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2011年01月12日

ブレーンに聞く菅政権の成長戦略

 菅首相のブレーン、宮崎徹内閣府参与の講演会「最近の景気状況と政府の成長戦略」がきょうあり、参加した。30人くらいが集まった。
 
 (大幅に前略)
 
 景気の現状認識は需要不足であるというのは同意。
 
 ケインズ型の公共投資、バラ撒き政策が第一の道、第二の道が小泉流の供給サイドの強化で、これは不完全雇用の元では間違い。かえって不況が深まる。第三の道として介護、役に立つ公共投資など課題解決型の需要回復策…と言っているのは周知の通り。
 
 そこで介護やエコ分野などに投資する新成長戦略が出てくる。
 
 エコポイントは相当効果的な政策で、投入予算6850億円に対して、税収は1兆560億円に上ったという(←この部分ニュース)。

(大幅に中略)
 
 質疑応答があったので私も「ハイ」と手を挙げ
 
 「先生、エコポイント対象分野だけでなく、国民にエコポイント予算の100倍を渡して全産業で需要を回復させれば、100兆円の税収が得られるハズであり、なぜそれをやらないのか。国民にカネを配る議連もできている」
 
 と聞いたら、
 
 「そんなに多くの需要はないだろうし、成熟社会であり、カネを渡しても国民は使わない」
 
 という答。
 
 (それだけカネをバラ撒けば、持っているのが損なのでみんな使うはずだと思いながらも)
 
 「いま、国民へのニーズ調査で30万円あれば何に使うかと聞いたら多くの人が『旅行』したいと応えている。エコポイント部門と国民の希望は違うじゃないですか」と述べたら、
 
 「…政策の参考にしたい」
 
 という答。苦し紛れのようだったけど。
 
 なお、エコポイント分野、介護分野に予算を投下する際の説明は下図(見にくいけど元がコピーのコピー…となっている)を示しての説明だった(小野善康氏の説明ということであった。小野氏は首相の有力ブレーンで消費税を増税しても、全部介護分野に使えば景気は回復するという論者)。

ブレーンに聞く菅政権の成長戦略



 私の指摘は『当該分野』と言う部分を全産業に置き換え、その実現のためには国民への一律50万円のバラ捲きが良いという趣旨だ。
 
 上の図で、『当該分野』として予算を限定してケチっているから、規模が小さすぎていつまでたってもデフレから脱却ができないのが現状だ。とはいえ、あと少しで正解に届きそうなのだ。
 
 さらに、政府が『当該分野』を絞り込むことそのものも間違いだろう。国民が必要なor好きな分野にカネを使うことで(市場原理で)、全産業分野に万遍なく行き渡るよう需要回復させることでデフレから脱却できる。エコポイントで実証済みなのに、何を政府は躊躇しているのか???



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Posted by 渡久地明 at 22:22│Comments(1)デフレ脱却
この記事へのコメント
素人考えの、ごく素朴な感想ですけど……。
その講師、クラウディングアウトを恐れているから、バラ捲きを支持しないんじゃないですか?
そんな、極めて明快な理由だと思いますよ。
介護の分野は、ほんとうに困っている人たちが多いから、金をもらったらさっさと使うだろうけど、大半の分野の対象者は、子ども手当のように、使わないで貯蓄に回してしまう可能性が高いんじゃないかなぁ。札を拝みながら「旅行は行ったつもりにして、やっぱ、将来のために貯金しようっと!」って行動をとるんじゃないかなぁ。日本人の、保守的かつ安定志向は、もはやDNA的…と表現してもいいくらいじゃないかなぁ。
貯蓄に回されると、その預金は、再び、国債引き受けに。その結果、内需拡大効果がほとんどないまま、デフレが続く。
個人金融資産は、設備投資や技術開発に結びつかなくっちゃあ、ね。
日本の個人金融資産は1400兆円といわれているけど、大半が国債に吸い取られるかたちになっているから、実質的に使える額はあと100兆円くらいしかなくって数年で底をつく…って話でしょ。
底をついたら、日本国債の国際的な信用度は決定的にガタ落ち。急激な金利高騰が起きてクラウディングアウト。自己資本を大きく毀損した銀行や信用金庫などは破綻…と、その講師は、危惧しているんでしょう。
バラ捲き=亡国行為、とさえ、思っているかもしれませんよ。いうまでもなく、いまや、一般会計のなかで、税収より国債発行額のほうが上回っていますからね。
ところで、民主党政権は今後、赤字国債を極力圧縮し、増税をして歳出確保を目指す方向へ舵を切ったようですね。与謝野さんも招き入れたことだし。
以上、ほていさまの感想でした。
Posted by ほていさま at 2011年01月17日 18:09
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