2008年07月27日
財政赤字がどうしたというのか
この不況からの脱却には通貨増発による巨大減税が有効である。
ところが日本ではおかしな構造改革で経済成長させるという間違った政策を推進した結果不況は一層深まった。
政策転換すれば一挙に問題は解決するはずだが、間違いを改めることなく、改革のスピードが遅いから一層改革しなければならないというバカげた勢力が政権の主流を占めたままだ。
で、その勢力は国民にさらに構造改革が必要であるというイメージを植え付けるためにさまざまな手を使う。手っ取り早いのがメディア操作である。
その典型的実例が7月23日付沖縄の新聞二つ(全国でも)一面トップとなった
11年度3.9兆円赤字 内閣府が試算
財政黒字化困難に 景気悪化で税収減
という記事である。
両社のHPにはこの記事がないので、
FujiSankei Business i. 2008/7/23
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200807230032a.nwc
を長いけど引用すると(下線はわたし)、
県内新聞は両方とも丁寧な挿し絵も入れている(下)。
(このグラフのインチキ性については、
神州の泉の小野盛司氏の論説「基礎的財政収支の黒字化見通しに暗雲 −内閣府モデルに騙され続ける政府」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/07/post_58c1.html
を参照。このまま行けば、最悪のパターンになることは当たり前である=政策効果は出ない。間違った政策をとり続けているからである)

この記事の問題は、たくさんあるが
(1)単なる試算であり、実際はどうなるか分からない将来のGDPを極端に低く見積もっていることである。このくらい低い成長は現実政治として、「何もしない」で達成できる。
(2)内閣府は成長率試算を毎年間違い続けている。この政策を行えば成長率は2〜3%行く、と2002年頃からズーッと言い続けているが、年を越すと毎回下方修正を続けている。つまり、試算は毎年間違っている。同時に政策も毎年間違った。
(3)このような根拠のない試算結果を全国の新聞に載せさせ(新聞は発表どおりの記事を書くので、国民を洗脳するのは簡単である)、危機を煽る。
(4)プライマリーバランスの達成が必要なこととして記事で紹介されているが、実際は根拠はない。また、赤字を出すことが悪いという印象を受けるが、これも根拠はない。
(5)洗脳の極致は大田弘子ポンカス大臣の「財政再建のためには、歳出削減と成長と増税の3つの手段の組み合わせしかない」という発言である。これによって、ちかぢか3つの手段を政府は導入するのだという露払いの役目を果たしている。大田弘子が間違っていることは「宍戸駿太郎vs.大田弘子」の公開討論で徹底的に追及するはずだったが、なんと討論時間は20分しか用意されなかったといい、現職大臣が議論から逃げてしまった。
(6)この記事は政府が約束を達成できない、という大方針を突くため新聞社にとっては一見政府批判と見える記事になり、新聞社としては正義を追求している格好になる。ところが、結論が「歳出削減と成長と増税」に集約されてしまい、政府がこれからやりたいことに提灯をつけることになっている。
(7)案の定、7月24日付琉球新報社説は「財政収支危機 国民犠牲の黒字策でいいか」とタイトルはよいが、内容は政府政策の推進に役立つ誤用記事であった。引用する。下線はわたし。
新聞というのは多様な意見を紹介するのが本来の仕事だろう。税制黒字化には大田弘子がいう3つの方法しかないという狭い了見をそのまま採用する根拠は何だろう。世界の多くの経済学者は日本に通貨増発による減税をアドバイスしている。なぜ、これほど有力な政策を日本の新聞は一行も書かないのか。
大田弘子の貧弱な妄想の3つをわざわざ取り上げてコメントしているが、3つとも浅はかだ。特に成長による税収増を図る力が政府あるのかと述べているが、ここはストレートに税収増を図る政策を取り入れるべきだと述べるべきだろう。
増税については選挙の道具にしてはいけないが、最終的には必要であると述べているように読めるのも問題である。
このようにして増税への露払いの役目を新聞が果たしたわけだ。
なお、歳出削減が必要といっているが、景気が悪いときには税収を削減すべき(国民に金を回す)であって、歳出削減(国民へ回るカネを吸い上げる=増税と同じ)はやるべきではない。ホントに無駄なカネとは何を指すのか不明である。
7月23日の地元紙朝刊一面の記事というのは(全国の地方紙でも一面で扱われたらしい)ホントにバカな記事であり、紙面構成だった。
むかし、第二時世界大戦を始めたときの政府と新聞の関係も上のようなものであっただろうと思う。大本営(注)発表の垂れ流しである。
ところが日本ではおかしな構造改革で経済成長させるという間違った政策を推進した結果不況は一層深まった。
政策転換すれば一挙に問題は解決するはずだが、間違いを改めることなく、改革のスピードが遅いから一層改革しなければならないというバカげた勢力が政権の主流を占めたままだ。
で、その勢力は国民にさらに構造改革が必要であるというイメージを植え付けるためにさまざまな手を使う。手っ取り早いのがメディア操作である。
その典型的実例が7月23日付沖縄の新聞二つ(全国でも)一面トップとなった
11年度3.9兆円赤字 内閣府が試算
財政黒字化困難に 景気悪化で税収減
という記事である。
両社のHPにはこの記事がないので、
FujiSankei Business i. 2008/7/23
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200807230032a.nwc
を長いけど引用すると(下線はわたし)、
内閣府は22日の経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)に、景気が停滞した場合、2011年度の国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)が最大7・9兆円の赤字に転落するとの試算を提出した。これは、消費税で約3%分に相当する。政府が進めている歳出削減と成長戦略が期待通り進む楽観シナリオでも4兆円近い赤字になる。この結果、新たな財源を確保しないと、政府が目指す11年度までの基礎的財政収支の黒字化達成は困難としている。
内閣府は今年度の成長率見通しを下方修正したことを踏まえ、財政再建シナリオも見直した。
それによると、08年度の国内総生産(GDP)成長率見通しは物価変動を除く実質で当初見込みの2・0%から1・3%に、名目も2・1%から0・3%にそれぞれ減速させた。
今年1月以降の急速な原油高、米国経済の減速などで、設備投資や個人消費が予想を大きく下回ることが確実となったためで、09年度も実質、名目とも1%台後半の成長に止まる見通しだ。
これに伴い、税収の大幅な落ち込みが予想されることなどから、財政状況が悪化。実質成長率が09年度の1・7%をピークに1・2%まで下降線をたどり、政府が取り組んでいる歳出削減も思うように進まずに、11年度までの5年間で11・3兆円に止まった場合、基礎的財政収支の赤字は7・9兆円と試算した。
政府が目指す14・3兆円の歳出削減が実現し、実質成長率が2・4%に上昇しても3・9兆円の赤字になる見通しで、増税なしに11年度の基礎的財政収支の黒字化達成は難しい情勢だ。
大田弘子経済財政担当相は会議終了後の記者会見で「財政再建のためには、歳出削減と成長と増税の3つの手段の組み合わせしかない」と述べた。
しかし、少子高齢化が進む中、社会保障費の増大でさらなる歳出カットには政府・与党の抵抗が大きい。一方、基礎的財政収支の赤字を解消するには、消費税換算で約1・7%から3・4%分の増税が不可欠。福田首相は増税議論の事実上の先送りを示唆しており、財政再建は赤信号がともっている。
県内新聞は両方とも丁寧な挿し絵も入れている(下)。
(このグラフのインチキ性については、
神州の泉の小野盛司氏の論説「基礎的財政収支の黒字化見通しに暗雲 −内閣府モデルに騙され続ける政府」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/07/post_58c1.html
を参照。このまま行けば、最悪のパターンになることは当たり前である=政策効果は出ない。間違った政策をとり続けているからである)

この記事の問題は、たくさんあるが
(1)単なる試算であり、実際はどうなるか分からない将来のGDPを極端に低く見積もっていることである。このくらい低い成長は現実政治として、「何もしない」で達成できる。
(2)内閣府は成長率試算を毎年間違い続けている。この政策を行えば成長率は2〜3%行く、と2002年頃からズーッと言い続けているが、年を越すと毎回下方修正を続けている。つまり、試算は毎年間違っている。同時に政策も毎年間違った。
(3)このような根拠のない試算結果を全国の新聞に載せさせ(新聞は発表どおりの記事を書くので、国民を洗脳するのは簡単である)、危機を煽る。
(4)プライマリーバランスの達成が必要なこととして記事で紹介されているが、実際は根拠はない。また、赤字を出すことが悪いという印象を受けるが、これも根拠はない。
(5)洗脳の極致は大田弘子ポンカス大臣の「財政再建のためには、歳出削減と成長と増税の3つの手段の組み合わせしかない」という発言である。これによって、ちかぢか3つの手段を政府は導入するのだという露払いの役目を果たしている。大田弘子が間違っていることは「宍戸駿太郎vs.大田弘子」の公開討論で徹底的に追及するはずだったが、なんと討論時間は20分しか用意されなかったといい、現職大臣が議論から逃げてしまった。
(6)この記事は政府が約束を達成できない、という大方針を突くため新聞社にとっては一見政府批判と見える記事になり、新聞社としては正義を追求している格好になる。ところが、結論が「歳出削減と成長と増税」に集約されてしまい、政府がこれからやりたいことに提灯をつけることになっている。
(7)案の定、7月24日付琉球新報社説は「財政収支危機 国民犠牲の黒字策でいいか」とタイトルはよいが、内容は政府政策の推進に役立つ誤用記事であった。引用する。下線はわたし。
大田弘子経済財政担当相は諮問会議後「(黒字化の手段は)歳出削減と成長による税収増、増税の3つしかない。3つを組み合わせていく」と述べた。
最初に挙げた「歳出削減」は社会保障費の伸びを圧縮するなど、国民生活に打撃を与えることがほとんどだろう。
国民が求めているのは無駄な歳出の削減である。それが十分に実行されないまま、国民に負担感を与えるばかりで、肝心の無駄を省く努力が足りないというのが国民の実感である。
2点目の「成長による税収増」も、今さらの感がする。現時点より原油価格がまだ低く、米国経済がこれほどまでに悪化していない段階でさえも「成長による税収増」を図るための有効な手だてを講じることはできなかった。
経済環境が厳しさを増す中、「成長による税収増」を図る力が政府に果たしてあるのだろうか。
3点目の「増税」については総選挙を意識して、与党内で消費税増税への慎重論が強まっている。
しかし、増税問題はそもそも選挙に勝つか負けるかという次元のものではない。財政健全化と併せて国民生活への影響にも重きを置いて考えるべきものである。
新聞というのは多様な意見を紹介するのが本来の仕事だろう。税制黒字化には大田弘子がいう3つの方法しかないという狭い了見をそのまま採用する根拠は何だろう。世界の多くの経済学者は日本に通貨増発による減税をアドバイスしている。なぜ、これほど有力な政策を日本の新聞は一行も書かないのか。
大田弘子の貧弱な妄想の3つをわざわざ取り上げてコメントしているが、3つとも浅はかだ。特に成長による税収増を図る力が政府あるのかと述べているが、ここはストレートに税収増を図る政策を取り入れるべきだと述べるべきだろう。
増税については選挙の道具にしてはいけないが、最終的には必要であると述べているように読めるのも問題である。
このようにして増税への露払いの役目を新聞が果たしたわけだ。
なお、歳出削減が必要といっているが、景気が悪いときには税収を削減すべき(国民に金を回す)であって、歳出削減(国民へ回るカネを吸い上げる=増税と同じ)はやるべきではない。ホントに無駄なカネとは何を指すのか不明である。
7月23日の地元紙朝刊一面の記事というのは(全国の地方紙でも一面で扱われたらしい)ホントにバカな記事であり、紙面構成だった。
むかし、第二時世界大戦を始めたときの政府と新聞の関係も上のようなものであっただろうと思う。大本営(注)発表の垂れ流しである。
(注)大本営発表(だいほんえいはっぴょう)とは、太平洋戦争(大東亜戦争)において、日本の大本営の陸軍部及び海軍部が行った、戦況などに関する公式発表のことである。当初はほぼ現実通りの発表を行っていたが、以下に記載する通りミッドウェー海戦の頃から損害の過少発表が目立ち始め、不適切な言い換えがまかり通るようになり、最終的には勝敗が逆転した発表すら行ったことから、現在では「内容を全く信用できない虚飾的・詐欺的な公式発表」の代名詞になっている。(ウィキペディア)
2008年07月20日
躍進する香港(下)
その香港の経済政策はどんなものだろう。もちろん、世界の潮流に反するというものではない。
かつて資本主義の最先端を実現しているといわれ、市場原理が貫徹した社会と見られた香港だった。
日本香港協会というのがある。5月23日、沖縄にも沖縄日本香港協会ができた。そこに1988年に日本香港協会を設立した中心人物である財前宏理事長が出席してあいさつ。「資本主義、市場原理の最先端である香港を日本でも見習おうという趣旨で、日本香港協会を設立した」というようなことを述べた。昔の香港のイメージは弱者切り捨てという側面があったとわたしも記憶している。社会保障というのは希薄で、運をつかんだ人、成果を出した人が出世するというイメージだった。ついでに世界の悪知恵も集中しているというネガティブな側面もあった。
ところが、国が豊かになるに連れ、そのイメージは一新された、と思う。手元に「HONG KONG LINER」(41号、08年5月)という香港経済貿易部が造った政府機関紙がある。香港政府の08〜09年度予算の解説特集となっている。
1面トップ記事によると、曾俊華財政長官は今年の予算編成の3原則として「第一に、予算は政府の社会へのコミットメントを明確にすべきであり、第二に財政政策は持続可能なものであるべきで、第三に意志決定は現実主義的に行われなければならない」と述べている。
予算案では2008〜09年度経常収支は赤字になるが、2012〜13年度までには673億香港ドル(1香港ドル=約14円)の黒字になると見込んでいる。
財政の総額がいくらなのかこの雑誌に出ていないのはあばたもえくぼみたいなもんであるが、内容を見ると、
・インフラ投資に10の主要プロジェクト(略)
・市民生活の改善と弱者の支援として
◎電気料金補助金として各世帯に1800ドルを提供、総額は43億ドル。
◎困窮している病人の医療費負担を軽減するためにサマリア基金に10億ドルを投入。
◎困窮している高齢者に支援・配慮(家族の支援のない高齢者の居住環境改善のため2億ドル)(困窮している高齢者が、自宅として使用している不動産の補修または安全性改善工事に10億ドルの補助金)(高齢者手当制度の受給者に一人につき3000ドルを一度給付)(高齢者のデイケアセンターなどの定員拡大のために6000ドルの支出増)
◎家庭、子供への支援強化策として(保育施設整備と子育てサービス改善に3年間で4500万ドル支出)(家庭内暴力の被害者、困窮している家庭への支援のため4000万ドルの追加支援)
◎障害者支援(1億ドルを追加し、就学前訓練施設の受け入れ300人増、訓練施設450人増、公営の住み込み施設で490人の受け入れ枠増)(障害者と家族、介護者支援に3500万ドルを追加支出し、16のコミュニティーセンターを設立)
◎今後3年間で10億ドルを支出し、青少年向けに3年間の職を3000創出する。
◎約12億ドルを費やし、総合社会保障扶助受給者に1カ月分、障害者手当の受給者にも1カ月分の手当を追加支給する。
◎公共住宅に住む低所得者世帯の1カ月分の家賃を免除するため10億ドルを割り当てる。
・富を人々のもとに残し、繁栄の成果を分かち合う
◎所得税の税率を1%引き下げ15%とする。政府税収は9億6000万ドル減少する。
◎2万5000ドルを上限に07〜08年度所得税の75%を一度限りで還付する。政府負担は124億ドルである
◎13億1000万ドルで、一人親控除、既婚者控除を引き上げる。
◎課税対象世帯を3万5000ドルから4万ドルに引き上げる。これによって政府の税収は10億ドル減となる。
◎法人税を1%引き下げ16.5%にする。政府は17億3000万ドルの減収となる。
◎08〜09年度の商業登記税を免除する。政府の収入は16億ドル減となる。
◎2万5000ドルを上限に07〜08年度の不動産税を一度限り還付する。政府負担は6億8000万ドルである。
◎課税対象となる貸室1戸につき不動産利用税を免除。政府収入は112億ドルの減となる。
・未来へ向けて
◎月収(年収の誤植?)1万ドル以下の人々を対象に各人の強制年金基金に6000ドルを一度限りで支給する。政府負担は85億ドル。
◎財政余剰金から500億ドルを割当てて、
医療制度改革を推進する。
長い説明になったが、これを見る限り、香港は政治的にもゆたかで安定した社会になっているのではないかと思う。
あ、香港のその後の観光客数であるが、2003年のSARSで再び落ち込みを経験した。このとき、中国が香港への旅行を解禁し、中国人観光客が激増した。
2007年の香港への観光客数実績は
2816万人(うち日本人132万人)
となった。08年は5月まで10%成長を維持しており、3000万人を軽く超える予定である。なお、中国人の一人当たり消費金額は日本人より多いとのことである。
かつて資本主義の最先端を実現しているといわれ、市場原理が貫徹した社会と見られた香港だった。
日本香港協会というのがある。5月23日、沖縄にも沖縄日本香港協会ができた。そこに1988年に日本香港協会を設立した中心人物である財前宏理事長が出席してあいさつ。「資本主義、市場原理の最先端である香港を日本でも見習おうという趣旨で、日本香港協会を設立した」というようなことを述べた。昔の香港のイメージは弱者切り捨てという側面があったとわたしも記憶している。社会保障というのは希薄で、運をつかんだ人、成果を出した人が出世するというイメージだった。ついでに世界の悪知恵も集中しているというネガティブな側面もあった。
ところが、国が豊かになるに連れ、そのイメージは一新された、と思う。手元に「HONG KONG LINER」(41号、08年5月)という香港経済貿易部が造った政府機関紙がある。香港政府の08〜09年度予算の解説特集となっている。
1面トップ記事によると、曾俊華財政長官は今年の予算編成の3原則として「第一に、予算は政府の社会へのコミットメントを明確にすべきであり、第二に財政政策は持続可能なものであるべきで、第三に意志決定は現実主義的に行われなければならない」と述べている。
予算案では2008〜09年度経常収支は赤字になるが、2012〜13年度までには673億香港ドル(1香港ドル=約14円)の黒字になると見込んでいる。
財政の総額がいくらなのかこの雑誌に出ていないのはあばたもえくぼみたいなもんであるが、内容を見ると、
・インフラ投資に10の主要プロジェクト(略)
・市民生活の改善と弱者の支援として
◎電気料金補助金として各世帯に1800ドルを提供、総額は43億ドル。
◎困窮している病人の医療費負担を軽減するためにサマリア基金に10億ドルを投入。
◎困窮している高齢者に支援・配慮(家族の支援のない高齢者の居住環境改善のため2億ドル)(困窮している高齢者が、自宅として使用している不動産の補修または安全性改善工事に10億ドルの補助金)(高齢者手当制度の受給者に一人につき3000ドルを一度給付)(高齢者のデイケアセンターなどの定員拡大のために6000ドルの支出増)
◎家庭、子供への支援強化策として(保育施設整備と子育てサービス改善に3年間で4500万ドル支出)(家庭内暴力の被害者、困窮している家庭への支援のため4000万ドルの追加支援)
◎障害者支援(1億ドルを追加し、就学前訓練施設の受け入れ300人増、訓練施設450人増、公営の住み込み施設で490人の受け入れ枠増)(障害者と家族、介護者支援に3500万ドルを追加支出し、16のコミュニティーセンターを設立)
◎今後3年間で10億ドルを支出し、青少年向けに3年間の職を3000創出する。
◎約12億ドルを費やし、総合社会保障扶助受給者に1カ月分、障害者手当の受給者にも1カ月分の手当を追加支給する。
◎公共住宅に住む低所得者世帯の1カ月分の家賃を免除するため10億ドルを割り当てる。
・富を人々のもとに残し、繁栄の成果を分かち合う
◎所得税の税率を1%引き下げ15%とする。政府税収は9億6000万ドル減少する。
◎2万5000ドルを上限に07〜08年度所得税の75%を一度限りで還付する。政府負担は124億ドルである
◎13億1000万ドルで、一人親控除、既婚者控除を引き上げる。
◎課税対象世帯を3万5000ドルから4万ドルに引き上げる。これによって政府の税収は10億ドル減となる。
◎法人税を1%引き下げ16.5%にする。政府は17億3000万ドルの減収となる。
◎08〜09年度の商業登記税を免除する。政府の収入は16億ドル減となる。
◎2万5000ドルを上限に07〜08年度の不動産税を一度限り還付する。政府負担は6億8000万ドルである。
◎課税対象となる貸室1戸につき不動産利用税を免除。政府収入は112億ドルの減となる。
・未来へ向けて
◎月収(年収の誤植?)1万ドル以下の人々を対象に各人の強制年金基金に6000ドルを一度限りで支給する。政府負担は85億ドル。
◎財政余剰金から500億ドルを割当てて、
医療制度改革を推進する。
長い説明になったが、これを見る限り、香港は政治的にもゆたかで安定した社会になっているのではないかと思う。
あ、香港のその後の観光客数であるが、2003年のSARSで再び落ち込みを経験した。このとき、中国が香港への旅行を解禁し、中国人観光客が激増した。
2007年の香港への観光客数実績は
2816万人(うち日本人132万人)
となった。08年は5月まで10%成長を維持しており、3000万人を軽く超える予定である。なお、中国人の一人当たり消費金額は日本人より多いとのことである。
2008年07月19日
躍進する香港(中)
香港の発展ぶりを名目GDP(米ドル換算)と一人当たりGDPで見てみる。データはIMFの資料を使った。1995年からの変化をグラフに描いた。グラフにはついでに日本、中国、インド、韓国、台湾、シンガポールの様子も書き加えた。


香港のGDPは人口が800万人弱ということもあって、4000億ドル前後と小さいが、一人当たりGDPは07年に3万ドル直前となっている。
07年の日本の一人当たりGDPは約3万5000ドル前後で香港を上回っているが、沖縄県の一人当たり県民所得は200万円程度であり、約2万ドルだ。県民所得は香港をはるかに下回っている。
なお、一人当たりGDPは日本は2007年にシンガポールに抜かれた。また、グラフでは日本の一人当たりGDPは2008年から急増する予想となっているが、これは日本政府(内閣府)の予想をそのまま使っているものと思われる。ところが、内閣府の経済見通しは、毎年外れている。07年の名目GDPも07年1月には2.2%の成長と予測していたが、08年1月に0.8%成長に下方修正、08年7月には0.6%に再修正した。こんなことが2002年以来続いているのである。
このままバカな構造改革路線を突き進むとグラフに記された日本経済の右肩上がりの予測は達成できない。実際には横這いか低下するだろう。すると2009年には一人当たり名目GDPは香港に抜かれる。

もっと驚くことに、購買力平価(PPP)(注)で換算した一人当たりGDPはすでに香港に抜かれている(グラフ)。購買力平価とは同じ生活を続けるためにカネがいくらかかるかというような計算をして、ドルで表示するものだ。これもIMFが集計している。
それを見ると、07年の日本の一人当たりGDP(PPP)は3万3576ドル、香港は4万1994ドルとなっていてすでに逆転している。購買力平価換算だと香港人の方が日本人よりお金持ちなのだ。香港が日本を上回ったのは2000年である。シンガポールにはそれ以前にとっくに日本を追い越している。もし、バカな構造改革路線が続くなら、2009年には台湾にも追い抜かれるだろう。
(各国に追い抜かれたのは、日本の自滅だろうというbewaadさんの記事
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080509/p1
も参照)


香港のGDPは人口が800万人弱ということもあって、4000億ドル前後と小さいが、一人当たりGDPは07年に3万ドル直前となっている。
07年の日本の一人当たりGDPは約3万5000ドル前後で香港を上回っているが、沖縄県の一人当たり県民所得は200万円程度であり、約2万ドルだ。県民所得は香港をはるかに下回っている。
なお、一人当たりGDPは日本は2007年にシンガポールに抜かれた。また、グラフでは日本の一人当たりGDPは2008年から急増する予想となっているが、これは日本政府(内閣府)の予想をそのまま使っているものと思われる。ところが、内閣府の経済見通しは、毎年外れている。07年の名目GDPも07年1月には2.2%の成長と予測していたが、08年1月に0.8%成長に下方修正、08年7月には0.6%に再修正した。こんなことが2002年以来続いているのである。
このままバカな構造改革路線を突き進むとグラフに記された日本経済の右肩上がりの予測は達成できない。実際には横這いか低下するだろう。すると2009年には一人当たり名目GDPは香港に抜かれる。

もっと驚くことに、購買力平価(PPP)(注)で換算した一人当たりGDPはすでに香港に抜かれている(グラフ)。購買力平価とは同じ生活を続けるためにカネがいくらかかるかというような計算をして、ドルで表示するものだ。これもIMFが集計している。
(注)購買力平価(PPP: Purchasing Power Parities) GDPを実質比較するために,国家間の物価水準における差を除去することによって異なる通貨の購買力を等しくする通貨換算率。
現在,OECDはEUと共同でPPPの算定をしており,「GDPを構成する商品・サービス」を対象とした価格調査を3年ごとに実施して,これに基づいて推計している。直近の2002年を基準年とするOECD購買力平価の算定プロジェクトでは,約3,000の商品・サービスが比較対象となった。なお,詳細な情報は,統計局ホームページの「国際比較プログラムへの参加」(URL: http://www.stat.go.jp/info/meetings/icp/index.htm)を参照。
それを見ると、07年の日本の一人当たりGDP(PPP)は3万3576ドル、香港は4万1994ドルとなっていてすでに逆転している。購買力平価換算だと香港人の方が日本人よりお金持ちなのだ。香港が日本を上回ったのは2000年である。シンガポールにはそれ以前にとっくに日本を追い越している。もし、バカな構造改革路線が続くなら、2009年には台湾にも追い抜かれるだろう。
(各国に追い抜かれたのは、日本の自滅だろうというbewaadさんの記事
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080509/p1
も参照)
2008年07月18日
躍進する香港(上)
香港へ行って来た。

(写真1)はビクトリアピークからの黄昏時の香港市街。昔、100万ドルの夜景といわれたところである。いまでは1000億ドル位の価値になっているのではないか。ビルの林立する市街地に隣接して、つい最近まで世界一着陸が難しいといわれた旧空港があった。

(写真2)はランタオ島の浅瀬を埋め立てて新しくできた香港国際空港の全景。2本の滑走路があり、24時間運用されている。香港の日本語ガイドによると、前の空港は時間制限があったので、出迎えはせいぜい10時頃までだったのに、いまでは24時間出迎え、見送りの仕事が入るようになった。
香港国際空港は1998年7月6日開港。6年の歳月と200億ドルが投入された。空港島と香港市街は地下鉄で結ばれている。ランタオ島までは橋と道路が取り付けられた。
写真はランタオ島のロープウェイ・ゴンピン360の箱の中からとったものである。
このロープウェイは建設しているときから乗ってみたいと思っていたのだが、開業してしばらくして突然、無人の箱が落下するという事故が起こり、2年前に行ったら休業していた。事故原因はいまでも不明であるという。
このときは曇っていたが、上りきると晴れた。

(写真3)は空港島対岸にある古い街並み。空港ができる前は平屋の民家がぽつぽつとある程度だった。空港ができると次の

(写真4)となった。実際には写真3は写真4の直ぐ右側(上流)の様子である。
そういえば、昔、空港を造っているときにランタオ島にわたって建設中の空港島の様子を写真に撮ったことがあった。
20代で何度か香港を旅行してから30代後半まで長い間行ってなかったが、97年の香港返還後、再訪した。前年の96年、返還前の香港を見ようと世界中から観光客が訪れ、約1300万人に達した。このうち日本人観光客は238万人と過去最高を記録した。
ところが、返還の年に1127万人、日本人は136万人に激減した。中国に返還された香港は、資本主義の魅力が薄れると思われた。自由もなくなると思われた。しかし、実施にはそうならなかった。
1997年以降、身内の友人を訪ねたり、他の海外へ経由するために立ち寄ったり、香港政府観光局の招待もあって、ほぼ毎年香港に出かけて様子を見ているが、ものすごい発展ぶりである。
香港‐珠海(人工島新設)‐マカオ(人工島新設)との間に全長29.6キロの橋を架けるプロジェクトも動き出している。

(写真1)はビクトリアピークからの黄昏時の香港市街。昔、100万ドルの夜景といわれたところである。いまでは1000億ドル位の価値になっているのではないか。ビルの林立する市街地に隣接して、つい最近まで世界一着陸が難しいといわれた旧空港があった。

(写真2)はランタオ島の浅瀬を埋め立てて新しくできた香港国際空港の全景。2本の滑走路があり、24時間運用されている。香港の日本語ガイドによると、前の空港は時間制限があったので、出迎えはせいぜい10時頃までだったのに、いまでは24時間出迎え、見送りの仕事が入るようになった。
香港国際空港は1998年7月6日開港。6年の歳月と200億ドルが投入された。空港島と香港市街は地下鉄で結ばれている。ランタオ島までは橋と道路が取り付けられた。
写真はランタオ島のロープウェイ・ゴンピン360の箱の中からとったものである。
このロープウェイは建設しているときから乗ってみたいと思っていたのだが、開業してしばらくして突然、無人の箱が落下するという事故が起こり、2年前に行ったら休業していた。事故原因はいまでも不明であるという。
このときは曇っていたが、上りきると晴れた。

(写真3)は空港島対岸にある古い街並み。空港ができる前は平屋の民家がぽつぽつとある程度だった。空港ができると次の

(写真4)となった。実際には写真3は写真4の直ぐ右側(上流)の様子である。
そういえば、昔、空港を造っているときにランタオ島にわたって建設中の空港島の様子を写真に撮ったことがあった。
20代で何度か香港を旅行してから30代後半まで長い間行ってなかったが、97年の香港返還後、再訪した。前年の96年、返還前の香港を見ようと世界中から観光客が訪れ、約1300万人に達した。このうち日本人観光客は238万人と過去最高を記録した。
ところが、返還の年に1127万人、日本人は136万人に激減した。中国に返還された香港は、資本主義の魅力が薄れると思われた。自由もなくなると思われた。しかし、実施にはそうならなかった。
1997年以降、身内の友人を訪ねたり、他の海外へ経由するために立ち寄ったり、香港政府観光局の招待もあって、ほぼ毎年香港に出かけて様子を見ているが、ものすごい発展ぶりである。
香港‐珠海(人工島新設)‐マカオ(人工島新設)との間に全長29.6キロの橋を架けるプロジェクトも動き出している。
2008年07月18日
8月8日に宍戸vs。大田、公開討論
TV中継はあるのだろうか。神州の泉で小野盛司氏が告知していた。日程だけは10日ほど前にお知らせがあったが、直接討論が20分だけでは、話にならないのじゃないか。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/07/gdp_06db.html
ESRI-経済フォーラム
~経済政策とマクロ計量モデル~
1.日時 8月8日(金) 13時から15時
2.場所 霞ヶ関ビル東海大学校友会館
しかしながら、内閣府の提案は到底受け入れがたいものだった。つまり彼らのプランは最初の20分だけ、大田大臣と宍戸氏の対談があり、それが終わると、大田大臣は逃亡(敵前逃亡?)し、その後は、御用学者がぞろぞろ登場にて、政府の政策の擁護をするというもの。なぜ内閣府はいつもそのような悪知恵をはたらかすのだろう。政府は、ちゃんと国民の声を聞くべきだ。随分長い間、国の借金を返そうとして、緊縮財政をしているが、全然返せてない。緊縮財政は国民の大きな犠牲のもとで行われたのだが、その結果として日本経済は随分縮小した。得る物は何もなかった。政策の根本的な間違いがあったのではないかと疑うときに来ている。今こそ専門家の声に耳を傾けるときだ。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/07/gdp_06db.html
2008年07月13日
5年以内に37ホテル
HP「沖縄観光ニュース」を更新した。
第737号(2008年1月15日号)の記事から
☆5年以内に37ホテル、8,500室増える(08年7月13日)
☆海外7地域を研修、提言 JTB旅ホ連(08年7月13日)
☆10人の成人祝う JTA(08年7月13日)
これ以外に、バックナンバーの見出しを更新してある。
37ホテルが建設されるというのは、おきなわ公庫が昨年末時点でまとめたもの。取材は1月中旬だが、年明け後も続々相談が増えているという。
現状でホテル建設計画は1月時点よりも増えていると思うが、どうも米サブプライムローン問題で、勢いは衰えた感じがする。外資系投資ファンドによる県内ホテル買収は一段落している。
第737号(2008年1月15日号)の記事から
これ以外に、バックナンバーの見出しを更新してある。
37ホテルが建設されるというのは、おきなわ公庫が昨年末時点でまとめたもの。取材は1月中旬だが、年明け後も続々相談が増えているという。
現状でホテル建設計画は1月時点よりも増えていると思うが、どうも米サブプライムローン問題で、勢いは衰えた感じがする。外資系投資ファンドによる県内ホテル買収は一段落している。
2008年07月12日
土井教授のホテルのプロムナード
HP「沖縄観光ニュース」を更新した。
「土井教授のホテルのプロムナード」1〜10を一挙掲載(08年7月12日)
<1>新年号から連載開始(web版の追記「土井先生との出会い」渡久地明)
<2>2008年の観光市場を展望する
<3>ホテル産業の採用の展望
<4>ホテルは人なり
<5>旅行社依存とホテル・サービス
<6>出張先では寝るだけで充分
<7>サービスとは何か(上)
<8>サービスとは何か(下)
<9>ブランド別、市場の細分化
<10>学校でのキャリア・デザイン指導
土井先生との出会い(web版への追記を転載)
土井教授は07年6月から一年計画で沖縄本島北部の名護市にマンションを借りて長期滞在し、計画通り一年後の08年6月30日に東京の実家へお帰りになった。
30年前、現在のJALプライベートリゾートオクマの開業スタッフとして、沖縄で仕事をした。その後、世界中で働き、70歳を過ぎて「戦後の日本人の幸福とは何だろうか、ということを沖縄で考えてみたい。それを残された人生のテーマにしたい」と表明された。
「観光とけいざい」をご覧になって、07年11月頃「あなたは頑張っている。友情の印に原稿をプレゼントしたい」といって始まったのがこの連載。年内に20回分のコラムをメールで受け取った。この間、那覇においでの際に朝食をご一緒したり、夜には泡盛を飲み、時にはカラオケをうたった。
6月29日に那覇市内で開かれた土井教授を囲んでの少人数のお別れの宴では、沖縄観光をどうするかという話を何時間も交わした。
「東京からたった2時間、これからも、いつでもおじゃまする」
とあいさつされ、お開きとなった。原稿はその後もどんどん届いているので、ご期待下さい。
(本紙編集長・渡久地明、2008年7月12日)
「土井教授のホテルのプロムナード」1〜10を一挙掲載(08年7月12日)
土井先生との出会い(web版への追記を転載)
土井教授は07年6月から一年計画で沖縄本島北部の名護市にマンションを借りて長期滞在し、計画通り一年後の08年6月30日に東京の実家へお帰りになった。
30年前、現在のJALプライベートリゾートオクマの開業スタッフとして、沖縄で仕事をした。その後、世界中で働き、70歳を過ぎて「戦後の日本人の幸福とは何だろうか、ということを沖縄で考えてみたい。それを残された人生のテーマにしたい」と表明された。
「観光とけいざい」をご覧になって、07年11月頃「あなたは頑張っている。友情の印に原稿をプレゼントしたい」といって始まったのがこの連載。年内に20回分のコラムをメールで受け取った。この間、那覇においでの際に朝食をご一緒したり、夜には泡盛を飲み、時にはカラオケをうたった。
6月29日に那覇市内で開かれた土井教授を囲んでの少人数のお別れの宴では、沖縄観光をどうするかという話を何時間も交わした。
「東京からたった2時間、これからも、いつでもおじゃまする」
とあいさつされ、お開きとなった。原稿はその後もどんどん届いているので、ご期待下さい。
(本紙編集長・渡久地明、2008年7月12日)
2008年07月07日
バーナンキ理事長の「カネを刷れ」
政府支出を拡大して、大型減税や公共投資を行い、景気を良くすべきである、と前から述べているが、先日あるパーティーで
「政府支出で景気拡大は分かるが、モトになるカネはどうするのだ。増税して税収を上げるのが先ではないか」
という人がいた。
「増税は景気を余計冷え込ませるので、カネを日銀が印刷して、国民や政府に渡すのがよい」
と述べたら、そっぽを向かれたわけだが、カネを刷れというのは経済学ではよく知られた政策であり、現在の日本にとって最も的確な政策である。
たとえば、2003年の日本金融学会60周年記念大会の特別講演で米連邦準備制度理事会のバーナンキ理事(当時、いま理事長)が、明快に日本に金を刷れと提言している。
バーナンキ氏は講演の最後でこう述べている。
さすがに学会の講演なので「カネを刷れ」という下品な言葉ではないが、同じことを「日銀が公債を買い増す」と明快にいっているのである。
刷ったカネを政府が財源として使うことのメリットは、新たな借金にならない=国民の負担増にならないことなどがある。もっとも、デフレを脱却しながら緩やかなインフレが起こり、国民はインフレという名前の一種の間接的な税を支払うことになる。
デフレ脱却のための財源は国民に負担をかけないカネを刷ることで得るべきであり、景気が拡大する中でインフレ(物価が上がり、給料も上がる。給料が上がると、物価も上がる。以下同じというスパイラル。現状は物価は上がるのに給料は増えないという最悪の状態)という名の税を広く薄く国民全部が支払う。また、景気がよくなることで累進税制が働き、政府の税収は飛躍的に拡大する。拡大した税収で医療改革や年金改革、格差を縮小させるためのあらゆる政策、必要な道路も建設できるようになる。かくして、刷った分のカネは国民の幸福を追求しながら、いつのまにか国民が返済することになり、政府債務のGDP比はどんどん縮小する。なぜ、このような政策に転換しないのか。
バーナンキ講演の原文(英文)は
日本金融学会のHP
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsme/
にPDFが貼ってある。
「政府支出で景気拡大は分かるが、モトになるカネはどうするのだ。増税して税収を上げるのが先ではないか」
という人がいた。
「増税は景気を余計冷え込ませるので、カネを日銀が印刷して、国民や政府に渡すのがよい」
と述べたら、そっぽを向かれたわけだが、カネを刷れというのは経済学ではよく知られた政策であり、現在の日本にとって最も的確な政策である。
たとえば、2003年の日本金融学会60周年記念大会の特別講演で米連邦準備制度理事会のバーナンキ理事(当時、いま理事長)が、明快に日本に金を刷れと提言している。
バーナンキ氏は講演の最後でこう述べている。
本日私は、財務省が日銀のバランス・シートの金利リスクを免除する代償(a quidpro quo)として、日銀が公債を買い増すという政策協調が、現下の日本のデフレを退治するのに有効な方法であるということを主張させていただきました。私のお話を終わるにあたり、冒頭に申し述べたことをもう一度繰り返したいと思います。すなわち、消費者物価のデフレを終息させることは、日本を本格的な回復軌道に戻すために必要なことの一部にしか過ぎない点です。金融改革と構造改革は決定的に重要であり、可及的速やかに、かつ大胆に、実行される必要があります。改革の重要性については反論の余地はありませんが、デフレは日本が直面する問題のマイナーな一部に過ぎない、という見解に私は同意できません。デフレ問題への取り組みは実質的にも心理的にも大きなメリットを日本経済にもたらし、デフレの終息は、日本が直面している他の問題の解決をその分容易にします。日本経済のみならず世界経済のためにも、私はこれらすべての面で、早期に進展が見られることを強く望むものであります。
さすがに学会の講演なので「カネを刷れ」という下品な言葉ではないが、同じことを「日銀が公債を買い増す」と明快にいっているのである。
刷ったカネを政府が財源として使うことのメリットは、新たな借金にならない=国民の負担増にならないことなどがある。もっとも、デフレを脱却しながら緩やかなインフレが起こり、国民はインフレという名前の一種の間接的な税を支払うことになる。
より一般的に言えば、日銀による公債の買い取りは、有利子負債を貨幣に置き換えることによって、国家財政上の経常収支の赤字幅と利払い負担を軽減し、将来の税負担についての国民の懸念を和らげることになるのです。勿論、ただで何かを得ることは決してできないのであって、財政の観点からは、このように国債のマネー化(訳者注:これはキーワードで、2つの要因がこれに込められている。すなわち、第1は、発行された国債が民間から日銀に買い取られること。第2は、その支払い代金は、日銀が創造するマネタリー・ベースから支払われ、マネタリー・ベースを増大させることであり、国債の貨幣化とも言われる。)を増加させるのは、単に物価上昇という1種の税で他の諸税を代替しているに過ぎないのです。しかし、デフレが蔓延している日本の場合には、ほんのわずかなプラスのインフレ(そして、それに伴う名目支出の増加)を起こすことは、経済回復の促進と遊休資源の再活用という目標の実現を助け、その結果、税収入を増やし、政府の財政状況を改善することになるのであります。
デフレ脱却のための財源は国民に負担をかけないカネを刷ることで得るべきであり、景気が拡大する中でインフレ(物価が上がり、給料も上がる。給料が上がると、物価も上がる。以下同じというスパイラル。現状は物価は上がるのに給料は増えないという最悪の状態)という名の税を広く薄く国民全部が支払う。また、景気がよくなることで累進税制が働き、政府の税収は飛躍的に拡大する。拡大した税収で医療改革や年金改革、格差を縮小させるためのあらゆる政策、必要な道路も建設できるようになる。かくして、刷った分のカネは国民の幸福を追求しながら、いつのまにか国民が返済することになり、政府債務のGDP比はどんどん縮小する。なぜ、このような政策に転換しないのか。
バーナンキ講演の原文(英文)は
日本金融学会のHP
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsme/
にPDFが貼ってある。
2008年07月06日
香港での沖縄ブーム
IMFのHPに便利な機能があった。
World Economic Outlook Database
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2008/01/weodata/index.aspx
ここから世界181カ国の名目GDP、一人当たり、デフレーター、購買力平価換算GDP、労働力、政府財政などがHTMLとエクセルデータで得られる。
適当に国を選んで、名目GDPと一人当たりGDPをグラフにしたら下のようになる。
多くの国が2006年までが実績、2013年までの予測が出ている。日本の予測は伸びすぎの感じだが、2011年には中国が日本のGDPを上回ると見込まれている。

次に一人当たりGDPを見ると、2007年時点で日本はシンガポールに追い越されている。2012年には香港にも追い越される予定である。

2001年頃から日本はもやは経済成長しない、欲しいものは国民は何でもっているので、消費は増えない、公共投資は意味がないのでやめたらよい、労働力を流動化するために派遣を自由化した…、結果、日本の国力は世界各国に比べてどんどん低下していった。
この事が、最近の香港からの沖縄への観光客の増加(香港での沖縄ブーム)となって現れている可能性がある。香港に力を入れると、沖縄観光は大きく伸びるだろう。
ちなみに2006年の沖縄の一人当たり県民所得は205万円前後で、香港の一人当たりGDPは沖縄の1・4倍、韓国、台湾も沖縄より多いだろう。
World Economic Outlook Database
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2008/01/weodata/index.aspx
ここから世界181カ国の名目GDP、一人当たり、デフレーター、購買力平価換算GDP、労働力、政府財政などがHTMLとエクセルデータで得られる。
適当に国を選んで、名目GDPと一人当たりGDPをグラフにしたら下のようになる。
多くの国が2006年までが実績、2013年までの予測が出ている。日本の予測は伸びすぎの感じだが、2011年には中国が日本のGDPを上回ると見込まれている。

次に一人当たりGDPを見ると、2007年時点で日本はシンガポールに追い越されている。2012年には香港にも追い越される予定である。

2001年頃から日本はもやは経済成長しない、欲しいものは国民は何でもっているので、消費は増えない、公共投資は意味がないのでやめたらよい、労働力を流動化するために派遣を自由化した…、結果、日本の国力は世界各国に比べてどんどん低下していった。
この事が、最近の香港からの沖縄への観光客の増加(香港での沖縄ブーム)となって現れている可能性がある。香港に力を入れると、沖縄観光は大きく伸びるだろう。
ちなみに2006年の沖縄の一人当たり県民所得は205万円前後で、香港の一人当たりGDPは沖縄の1・4倍、韓国、台湾も沖縄より多いだろう。





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