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2009年05月09日

連休中に読んだ(買った)本

 連休前後、新たに開業したジュンク堂を見に行ったときなどに買った本。

 (1)『世界大不況からの脱却』(ポール・クルーグマン、早川書房、09年3月25日(99年早川書房『世界大不況への警告』の改定増補版)、1500円+税)
 (2)『格差はつくられた』(ポール・クルーグマン、早川書房、08年6月25日、1900円+税)
 (3)『世界同時不況』(岩田喜久男、ちくま新書、09年3月20日、700円+税)
 (4)『金融危機の経済学』(岩田喜久男、東洋経済新報社、09年2月19日、1600円+税)
 (5)『「1929年大恐慌」の謎』(関岡正弘、PHP研究所、09年2月18日(89年ダイヤモンド社『大恐慌の謎の経済学』の改定改題版)、1800円+税)

 (1)は「観光とけいざい」(09年4月15日付)にも大雑把な紹介文を書いたが、日本のバブル崩壊など、この20年で起こった世界各地での不況が今日の世界大不況とよく似たものであると詳しく述べている。その解決には1930年代の世界恐慌を切り抜けたケインズ流の政策が、いまこそ有効であるとしている。90年代に今日の世界大不況を予言していたのも驚きだが、それらが昨年のノーベル賞の受賞につながったと見られている。
 
 (2)は未読だが、内容はアメリカの富裕層(白人たち)が自分の稼いだカネを貧困層(黒人)に分けるのがいやで、マイケル・ムーア監督の「シッコ」で現れたようなアメリカの医療制度(その他あらゆる問題)が出来たとする内容(と思う)。その解決策も示している。
 
 (3)はいま起こっている世界同時不況の発生の原因から説きおこし、解決策を示している。昭和恐慌の研究成果、バブル崩壊後の日本経済の説明から、30年代の高橋是清の財政金融政策(金本位制離脱と国債の日銀の直接引受)と同等の政策が有効であるといっている。税制についても民主党が提案している給付付き税額控除制を詳しく解説し、支持している。葬式で福岡を往復したが、その機内で読めた。
 
 (4)はまだ最初の方(サブプライムローンを証券化するやり方)しか読んでいない。
 
 (5)はストックの経済学とフローの経済学を統合するという著者の考えを示すものだが、日本のバブル崩壊、今日の世界不況のメカニズムを明快に説明している。題名通り謎解き風の記述となっている。連休はじめ(5月3日)に、トミトンで醤油ラーメン(大盛り)を食べ、隣の戸田書店で買った。豊崎ビーチに上半身ハダカになって寝そべって読み始めたら面白いので(おかげで真っ黒)、その日の内に(クソ暑いので事務所に戻って)全部読んだ。
 
 なお、ジュンク堂の開店は県内日刊紙で大きく報道された。5月5日にいってみると、経済関連の書棚に前から欲しかったけれども絶版になっている○○がよい状態で置いてあるではないか。ちょっと高いので買えなかったが、狙っている。定額戻し税が出たら買いに行こう。また、旧ダイナハがあったビルの一階から三階までの売場規模は確かに大きく、本当に何でもそろいそうだった。わたしがいったときには5ブースくらいある一階レジに30人前後が列を作っていたのにもビックリした。何で2階にもレジを置かないのだろう。
 
 ダイナハが閉店して閑散としていた沖映通りに活気が戻っていた。



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Posted by 渡久地明 at 13:09│Comments(0)デフレ脱却
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