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2013年02月21日

観光業界2月は絶好調

のようだ。

プロ野球キャンプで那覇市内で満室、リゾートもいい。

名古屋航路も絶好調で、トヨタなど自動車が好調なため。ホンダ関連もよく来ている。クライスラーなどからもインセンティブ旅行の引き合いがあるという。

外国人も旧正月の台湾、韓国のゴルフツアーが好調。両地域とも年末から路線を大幅に拡大している。

アベノミクス早くも沖縄に影響か。

前回エントリ「需要と供給、価格(為替レート)の成長法則」は、昨年暮れ、あるリゾートホテルの株主総会で講演した時の資料に手を加えたものだが、「来年はアベノミクスの円安株高、財政出動で5%増は確実」と述べた。今日のパーティーで「暮れの講演のとおりになっています。ありがとうございました」と声がかかった。  

Posted by 渡久地明 at 22:56Comments(0)沖縄観光の近況

2013年02月19日

需要と供給、価格(為替レート)の成長法則

 筆者は客室数が増えることで観光客数が伸び、観光客数が伸びたことで客室も増えるという沖縄観光成長の法則を2004年にまとめた。2006年にハワイの成長の様子を対象にロジスティック方程式で数理的な解説を付け加えた。さらに最近の円高で価格の要因が明快になった。また、デフレ不況の影響は観光客数の減少ではなく、消費金額の減少となって現れていると考えた。最近の知見を加え、成長の法則を改定したい。
 
1. 復帰後の入域観光客数と一人当たり消費額内訳









 復帰後の動向。階よいう箔後の落ち込みが大きかった。その後の入域観光客数をよく見ると、一貫して増加したのではなく、ところどころ停滞している。停滞している時期には当然だが、ホテルなどの廃館も出た。停滞が長引くと悲観的なムードが広がり、特に1994、95年には沖縄観光はもう終わりと全国紙が書き、大きな問題になった。地元紙は連日、危機を煽った。

 一人当たり消費額は1982年〜90年頃がピーク。91年にがくんと下がり、その後低迷した。

2. 定員稼働率、需要と供給能力









 低迷を経験したとはいえ、沖縄観光客数は基本的に成長した。これはまず、海洋博を受け入れるために客室が増え、その後の需要不足をキャンペーンで乗り切り、観光客が順調に増え始めたところで再び客室が増えるという循環、観光客と受け入れ側の相互作用で伸びた。

3. 円ドルレートの影響









 ところどころ観光客数が低迷したのは国際的な事件、客室不足が主要な原因と考えてきたが、95年前後、08年以降の円高の影響が大きい。円高で消費者は海外リゾートと沖縄の価格比較を行い、年間十数万人〜数十万人規模で海外を選んだ可能性がある。

  一方、1996年〜07年の長期に渡る円安局面では(テロやサミットの年の落ち込みを除いて)沖縄観光客数は、年平均4.3%増で伸び続けた。

4. 観光客は増えたが、消費は減少(デフレの影響)









 デフレ不況でも観光客数は増えたが、消費金額が低迷した。給料が減っても旅行はするが、行った先で消費を減らした。サラリーマンが1000円の昼食を500円に減らし、さらに100円マックで我慢するような現象。沖縄以外の全国では観光客そのものが伸びず、旅館がどんどん倒産している。しかし、アベノミクスが本来の意図通りの効果を出せば、消費金額は拡大し、観光客数も4〜5%の成長軌道に回復するだろう。

5. 台風の影響





 この資料は琉球大学の台風講座の私の担当「台風と観光」で使用するので。グラフは沖縄気象台のPDF「沖縄地方の天候」(平成25年1月4日)から引用した。

6. 沖縄と世界、今後の動向









 沖縄観光客数をセミログに描くと直線になる。この傾向には以前から気がついており、1998年には2016年に沖縄観光客数は1000万人に届くと予言していた。この時から、沖縄観光は1000万年を目指すべきと主張。2006年の県知事選挙で「おおむね10年後に観光客数1000万人を目指す」と公約した仲井眞弘多氏が当選。昨年からの沖縄振興策10年計画で2021年度の1000万人が正式な目標となった。98年当時の予想より5年分後ろにずれたが、テロや最近の震災・原発事故で数年分後ろにずれたのは仕方がない。また、那覇空港滑走路の増設が決まり、2014年1月に着工、2019年末に完成が予定され、発着能力は現在の年間13.5万回から18.5万回に拡大する。空港完成前にもう一度ホテル建設ラッシュが予想される。

 世界の到着観光客数を見ると増加の様子はセミログに描いて直線となるところが多い。観光客数の増加は観光客数に比例している。

7. ロジスティック方程式:成長の数理について





 観光客数Nの増加が観光客数に比例するというのは、一般的に線形一階微分方程式:

dN/dt=αN…(1)


 で表される。

 しかし、永遠に増加するというわけには行かず、基本的にホテルの受け入れ上限に達したら、観光客数は頭打ちになるだろう。

 人口など最初、勢い良く伸び、やがて上限に達する様子を示す方程式として、1849年にベルハルストがロジスティック方程式:

dN/dt=αN(KーN)/K…(2)


 を提唱した。その後、ロジスティック方程式は生物学の分野で厳密に実証された(山口昌也著『カオスとフラクタル 非線形の不思議』(講談社ブルーバックス、1986年))。また、参考文献のタイトル通り、最近のカオス理論のきっかけとなっている。

 実際に観光客数が上限に達したとみられる地域にハワイがある。ハワイはワイキキの開発が一段落し、ホテルの建設余地がなくなった。新しくホテルをつくるにはコオリナや他の離島での建設となる。ハワイの受け入れ上限を750万人と仮定し、ロジスティック方程式を解いたのが上のグラフの細い実線である。またドットは実績である(2006年の筆者の計算、750万人と仮定したのは、当時の考え)。

 1970年頃までのロジスティック曲線と観光客数はよくフィットしているように見える。今年のハワイの観光客数は800万人寸前に迫り、来年は800万人を超え2015年には873万人との見通しがハワイ政府当局から出ている。ロジスティック方程式に幾らかの修正が必要だが、当初勢い良く伸び、やがて頭打ちに達する数理はだいたいこれでよいのではないか。(さらに詳しい解説を「観光とけいざい」第848号(2013年2月1日付)に掲載した)  

Posted by 渡久地明 at 10:56Comments(0)観光情報学の話題

2013年02月11日

1月の航空各社の県外=沖縄線、3.8%増

 航空各社の1月の県外=沖縄線旅客数は3.8%増と伸びた(LCCを含めないベース、LCCを入れると7~8%増となる見込み)。2010年の同月実績に比べても3.4%上回った。

 JALが関西線の多くをJTAに移管し8.5%減、ANAは6.9%増、JTAは21.0%増、SKYは3月から関西を新設して旅客数は4.5%増と増加。RACは2.8%減となった。

 また、石垣・宮古・久米島の県内主要3路線の旅客数は合計で10.1%増と伸びた。10年比でも10.4%増と好調。石垣が13.3%増、宮古が6.1%増、久米島は14.0%増と好調。(沖縄観光ニュース)  
タグ :沖縄線


Posted by 渡久地明 at 11:34Comments(0)沖縄観光の近況

2013年02月03日

お、便利になってる

てぃーだブログ、ツイッターとフェイスブックに連動するらしいのでテスト。