何がやりたいのか改造福田内閣

渡久地明

2008年08月03日 18:58

本日(8月3日)の新聞によると(共同通信の緊急世論調査)、福田改造内閣の支持率は31.5%、不支持利率は48.1%となった。

支持しない理由のトップは「経済政策に期待が持てない」で、32.6%だった。

経済政策では党幹事長になった麻生太郎氏が「わたしは財政至上主義はとらない」と前回の総裁選で言明していたように、デフレ脱却を最優先にするという、自民党内の積極財政派の生き残りのような人である。

しかし、麻生氏が不況脱出に向けてアクセルを踏んでも、

与謝野馨、伊吹文明といった、消費税増税派・財政タカ派が経財相や財務相にいて、ブレーキを踏む仕掛けになっている。結局、不況脱出のために何もできそうにない。麻生氏と与謝野氏は不況脱出についてこれほど意見が違うのに、なぜかウマが合っているのも不思議である。

麻生氏のデフレ経済認識
http://www.aso-taro.jp/lecture/kama/2007_4.html

与謝野氏の恐ろしい経済認識
http://bewaad.com/2007/09/04/256/

もう一つ、いろんなところでいわれている小泉一派の一掃というのは確かな感じがする。もともと福田氏は小泉さんが嫌いだったという話は本当だったんだろう。

結局、嫌いな人たちを一掃し、派閥均衡・挙党態勢というかたちを造ったけれども、何をしようとしているのか全然分からない、景気はよけい悪くなりそうな内閣だ。

昨日(8月2日)の新聞は内閣の顔触れを紹介しているが、沖縄タイムスの

「選挙にらみ経済重視 福田改造内閣発足」

という見出しには笑った。どこが経済重視なんだ。増税重視、縮小均衡内閣だろう。今回の改造は世論調査の結果が示すとおり、経済政策は全然あてにならない。世論調査に応えた国民の方がまともな経済感覚をもっている。

民主党がデフレ脱却・積極財政策を堂々と主張して次の総選挙を戦うなら、福田内閣は自民党最後の内閣ということになる。民主党も早く岡田だとか枝野とか構造改革大好き議員をデフレ脱却・積極財政派に改心させるべきだ。

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