海兵隊撤退を要求すべきだ

渡久地明

2010年11月25日 21:26

北朝鮮が韓国の島を攻撃したことが大きなニュースとなったが、いよいよ北朝鮮の末期症状ではないか。

北朝鮮がどうやって片付くか分からなかったが、これが末期症状だとすると、沖縄海兵隊の撤退がますます近づいた。

もともと沖縄県は2015年までに朝鮮半島問題が片付くだろうと予想して、基地返還アクションプログラムをつくっていた。それも1994年頃だ。北朝鮮問題の解決をはじめTPP、中台関係などの世界情勢をかなり精密に予測していたから驚きだ。

沖縄米軍の大きな役割は朝鮮半島問題への対処であり、一方の中台は経済的な結びつきが強固なものとなり、紛争が起こったとしてもエスカレートするとは考えられない。

だいぶ前になるがアーミテージにインタビューした際「沖縄基地に長居はしない。アジアが安定したら(沖縄から)出ていく」といっていた。あれから10年たった。いよいよその時期が近づいたのではないか。

知事選の報道で海兵隊のグアム移転は伊波氏の持論とされているが、独自のことをいっているわけではない。アーミテージ発言、海兵隊のグアム移転に関する海軍の環境影響評価書(『沖縄の海兵隊はグアムへ行く』(吉田健正)という本、また、先に紹介した『こんな沖縄に誰がした』(大田昌秀)にも詳しい解説がある)、米でさんざん議論の的になっている基地閉鎖統合プログラムと議会での軍の予算削減問題に加え、北朝鮮の末期的症状を見るとあらゆるベクトルが海兵隊の撤退を向いている。最後に残るのは日本政府の米軍にいて欲しいという問題だけだということが鮮明になってきた。伊波氏は持論というより、軍事的にまともなことをいっているのだろう。

沖縄県知事は天に向かって海兵隊の県外移転を唱えるのではなく、政府に対して要求すべきだ。

ちなみに小沢一郎氏が民主党代表選で海兵隊の撤退論を唱え「そう遠い未来ではなく、10年かそこら」で解決するというようなことをいっているのをテレビで見た。小沢氏もかなりの軍事通であることをうかがわせる一言だった。

関連記事