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2005年08月04日

観光情報学会、大内会長の寄稿より

 観光情報学会の大内東会長が「週刊ホテルレストラン」(=この分野の名門雑誌。(株)オータパブリケイションズ、05年7月8日付)に観光情報学会沖縄大会のもようを寄稿している。同誌は表紙で<特別企画第2回観光情報学会全国大会〜メインテーマは「観光と情報のシナジー(融合)」>とトップ見出しで紹介、5ページの大型特集になっている。大内教授はわたしの「沖縄観光成長の法則」に基づく観光客数の見通しについて、分かりやすくコンパクトに触れておられるので、その部分を転載する(全文は同誌をお買い求め下さい)。観光情報学会、大内会長の寄稿より

2018年には1000万人の観光客の入り込みを算定

●パネルセッション1

 「観光と地域経済‐データで見る観光」では、沖縄公庫融資第一部の譜久山當則部長、沖縄観光速報社の渡久地明編集長、琉球大学の大城肇教授が登壇。譜久山氏は、八重山地域の域内GDPに対する観光収入が35%に及んでおり、離島にとって観光産業が地域の雇用を生み出し、決定的に重要な産業になっていることを数値で示している。

 その上で、沖縄観光がここ数年好調なのは運賃自由化による低価格化、NHKドラマ『ちゅらさん』による露出効果を指摘している。沖縄の文化が注目され、文化に根差した県民性や特産品なども注目される好循環を生んでいると解説している。

 渡久地氏は過去30年間の観光客数のデータを、今までの客観的な事実を踏まえ説明している。「ホテルの客室数の増減にしたがって観光客数も増減している」という分析で、過去の観光客数の推移がセミログのグラフ上できれいな右肩上がりの直線になり、世界の観光地でも同じことが起こっていることから2013年に800万人、2018年には1000万人に達するという見込みを述べている。また、「この間に新たな空港拡張が絶対条件になる」とも述べている。

 また、大城氏は、沖縄のGDPを予測する「琉球大学経済予測モデル」を使って、観光客数を割り出す手法を採用、客室数の増加が観光客の引き込み要因になることが、昨年、渡久地氏によって示されたとし、外性変数に客室数を追加。これをもとに方程式を組み、05年度の観光客数を予測したところ549万人になるとしている。

 会場からは「観光客数の追求ではなく、観光消費の拡大が全国的な課題であり、人数を議論すべきでない」との指摘があったが、これに対して渡久地氏は「観光収入は統計の取り方を変えてから落ち込んで表現されているもの。また、売り上げの拡大は個々の企業が追求すべき問題」と言うように、オーディエンスとの温度差を感じさせる話題もあった。

(わたしの記事はhttp://www.sokuhou.co.jp/library/TI/sti-okinawa.html観光情報学会、大内会長の寄稿より

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Posted by 渡久地明 at 09:37│Comments(0)観光情報学の話題
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