2008年12月19日
危機の煽り合い‐カジノシンポ
きょう、沖縄コンベンションセンターで県主催のカジノシンポが行われた。内容は明日の県内紙で読んでもらうとして。
それより、
推進派=いまの観光産業は金融危機もあって成り立たなくなるので新たな付加価値としてカジノが必要。道州制を導入した場合も沖縄が自分で食っていくためには独自の財源が必要
慎重派=依存症、売春、青少年への悪影響、やくざの資金源になるなど悪いことだらけ
という風に両派が立論するので、互いに実態のない(現実と無関係の)危機感を煽り合っているだけという感じだ(大阪商業大学の谷岡一郎学長はさすがに別次元でカジノを論じておられた)。そのため本質が見えなくなっている。ストレートに勝負するならカジノはこんなに楽しい、だからみんなでやろう、というのが筋だろう。
(わたしもオーストラリア、マニラ、韓国、昔のマカオ、ラスベガス、フランス、モナコ、スタークルーズのカジノは見たり賭けたりした。寂れたカジノもあったし、ラスベガスの面白さは分かる。)
現実にはカジノはまだ法律もできていない段階で、あと何年かかけて法律が通ったとしてもさらに建設に数年かかるだろう。トータル7、8年か。その時の沖縄は、わたしの計算*ではカジノ以外の観光客が800万人(2013年)に近づいており、空港能力が上限に近づいている頃だ。
*ちなみにわたしの計算は10年前から当たり続けている。2016年に観光客一千万人という県の方針はわたしが1998年に計算したものと全く同じである。ただし、一千万人到達時期は2004年に2018年頃になると修正した。この修正は日本がバカなデフレ政策を10年以上も継続したからである。
もしカジノでドーッと人が訪れるようになるなら従来の自然や風土や原住民に触れたいという観光客を押しのけるだけになるだろう。そうなると、観光業界にとってプラスマイナスはゼロである。
プラスとするためには、那覇空港の滑走路増設に合わせたカジノ開業が望ましい。空港は急げば完成まであと6、7となろう。そうすればちょうど良いタイミングだ。
その間、東京や関西など先にカジノをオープンさせておいて、どんな問題が発生するのか見極めてから沖縄カジノ建設でもよい。
政府は、まず国内に3カ所ほど先行させて、最終的に国内10カ所くらいにカジノを認める方針だという。それなら最初のモルモットに沖縄がなる必要はさらさらない。
「2番煎じじゃ勝てない」というパネリストがいたが、合理的な根拠はない。カジノそのものが日本では世界の何十番煎じか何かだろう。国内に沖縄のようなリゾート地はないのだから、遅れて導入しても競争力は充分にある。真打ち登場という感じになるだろう。
2014年には嘉手納以南の米軍基地が返還される。そういうところに南北縦貫鉄道付のカジノを配置するのがよいはずだ。その時まで時間をかけて他の地域での成り行きを見ても良い。(このような沖縄の再開発は政府の緊急経済対策の一部として最適である)
最終的に10カ所のカジノをつくるというなら、沖縄は法律成立時にラッキーセブンの7番目の開業を、2014年をターゲットに予約しておくという方法で政治的に妥協すればよい。
カジノそのものがこれ以上日本は発展しないからカジノでも導入したら、という危機感に訴える構造改革派の連中から出てきた議論くさい。それよりも5%の経済成長を今後15年断固続けるというまともな政治を行っていれば、カジノ論議なんかそれほど対立的なものとならないはずだ。景気がよく、余裕があれば国民の普通の娯楽としてカジノくらいすんなり導入できるだろう。カジノはそんなに大それた問題ではないはずなのだ。
日本は道草を食ってないで、もっと大きな当たり前の政治・経済政策をやるのが先だろ。
それより、
推進派=いまの観光産業は金融危機もあって成り立たなくなるので新たな付加価値としてカジノが必要。道州制を導入した場合も沖縄が自分で食っていくためには独自の財源が必要
慎重派=依存症、売春、青少年への悪影響、やくざの資金源になるなど悪いことだらけ
という風に両派が立論するので、互いに実態のない(現実と無関係の)危機感を煽り合っているだけという感じだ(大阪商業大学の谷岡一郎学長はさすがに別次元でカジノを論じておられた)。そのため本質が見えなくなっている。ストレートに勝負するならカジノはこんなに楽しい、だからみんなでやろう、というのが筋だろう。
(わたしもオーストラリア、マニラ、韓国、昔のマカオ、ラスベガス、フランス、モナコ、スタークルーズのカジノは見たり賭けたりした。寂れたカジノもあったし、ラスベガスの面白さは分かる。)
現実にはカジノはまだ法律もできていない段階で、あと何年かかけて法律が通ったとしてもさらに建設に数年かかるだろう。トータル7、8年か。その時の沖縄は、わたしの計算*ではカジノ以外の観光客が800万人(2013年)に近づいており、空港能力が上限に近づいている頃だ。
*ちなみにわたしの計算は10年前から当たり続けている。2016年に観光客一千万人という県の方針はわたしが1998年に計算したものと全く同じである。ただし、一千万人到達時期は2004年に2018年頃になると修正した。この修正は日本がバカなデフレ政策を10年以上も継続したからである。
もしカジノでドーッと人が訪れるようになるなら従来の自然や風土や原住民に触れたいという観光客を押しのけるだけになるだろう。そうなると、観光業界にとってプラスマイナスはゼロである。
プラスとするためには、那覇空港の滑走路増設に合わせたカジノ開業が望ましい。空港は急げば完成まであと6、7となろう。そうすればちょうど良いタイミングだ。
その間、東京や関西など先にカジノをオープンさせておいて、どんな問題が発生するのか見極めてから沖縄カジノ建設でもよい。
政府は、まず国内に3カ所ほど先行させて、最終的に国内10カ所くらいにカジノを認める方針だという。それなら最初のモルモットに沖縄がなる必要はさらさらない。
「2番煎じじゃ勝てない」というパネリストがいたが、合理的な根拠はない。カジノそのものが日本では世界の何十番煎じか何かだろう。国内に沖縄のようなリゾート地はないのだから、遅れて導入しても競争力は充分にある。真打ち登場という感じになるだろう。
2014年には嘉手納以南の米軍基地が返還される。そういうところに南北縦貫鉄道付のカジノを配置するのがよいはずだ。その時まで時間をかけて他の地域での成り行きを見ても良い。(このような沖縄の再開発は政府の緊急経済対策の一部として最適である)
最終的に10カ所のカジノをつくるというなら、沖縄は法律成立時にラッキーセブンの7番目の開業を、2014年をターゲットに予約しておくという方法で政治的に妥協すればよい。
カジノそのものがこれ以上日本は発展しないからカジノでも導入したら、という危機感に訴える構造改革派の連中から出てきた議論くさい。それよりも5%の経済成長を今後15年断固続けるというまともな政治を行っていれば、カジノ論議なんかそれほど対立的なものとならないはずだ。景気がよく、余裕があれば国民の普通の娯楽としてカジノくらいすんなり導入できるだろう。カジノはそんなに大それた問題ではないはずなのだ。
日本は道草を食ってないで、もっと大きな当たり前の政治・経済政策をやるのが先だろ。
Posted by 渡久地明 at 23:34│Comments(2)
│沖縄観光の近況
この記事へのコメント
なるほど!少しはカジノに対しての警戒感が薄れました!なにも焦る必要は無いですね!
Posted by kojaking
at 2008年12月20日 06:27

>kojakingさん
復帰前のコザ市議会でカジノ導入が議論されたことがあります。
カジノができたら1日百ドル使う観光客が来る、と提案推進派が述べたら
議会が騒然となって、そんなことあるはずない、という雰囲気になりました。しかし議会で話が出ただけで、世界中から運営に協力したいという申し出があったそうです。結局、時間切れ廃案になりました。
客観的に見れば、推進派がいっていることが正解だったんですが…。
復帰前のコザ市議会でカジノ導入が議論されたことがあります。
カジノができたら1日百ドル使う観光客が来る、と提案推進派が述べたら
議会が騒然となって、そんなことあるはずない、という雰囲気になりました。しかし議会で話が出ただけで、世界中から運営に協力したいという申し出があったそうです。結局、時間切れ廃案になりました。
客観的に見れば、推進派がいっていることが正解だったんですが…。
Posted by 渡久地明
at 2008年12月20日 10:32
