん「43億(香港)ドルを割当て、電気料金補助金として各世帯に1800ドルを提供」「困窮している人の医療費に10億ドル」「子育てサービスに3年で6000万ドル」「家庭内暴力の被害者、困窮している家庭への支援強化のため4000万ドル」「障害者に1億ドル」「月収1万ドルいかの人々を対象に強制年金基金に6000万ドルを一度限りで支給するために85億ドル」「医療制度改革に500億ドル」などなどといった支出を行う。これらによって、一時的に政府の収入は減るが2、3年後には景気が回復して税収が増えるとしている。
日本もかつてはこれを実行していたのだ。なぜいまできないという政治家が増えたのか。本当の貧困は政治家のおつむの中にあるというのはこのことだ。
日本では国民新党が同様の緊急経済対策を提言している。正論をはいているのは間違いないのに、あまり知られていないのが残念だ。
この制度は姥捨て山そのものといっていいだろう。貧乏な農村で働けなくなった年寄りをむかしは山に捨てたという話だが、いまは政府が貧しくなったので政府が年寄りを切り捨てるというものだ。TV討論会などで口をとんがらせて自民党の大村議員などが姥捨て山制度を擁護しているが、国民は納得しない。わたしのまわりでも、自民党支持と見られる人から「福田はもういい」「自民党は負けるだろう」という批判の声が挙がっている。
ところが日本はホントに医療費も出せないほど貧しいのだろうか。東南アジアの途上国や戦前の日本の話しを聞いているようだ。いまの日本で医療費が増えるとホントに国民は困るのだろうか。
制度の導入は、日本は貧しくなった。財政が厳しいおり、医療費が増大するということは、他に回すカネがなくなることだ、だから抑制したいということである。
文春6月号で衆議院の堀内光雄氏が、制度成立の経緯について述べている。
「小泉チルドレン」などの圧倒的多数で導入を決めた。その時の国会では堀内さんを始め亀井静香、綿貫民輔、自見庄三郎さんといった「うるさ型」が郵政選挙で自民党を追い出されていたので、すんなり自民党内の意見が通った。制度は廃止すべきで、根本的には日本経済を立て直すことで国民負担は減らせると述べている(手元にないので適当に要約)。
しかし、医療費が増えるということは、国民が支払った税金や保険料が政府支出となって世の中に出てくるということであって、カネが出回れば景気はよくなり、国民経済にとってプラスである。
公共投資であろうと医療費であろうと、政府支出が増えることで景気刺激策となり、経済規模が拡大する。拡大した経済を国民が分け合うわけだから国民の収入も増えるということになる。
問題は医療費が増えるなら他の政府支出を減らす、あるいは医療費を削減しなければならないと考えるところにある。つまり、日本が貧しいのではなくて、政治家のおつむの中が貧しいのだ。
この解決に新聞やテレビでは増税と成長のどちらがよいかという問題を立てているが、これは両者が手を組んだイカサマ、やらせだろう。
増税派は自民党前官房長官の与謝野馨氏、政調会長の谷垣禎一氏、民主党は前代表の岡田克也氏が消費税を上げるといっている。ところが、消費税を拡大すれば余計に景気は落ち込むから、間違った政策である。政治というのは国民を豊かにするのが第一の仕事であって、国民を痛めつけて(負担を増やして)、財政を立て直そうというのは本末転倒である。
一方、成長派は竹中平蔵氏や中川秀直氏らだ。GDPを拡大して税収の自然増を図り、財源を増やすといっている。もちろん成長派の主張が正論である。しかし、どうやって成長するかについては、無駄な財政支出を減らし、規制を緩和し、企業の競争力を高めれば成長するというのである。
これは、改革なくして成長無し、という小泉構造改革そのものである。戦後五十年余、小泉政権以前の政府の借金が約五百兆円だったのに対し、〇一年からのたった八年間の小泉構造改革で三百四十兆円も借金を増やし、いまでは八百四十兆円となった。構造改革がいかに間違った政策だったかが分かるだろう。
結局、デフレ不況下で政府が支出を削ると猛烈なスピードで赤字が増え、増えた分を消費税で埋めるというのがバカな増税派、いや、もっと支出を削減すれば景気は回復するというのがアホな成長派である。
両者の政策が行き着く先を現実を踏まえてイメージして欲しい、全然美しくない未来しか見えてこない。
これに対して、日本のバブル崩壊と似たようなサブプライムローン問題に直面したアメリカは、緊急経済対策を行って政府支出を増やし、国民に減税の名目で16兆円のカネを配った。それとは別に連銀は潰れそうな金融機関に素早く3兆円の公的資金を導入し、景気の落ち込みを最小限に抑え込もうとしている。貧困大国となりさがったとはいえ、経済政策は日本とは大違いに迅速である。景気が回復すれば将来の自然増収で釣り合いはとれる。同じ考えで景気対策を行っている国はいくらでもある。
最近届いた「香港ライナー」という香港政府のPR誌には今年の予算案の概要が出ている。各種のインフラ投資はもちろん「43億(香港)ドルを割当て、電気料金補助金として各世帯に1800ドルを提供」「困窮している人の医療費に10億ドル」「子育てサービスに3年で6000万ドル」「家庭内暴力の被害者、困窮している家庭への支援強化のため4000万ドル」「障害者に1億ドル」「月収1万ドルいかの人々を対象に強制年金基金に6000万ドルを一度限りで支給するために85億ドル」「医療制度改革に500億ドル」などなどといった支出を行う。これらによって、一時的に政府の収入は減るが2、3年後には景気が回復して税収が増えるとしている。
日本もかつてはこれを実行していたのだ。なぜいまできないという政治家が増えたのか。本当の貧困は政治家のおつむの中にあるというのはこのことだ。
日本では国民新党が同様の緊急経済対策を提言している。正論をはいているのは間違いないのに、あまり知られていないのが残念だ。






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