てぃーだブログ › 渡久地明の時事解説 › デフレ脱却 › 改めて、ハワイに行けなくなった日本人

2009年07月20日

改めて、ハワイに行けなくなった日本人

「20代、海外旅行離れ 余裕のない暮らし反映か JTB」
http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY200907190219.html

 という記事が今日の朝日新聞に出ている。

 「調査会社の分析だと、金融不況が起きた97年を境に、勤労者の世帯収入や有給休暇の取得日数が減少に転じ、特に若者が観光で海外を旅行する余裕が失われているという」。

 元のレポートを見ていないが、だいぶ前にわたしが述べた次の記事と同じ結論のようだ。

<不況でハワイに行けなくなった日本人>
http://toguchiakira.ti-da.net/e1780710.html

<ハワイに行かなくなった日本人>
http://toguchiakira.ti-da.net/e1799325.html

 ちなみに、わたしのハワイの最新レポート

<ハワイ競争激化、価格下げる>
http://www.sokuhou.co.jp/backno2/767.html#t1

 をHPにUPしてある。過去の観光客数など数値の変化を分析した結果、ハワイの観光客は上限に達したようだとこれまで述べてきた。それを現地で確認したいと思っていたところ、偶然、行く機会があったので、それに絞って話をまとめてある。理屈通りの結果になっていたと言える。

 なお、すぐリンク切れになるので、続きを読むに朝日記事をコピペしておいた。元記事には20代と60代の海外旅行者数のグラフも付いているが、省略した。

20代、海外旅行離れ 余裕のない暮らし反映か JTB
 
 20代の海外旅行者数がこの10年で4割近く減ったことが、旅行大手JTBの調べで分かった。安定した職に就けない若者が増える一方、正社員も収入や休暇が減っている。就職氷河期を経験した「ロストジェネレーション」の余裕のない暮らしぶりが海外旅行需要にも表れている。

 JTBが法務省の出入国管理統計などをもとに観光、出張などで海外へ出かけた人数の推移をまとめたところ、98年には414万人だった20代が、08年は262万人と37%減。この間の20代の人口減少率22%を大きく超える落ち込みぶりだ。特に20代女性の98年の海外旅行者数は261万人と、男女・年代別で最も多かったが、08年は160万人に激減。出張が多い30〜50代男性に海外旅行の「主役」の座を譲った形だ。

 一方、60代の海外旅行者はこの10年で154万人から214万人に39%増。この世代の人口増加率13%を大幅に上回って伸びている。

 JTBグループの調査会社が08年の海外旅行経験者約2700人に行ったアンケートによると、1回の旅行日数は最短の「1〜4日」が33%で02年から9ポイント増。旅行費用は1人1回平均25.9万円で02年から3.4万円減った。行き先も韓国、中国がハワイや米本土を大きく上回り、「安・近・短」志向が鮮明だ。

 調査会社の分析だと、金融不況が起きた97年を境に、勤労者の世帯収入や有給休暇の取得日数が減少に転じ、特に若者が観光で海外を旅行する余裕が失われているという。(朝日09年7月20日、04:39)


同じカテゴリー(デフレ脱却)の記事
MICE債の発行
MICE債の発行(2017-09-26 00:35)


Posted by 渡久地明 at 10:42│Comments(2)デフレ脱却
この記事へのコメント
はじめまして。

この新聞記事は大袈裟過ぎますね。
下のグラフを見ると一目瞭然ですが、この10年で20代人口が大幅に減り、60代人口は大幅に増えています。特に、大都市近郊でこの傾向が顕著に見られます。

日本の主要都市の年齢別人口グラフ
http://homepage3.nifty.com/joharinokagami/110001.html

社会に出たばかりでお金のない20代の人口が大幅に減り、退職金や貯蓄のある60代の人口が大幅に増えた。20代の海外旅行者数が減り、60代の海外旅行者数が増えたのは、ある意味当然でしょう。

現在の20代はバブルを知らない世代なので、趣味嗜好が質素になっているのかも知れませんね。

ちなみに、就職氷河期世代は現在30代後半、超就職氷河期世代は現在30歳前後なので、この記事の記述は少しズレてますね。

あと、1990年代後半から世帯収入が減っているのは、この頃から給料の高い中高年層の定年退職が次第に始まり、と同時に、若い団塊ジュニア世代が社会にどんどん出て来たせいもあるでしょうね。
Posted by ponpon at 2009年07月20日 19:51
>ponponさん

朝日の記事は、20代の人口減少率を大幅に下回って海外旅行者数が減っていると明快に書いてあり、言葉を代えれば

20代人口に占める20代の出国率が減った

ということで、それが問題意識になっている。

この問題は旅行業界では数年前から話題になっていることで、収入が減っている、チャレンジ精神がなくなっているのではないか、ということなどと関連づけて議論されているものです。

わたし自身は不況で国民の給与所得が97年以降どんどん減っているため(<ハワイに行かなくなった日本人>の記事にあるグラフ参照)、記事にあるように「余裕のない暮らしぶりが海外旅行需要にも表れている」と考えています。

なお、人口問題についてはponponさんの方が詳しそうですね。情報提供ありがとうございます。
Posted by 渡久地明渡久地明 at 2009年07月20日 21:58
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。