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2005年11月26日

相手にされない稲嶺県政

 防衛庁長官、外務大臣らが相次いで沖縄を訪問している。
 
 ところが、この訪問で何か建設的な話が出たことがない。異常な状態であるといえる。
 
 政府は困っている。沖縄の誰に話をすれば状況が変化するのか、分からないのだ。政府側にも事情がある。海兵隊の撤退を「グアムへの7000人の移転、旅団への縮小」といい、戦前の大本営発表そのままで通した。もう少し、国民に軍事的センスがあったらこれが撤退であることはすぐ分かったはずだ。
 
 さらに、日米で浅瀬埋め立てか、内陸部かで建設場所でもめたかのような芝居を演じて辺野古沿岸を合意したため、なぜ辺野古沿岸案が従来案よりいいのかと問われると明快に説明できない。軍事的に優れているからに決まっているが、それを言えない。
 
 異常事態である。上のようなからくりが分かれば、沖縄県はいくらでも出番があるのに、水面下で政府と交渉できる人がいない。県組織がしっかりしていれば、行政のプロ、その頂点にいるべき副知事が動くべきであるが、それが全くない。政府からの信頼が全くない。それどころか政府は大田県政の頃の県幹部と接触しているとのうわさも聞かれる。
 
 結局、官僚達は沖縄の誰に話をすればいいのか分からず、いきなり大臣と知事が会い、互いに建前だけの顔合わせに終わっている。そして、県外移設にしろ、受け入れにしろ、何も状況は変化しない。
 
 稲嶺県政は政府から全く相手にされていない。話す相手がいないので政府も実は困っている。
 
 しかし、この状態では小規模な「沖縄振興策」が示され、それと引き換えに辺野古沿岸着工という最悪の結果になりかねない。


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この記事へのコメント
フジテレビのネットニュースをさっき、読みました。
外務大臣も困っているようです。。。
Posted by 笛木のり at 2005年11月26日 12:32
これのことですか。いま私も見ました。

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麻生外相、初訪問した沖縄で稲嶺知事らから米軍再編案の見直し要請を相次いで受ける
麻生外相は25日、初訪問した沖縄で、稲嶺知事らからアメリカ軍再編案の見直し要請を相次いで受けたが、慎重な姿勢に終始した。
アメリカ軍再編中間報告決定後の就任となった麻生外相は、駆け足の沖縄訪問で、ひたすら聞き役に徹する形となった。
麻生外相は「(中間報告は)『まったく動かせない』とか『ルーズなものだ』とか、そんなこと両方とも言えるわけないので」と述べた。
今回、新たに普天間飛行場の沿岸部への移設が決まったキャンプ・シュワブの視察では、ほとんど質問もせず、記者団に「工法としては作りやすいんだろうね」とのみ語った。
また、稲嶺知事らから、「地元としては容認できない」と見直しを迫られても、中間案のメリットや沖縄の地政学的状況などを説き、会見では「大筋この線で、2006年3月最終合意したい」との考えを示した。
機中でもずっと資料に没頭していた麻生外相にすれば、「頭に入れた問題点を現場で確認したかった」との思いがあったもよう。
経営者出身の合理主義が「沖縄の心」と「日米安保」をどう取り持つのか、答えは来週とみられる訪米に持ち越された。

http://www.fnn-news.com/headlines/CONN00081122.html

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Posted by 渡久地明 at 2005年11月26日 12:52
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