2007年03月25日
那覇空港の限界は650万人ではない
3月15日の沖縄タイムス、3月17日の琉球新報で県当局が那覇空港を2015年に沖展供用しても2016年には800万人にしか届かないと試算しているという記事が相次いで出た。それについては当日、このブログでコメントした。
ところがわたしは650万人で頭打ちという数値の根拠が不明であり、県当局の計算は間違っているという立場である。
那覇空港の限界値について、那覇空港調査連絡調整会議(県、総合事務局、大阪航空局)というのがあり、そこに計算が出ており、
一日の発着回数限界は370から380回で、その中には一日平均84回の自衛隊等の発着が含まれる。
観光客数を毎年1%から2・3%まで4段階の成長率ごとに計算すると、1%成長でさえ2015年の夏場には一日の発着回数が限界に達する。2・3%成長だと2010年には夏場の発着回数が375回となり、限界となる。
というのが那覇空港調査連絡調整会議で示された限界である。年間650万人という計算はどこにもない。
もちろん那覇空港の成長率は2・3%の程度ではなく、4%以上成長しているから、もっと前に限界になる。
しかし、もし、自衛隊等の発着84回を訓練移転などで減らせば、一日当たり民間機の発着がそのまま84回増える。増える分は到着便が42回として、一回100人が搭乗しているとすると、一日4200人増やせる。
月間では13万人になる。昨年の8月の観光客数は57万人であったから、概算で月間70万人となってもおかしくない。さらに夜間利用を増やし、発着間隔をもう少し詰めることで数万人が上乗せできる。
で、そのような訓練移転を自衛隊が了解するかといえば、自衛隊の嘉手納移転はすでに日米で合意している、政府が決定したという報道が04年にはあるのだ。みんな忘れてしまっているが。(続きを読む、に当時の報道と軍事ジャーナリストの神浦さんの見方をコピペした)
つまり自衛隊の嘉手納移転は規定方針であり、自衛隊の都合で嘉手納に移るというと問題が多いかも知れないが、那覇が限界で観光客が増えなくなると沖縄経済が破綻するという理屈建てがあるなら、願ったりかなったりの状況になるだけだ。
那覇空港の650万人限界説はとっくに崩れており、それ以上の受け入れの対処方法は自衛隊の嘉手納移転である。
650万人が限界といって危機を煽るのは間違いである。
もっともそれでも那覇空港の限界は数年先送りされるだけで、滑走路の沖展が必要なことに変わりはない。できれば観光客数が800万人程度となる2013年ごろには供用すべきだ。
ところがわたしは650万人で頭打ちという数値の根拠が不明であり、県当局の計算は間違っているという立場である。
那覇空港の限界値について、那覇空港調査連絡調整会議(県、総合事務局、大阪航空局)というのがあり、そこに計算が出ており、
一日の発着回数限界は370から380回で、その中には一日平均84回の自衛隊等の発着が含まれる。
観光客数を毎年1%から2・3%まで4段階の成長率ごとに計算すると、1%成長でさえ2015年の夏場には一日の発着回数が限界に達する。2・3%成長だと2010年には夏場の発着回数が375回となり、限界となる。
というのが那覇空港調査連絡調整会議で示された限界である。年間650万人という計算はどこにもない。
もちろん那覇空港の成長率は2・3%の程度ではなく、4%以上成長しているから、もっと前に限界になる。
しかし、もし、自衛隊等の発着84回を訓練移転などで減らせば、一日当たり民間機の発着がそのまま84回増える。増える分は到着便が42回として、一回100人が搭乗しているとすると、一日4200人増やせる。
月間では13万人になる。昨年の8月の観光客数は57万人であったから、概算で月間70万人となってもおかしくない。さらに夜間利用を増やし、発着間隔をもう少し詰めることで数万人が上乗せできる。
で、そのような訓練移転を自衛隊が了解するかといえば、自衛隊の嘉手納移転はすでに日米で合意している、政府が決定したという報道が04年にはあるのだ。みんな忘れてしまっているが。(続きを読む、に当時の報道と軍事ジャーナリストの神浦さんの見方をコピペした)
つまり自衛隊の嘉手納移転は規定方針であり、自衛隊の都合で嘉手納に移るというと問題が多いかも知れないが、那覇が限界で観光客が増えなくなると沖縄経済が破綻するという理屈建てがあるなら、願ったりかなったりの状況になるだけだ。
那覇空港の650万人限界説はとっくに崩れており、それ以上の受け入れの対処方法は自衛隊の嘉手納移転である。
650万人が限界といって危機を煽るのは間違いである。
もっともそれでも那覇空港の限界は数年先送りされるだけで、滑走路の沖展が必要なことに変わりはない。できれば観光客数が800万人程度となる2013年ごろには供用すべきだ。
政府提案 嘉手納基地 日米共用を 自衛隊、那覇から移転 (産経 04年10月7日 朝刊)
[概要]在日米軍の再編問題で、日本政府は沖縄の嘉手納基地を自衛隊共用とし、那覇基地(官民共用)の自衛隊を移転させる方針を固めた。政府はすでに米国に横田基地の軍民共同を申し入れているが、嘉手納基地も自衛隊との共同使用を提示する方針だ。これによって米軍と自衛隊の連携が緊密になる効果があるという。沖縄の自衛隊については、空自のF−4戦闘機をF−15戦闘機に変更して嘉手納基地に移す。また那覇基地のP3C哨戒機部隊も嘉手納に移転する。自衛隊が那覇空港から嘉手納に移転すれば、那覇空港の旅客機離発着回数が増え、乗客を増やすことができるという。
[コメント]なんとも小出しにする在日米軍再編案だが、すでに全体的な再編案は数年前から日米で検討され、合意を得ていることはいうまでもない。それがイラク戦争の泥沼化と、予想外の北朝鮮存続で動きが早まったにすぎない。当初の計画では北朝鮮崩壊後に、中国が朝鮮半島に関する対応を見ながら再編を行う予定だったと思う。嘉手納の米軍は北朝鮮崩壊後に、大幅に削減することは分かり切った話である。そこを埋めるのは那覇基地の自衛隊ということも当初の計画案通りである。さらに言えば、佐世保(長崎県)の普通科連隊は沖縄の米海兵隊が撤退したあと、沖縄に移転される予定の陸自・戦闘部隊である。
自衛隊が那覇基地から嘉手納基地に移れば、那覇空港の民間機離発着回数が増え、観光客が増えるという説明は地元の反発を回避させるお化粧(方便)である。そんな言葉で沖縄の観光業者は「お化粧」を夢見ないで頂きたい。素顔は米軍としては嘉手納から撤退するが、いつでも使える東アジアの軍用飛行場を自衛隊に守っていて欲しいだけの話しとなる。
それにしてもマスコミにリークされる米軍再編情報が小出しすぎる。座間基地の第1軍団司令部移転など、すでに何度もマスコミで報じられるので、段々とそんなものかと思う人が多くなる。それが情報を小出しにする理由である。
神浦氏ホームページ
New Files OCT 2004
http://www.kamiura.com/new10_2k4.html
[概要]在日米軍の再編問題で、日本政府は沖縄の嘉手納基地を自衛隊共用とし、那覇基地(官民共用)の自衛隊を移転させる方針を固めた。政府はすでに米国に横田基地の軍民共同を申し入れているが、嘉手納基地も自衛隊との共同使用を提示する方針だ。これによって米軍と自衛隊の連携が緊密になる効果があるという。沖縄の自衛隊については、空自のF−4戦闘機をF−15戦闘機に変更して嘉手納基地に移す。また那覇基地のP3C哨戒機部隊も嘉手納に移転する。自衛隊が那覇空港から嘉手納に移転すれば、那覇空港の旅客機離発着回数が増え、乗客を増やすことができるという。
[コメント]なんとも小出しにする在日米軍再編案だが、すでに全体的な再編案は数年前から日米で検討され、合意を得ていることはいうまでもない。それがイラク戦争の泥沼化と、予想外の北朝鮮存続で動きが早まったにすぎない。当初の計画では北朝鮮崩壊後に、中国が朝鮮半島に関する対応を見ながら再編を行う予定だったと思う。嘉手納の米軍は北朝鮮崩壊後に、大幅に削減することは分かり切った話である。そこを埋めるのは那覇基地の自衛隊ということも当初の計画案通りである。さらに言えば、佐世保(長崎県)の普通科連隊は沖縄の米海兵隊が撤退したあと、沖縄に移転される予定の陸自・戦闘部隊である。
自衛隊が那覇基地から嘉手納基地に移れば、那覇空港の民間機離発着回数が増え、観光客が増えるという説明は地元の反発を回避させるお化粧(方便)である。そんな言葉で沖縄の観光業者は「お化粧」を夢見ないで頂きたい。素顔は米軍としては嘉手納から撤退するが、いつでも使える東アジアの軍用飛行場を自衛隊に守っていて欲しいだけの話しとなる。
それにしてもマスコミにリークされる米軍再編情報が小出しすぎる。座間基地の第1軍団司令部移転など、すでに何度もマスコミで報じられるので、段々とそんなものかと思う人が多くなる。それが情報を小出しにする理由である。
神浦氏ホームページ
New Files OCT 2004
http://www.kamiura.com/new10_2k4.html
Posted by 渡久地明 at 17:48│Comments(0)
│マスコミ評論