パズルの断片を繋げる経済はどれか

渡久地明

2010年02月01日 22:18

 昨日のエントリで、わたしが言おうとしていて、省略した部分を補完してくれたような読者のメールが届いたので、本人に連絡した上、そのまま掲載する。


【件名】大マスコミが世の中の気分を悪くする
 
 このブログを読んでいてよく分かるのはいかに大マスコミが自分で自分の首を絞めているかという事実である(テレビの解説者やコメンテータの無知さ加減には本当にウンザリする)。景気が悪くなれば当然広告を出す側は手控えたり、新聞の読者であれば購読をやめたりするわけで、結果、大マスコミの収入は減少し、果ては夕刊の廃止に追い込まれるなどという笑うに笑えない当然の帰結を招く(しかし不思議なのはそこまで追い込まれるような状況であるのにもかかわらず、依然として緊縮財政を是とするマスコミの論調が続いている点である…ホント不思議!)。

 大マスコミは意図的にそうしているのか(意図的というのであれば社長は愚か者にしか過ぎず、株主は即刻解任すべきだが…)、そうでないにしてもその経営感覚の無さはやはりクビに値する。
 
 読者・視聴者・国民の「ご多幸」と「ご健勝」を願うのであれば、大マスコミの経営陣すべてが退場しマトモな経営者を立てるか、心を入れ替えて「自ら」と読者のための報道を愚直に貫くかのどちらしかないのではないか? 彼らマスコミだけが損するのであればそれでよいのかもしれないが、厄介なことにこれは国民全体に影響してしまう。緊縮財政派のみで紙面を埋めるのではなく、対立するもう一方の側である積極財政派の意見を最低でも同量扱って公平に努めるべきだ。渡久地氏には、大マスコミの報道姿勢が景気をさらに悪化させることをこれからも分かりやすく解説願うばかりである。

 なお、わたしの経験ではマスコミにはずーっと前から意図的に構造改革的な緊縮財政、デフレ政策を推進している勢力がある。それが世の中にとってよいことであると信じ込んでいるようである。しかし、その信念(?)にはほとんど根拠がない。それに気がつかないだけだと思う。某経済担当の先輩記者は城山三郎を信奉していた。トホホだが、先輩がそういうのでわたしもこの作家の小説を何本も読んで感動した覚えがある(トホホの2乗=反省)。
 
 しかし、マスコミの仕事の特性は、野次馬というか観察者として、社会でおこっているさまざまなことを見に行ける=多様なデータを仕事を通じて大量に収集できると言うことがある(最近、この特性はマスコミだけに限らなかったなあと思う)。20年もやっていれば、ジグソーパズルのピースはほとんどそろっただろう。それと整合的な経済学というのはどれかという勉強をすれば、すとんと腑に落ちるものがあると思う。その作業をやらないとしたらこれほどもったいないことはない。

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