2013年10月01日
消費税増税で観光客は? 減らない可能性
私の新聞では見通しを述べたが、消費税増税決定を機に、ブログでも観光産業への予想を明らかにしておきたい。
まず、過去の消費税増税の影響を見ると、89年の3%導入時は好況(バブル)であり、消費税導入と引き換えに航空運賃は10%の通行税が廃止となり、かえって価格が下がった。また、物品税も廃止となった。このため観光客数への影響は殆ど無かった。
90年代なかばまで観光客数ベースで不振(横ばい)が続くが、これは円高の影響といっていいと思う。
96年から観光客数は再び伸び始め、97年の5%への増税時には円安が進み、95年の少女暴行事件を契機に日米同盟問題がクローズアップ。政府の沖縄振興策で97年から沖縄路線の発着料、燃料税を財政出動して軽減。路線新設ラッシュとなり、観光客数は絶好調となった。
この好調は沖縄サミット、911テロで足踏みしたが、小泉政権で03年の円安政策(テーラー・溝口介入)で超円安が実現し、08年9月のリーマン・ショックまで継続した。
リーマン・ショック後は円高不況で12年まで沖縄観光客数は低迷した。09年のインフルエンザや11年の震災の旅行手控えも影響があったと思われる。
安倍首相が登場した12年終わり頃から円安の影響で現在まで沖縄観光客数は好調を維持しているわけだ。
しかし、01年以降、円安の好影響で観光客数は増えたが、911テロで下げた価格がなかなかもとに戻っていないという業界人は多い。この価格が戻らない原因が、デフレの影響だと私は考える。ちなみに、沖縄観光客数は好調だったが、全国ベースの航空等乗客数は00年頃から横ばいが続いており、基本的に旅行支出全体は低迷している。
残念なのは08年のリーマン・ショック手前で小泉政権以来の金融緩和策を日銀がやめて、景気が本格的に回復しようとしたところで腰を折ってしまったことだ。08年以降の経済政策はそれ以前もお粗末だったが、輪をかけてめちゃくちゃだった。
そこで2014年の消費税導入だが、観光産業では何か引き換えに価格が下がるものがあるか。12年のLCCの参入が、89年の通行税廃止、97年からの燃料税の軽減のような役割を果たす可能性が高いと見る。
すると沖縄観光への影響は、増税しなければ人数ベースで毎年5〜6%伸びるはずだったのが、3〜4%しか伸びないという程度の影響にとまるのではないか。楽観的すぎるかもしれないが、LCCの続伸で02年〜リーマンショック前の状態までは行けると思う。なお、羽田の発着枠が拡大するとFSCが路線を増やし、LCCが羽田に入ってこないように価格を下げるという力学が働くと思う。これも人数が減らない根拠の一つになる。また、外国人観光客は円安が続けば伸びる。
ただし、不況は継続するので、滞在先での消費単価は増えない(さらに下がる)と覚悟しておくほうが良いだろう。なお、この見通しは、円ドル相場は日銀が頑張って(追加緩和も含めて)、2年後に120円くらいまで徐々に円安となることを前提にしている。そのくらいやらないと傾きかけているアベノミクスの残りの部分まで壊滅するからだ。
以上のようなことは、まえからいろんなところで言っているが、特にこの1、2ヶ月の間、私の新聞や講演で述べてきた。もちろん、増税なしで景気が本格回復したなら人数ベースで毎年5〜6%の伸び、消費単価も徐々に拡大するはずだったのが、そのチャンスは逃した。
まず、過去の消費税増税の影響を見ると、89年の3%導入時は好況(バブル)であり、消費税導入と引き換えに航空運賃は10%の通行税が廃止となり、かえって価格が下がった。また、物品税も廃止となった。このため観光客数への影響は殆ど無かった。
90年代なかばまで観光客数ベースで不振(横ばい)が続くが、これは円高の影響といっていいと思う。
96年から観光客数は再び伸び始め、97年の5%への増税時には円安が進み、95年の少女暴行事件を契機に日米同盟問題がクローズアップ。政府の沖縄振興策で97年から沖縄路線の発着料、燃料税を財政出動して軽減。路線新設ラッシュとなり、観光客数は絶好調となった。
この好調は沖縄サミット、911テロで足踏みしたが、小泉政権で03年の円安政策(テーラー・溝口介入)で超円安が実現し、08年9月のリーマン・ショックまで継続した。
リーマン・ショック後は円高不況で12年まで沖縄観光客数は低迷した。09年のインフルエンザや11年の震災の旅行手控えも影響があったと思われる。
安倍首相が登場した12年終わり頃から円安の影響で現在まで沖縄観光客数は好調を維持しているわけだ。
しかし、01年以降、円安の好影響で観光客数は増えたが、911テロで下げた価格がなかなかもとに戻っていないという業界人は多い。この価格が戻らない原因が、デフレの影響だと私は考える。ちなみに、沖縄観光客数は好調だったが、全国ベースの航空等乗客数は00年頃から横ばいが続いており、基本的に旅行支出全体は低迷している。
残念なのは08年のリーマン・ショック手前で小泉政権以来の金融緩和策を日銀がやめて、景気が本格的に回復しようとしたところで腰を折ってしまったことだ。08年以降の経済政策はそれ以前もお粗末だったが、輪をかけてめちゃくちゃだった。
そこで2014年の消費税導入だが、観光産業では何か引き換えに価格が下がるものがあるか。12年のLCCの参入が、89年の通行税廃止、97年からの燃料税の軽減のような役割を果たす可能性が高いと見る。
すると沖縄観光への影響は、増税しなければ人数ベースで毎年5〜6%伸びるはずだったのが、3〜4%しか伸びないという程度の影響にとまるのではないか。楽観的すぎるかもしれないが、LCCの続伸で02年〜リーマンショック前の状態までは行けると思う。なお、羽田の発着枠が拡大するとFSCが路線を増やし、LCCが羽田に入ってこないように価格を下げるという力学が働くと思う。これも人数が減らない根拠の一つになる。また、外国人観光客は円安が続けば伸びる。
ただし、不況は継続するので、滞在先での消費単価は増えない(さらに下がる)と覚悟しておくほうが良いだろう。なお、この見通しは、円ドル相場は日銀が頑張って(追加緩和も含めて)、2年後に120円くらいまで徐々に円安となることを前提にしている。そのくらいやらないと傾きかけているアベノミクスの残りの部分まで壊滅するからだ。
以上のようなことは、まえからいろんなところで言っているが、特にこの1、2ヶ月の間、私の新聞や講演で述べてきた。もちろん、増税なしで景気が本格回復したなら人数ベースで毎年5〜6%の伸び、消費単価も徐々に拡大するはずだったのが、そのチャンスは逃した。
Posted by 渡久地明 at 20:42│Comments(0)
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