カラスが嘉手納空軍の支障になる
今日の沖縄タイムス朝刊社会面
ゴミ山に米軍クレーム
カラス群がり「離陸に支障」
95%基地から搬入も 沖縄市処分場
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200705221300_03.html
という記事は傑作である(続きを読むにコピペあり)。
沖縄市のゴミ処理場に群がったカラスが嘉手納基地の米軍機の離陸に支障を来しているといい、那覇防衛施設局が廃棄物処理業者に改善を求めているというものだ。
しかも、そのゴミの大半は米軍基地から出ているという。
ゴミの山の山頂でショベルカーが作業したら、アームが離陸の障害になるともいう。
カラスがジェットエンジンに吸い込まれたら、まあ、爆発はしないだろうが、飛行機は引き返して、整備し直さなければならなくなる。(那覇空港でもまれにバードストライクで民間機が引き返すと新聞記事になる)
5月12日のエントリで「未来を築く常温核融合」(Jed Rothwell 著、
http://lenr-canr.org/BookBlurb.htmにPDFがある)という本を紹介したが、そのなかの「11.破壊力はないが大混乱を引き起こす軍事用の機器」という章に全く同じはなしがでている。前回エントリでは、スパナをジェットエンジンに投げ込めば米軍は無力化できる、それには、エンジンをかけたジェット機に、周りの兵士に悟られずに近づくのがコツである、という部分を引用したが、それに続いて次のような記述がある。
「この機械カラスは初歩的なコンピュータとカメラと遠隔操作装置を備えている。100個の群れで行動する。群れは超高空で飛ぶ偵察機によって制御される。この偵察機は2メートルぐらいの大きさで、衛星利用測位システム、カメラ、司令部までの無線通信系などを備えている。分散型ネットワークになっている数十の偵察機なら、撃ち落としにくいから、その方が良いかもしれない。通信は衛星電話か、偵察機のルリタニアまでの連鎖でつなぐかもしれない。偵察機は成層圏を飛び回って、ルリタニアの管制官の命令をカラスに伝える。燃料は無限だから、ラジオとカメラの電力は好きなだけ使って良い。
カラスも偵察機も米国空軍の基地の上でいつまでも無期限にぶらつく。ジェット飛行機かタービン・エンジンで動くヘリコプターのエンジンがかかるたびに、カラスは小型カミカゼのように急降下攻撃をして、エンジン吸気口にさっと入る。カラスの群れは数週間か数ヶ月、消耗して止まって陸に落ちるまで、ぶらぶらと上空を飛んでいる。ルリタニアから毎日新しいカラスを派遣し、位置についてうろついているカラスが落ちると代わりのが来る。カラスの価格は窮境に立たされる米国の戦闘機よりずっと安い。
このカラスは空から武器で簡単に撃ち落とせるではないかと思われるだろう。まさにそのとおりだ。農夫は散弾銃でカラスを撃ち落とせる。空軍と陸軍の兵隊はきっと数百個の機械カラスを落とせるだろう。しかし、その間にルリタニアから代わりの数千個を送ることができる。対空砲やミサイルは3,000 メートル上空を無作為に飛んでいる鳥のような物に当たるように設計されていない。大槌で蚊をたたくようなものだ。米国がカラスを一つ落とすために使う砲弾と人件費と努力に費やす金はルリタニアで新しいカラスを生産するのに使う金より多い。経済的に「非対称戦争」(つりあいの取れない戦争)である」
冒頭のタイムス記事は、嘉手納基地の米軍は機械カラスの製造を待たなくても、実物カラスで空軍が無力化できるということを教えている。ゴミ山をもっと高くして、さらに大量のカラスを繁殖させて寄せ集め、特にカラスが好む生ゴミなどを大量に撒いておけば、空軍は怖くて出撃できないということになる。これ、実戦に使えるのではないか。
2007年5月22日(火) 朝刊 25面
ごみ山に米軍クレーム/沖縄市処分場
【沖縄】沖縄市池原にある一般廃棄物最終処分場周辺に群がるカラスと産業廃棄物が積まれたごみの山が、米軍嘉手納基地を離陸する航空機の飛行に支障を来しているとして、那覇防衛施設局が廃棄物処理業者に改善を求めていたことが二十一日、分かった。しかし同業者に搬入された一般廃棄物の九割は米軍基地からの搬入であり、施設局から米軍の要請内容の説明を受けた沖縄市環境課は「米軍がごみの量を減らす努力をする必要もあるのでは」と話している。(吉川毅)
市は、施設局から「米軍から民間の廃棄物処理業者に改善要請がある」と今年二月と五月初旬に説明を受けた。
市によると、一般廃棄物最終処分場やその周辺でごみをあさるカラスの群れが、航空機の離陸の邪魔になっているとして米軍が施設局に改善要請をしているという。
さらに産業廃棄物でできたごみの山は、山頂でショベルカーが作業した場合、掲げられたアームによって離陸の障害になっているという。
沖縄市がまとめた二〇〇六年度の一般廃棄物処分量調査では、同業者で処分した一般廃棄物の94・5%が県内米軍基地から搬入されている。
米軍基地からのごみの処分量は一万三百五十五トンで、前年度の五千六百八十八トンの二倍近くに膨れ上がっている。
近隣市町村の公共施設などからのごみを含めた全体の処分量は約一万九百六十一トン。
そのうち搬入された量で最も多かったのは北中城村にあるキャンプ・フォスターの二千九百九十五トン、次いで金武町のキャンプ・ハンセンの千五百二十一トン、浦添市のキャンプ・キンザーの千二百七トンとなっている。
市は米軍や他市町村から市内に持ち込まれるごみを抑制するため、〇七年度中に法定外目的税として環境税の導入を検討している。
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