2008年01月18日

ブッシュと福田、景気対策で大違い

 国会が始まった。日米の不況への取り組みを見ていると、大きな違いがあることが如実に示される。まず、福田首相から。

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低炭素社会の実現訴え 福田首相が施政方針演説
 第169通常国会が18日、召集された。福田首相は同日午後の施政方針演説で、(略)首相はまず、国政の「五つの基本方針」として、(1)国民本位の行財政への転換(2)社会保障制度の確立と安全の確保(3)活力ある経済社会の構築(4)平和協力国家日本の実現(5)低炭素社会への転換——を掲げた。(以下略)
(2008年01月18日15時26分)
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 これだけ読むと何を言っているか分からないが、国会中継を聞いていても分からなかった。新聞記者も困っているのだと思われる。
 
 また、国会で大田弘子経財相(この人まだいたんだ)は日本は一人当たりGDPが世界18位に転落し、世界の先進国ではなくなった、というようなことを最初に言うので何か重大な政策を打ち出すかと期待させたが、従来通りの規制緩和だった。ばかばかしい。
 
 対して景気後退の恐れがあるアメリカは、素早くブッシュが手を打つ。
 
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ブッシュ大統領、景気刺激策発表へ 株下落など受け
 米景気の急速な減速や株式相場の下落などを受け、ブッシュ米大統領は18日に景気刺激策の概要を発表する。米メディアが伝えた。現金支給の色彩が強い所得税の「戻し税」や法人税の負担軽減、失業保険の給付拡充、住宅差し押さえ回避の財政支援などが検討されており、規模は議会が求めている総額1000億ドル(約11兆円)程度を想定している模様だ。
 小切手で支払われる戻し税は、納税者1人あたり500ドル(約6万円)程度が検討されている。(以下略)
(朝日新聞2008年01月18日10時38分)
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 景気が落ち込む前に景気刺激策を打ち出し、メインに減税=所得税の戻し税を掲げる。対策が送れれば送れるほど、減税額はもっと大きくする必要がある。
 
 実際には小切手を印刷して、納税者に配るという政策である。消費が長期的に落ち込む前に、政府が景気後退を避けるという意志を強く示すものだ。ブッシュは新聞記事より大きな減税対策を出せば、国民はもっと安心してカネを使うだろう。カネを配って消費を支えようと言う需要刺激策(ケインズ政策)である。これが世界の普通の景気刺激策である。
 
 日本では減税(カネのばらまき)しようとしたら、財源はどうするのだという議論が先に来るが、アメリカではばらまいたカネで消費が増えれば、企業業績も上がり、自然に税収が増えることが分かっているので、財源の話にはならないようだ。
 
 で、減税と言えば日本では、所得税の次回申告分から減税するという面倒なことを予想させるが、アメリカではさっさと輪転機を回して小切手を刷り、郵便で納税者に届ける。次の申告なんか待つ必要はない。小切手を配って減税したのだから、次の申告時に税率を変えるといった面倒な手続きもやる必要はないと思われる。
 
 日本では、99年に公明党主導で高齢者向けの地域振興券というのが配られた(贈与された)ことがあるが、対象や使用地域・期限を限定した上、一人当たりの額も少なく、全体の規模が小さすぎ、強い景気刺激にならなかった。交付を受けた多くの人が貯金に回した=使うはずのカネの代わりに地域振興券で買い物し、カネはセーブした。規模が小さすぎるので先行き不安が払拭できず、カネはセーブするということになるのだと思う。

 振興券の総額は6200億円程度、名目GDPを2000億円分押し上げたということになっている。(Wikipedia参照)
 
 規模が小さすぎて効果が出ないことが分かったのだから、規模を大きくして効果が出るまでくり返せばよかった。
 
 わたしは当時これを受け取る対象にはなっていなかった。また、対象者が全員、交付を受けたかどうか疑問もある。が、ほとんどが使用されたという。
 
 地域振興券は当初の案では全国民に一人3万円、総額4兆円の商品券を交付するというものだったが、国会で修正された。最初に一人当たり3万円と期待させて、どんどん規模を縮小したので、効果もどんどん小さくなったのだ。
 
 いま考えると、一人30万円くらいの減税にして、40兆円くらいばらまくべきだった。贈与・商品券と言うより、とりすぎた消費税の払い戻し・現金(またはアメリカのように小切手)とすべきだった。で、40兆円でも効果がなければ、もう一回40兆円ばらまく、効果が出るまでくり返すというのがよかった。
 
 日本の失われたGDPはこれまでの15年で1000兆円を楽に超える。40兆円のバラ撒きを5回繰り返しても、供給力に余裕があるので、大きなインフレにはならない。(日本はデフレで困っているのだからインフレにするのが正解である。インフレは行きすぎたら金融政策、増税、政府支出の削減などで退治できる)
 
 カネを国民にばらまくというのは、どこでも不況対策として行われており、一般に減税と呼ばれるものだ。国債を発行して公共投資で特定の業種にばらまくより、国民全部の消費に任せればあらゆる産業分野にカネが回るから公平な政策であるといえる。
 
 日本はいまからでも40兆円規模のバラ巻きをどんどんやって早く景気を回復させるべきだ。財源は将来の自然増収としておくだけでよい。

 ※ブッシュの景気対策は小さすぎて、発表直後の株価が下がったという記事(1月19日、追加)。

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NYダウ59ドル安、景気対策への失望売り広がる

 【ニューヨーク=山本正実】18日のニューヨーク株式市場は、米政府の景気対策に対する失望から売りが広がり、ダウ平均株価(工業株30種)は、前日比59・91ドル安の1万2099・30ドルと4日連続で下落し、昨年3月以来、約10か月ぶりの安値となった。

 ハイテク銘柄中心のナスダック店頭市場の総合指数は、同6・88ポイント低い2340・02で取引を終えた。

 この日朝方は、ブッシュ大統領が発表する景気対策への期待からダウ平均株価(工業株30種)は一時、前日比182・33ドル高の1万2341・54ドルまで上昇した。

 しかし、正午前に減税を柱とする対策が発表されると「財政出動を伴わず、減税効果が出るには時間がかかる。景気後退の局面から抜け出すには力不足」(米アナリスト)との見方から売りが広がり、ダウ平均は一時、同136・73ドル安の1万2022・48ドルまで下落した。

 年明け以降、雇用情勢や小売り売上高、住宅着工件数など、米経済を下支えする個人消費の減速を示す経済指標が相次いだ。シティグループやメリルリンチなど大手銀行・証券がサブプライムローンに関連した巨額の損失を出すなど金融機関の業績の行方にも不透明感が強まり、金融株を中心に売りが膨らんだ。
(2008年1月19日10時14分 読売新聞)
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この記事へのコメント
ブッシュの緊急対策は、小さすぎてかえって株価が下がったというニュースを追加した。
Posted by 渡久地明渡久地明 at 2008年01月19日 18:53
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