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2005年04月27日

構造改革でますます不況になる

2000年の沖縄はサミットにわいていた。

しかし、景気はそれほど良くはなかった。

7月のサミットで観光客が増えるだろうという予測は見事に外れ、4月から伸び悩み、サミット開催の7月に観光客数は前年比25%減となる。

この時、盛んに論じられたのが、調子が悪いときにこの際「うみ」を出しきって、体質改善、構造改革すべきだ、というものである。

翌01年はご承知の通り、テロで沖縄も大きな打撃を受けたが、02年にはV字形に回復させることに成功した。

この間、緩やかに前年割れした00年にあれほど盛んにいわれた観光業界の構造改革は、テロでそれどころではなくなったのだった。本当に落ち込んだときには構造改革どころではないのだ。とにかく人を増やすためにあらゆる努力がつぎ込まれた。

再び観光客が増えたころには、落ち込んだときに見えた「うみ」のようなものはもはや問題にならなくなり、業界は元気を取り戻し、いま、改めて本格的に体質の強化が図られている。

雨が降らずダムの水位が下がり、こんなものがまだあったのかと水面から底が透けて見えた。これをきれいにすべきだ、といったのが構造改革だった。しかし、ダムの底をきれいに掃除しても水がなければ話しにならない。雨が降り、水位が上昇してはじめて水が各地に行き渡るようになり、人々は潤う。

底が見えたダムは泥だらけだったかも知れないが、さらに干上がると今度は虫がわき、病気も蔓延するだろう。ダムの底をさらうのは後回しにするか、そんなものは気にしないでいいほど常に豊かに水がある状態に保つ努力をすべきだ。

構造改革なくして、景気回復はない

というのは

ダムの底をさらわなくては、ダムは満水にならない

といっているくらい今の日本の不況脱出に関係がない。

テロとその後の回復で沖縄の観光業界はその成り行き徹底的に体験して知っている。

(はずなんだけど、分からない人のほうが多いなあ。とほほ)


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Posted by 渡久地明 at 22:27│Comments(0)デフレ脱却
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