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2010年11月25日

海兵隊撤退を要求すべきだ

北朝鮮が韓国の島を攻撃したことが大きなニュースとなったが、いよいよ北朝鮮の末期症状ではないか。

北朝鮮がどうやって片付くか分からなかったが、これが末期症状だとすると、沖縄海兵隊の撤退がますます近づいた。

もともと沖縄県は2015年までに朝鮮半島問題が片付くだろうと予想して、基地返還アクションプログラムをつくっていた。それも1994年頃だ。北朝鮮問題の解決をはじめTPP、中台関係などの世界情勢をかなり精密に予測していたから驚きだ。

沖縄米軍の大きな役割は朝鮮半島問題への対処であり、一方の中台は経済的な結びつきが強固なものとなり、紛争が起こったとしてもエスカレートするとは考えられない。

だいぶ前になるがアーミテージにインタビューした際「沖縄基地に長居はしない。アジアが安定したら(沖縄から)出ていく」といっていた。あれから10年たった。いよいよその時期が近づいたのではないか。

知事選の報道で海兵隊のグアム移転は伊波氏の持論とされているが、独自のことをいっているわけではない。アーミテージ発言、海兵隊のグアム移転に関する海軍の環境影響評価書(『沖縄の海兵隊はグアムへ行く』(吉田健正)という本、また、先に紹介した『こんな沖縄に誰がした』(大田昌秀)にも詳しい解説がある)、米でさんざん議論の的になっている基地閉鎖統合プログラムと議会での軍の予算削減問題に加え、北朝鮮の末期的症状を見るとあらゆるベクトルが海兵隊の撤退を向いている。最後に残るのは日本政府の米軍にいて欲しいという問題だけだということが鮮明になってきた。伊波氏は持論というより、軍事的にまともなことをいっているのだろう。

沖縄県知事は天に向かって海兵隊の県外移転を唱えるのではなく、政府に対して要求すべきだ。

ちなみに小沢一郎氏が民主党代表選で海兵隊の撤退論を唱え「そう遠い未来ではなく、10年かそこら」で解決するというようなことをいっているのをテレビで見た。小沢氏もかなりの軍事通であることをうかがわせる一言だった。



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Posted by 渡久地明 at 21:26│Comments(2)返還基地の跡利用
この記事へのコメント
それでも沖縄の人たちが仲井真知事を選ぶのはなぜなのでしょうか。
しかも大差で。

沖縄の若い人達はもはや、基地のない沖縄を描けないのではないでしょうか。「米軍基地がないと生きていけない人もいる」という発言は、いかにも人を思いやるやさしさに見えながら、実は自分たちで自立経済をつくらない(つくりたくない?)言い訳にも聞こえます。

副知事候補に中堅世代の経営者の名が目立ち、企業者寄りの政治嗜好があるのではないかと思われてなりません。企業人が企業人でなく、最終的な名誉職として県知事や県幹部を目指す構造があるのでしょうか。仲井真さんの当選は政治の劣化に見えます。

ぜひ県知事選挙の結果のご高説も賜りたく。

なお、沖縄関連のブログを見ると、沖縄在住者にも口汚いネット右翼が蔓延しているのがよくわかります。沖縄の若い層が取り込まれている気がしますね。
Posted by hara at 2010年11月29日 20:40
>それでも沖縄の人たちが仲井真知事を選ぶのはなぜなのでしょうか。

仲井眞氏が県外を主張した段階で、勝負は決まっていたのでは。そのようなムードが広がり、わたし自身、「盛り下がっている」「誰も投票しないのでは」と感じていました。

経済では仲井眞氏が使う経済のキーワードが的確でした。

特に観光産業の量と質の問題で

「600万人程度ではまだまだ量が質に転換するまで行かない。もっと量を増やし、それを土台に質を高める」というようなことを言ったのは、大正解でした。

もっとも、投票した人のどの程度が双方の議論を見て判断したのかは、わかりませんけど。双方で組織票の戦いだった。

今回の選挙は仲井眞氏の失点があまりなく、バカな民主党がだらしなさ過ぎて、どちらでもいいという厭戦ムードが広まった。伊波氏はそれを覆せなかった。

また、わたしが上に述べたことは沖縄では常識にはなっていないということもある。しかし、昨日今日のウィキリークスの情報によると、

<中国政府高官2人が「朝鮮は韓国の管理下で統一されるべきだと信じていた」と説明>
<北朝鮮が米国の影響力を緩和する「緩衝国」としての価値をほとんど持たなくなった>
<韓国が中国に敵対的な姿勢をとらない限り、統一朝鮮はソウルが管理し、米国はその「無害な同盟国」になる状態が中国にとっても「心地よい」>
<北朝鮮が経済的にはすでに崩壊しており、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死後、「2、3年で体制が崩壊するだろう」>

といったことが韓国や中国の当局者から出ており、北朝鮮崩壊が近いと国際社会が見ているのは間違いないです。

金正日死後2、3年、2015年頃の崩壊が予想さているようで、このときはホントに普天間基地は不要となります。沖縄県の基地返還プログラムは本当に大したものでした。

その時はもはや県外(国内)移設はナンセンスで、海兵隊はグアムまで撤退するでしょ(中国が沖縄米軍を嫌がるので。グアムまで下がってくれと言う中国と米の交渉が行われる可能性もあると思う)。

それが見えないうちは、仲井眞氏の県外移設と、伊波氏のグアム移設の両方を同時並行的に政府(日・米)に要求するのがよいと思います。そのくらい簡単だと思うんだが。
Posted by 渡久地明渡久地明 at 2010年11月30日 23:45
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