2008年04月30日

カネを刷れという教科書の忠告

神州の泉で快調に続いている小野盛司氏の論説の整理。全部読むべきだ。

カネを刷れという主張が中心になっているが、これは世界中の経済学者が日本に忠告しているデフレ脱却策でもある。

ちなみに世界中で最もよく読まれている経済学の教科書の一つ、スティグリッツ「入門経済学」(第3版)(2005年4月第一刷、東洋経済新報社、藪下史郎他訳)のコラムに、日本のデフレ脱却のための戦略として次の記述がある。

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 別の戦略として、財政赤字の一部を、紙幣を印刷して調達することがある。もちろん、過剰な紙幣の印刷が急激なインフレーションをもたらす恐れはある。しかし、それは、紙幣の印刷が物価に上昇圧力を加えるということを強調した言い方にすぎない。したがって、適切な額の紙幣を印刷すれば、財政赤字の資金調達をするための借入れによって政府が負う負担(日本の国債残高の対GDP比は140%を超えており、先進工業諸国ではもっとも高い国の一つとなっている。そのため、この負担はますます大きな問題となっている)が軽減されるだけでなく、デフレーションから緩やかなインフレーションへの逆転をも可能にするのである。これは実質利子率を低下させ、投資を刺激し、経済にさらなる刺激を与えるであろう。

(スティグリッツ「入門経済学」第3版、480‐481ページ)(続きを読むにコラム全体を引用)

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 もっとも、スティグリッツは日本経済が2003年から回復に向かったとして、上に続けて
 
「このような戦略が試される機会が生じる前に、日本の景気回復が始まった。」
 
 といっている。2008年の現状をみれば、日本の景気回復はまだまだ著にもついておらず、カネを刷れという政策はまだまだ撤回すべきでないだろう。この判断はフライングだと思う。財政再建のためにこの状況で消費税を上げなければならないというおバカな政治家がいる間は、景気回復に向かったという判断はできない。なお、スティグリッツは財務省の講演でも同じ主張を行っている。

http://www.mof.go.jp/singikai/kanzegaita/giziroku/gaic150416.htm

 を参照。

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小野盛司氏の明快な積極財政論(1〜15)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1953002.html

道路建設費60兆円はさっさと使え(16〜29)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1988153.html

シミュレーションで決着はついている(30〜51)
http://toguchiakira.ti-da.net/e2046467.html

52.国民はいつまで騙され続けているのか−内閣府が乗数表を公表−
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_e523.html

53.内閣府の経済モデルは過去の日本経済を説明できるのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_10bd.html

54.デフレ下で消費税増税をさせてはいけない
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_5a70.html

55.労働はロボットに、人間は貴族に
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_129b.html

56.内閣府の試算と日本経済復活の条件
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_bf88.html

57.宍戸vs大田大臣の公開討論会はどうなったのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_081d.html

58.IMF委 共同声明 景気刺激へ財政政策を
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/imf_d4bb.html

59.生産性向上が国を豊かにする。国がお金を使わないと生産性は向上しない
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_80ea.html

60. 未来の医療はどうあるべきか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_ff0e.html

61.マスコミは誤った世論誘導をやめよ
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_bc55.html

62.経済を良く理解している国会議員に期待しよう
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_7d85.html

63.無益な経済論争をいつまで続けるのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_518a.html

64.国益を考えてみよう
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_b555.html

65.山口補選で国民の審判は下った。政府は国民の声を真摯に受け止めよ
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_5dfc.html

66.ガソリン暫定税率と高齢者医療で明らかになった民意
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_2444.html

67.一流でなくなった経済を一流に戻すには何をすべきか
一流でなくなった経済を一流に戻すには何をすべきか

68.報道2001での与謝野馨氏の発言について
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_4c82.html

69.消費を伸ばすには1500兆円の個人金融資産を「活用」すればよいのか
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_84e4.html

70.暮らしに対する不安感が高まっている—内閣府調査—
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/05/post_82e0.html  
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Posted by 渡久地明 at 23:50Comments(0)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年04月19日

GWは不振

 GW(4月25~5月6日)の県外=沖縄線予約数は40万8,057人(前年比1.0%減)と前年割れとなっている。JALが6.6%増、ANAが8.6%減、JTAが3.0%増、RACが3.0%増、SKYは27.0%増。
 石垣、宮古、久米島の3離島は合計で9万815人(1.0%増)と前年を上回っている。
 全国はJAL・ANA両グループとSKYの国内全線の予約数が2.9%減と不振。
 国際線はJAL・ANA両グループの日本発着予約数が5.6%減となっている。




 各社の説明では連休の日ならびが悪く、3〜6日の4連休にお客が集中した結果だという。日ならびの悪さは4年ぶり。

 今日は稲垣純一さんのFM21の番組で、連休の不振を入口に沖縄観光の現状と先行きについて、見通しを述べた。稲垣さんはわたしが10年くらい前に2016年に観光客は1000万人になると言い始めたことをよく覚えており、改めてなぜそうなるのかを説明してきた。最後に小泉構造改革のおかげで那覇空港の着工が5年遅れてしまった。1000万人到達が2、3年後ろにずれそうだと述べてきた。ここからが面白くなるところだったが、時間切れとなった。  


Posted by 渡久地明 at 20:35Comments(0)TrackBack(0)沖縄観光の近況

2008年04月16日

2008年04月11日

森田さんと亀井さんにも拍手

政治評論家森田実さんのHP
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

に森田さんが亀井静香さんにインタビューした次の記事がいい。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C04189.HTML

亀井さんは昔からこのようなことを言ってきた政治家であり、いまの日本が何をしなければならないか、明快なビジョンを示している。ホンモノの大政治家であると思う。

森田さんも日本の政治評論家として、最も信頼できる人であると思う。小泉政権を批判したら、マスコミからお呼びがかからなくなったわけだが、当然ながらマスコミの方が考えを変えるべきである。  

2008年04月11日

南堂さんに拍手

見事な解説だなあ。南堂久史氏のガソリンの暫定税率廃止と後期高齢者医療制度について。

泉の波立ち
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm

の「ニュースと感想(4月12日)」参照。  

Posted by 渡久地明 at 18:37Comments(0)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年04月10日

国民を騙すシミュレーション

 政府の経済運営が間違い続けていると述べてきた。その根拠はまともな経済理論に基づくなら、デフレのいまは減税、公共事業の拡大、利下げを行うのが定石だからだ。高校の教科書にもそう出ている。景気の変動には様々な要因があるが、考えられるあらゆる要因を組み込んで経済モデルをつくり、コンピュータでシミュレーションするという方法で、現実経済の動きをかなり予想できるようになる。このようなモデルは民間・政府を問わずいくつもの経済研究所や研究機関が活用している。市販のソフトにも有力なものがあり、たとえば東洋経済新報社から出ているエコノメイトなどがよく活用される。また、日本経済新聞は日経NEEDSというモデルを持っており、これが現実経済をよく説明できることから、さまざまなシンクタンク、研究所で活用されている。
 
 政府も独自にモデルを持っているわけだが、これもかなり現実経済を予想できる優れものだ。ところが、それをまともに使うと、構造改革が間違いだったということがばれてしまうため、最近になって内部をいじって、構造改革が正しいという細工をしていたことが発覚した。(下に引用)
 
 このような細工をするということは、政府は自分自身が間違った政策を継続していることを自覚しているということに他ならない。
 
 つまり、経済理論としては構造改革派間違いだが、間違いと国民に気づかれたら大変なことになる、政権を失う、仕返しされる、経済苦を理由に死んだ人が浮かばれない、という経済とは全く関係がないことを恐れて間違い続けているとしか考えられない。
 
 こんなバカな政治は早くやめさせるべきである。このブログで何度も言及している「神州の泉」で小野盛司氏が内閣府シミュレーションの細工について詳述している。

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内閣府の試算と日本経済復活の条件(小野盛司)
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/04/post_bf88.html

(前略)
 2005年の経済シミュレーションには、「構造改革を行わなかったら、こんなに経済が悪化する」という試算が添えてあった。構造改革の意義をPRしようとしたのだが、明らかに国民を騙す試算だ。確かに急激に経済の悪化する試算になっていたのだが、よく見ると実質長期金利が7%にまで上がるという前提になっているのだ。7%まで金利を上げれば、景気が悪くなるのは当たり前で、これは構造改革をやるかやらないかを試した試算ではなく実質、金利を上げればどれだけ景気が悪くなるかを示したにすぎなかった。

 積極財政を行えば景気は良くなるが、すぐに金利が上がって、国の利払いが増え、財政が悪化するから、景気は絶対によくしてはいけないというのが、政府(内閣府)の論理だ。しかし、日銀が金利を抑えれば、金利は上がらず、財政も改善し続けるはずだと我々は政府を追及した。内閣府の試算に従うと確実にそうなる。これには、政府(内閣府)は反論できなかった。

そこで内閣府は驚くべき行動に出た。内閣府の経済モデルを自分たちに都合の良いように変えることだった。国民を更に騙し続けるため、内部の関数を変えてきたのだ。こんなことをすれば、どんな結果でも出せる。設備投資の関数と物価・金利の関係を示す関数をメチャクチャに変えてきた。結果はどうなったか。金利引き上げの影響に関するデータで言えば、2006年の試算では1年目の潜在GDPの減少幅が0.14%であったのに、2007年では0.01に減った。なんと14分の1にまで減らしたのだ。よくやるよと、呆れて物が言えない。ここまでやって国民を騙し続けるのかと怒りがこみ上げてくる。

 つまり、2006年の内閣府のモデルでは、景気対策と金利に低め誘導で、景気は回復し、財政も健全化してしまうので、景気対策が悪いと言えなくなってしまう。そうするとそれまで行ってきた政府の政策が間違えていたことになるので、モデルを作り替えてしまったのだ。2007年からのモデルでは金利低め誘導の効果を激減させた結果、景気対策と金利低め誘導を行っても、財政健全化は最初の2,3年だけで、それ以後は財政が悪化すると主張し始めた。我々の追求が無かったらこのようなモデルの作り替えを行うことはなかっただろう。積極財政で財政が健全化することに、国民が気付かなければ、今までの政策が間違いだったことを隠し続けることができるのだから。
(後略)

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 わたしも「神州の泉」に出張して小野先生の記事にコメントをつけたら、それに回答をもらった。ぜひ、一連のエントリに目を通して欲しい。

 「脳死状態」と週刊誌に書かれている福田首相がなぜ政権にしがみついているのかは上のような事情があるからに違いないと思う。自分が間違っていたことが分かればさっさと謝って方針転換すべきだが、それができないのなら、倒すしかない。早く選挙やれ。本当に腹が立つ。役に立たない日銀総裁人事なんかどうでもよい。「かわいそうなくらい翻弄された」のは国民の方だろ。日銀総裁になれなかった人なんか、全然かわいそうくないよ。

 なお、民主党が勝っても期待できないのであるが、いままで正統なことをいってきたのに、小泉政権以降、弾圧を受けてきた政治家、官僚、経済学者らが復権する可能性が少しでもあるなら、その方がズーッとよい。実際にこのままの市場原理至上主義では国民はますます不幸になると警告していた、真の愛国者と呼べる人たちがいくらでもいるのである。  

Posted by 渡久地明 at 22:39Comments(2)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年04月10日

07年度県外線は1.6%増と微増

 3月の航空各社の県外=沖縄線実績は、全線で0.3%増と微増だった。
 
 JALが2.4%減、ANAが0.2%増、JTAが0.7%減、RACが3.3%増、SKYは42.7%増だった。
 
 07年度でみると、1.6%増と微増だった。
 
 07年度は外国人客がほぼ2倍の19万人と大幅に伸びる結果、国内・海外をあわせた入域観光客数はほぼ目標通りの590万人(3.4%増)程度となる見込み(4月25日頃までに確定する)。  

Posted by 渡久地明 at 19:58Comments(0)TrackBack(0)沖縄観光の近況

2008年04月07日

アメリカの「生活できる賃金」

今日のNHKクローズアップ現代はよい作品だった。

自治体が委託施設の清掃などの賃金を上げることで、雇用を生み、所得が発生することで税収が増え、逆に生活保護などの社会保障費が減少、地域が活性化するという例を取り上げていた。キャスター国谷さんの問題意識は正解であり、解説を加える武藤教授も真摯な経済理論を展開していた。

ずーっと前から述べてきた、予算を競争入札などで安く抑え節約するのではなく、逆に増やすことによって国民の生活が豊かになる上に景気が回復、税収も増えるという典型的な実例であった。

念のためNHKがUPしている放送内容は次の通り(この説明はいわばイントロで結論にはなっていないが、番組内容は上のようなものであった)。

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4月7日(月)放送
官から民へ
  揺れる“委託の現場”

いま、全国の自治体施設の半数以上を民間が運営。学校給食から事務まで、あらゆる自治体業務が民間に委ねられようとしている。しかし、コスト削減の中で、賃金低下や解雇に直面する人たちも生まれている。関西のある市では、市の嘱託職員が民間企業のもとで個人事業主として働くことになった。ある政令指定都市では、最低賃金レベルで入札しても仕事を取れず、会社の半分の従業員が解雇に直面する事態も生まれている。自治体がワーキング・プアを作り出してはならないと、アメリカでは、自治体関係の仕事をする人たちに「生活できる賃金」を払う条例が100を超える市や町で制定されている。コスト削減と地域の雇用をどう両立させるのか、民間委託で生まれる課題について考える。
(NO.2561)

スタジオゲスト:武藤博己さん(法政大学教授)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0804fs.html

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Posted by 渡久地明 at 21:55Comments(2)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年04月03日

後期高齢者医療制度の哀れ

佐々木洋氏のメルマガ「10秒で読む日経」(08年3月28日付)
http://archive.mag2.com/0000102800/20080328111000001.html

に後期高齢者医療制度について、出色のコメントがあった。

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佐々木の視点・考え方

★4月から医療制度が変る。主な変更は高齢層だ。内容は、

・65〜74歳の高齢者の国民健康保険料を年金から天引き
・70〜74歳の患者の窓口負担を1割から2割に引き上げ

・75歳以上の人を「後期高齢者」と呼び、ほかの世代と切り離した医療保険制度に加入することになる。
 新制度では、75歳以上の人は今まで入っていた保険を脱退させられるため、夫75歳、妻70歳の場合は、これまで同じ保険制度だったものが別のシステム、医療体制になる。

・75歳以上のすべての人から保険料を徴収。年金額が月1.5万円以上の人は保険料を年金から天引き
 これまで扶養家族として支払い義務がなかった約2百万人の高齢者が、新規で保険料を払わなければならなくなる。
 高齢者の大多数が、収入は年金からに頼り切っている。この年金から天引きするシステムのため、手取り可処分所得が減る。

・保険料滞納者からは保険証を取り上げ、資格証明書を発行病院の窓口でかかった医療費を全額(十割)支払うことになる。
 1年以上保険料を滞納すれば、保険証を取り上げられ、代わりに資格証明書が発行される。保険料滞納者は、唯一の収入の年金が少なくて個別納付しているのだから、実質的に病院に行くことが出来なくなる。

・後期高齢医療制度は診療報酬を現役世代とは別建てにして、保険で受けられる医療に制限をつける等を予定している。
 社会保障審議会特別部会の「診療報酬体系の骨子」によると、新制度で75歳以上が受けられる医療は、「治療の長期化が見られる」「いずれ死を迎える」と特徴づけ、それに見合った格安の医療にとどめることを求めている。
 後期高齢医療制度の保険料は、健保・国保など現役世代の医療保険からの支援が40%、国・自治体負担が50%、被保険高齢者自身の負担が10%となっている。
 この記事の保険料とは、10%を占める高齢者の負担額が、各自治体でどう変るかを示したもの。
 保険料は2年ごとに改定される。しかし、この制度の目的が高齢者医療費の削減であるため、改定のたびに後期高齢者の保険料を徐々に増やして行く予定。

★このメルマガの読者で後期高齢医療制度に該当する人はかなり少ない。だから、「しょせんひとごとでしょ。」と思われたろう。
 それは間違い。この制度の本質はこうだ。
 両親や祖父母がシビアな状態になったとき(残念ながらいつかは必ずやって来る)に、医師から「保険では出ませんので、退院してください」とか、「ICUから出てください」と言われる事になる。
 その時、「幾ら高額でも、医療費を10割全額現金で支払いますから両親や祖父母に医療を受けさせてください」と、あなたが言える(それだけの経済準備をしている)か、言えずに「親に満足な医療を受けさせてやれなかった」と後で後悔し続けるかのいずれかの立場に、あなたがなるということだ。

 「老後の準備」には、こうした現状への対応も含めなければいけない。

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 「シッコ」や「貧困大陸アメリカ」で見た市場原理主義に基づく医療制度の典型例が後期高齢者医療制度というわけだ。満足な医療が受けられず哀れに死んでいくお年寄り。それを後悔し続ける若い世代。これが何代も続くとどんな国になるのだろうかと思う。こんな制度は早く取り消し、今まで通りにすべきだ。これが改革とは…。解決策は今まで何度も述べたように積極(以下略)  

Posted by 渡久地明 at 20:23Comments(0)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年04月01日

ねんきん特別便

2週間くらい前にねんきん特別便が届いた。3月中に届く分は間違いがある可能性が高いというものだったが、間違いがあった。

というか、わたしは会社を変わったことはないが、引っ越しをしたことがあり、いまのウチの前のウチからの記録はあったが、その前がなかった。

訂正ありという返事を出したけど、わたしが覚えている間に、訂正したという返事は来るんだろうか。

森永卓郎さんがコラムで念のため社会保険事務所に出向いたら、記録がもれていた、会社を変わったからだった、といっていたが、会社が変わってなくても引っ越してたら漏れるのね。

年金といえば、沖縄県は制度が始まったこと自体が、日本より遅く、貧しい時代が長くつづいたので無年金という人が多い。

わたしの父(渡久地政夫)は復帰前に琉球新報という新聞社を立て直すために福岡の新聞社から引き抜かれて沖縄に舞い戻った。

当時の琉球新報は倒産直前、ストで新聞自体が発行できない状態になるような会社だった。有名なストがあり、その前に会社を辞めて自分でいくつもの新聞を出したが、その後、年金を払った記憶がないので、無年金だと信じていた。

ところが、65歳を過ぎたあたりに社会保険事務所の人が調べ上げて、沖縄に帰ってくる前に、福岡の西日本新聞社が「夕刊フクニチ」の記者時代に厚生年金を支払っていたという記録を見つけ、申請をすすめた。

おかげで、晩年の10年近く、毎月8万円前後の給付があり、大いに助かった。(ちなみに琉球新報という会社は給料はわずかで、年金も仕払っていなかった。給料をくれといったら株券(当時は紙切れで、だれも欲しがらなかった)があるのでそれをとっておけという会社だった。いらんとことわったわけだが。いま60代以上の先輩だと、給料の代わりに現物支給された新聞を道端で売って10センとか25センのカネにしたわけだが、その日のウチに飲んでしまったという連中がいっぱいいる(新聞記者が道端で新聞売りをしたという話は15年くらい前に名物政治記者だった新里英之先輩に聞いた)。

そんな時代に社会部長をつとめた先輩記者が亡くなったときには琉球新報という新聞は「社会部長をやったという記録がない」とわたしにいったものだ。死亡記事を書く本人だけ知らなくて、先輩記者なら誰でも知っていることをなかったこととして、味気ない死亡記事を出した(沖縄タイムスはまともだった)。ひょっとして琉球新報には社員だったという記録もないんでないの。後輩(いまの社長たち)に聞けばすぐ分かるのに)

はなしはそれたが、年金をネタにいまの新聞記者は…、という話がしたかったのである。  

Posted by 渡久地明 at 23:27Comments(0)TrackBack(0)マスコミ評論

2008年03月31日

アメリカのほうがまともだ

日本は緊急経済対策が必要であることを、正しく認識しているヒラリー・クリントン候補。確かサブプライム問題でも12兆円プラス4兆円前後の財政出動すべきと1月には主張していたと思うが。その後ブッシュが16兆円出したんじゃなかったけ。アメリカのほうがまともだ。

週刊誌には福田首相は脳死状態と出ているが、週刊誌がまともな経済政策に気がつくのが新聞より早いかも知れない。

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クリントン氏、「米経済は日本病」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080328AT2M2703S27032008.html

 【ワシントン=藤井一明】「日本のような状況に陥るのかもしれない」。米大統領選で民主党候補の指名獲得を争うヒラリー・クリントン上院議員が27日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、現在の米国経済の苦境を日本のバブル崩壊になぞらえた。

 クリントン氏は同紙との会見で「奥の深い経済の問題を金融政策だけで乗り越えられるとは思わない。それは日本が何度も何度も試みたことだ」と主張。米連邦準備理事会(FRB)の利下げだけではなく、公約に掲げる米連邦住宅局(FHA)による住宅ローン債権の買い取りなど政府の対策を追加しない限り日本の失敗を繰り返すとの判断を明らかにした。

 外交面では日本への言及が少ないクリントン氏だが、経済面では「日本病」を教訓にすべきだとの見方を示した。(「日経ネット」3月28日07:03)
 
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ヒラリー・クリントンの発言より少しあとに、こんなニュースも

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ブッシュ米大統領:住宅ローンの借り手救済策を拡充へ−ラジオ演説
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aNwKEMA2tRfI&refer=jp_news_index

3月29日(ブルームバーグ):ブッシュ米大統領は29日のラジオ演説で、住 宅保有者が自宅差し押さえを回避できるよう米政府が救済策を拡大することを明らかにした。大統領は借り手のローン借り換えの支援策を拡充する方針。

 ブッシュ政権はこれまで、公的資金の活用などに反対してきた。29日付の米紙ワシントン・ポストによると、検討中の計画はローンが住宅価格を上回っている物件が対象。米連邦住宅局(FHA)が銀行に債務の一部免除を促し、政府の支援で 従来よりも少額のローンに借り換えを行う。

 ワシントン・ポストによれば、住宅保有者は自宅にとどまることに同意するとともに、新たなローンを支払う能力を必要とする。金融機関の合意も必要。

 また、ブッシュ大統領はラジオ演説で、戻し減税(税還付)について言及し、「すべての米国民が米内国歳入庁(IRS)からの知らせを楽しみにしているわけではないが、過去数週間に国民の多くにIRSから良い知らせが届いている」と述べ、数百万人の国民に間もなく税還付が実施されると強調した。(「ブルームバーグ」08/03/30 09:43 JST)

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Posted by 渡久地明 at 17:41Comments(0)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年03月30日

シミュレーションで決着はついている

だいぶ間が空いたが、「神州の泉」に精力的に投稿が続いている小野盛司氏の論説のリンク集。経済予測の方法はいくつもあるが、さまざまな変動要因をコンピュータに組み込んで計算するという手法がある。これを使うと、減税や消費税増税、財政支出や円高で景気がどう変動するかが精密に分かる。シミュレーション結果をもとにした、経済政策である。景気対策では構造改革とか緊急経済対策とかいろいろな政治家、エコノミスト、著名人が相反することを述べているが、とっくに決着はついている。基本的には多くの経済学者が唱える需要拡大策こそがが正解である。全部読むべきだ。

小野盛司氏の明快な積極財政論(1〜15)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1953002.html

道路建設費60兆円はさっさと使え(16〜29)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1988153.html

30.「なぜ財政赤字なのにインフレにならないか、国債は暴落しないのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_7d58.html

31.「(続)政府による経済予測計算の偽装」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_25ea.html

32.「アメリカが圧力をかけて日本に景気対策をさせないようにしているのか?」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_2c7a.html

33.「国の借金が大変なら日銀が買い取れば良いと世界を代表するエコノミストが提言」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_f921.html

34.「日銀は、なぜ国の借金を買い取らないのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_737f.html

35.「杉並区は75年後は無税?無税国家とは?」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_7d07.html

36.「貿易赤字になると輸入ができなくなるのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_4fde.html

37.「環境問題に対する正しい考え方」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_cdf4.html

38.「構造改革、不良債権処理が終わって、景気は回復したか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_0506.html

39.「政府よ、企業に賃上げの圧力を掛けるのをやめよ」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_2f01.html

40.「財政と金融の分離、日銀の独立性について」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_872e.html

41.「積極財政の経済シミュレーションと、その驚くべき結果」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_ee7d.html

42.「宍戸駿太郎vs大田弘子大臣 公開討論会で時代が動く」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_bce8.html

43.「ドル急落、円95円台、株急落、政府は日本経済を見殺しにする気か」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_79f1.html

44.「日銀総裁人事の議論で欠けるもの」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_680f.html

45.「景気が「踊り場」入り?? デフレとは大不況を意味するのに!」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_76e0.html

46.「外国人の日本株離れ鮮明」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_d0d8.html

47.「日本経済の4重苦:円高、株安、原材料高、米国不況」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_44e2.html

48.「景気悪化を放置する政府」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_0ed0.html

49.「出版記念パーティーの開催」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_5980.html

50.「積極財政に関する質問に対する福田首相の答弁書」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_9ccf.html

51.「どうやれば「お金を刷る」ことができるのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_627b.html  

Posted by 渡久地明 at 16:49Comments(2)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年03月22日

若者が旅行しなくなったというJTB調査

JTBの調査で、年収が減って20代の若者の海外旅行が減ったが、意外に費用の安い国内旅行が旺盛だという結果がでている。

株式会社ジェイティービー
「20代若者の旅行動向調査」(PDF:272KB)
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=821

日本人の旅行需要は海外が伸び悩み、旅行先も近場にシフト、消費金額もどんどん減っていた。それについて、下のような予想や分析をこれまで述べた。

ハワイに行けなくなった日本人(HP沖縄観光ニュース)
http://www.sokuhou.co.jp/backno2/732.html#t2

不況でハワイに行けなくなった日本人(このブログ内)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1780710.html

ハワイに行かなくなった日本人(このブログ内)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1799325.html

1997年に何が起こったのか(このブログ内)
http://toguchiakira.ti-da.net/e1799325.html

国民所得が増えずに、多くの国民の年収が減れば、国民生活に定着した旅行は、取りやめにするよりも旅行費用を減らすことになったというのがわたしの考えだ。その結果がここ20年来の全国のホテル旅館の閉鎖、航空・旅行会社の経営不振になって現れていると思う。

ところが、JTB調査ではなかなかそこまで踏み込んだコメントがなかったように記憶している。旅行総消費額はすこし減少したり、反転したりして、長期的には減少傾向だが、ごくわずかなため目立たなかったのだろうか。しかし、20年前に比べるとドーンと落ちた。また、前年より旅行者数がわずかでも拡大すると、景気が回復しているからだと分析していた。

冒頭の調査では、旅行に行かない理由は①お金がない等金銭的理由、②休みが取れない、③一緒に旅行したい人とのスケジュールが合わない、だった。と紹介した上で「有給休暇が取りにくい、休暇を取ると年収が減るなど旅行に出かけるために休みが取りにくい状況が増えてきている」と珍しくコメントしている。

つい最近まで、若者が旅行に出かけ、旅行・観光産業をリードしていた。様変わりである。旅行会社・航空会社はマクロ経済の回復をもっと政治に求めるべきではないだろうか。  

Posted by 渡久地明 at 20:29Comments(2)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年03月18日

今こそ金を刷れ

IMFが積極財政策で世界恐慌を乗り越えなければならないとする記事(少し古いけど転載。下線はわたし)。

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IMF筆頭副専務理事:金融危機対応で財政出動を−利下げでは不十分
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=ajEJ6hYbVFa8&refer=jp_commentary

3月12日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)のジョン・リプスキー筆頭副専務理事は12日、世界的な金融危機に利下げで対応するには十分ではない可能性があるとして、各国に税制や財政出動を通じた政策を取るよう促した。

リプスキー筆頭副専務理事はワシントンでの講演で、「現在の環境では、金融政策の効果が過去よりも薄れるリスクがある。加盟各国には、一時的に財政措置を取る余地がないか検討するよう助言している」と述べた。

財政支出拡大の助言は、歳出抑制を勧めてきたこれまでのIMFの方針を転換するものだ。リプスキー筆頭副専務理事は米国の住宅ローン問題に始まった危機が今や「持続的かつ安定的な世界成長」を揺るがす「世界的な難題」となったと指摘した。

筆頭副専務理事はさらに、この問題に拍車が掛かるリスクがあると警告し、世界のシステムを安定させるには「断固たる」政策上の措置が必要だと強調した。

原題:IMF's Lipsky Sees Need for Fiscal Measures in Crisis (Update2)(抜粋) {NXTW NSN JXN1H51A74EA }

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 蒲原桂子 Keiko Kambara kkambara@bloomberg.net Editor:Masami Kakuta 記事に関する記者への問い合わせ先: Matthew Benjamin in Washington at mbenjamin2@bloomberg.net ; Christopher Swann in Washington at cswann1@bloomberg.net
更新日時 : 2008/03/13 09:52 JST

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上の記事の前に

IMF、アジア地域の財政支出拡大策を支持−日米欧への輸出鈍化で
http://toguchiakira.ti-da.net/e2019454.html

というのもあった。

IMFはスティグリッツ教授が徹底的に批判してきたが、方向転換している。

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IMF: 緊縮財政オマエモナー
http://cruel.org/economist/economistimf.html

IMF はいきなり財政刺激策のファンと化した。その新しい親分ドミニク・ストラウス=カーン——もとフランス財務大臣——は、世界恐慌の危機に対抗すべく、財政刺激をアメリカやその他の国で求めている。フィナンシャルタイムズでの最近のコメントで、ストラウス=カーンはこう語る:「中期財政政策は、要は雨が降り始めたとき(もしものとき)のために貯金しておくという話だ。でもいまは、実際に雨が降り始めているのだ」

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さらにこんなのもあった。アメリカのヘリマネの前兆のような記事。

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10秒で読む日経(3月17日付)
http://archive.mag2.com/0000102800/20080317114000000.html

★先週末に出たベア・スターンズの取り付け騒ぎも、JPモルガンが買収することで決着。

 昨年には147ドルの株価だったベアスターンズの株価も、先週末には30ドルと大幅に値を下げて感慨深いものだったが、この30ドルの15分の1の価格で買われる事となった。
 ベアスターンズの株式の3分の1は従業員が保有している。つまり、従業員の多くは自己資産と仕事の両方を一気に失うことになる。
 「自社株に投資してはいけない」というのは個人のリスク管理の鉄則だが、守れない人はこうなると言う格好の例。
 このディールで強かったのはJPモルガン。今回の契約には、FRBがベアスターンズのもつ流動性の無い資産の内300億ドルまで保障する内容のため、実際にはJPモルガンは実質的にマイナスの値段で同社を手に入れた事になる。
 FRBのバーナンキ議長は「ヘリコプター・ベン」のあだ名がある。「(日本のように)流動性危機の時にはヘリコプターで空からお札をばら撒くのが良い方法だ」との自説を持つからだ。
 このところの、アメリカの流動性危機では、いつバーナンキがお札をばら撒くのかと期待した人も多かったが、ずうっと期待を裏切って対策を小出しにしてきた。
 今回ようやく、局所的にお札をばら撒いたわけだ。


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これらの積極財政策は世界では当たり前のことと認識されていることが分かると思う。バーナンキ議長は前職のプリンストン大学教授時代から日本に対し、いろんなところで政府がカネを刷ってばらまけといっていたのは有名だ。

大田弘子vs.宍戸駿太郎
http://toguchiakira.ti-da.net/e2022980.html

が注目されると前に書いたのは、宍戸教授が世界の主流の経済学者と同様にデフレ時の積極財政を主張している日本の代表的な経済学者であるからだ。

引用の例のように世界的にデフレ不況の際には政府がカネを使わなければならないというのが常識だ。好況になれば不況時につぎ込んだカネは企業や個人がもうかって税を納めるので自然増収となって政府に戻ってくる。財源は印刷したカネでよい。

日本の歴史の中でもデフレに直面し、小判の改鋳をやって(金貨に混ぜる銀の比率を上げて通貨を増やした)、不況を乗り切った例が何度もある。日本史の教科書にも出てくる(ただし、デフレ解消後のインフレばかりが強調されているのは、大いに疑問だ)。

ところがいまの日本では(1929年の世界恐慌時の世界でも)、デフレ期に財政を引き締め(公共投資を減らし、政府収入を増やそうと増税して国民の所得を奪い…、道州制もこの文脈で進められている=政府にカネがないから地方は勝手にやってよ、緊縮的な予算を組んで財政建て直し至上主義をとり、規制緩和や生産性の向上で景気回復)を唱える大田弘子が世界の常識にどう反論するのか。これほど面白い見物はないと思う。

ところで、世界が協調して金融緩和や積極財政策をとることが、高い確度で予想できれば、絶対もうかる方法がありそうだ。世界恐慌の時にも暴落した株をどんどん買って富を増やした人たちがいたのではなかったか。あまり露骨なことはできないだろうが、日本政府、年金で積み立てたカネの運用で世界の株を買うチャンスじゃないのか。ついでに円高だし、いまこそカネを大量に印刷して準備すべきじゃないの。

<おまけ>

ついでにカネを刷って財源にすることをセイニアーリッジとかシニョレッジという。通貨発行益と訳す。これの正統性について、面白いやり取りがあるのでリンクを張っておく。

「通貨発行益(シニョリッジ)をめぐる勘違い」の勘違い
http://bewaad.sakura.ne.jp/index.rb?date=20050513#p01

江戸時代のデフレ期の小判の改鋳については日銀のホームページに次の記事がある。

貨幣の散歩道 第27話 米将軍吉宗と元文の改鋳
http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_27.htm  

Posted by 渡久地明 at 20:40Comments(2)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年03月15日

全国での開催を望む

昨日の首相が指示し、大田経済相が受けると宣言した

大田弘子VS.宍戸駿太郎

の公開討論は、今日の地元の新聞では1行も出ていないのね。

全国紙電子版もみても、どこも書いていないようだ。

大きなニュースだと思うのだが…。やや専門的な知識が必要なので、このやり取りの意味をすぐに理解できる記者は少ないかも知れない。

国会で大田弘子は宍戸駿太郎のマクロシミュレーションについて、公共工事の乗数効果が1.9と大きすぎる、政府の計算では変数を精査しており、こちらの方が正しい、


というようなことを言っていたが、もしこのような議論になるなら、政府のシミュレーションの方が間違い続き、宍戸氏らのシミュレーションの方が現実をよく説明しているということが証明される結果となるだろう。現に宍戸氏らのシミュレーションはこれまでの日本経済の不振の様子を見事に説明しているのだから。

面白いので、討論会は東京だけで、一回だけやるのではなく、地方住民やエコノミストやメディアの蒙を啓く意味でも、全国で複数回開催してもらいたい。世界で当たり前に行われている経済とは何かを住民に知らせるタウンミーティングとして復活させるべきである。  

Posted by 渡久地明 at 09:39Comments(0)TrackBack(1)デフレ脱却

2008年03月14日

大田弘子VS.宍戸駿太郎

先ほど国会で、国民新党自見庄三郎副代表が、福田首相に、

大田弘子経財相と経済学者の宍戸駿太郎元筑波大学副学長との公開討論を約束させた。

大田大臣は最初は言葉を濁していたが、福田首相が受けたところ

「宍戸先生の著書も読んでおり、業績もよく知っている。首相の指示であればお受けします」

というような返事をした。これは注目したい討論会だ。  

Posted by 渡久地明 at 16:21Comments(0)TrackBack(1)デフレ脱却

2008年03月13日

アジアの積極財政策

3月10日に下のニュースがあった。また、昨日は米連銀の呼びかけで欧州の中央政府が協力して流動性を供給するというニュースがあった。アメリカでは金融政策だけでは足りないので、財政も出動すべきだという専門家の声も高まっているようだ。米連銀が国際を直接引き受けるような事態になれば、日本もマネをするだろう。早くそうなってもらいたい。

日本は世界の主要国で一人除け者ではないのか。中央銀行総裁が決まらない、総裁候補者は明確にデフレ脱却策を示さない、福田首相も何がしたいのか全然分からない。世界中から間抜けと思われていることだろう。シンガポールは国民にカネを配るといっている。いわゆるヘリマネ(ヘリコプターからマネーを播く)で、アメリカも小切手を国民に配るなど同じことをしている。アジア通貨危機では確か韓国政府も国民の100万円以下のサラ金の借金を肩代わりするというニュースがあった。日本ではこれがなぜか非常に人気がない。不思議である。

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IMF、アジア地域の財政支出拡大策を支持-日米欧への輸出鈍化で

3月10日(ブルームバーグ):アジア各国・地域の政府当局の間では景気 減速に対応し、歳出抑制策を棚上げするとともに、消費者にも支出の拡大を促そ うとする動きが見られている。

フィリピンでは、アロヨ政権が公共事業や社会サービスへの投資を加速させ ており、今年は財政収支均衡計画を見送る可能性がある。タイ政府は1兆5000 億バーツ(約4兆8700億円)を交通機関拡張や医療向上に投じる予定だ。香港 は減税策、シンガポールは国民に現金を分配する計画を立てている。

外需鈍化を補うため内需を一層呼び起こそうとするこうした政策を、国際通 貨基金(IMF)が後押ししている。IMFは、長期にわたってとり続けてきた 財政引き締めの推進姿勢を転換させたことになる。より自律的な成長の源を域内 で開拓することは、アジアの新興市場経済が輸出依存型から脱却することにつな がる可能性がある。

ナイス元IMFアジア太平洋担当局長は「大部分のアジアの国・地域では予 算を倹約しようとする伝統がある」と指摘。「しかし、世界的な需要や輸出が鈍 化する時期にあって、内需や消費、投資の拡大を促すことは重要だ。アジアには そのための金銭的余裕がある」と話した。ナイス氏は1997-98年のアジア金融 危機時に同局長職を務めていた。

アジアの発展途上国・地域について、IMFは2008年の成長率が8.6%に なり、過去2年間の実績・推定値の9.6%から減速すると予想している。

アジア地域の経済は、外需への依存度が世界の他の地域のほぼ倍で、輸出の 60%を占める米国、日本、欧州の景気停滞に足を引っ張られている。中国、シン ガポール、インドの購買担当者指数は既に、製造業の伸び鈍化を示している。

原題:IMF Nods to Spending Spree by Asian Countries Hit by U.S. Slump (抜粋) {NXTW NSN JXH1LZ1A74EA }

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 竹内 正子 Masako Takeuchi mtakeuchi5@bloomberg.net Editor:Akiko Kobari 記事に関する記者への問い合わせ先: Shamim Adam in Singapore at sadam2@bloomberg.net  

Posted by 渡久地明 at 18:51Comments(0)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年03月08日

「公望ニュース」拝受

「公望ニュース」2008年春号が届いた。

元郵政公社常務理事で中央大学客員教授の稲村公望さんの年賀状がわりの新聞だ。

記事は1面トップに近況。一面準トップに論説

「誤った経済政策‐今、必要な21世紀版『遠野物語』」

見開きで

「日本の未来を考える 政治家はリーダーシップをとり、しっかりとした完了が支える仕組みこそ大切」

として元内閣官房副長官の石原信雄・地方自治研究機構会長との対談がある。

4面には

「新聞記者からの手紙‐消えた〒マーク、郵政事業への信頼の危機」

「地方紙掲載‐地方の実態、声伝えよ/市場原理主義の検証を 改革の功罪見つめ/『格差社会どう解消』」

「ブログは、Tokyonotes東京義塾をぜひご覧下さい」

がある。

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2週間ほど前、稲村さんが郵便局長らの集まりで講演して、飛行機に乗って帰る直前に琉球サンロイヤルホテルのたばこが吸えるという奧のラウンジでお茶を飲んだ。

「奄美の観光について、プロの批評がほしい」

と取材をすすめてもらった。奄美はJALの搭乗実績ではJASとの統合後「沖縄方面」として集計されている。また、旅行商品もJALストーリーの沖縄がカバーしている。同じような気候風土、開発が進んだ沖縄よりはるかに良好な自然があることを知っているが、観光地としての盛り上がりに欠けるのはなぜなのか、取り組むのに面白いテーマであると思う。  

Posted by 渡久地明 at 19:46Comments(0)TrackBack(0)デフレ脱却

2008年03月08日

日本人の旅行動向の変化

HP沖縄観光ニュースを更新した。

第731号(2007年10月1日号)の記事から
西日本最大規模のレンタカー店舗 オリックス自動車(08年3月8日)
香港で沖縄ブーム起こる(08年3月8日)
那覇空港増設 熱烈歓迎プロジェクトにしたい(08年3月8日)
☆渡久地明コラム視点731 住民検診と人間ドック(07年3月8日)

第732号(2007年10月15日号)の記事から
那覇空港増設で総決起大会 沖縄観光の未来を考える会(08年3月8日)
ハワイに行けなくなった日本人(08年3月8日)
旅行内容、所得の減少に応じて変化(08年3月8日)
☆前川昌道 ・IT導入、成功と失敗の法則(40)画期的なオーダーエントリーシステム(08年3月08日)
☆おきなわ観光情報研究会 Tourism Informatics(TI)の試み 51 モバイルでまちめぐり実験(08年3月08日)
☆渡久地明コラム視点732 市場原理主義の実験台となった沖縄(07年3月8日)

 オリックス自動車、OTSレンタカー、ニッポンレンタカー沖縄は豊崎をレンタカーステーションに位置づけ、そろって進出するが、最初の店舗オープン式典が行われた。豊崎は空港に近く、ビーチが造成され、沖縄自動車道のインターチェンジが整備される予定。3つのリゾートホテルが進出することになっており、この2、3年で大きくリゾート地として飛躍するものと見られる。
 
 香港の沖縄ブームは旅行プロモーションが成功したもの。4月からは香港エキスプレスが香港=沖縄直行便(最初週2便、後に週4便)を就航させる。昨日(3月7日)開かれた「県産品海外展開戦略シンポジウム」によると、香港の一人当たりGDPは沖縄の1.5倍に成長しており、やりようによっては香港からの観光客は今後、大幅に拡大する可能性がある。
 
 那覇空港増設には、地元の受入体制づくりが必要と言うことで何度かシンポジウムが開かれている。その模様を記録した。
 
 コラムは住民検診と人間ドックで見付かる病気はほとんど同じなのに、沖縄では自己負担の大きい人間ドック弐はいる人の割合が、無料の住民検診を受ける人の割合より多いという。
 
 那覇空港増設で総決起大会が開かれた。観光業界の大がかりな総決起大会はこれまでに海洋博直後の落ち込み、95年の超円高に伴う沖縄の伸び悩み、01年のテロで3回開かれた。今回は4回目の大規模な集会である。
 
 ハワイに行けなくなった日本人の記事のさわりの部分はこのブログでも紹介したが、詳しくはこの記事。
 
 日本の旅行全般の低調な動向は日本経済の低迷が影響しているのではないかと述べたのが次の旅行内容、所得の減少に応じて変化という記事。
 
 前川氏の記事は、レストランなどでメニューをペンでさせばオーダーがエントリーできるシステムについて紹介している。
 
 遠藤先生にははこだて未来大学とはこだて観光情報学会が取り組んでいるはこだてまちナビ実験について解説してもらった。

 コラムは最近の外資の沖縄進出に伴う市場原理主義の導入がどんな影響を沖縄に与えつつあるのか述べた。  

Posted by 渡久地明 at 18:18Comments(0)TrackBack(0)沖縄観光の近況

2008年03月06日

2月は伸びるが、不振

 2月のJAL、ANA、JTA、RACの県外=沖縄線搭乗実績は1.4%増となった。JALが1.7%減、ANAが4.1%増、JTAが0.8%増、RACが2.7%増となった。SKYの実績は来週でるが、増便しており、全体を1〜2%底上げする見込み。

 ただし、JTA、RACは定期便実績とは別にチャーター便が運航されたため、上の数値は後にごくわずかに修正される。

 また、2月は1日多いので

29日/28日=103.6%

 と3.6%増えて前年並み。SKYが全体を2%上乗せしたとしても、ぎりぎり前年並みで、あまり好調とはいえない。というよりも、不振である。1月に国内線旅客数が前年割れして以来、いつまで失速が続くのか懸念される。  

Posted by 渡久地明 at 19:23Comments(0)TrackBack(0)沖縄観光の近況