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2009年10月25日

米軍基地問題、いまは沖縄の世論が重要

今日の沖縄タイムスの2面で、吉元政矩・比嘉幹男の両元副知事へのインタビュー記事が出ている。沖縄側からの発信をしっかりやれというものと読んだが、タイミング良く軍事ジャーナリストの神浦元彰さんがHPで次のようにコメントしている。

読者からの、「神浦さんの新報記事にあるように、普天間に居座ると米軍が密かに方針を転換したのなら、北朝鮮問題解決後は米軍は撤退するのでは」という質問に対して。

(前略)そうなんです。アメリカは北朝鮮が片付けば沖縄から海兵隊を撤退すると考えていました。アメリカもそのように考えて米軍再編を行ってきたと思います。ところがグアムの海兵隊基地の環境の悪さに気がついたのです。そこでこのまま沖縄に居座るか、ハワイやカリフォルニアに帰るか、そのどちらかで悩んでいるのではないでしょうか。

ゲーツ長官の今回の訪日で、今までの流れは変化したように思います。

中国の海軍力が増強されても、日本や韓国の軍事力を合わせると、沖縄(東シナ海)の安全性はまだまだ高いものがあります。そこで中国との軍事対決に備えるというよりも、使えるうちは沖縄をこれからも使いたいという願望です。

しかしそれでは、沖縄の基地負担を減らすために在沖海兵隊がグアムに撤退するという約束は反故になります。普天間飛行場は危険なので代替え基地に移すという代替えの問題とは別です。それをあえて絡めてきたゲーツ長官の発言も奇妙です。「辺野古沿岸に基地ができないならグアム移転や沖縄の米軍用地の返還もない」という言葉です。

まだ推測の段階ですが、6月4日に米海兵隊のコンウェー総司令官が米上院軍事委員会で行った証言は重要です。「グアム移転は難しいから見直したい」という証言です。数日後に発言を撤回しましたが、撤回で海兵隊の意思が変わったわけではありません。

いくら米軍の戦略がコロコロ変わっても、沖縄の人々が辺野古沿岸の基地建設をどう思うかが大事です。もし辺野古に新基地ができるなら、海兵隊は沖縄に居座り続けることになると思います。無理なら、グアムに小規模な出撃基地だけを作り、在沖の大部分の海兵隊は米本土に撤退するでしょう。

ゲーツ長官やコンウェー海兵隊司令官は、日本政府の対応と沖縄県民の反応を見ています。これからが一番大事な時期になります。どんどん沖縄の民意を発信してください。日本政府や米軍の顔色を見る必要はありません。私は嘉手納統合しか、普天間基地問題の解決はないと思います。もう沖縄で米軍基地問題が「打ち出の小槌」になることはありません。それでも名護市長選が大きな山になります。

悪いことは、最もわるい時と場所で起きるといいます。この緊張した時に普天間飛行場で米軍機の事故が起こらないことを祈るばかりです。

※そちらで場所が確保できれば、私が沖縄に行って話すことは可能です。沖縄の人の意見も聞きたいと思います。友人のかたと相談してください。講演料は泡盛1本で結構です。旅費も自分で出します。(オバマ大統領の訪日後がいいでしょう)。


Re:メールにお返事「在沖海兵隊は朝鮮半島有事が片付いても沖縄に居座る気なのか」
http://www.kamiura.com/remail/index.html



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Posted by 渡久地明 at 19:55│Comments(0)返還基地の跡利用
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