再開発の好機だ

渡久地明

2005年11月11日 23:22

97年と05‐06年の違い、思いついたメモと考察。

97年(大田知事・県知事選挙、村山総理、橋本総理、デフレ下の消費税増税と累進所得税の減税、クリントン大統領)
○少女暴行事件、8万人集会、特措法
○SACO合意(負担軽減策、5000ヘクタールの返還計画)
・兵力削減は無し
○国際都市形成構想
・全県フリーゾーン
○那覇空港沖合展開
○大深度港湾(軍民共用&ハブ港湾)
○普天間代替海上施設(ヘリポート1500m、数千億円?)

稲嶺知事当選
○辺野古沖合、2500mの軍民共用空港(建設費1兆円とも)、使用期限15年(米は最初から明快にノー=国際的に間違ったサインとなるから)
○国際都市形成構想・没
○全県フリーゾーン・没
○沖縄振興計画


06年(稲嶺知事・県知事選挙、小泉総理、デフレ下の構造改革、ブッシュ大統領)
○米軍の世界的再編(冷戦後のハイテク化、効率化、予算の削減)、テロ、アフガン・イラク戦争
○「2+2」(自衛隊と米軍の一体化、海兵隊の沖縄撤退)プラスSACO合意
・兵力削減=3MEFのグアムへの撤退、代わってMEBに縮小
○新ガイドライン、有事法制(米軍は有事には日本中の空港の使用可能に)
○那覇空港沖合展開
○大深度港湾(ハブ港湾)
☆南北縦貫鉄道(筆者私案)
☆開発途上地域である沖縄の投資効率・経済効率を高めるための返還軍用地を含む沖縄全体の再開発(=自立以前のサプライサイド、筆者私案)
○辺野古沿岸施設(滑走路1800m、建設費数千億?)

========

いま、沖縄に抜け落ちているのは、国際都市形成構想のようなコンセプトと思われる。しかし、国際都市形成構想は当時は確か、政府の財政は要らないから(政府に金がないから)、(自立・自治のための)制度が欲しいという側面が強く、小泉構造改革に似ている。実効性があるのか不透明だ。当時はわたしは全県フリーゾーンに肩入れしたのだが(今でも賛成するが)、確実に景気回復するのは財政出動だ。金融政策は沖縄には中央銀行がないので使えない。

小泉構造改革で現状の株価上昇、大企業の業績改善があるではないかという意見もある。しかし、現状のほんの小さな改善は、結局のところ35兆円のドル買い介入(03〜04年の短期国債の発行=財政出動と同じ)や国債買い切りオペによる金融緩和の成果で、財政出動なき景気回復ではなく、結局リフレ政策によるものだ。

沖縄は景気を拡大し、失業を間違いなく減らせる再開発とインフラ整備が先だ。

自立・自治以前にスタートラインに着くための沖縄全体の再開発が必要であると考える。嘉手納以南の軍用地が返還されるなら、インフラが安く作れる好機である。財源は建設国債、同盟維持のための特別国債などによる財政出動。セイニアーリッジでもよい。日本全体のGDP拡大に寄与する額の設定も可能だ。

関連記事