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2007年05月13日

過払い金返還請求のムーブメント

金曜日(11日)の沖縄タイムス経済面に

消費者金融4大手赤字
純損失1兆7085億円
「中間金利の返還」直撃


という記事がある。大きな扱いだが、同じ記事は他の新聞ではもう少し前から出ていた。

内容は、消費者が払いすぎた金利をの返還を求めるムーブメントが起こっており、各社が裁判でどんどん負けてカネを返している、その額が巨大になり、赤字決算になっている、というものだ。

これは当たり前の社会現象だと思うが、もしまだそのような返還請求が当たり前になっていることを知らないで、無理な返済を強いられている人がいるなら、裁判で取り返せるはずであるから、ぜひ実行すべきだと思う。

そのやり方について、かなり詳しくノウハウを公開しているのが

逆襲のルパンさんの

「取り返せ!過払い金、不当利得金返還請求」
http://kabarai.blog.shinobi.jp/Entry/86/

だ。

わたしが書いた古い記事に対してトラックバックをもらっていて、返事をしようと思いながらおそくなった。いま、そのお返事を述べる。

まだ全部を読んではいないが、払いすぎた金を取り戻す裁判は過払い請求裁判と言う。その裁判のやり方、書類の書き方、過払い金の計算の仕方を丁寧に解説している。

いま、消費者ローンは取引の計算書を全部開示しなければならないが、それを過払い金計算ソフトで計算する。(たいていの人は自分が本当はいくら借りているのか分からなくなっている)

計算はベストセラーになっている「Q&A過払金返還請求の手引—サラ金からの簡易・迅速な回収をめざして」(名古屋消費者信用問題研究会)が便利だ。アマゾンで買える(わたしは内容解説を読んだが、現物は未読)。

同書には計算ソフトが付いており、パソコンを使って簡単に計算書が作れる。わたしは気が付かなかったが過払い金に5%の金利が付くという部分だ。わたしも昔、同種の計算をエクセルで自分でやったことがあるが、過払い金に金利をつけるところまで知恵が回らなかった。

もしあなたが過去10年くらいグレーゾーンかそれ以上の金利で消費者金融からカネを借りており、なかなか残高が減らないと言う場合、計算をし直すと過払いになっている可能性が高い。その分のカネを取り返せ、というのが趣旨である。特に沖縄の場合、サラ金天国といわれるほど消費者金融が荒稼ぎしていた。国際通りの安里側はサラ金通りになっていた。

そして、冒頭のサラ金大手が1兆円を超える赤字になっているのはこの裁判でどんどん負けているからだ。

グレーゾーン金利を制限したら、貸し渋りが始まるため、いま高金利でもカネが必要な人が困る、という理屈も成り立つため、いますぐ違法とするのは慎重な検討が必要との意見もあった。マクロで見たらその通りであろう。本来は金利規制は撤廃して、個別の救済策を立法すべきだったかもしれない。しかし、個別の救済策はなく、すでに昨年、最高裁が違法とする判決を出している。

その結果「グレーゾーン金利の返還請求が急増。(消費者金融大手は)返還に備えた引当金積み増しによって業績は大きく悪化した」(冒頭の記事)。

逆襲のルパンさんは

このブログでは自分の力で過払い金を取り返す手順を公開しています(`・ω・´)ノ

といい、読者の質問にも、丁寧に応えている。そして、

このブログの趣旨は、「過払い」と言う言葉を少しでも多く世の中に広めて、今現在、借金の返済で困っている人が1人でも多く、平和な生活を取り戻して、楽しい生活が送れるようになったら、いいなぁ(*´∀`*)でやっていきたいと思います。逆襲のルパン(´ー`)

といっており、とても好感が持たれる。


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ヒューマンデバイド
ヒューマンデバイド(2023-07-01 04:12)


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過払い金って知ってますか?消費者金融から借金した人が、何年もかけて借金返済をしていった場合に、発生する利息の払いすぎのお金だそうです。
最近は過払い請求が頻発しているそう...
過払い請求【すぐすぐ】at 2007年05月14日 17:11
この記事へのコメント
渡久地明さん、私のブログを紹介して頂きまして、ありがとうございます。
かなり時間が経過してしまってからのコメントになりますがお許し下さい。
このように紹介してくださる方々や、私のブログを読みコメントして下さる方々のお力もありまして、最近は消費者金融から過払い金を取り返したと言う報告が多く見受けられるようになってきました。
過払い金返還請求には、まだまだグレーな部分も多く1つの最高裁判決によって流れが変わってしまうような微妙な民事訴訟であります。
そのため私はこれからも、自身のブログによって、自己責任という問題ももちろん有るのでしょうが、多重債務によって社会的弱者となっている人達に少しでも多く「過払い」や「特定調停」などの言葉や知識を広めていきたいと思っています。
駄文、失礼致しました。

渡久地明さんの今後のご活躍をお祈りしています。
Posted by 逆襲のルパン at 2007年06月28日 07:01
>逆襲のルパンさん

丁重なコメントありがとうございます。とても貴重なブログだと思います。

「特定調停」というのがあるんですね。知りませんでした。一人でも多くの人が逆襲に成功しますように。
Posted by 渡久地明渡久地明 at 2007年07月01日 23:10
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