てぃーだブログ › 渡久地明の時事解説 › 琉球の風(区別不能の原稿) › 海治広太郎の沖縄21世紀戦略メモ

2010年07月30日

海治広太郎の沖縄21世紀戦略メモ

 ちょっと言葉を省略しすぎの感じだが、海治広太郎さんのメモが届いたので、そのまま掲載します。コメント歓迎だそうです。

海治広太郎の沖縄21世紀戦略メモ

1.沖縄県固有の資源
 A. 米軍基地
 B. 県民の独立心と国際的商人(交易)文化
 C. 温暖な気候と花粉症フリー
 D. 海と平和を願う心

2.資源を生かした開発戦略
 A. 米軍基地を生かして国際的ビジネスを育てる(利益を生み出すために日米が共同で投資する)
  基地は、返還するよりも、米国と協力し、あまり手を加えず(コストをかけず)に租界(治外法権を持つ究極のフリーゾーン)として平和利用(軍事利用から民生利用に転換)する。米国軍人の天下り先、再雇用先になるようなビジネス(カジノ、警備保障、国際救助、世界の山岳警備隊の訓練と交流など)を提案(利益誘導)することで、米軍との協力関係を確立する(太陽政策(基地反対・返還要求は北風政策))。

 B. 独立心と交易文化を生かし、次世代を国際的商人として育成する(正規軍方式からゲリラ方式)
  政府(通産省)に支援された戦後日本の総合商社(正規軍方式)では、もはや多様化した国際市場に浸透することはできない。ユダヤ系や華僑を見習い、商人一人一人の個性と創意工夫を生かせる営業スタイルに転換しなければならない。海外に単身で乗り込み、現地の住民を組織し、販売組織を構築できるオルガナイザーを育てる(ネットワーク展開=ゲリラ方式に切り替える)必要がある。沖縄県民は、これまでも自営業者として海外の現地社会に溶け込んでビジネスを展開してきた実績があり、今後主流になるビジネス・スタイルでは、縦社会の伝統の強い県外の人々よりも、はるかに高い能力を発揮する。ただし、薩摩侵攻以降、サトウキビを中心とするモノカルチャー経済を強制され、県民が国際的ビジネスのノウハウを失っているため、学習能力の高い青少年を対象に最新の商人教育を施す必要がある。

 C. 温暖な気候と花粉症フリーを生かし、国際交流、語学の学習、そしてビジネスに役立てる
  沖縄の気候は、海洋性気候であるため、全般に夏は涼しく、冬は温暖だが、低緯度にあるため、夏は比較的高温になる。関東以北の住民にとっての避寒地として特に魅力がある(付加価値が高い)のは冬季だと考える。これまでのような観光リゾートの発想では、設備投資コストがかさむ上に、季節変動が大きいことで年間の稼働率が低く、不況下におけるビジネスモデルとしては成立しない。やはり、これからは、リゾート展開よりも、避暑・避寒地として、富裕層の長期滞在と国際交流を狙った方が客単価が高く、環境負荷が少ないために、県民にとってのメリットが大きい。また、県民にとっては、沖縄の冬でもかなり寒く感じられるため、緯度による体感温度の差を上手に活用し、県外の避寒客を受け入れた分、県民が沖縄よりもさらに温暖かつ滞在コストの安い東南アジアを避寒地として利用し、その差額を利益として獲得する一方、東南アジアで語学を学び、ビジネスを展開するというモデルを考える必要がある。逆に沖縄よりも気温の高い東南アジア国民は、一番暑い夏に沖縄を避暑地として利用できる。
 ・ ターゲット市場
  i) 冬の関東以北の住民(特に北海道民)にとっての避寒地
  ii) 春と秋の県外住民にとっての花粉症逃避地
  iii) 夏の東南アジアの富裕層にとっての避暑地
 ・ 発想の転換
  市場を囲い込むためには、他地域との戦略提携によるパッケージ化や複合展開が必要
  - 冬場に県外住民が南下した分、県民は東南アジアに南下して語学を学び、商売をする。
  - 夏場の避暑地になる北海道とセットにし、航空会社と組んで「冬は沖縄、夏は北海道」という観念を定着させる。(道民は、サハリンや中国北部に北上し、その期間を語学学習やビジネス展開に充てる)

 D. 海と平和を願う心を生かし、沖縄を世界平和と共生のシンボルとして演出する
 資源浪費型の観光業は環境負荷が高く、持続性に欠ける面がある。むしろ環境保護と平和への強い願いを国際的にアピールするために「沖縄の海」を利用する(宣伝広告に利用する)方が得策ではないか。沖縄の海を平和と共生のシンボルとしてアピールする。

3.初動
 A. 米軍基地を生かす - 対本土、対米国のロビー活動。沖縄に駐留した海兵隊の将官クラスに関する情報の収集と後援団体の組織化。
 B. 県民の独立心と国際的商人(交易)文化を生かす - 商人としての基礎的訓練として、青年たちに行商をさせる。批判は多いものの、現代の行商システムとしては、マルチ商法が優れている(公費を使わずに教育できる)。米国に展開するにはHerbalifeが有利である。まず、それぞれの地元で営業させ、成績優秀者を本土に送り込み、本土での成績優秀者に短期集中的な語学訓練を施し、米国に送り込む。米国に送り込まれたスタッフがA.の活動を支援するのと引き換えに、活動を支援する。
 C. 温暖な気候と花粉症フリーを生かす - JALの再建計画と連動させることで、政府の資金を引き出す。
 D. 海と平和を願う心を生かす - 行政が中心になって平和運動と海洋環境保護運動に取り組む(ハリウッドと連携して映画を制作する)。

4.最終目標
 A. 米軍基地を(米国やロシアを含む環太平洋連邦の)国際管理に移行させる。沖縄が環太平洋連邦のセンターになる。
 B. 既存のシステムを利用して販売ネットワークを形成、市場を確保した後に(二段ロケット戦略)ネットワーク型の総合商社を沖縄に設立し、世界有数の財閥に育てる。
 C. 長期滞在型交流システムによって県民と環太平洋国民との大規模な交流を進め、沖縄の支持者を増やすと同時に、環太平洋連邦を推進し、その枠組みの中で、沖縄と台湾の自治を達成する。
 D. 沖縄が世界平和と環境保護のシンボルになる。

5.以上の構想を実現するための条件 - 沖縄をリーダーとする日本の政界再編
 I. 来る知事選を契機とする県民の大同団結と挙県体制の実現
 II. 沖縄に関心のない政治家を落選させる運動(米国のユダヤ系圧力団体AIPACを参考)
 III. 政界再編の本土波及とインターネット選挙による政界再編と救国政権
 IV. 沖縄関係者が旗を振り、日本国民の総力を結集した対米交渉と環太平洋連邦運動


同じカテゴリー(琉球の風(区別不能の原稿))の記事
ヒューマンデバイド
ヒューマンデバイド(2023-07-01 04:12)


この記事へのコメント
明さん、掲載ありがとうございました。まだ試案の段階なので、みなさんのご意見を参考にしながら、加筆・訂正していきたいと思います。ご質問、歓迎いたします。
Posted by 海治 広太郎 at 2010年07月31日 08:15
 海治さん、沖縄は我が故郷ですが、ウチナーンチュだけにその良さも悪さも見えてしまいます。

 沖縄の今後については、米国に頼るより中国に頼るべきだと私は思います。中国人は日本人に反感を持っていても、沖縄人には好感を持っているはずです。さらに言えば中国と沖縄が昔の絆を取り戻すには「琉球宣言」をしなければなりません。琉球王国は琉球処分で消滅しましたが、遣唐使の時代を中国に思い出させ、いかに琉球が中国との絆が強かったかを思い出させる必要があります。中国人は面子さえ立てれば米国より頼もしい隣人になります。観光にしてもハワイやカリブ海リゾートで遊ぶ米国に頼るより、中国にサンゴ礁の海を売りこんだ方が、これからの沖縄経済を50年間自立安定させることが可能です。
しかし、それにはただ沖縄の観光を売り込むのではなく、琉球の歴史から掘り起こし、中国人に琉球は同胞の邦だと親近感を持たせる必要があります。それは難しい交渉です。これまでのようにキャラバン隊を送るという発想では成し遂げられません。沖縄が独自のしたたかな外交意識を持って、日本政府、米国との協調を損なわず、琉球として中国に接近しなければなりません。政治的な接近も必要ですが、焦ることなく民間レベルでじっくり浸透させる努力が必要です(県名を変えることは可能だろうか?変えるのではなく戻すのですが)。

 また、私は沖縄に「変らない」と宣言もしてもらいたい。それは、各都道府県が経済発展のために、変革だ改革だなどといって、すべてを変えようとする中で「変らない」ことがいかに大切で素晴らしいか、そして「変らない」ことは変わること以上に大きなインパクトがあることを解ってもらいたいのです。人々が安らぐのは、けっして発展して変わってしまった姿ではなく、いつまでも変わらない悠久の風景です。
変わるというのは、変わり続けなければなりません。永遠に変わり続けるのでしょうか。そんな疲れることはやめるべきです。それは競争と同じで走り続けなければ負けることを意味します。ですから、そういうことは放棄して「変らない」と宣言してしまえば、沖縄は国内で---下から何番目だということを気にする必要はありません。県民性は人格と同じで、長所と短所があります。だからといって、短所を負と感じることも恥じることもないのです。それが負であるかどうかも不確かであるし、人格が短所も含めて自分自身でであるように、県民性も同じことです。我々は我々であると長所短所を自認するだけで人格も県民性も向上し、風格が増すはずです。誰かの、何処かのコピー模造品ではなく、琉球が持っていた、まだ持っている独創的なものを変えないことです。

 米軍基地有効に使う発想は理解できます。しかし、それは多くの沖縄県民の理解を得ることはできないでしょう。昨今の政治家は経済を優先しがちですが、生活の、そして幸せの基準は、経済的豊かさにあるのではなく、生活の満足感です。経済や金は、もっと欲しがるという麻薬的な効力があります。もっと欲しいと貪欲になっている間は幸せはありません。生きている満足、そして少々の誇りがあれば人は幸せです。それが最終的に行きつくべき所ではないでしょうか。

 海治さんには、小さな方法論ではなく、経済がどうのこうのという前に、国民が幸せになるための、行き着くところを示せる政治家になって欲しいと願います。

 長くなりました。海治さんが沖縄の政治に関心があるのでしたら、前述の件、ご参考になれば幸いです。
Posted by 島袋正克 at 2010年08月03日 23:51
島さんへ

 沖縄が今後、米国に頼るより中国に頼るべきだ。まったく同感です。そのために琉米・琉日関係をどうするのかがポイントですね。
 「変らない良さ」という指摘もその通りだと思います。
 米軍基地を有効に使うという考え方では多くの沖縄県民の理解を得られない。残念ながら、その通りだと思います。もうしばらくの間は、ウチナーとヤマトゥとアメリカとの不毛なだまし合いが続くのでしょう。
 米軍基地利用、県民の独立心と国際的商人(交易)文化、温暖な気候と花粉症フリー、海と平和を願う心などの方法は、決して目的ではなく、上記の三者、中国を加えた四者が心を開き、本音を語り合うための過程であると捉えています。言葉が足りなかったと思いますが、この点についてご理解いただければ幸いです。
 「国民が幸せになるための、行き着くところを示せる政治家になって欲しい」との励ましの言葉、本当にありがとうございました。私には、少々荷が重いような気もしますが、自分でもやりたいことなので、精一杯頑張ってみます。
 まだ技術的な内容しか書けていないので、島袋さんのご意見も参考にして全体の枠組みを考えてみます。

海治 広太郎 拝
Posted by 海治 広太郎 at 2010年08月04日 01:23
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。