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2005年12月03日

失業率高水準もったいない

本日の琉球新報、経済面の記事の見出しである。10月の完全失業率は8.44%と高水準である。

記事は日銀那覇支店が県内の雇用情勢を分析し、人手は足りないが、労働力は余っているとしており、人材育成で雇用のミスマッチを改善したり、好調な観光を軸とした新産業の創出で雇用を生みだすなど積極的な取り組みが必要としている、というもの。

雇用のミスマッチについては労働者の資質の面でたとえば新規開業のホテルの場合、即戦力が欲しいいために県外に求人を出すケースが多いという。また、労働条件では非正社員の求職は増えているが、求職者は公務員や長期安定雇用、高収入を求めているため非正社員の求人数を満たせないとしている。

解決策として、人材育成、職業訓練、正社員雇用に対する助成などに期待している、という。

で、記事中には「失業率高水準がもったいない」という文言は見当たらないのであるが、これは見出しを付けた整理部員のセンスが光る。良いセンスである。

なお、わたしは日銀那覇支店が言う職業訓練や人材育成への助成よりも、現実の職場を増やすことが解決策であり、そのためにはどんどん品質の高いホテルを増やし、観光産業を伸ばすのがいいと考えている。あるいは、返還軍用地の再開発がよい。つまり、景気を良くするのが先なのだ。沖縄では人材育成と称して補助金をもらっている業者がいくつもあるが、これは変だ。解決策はあるのに、それをやるのが困難だから後回しにして解決策のまわりをぐるぐる回っているだけだ。


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Posted by 渡久地明 at 15:00│Comments(5)マスコミ評論
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みなさまご無沙汰しております。 暫くの間、少し遅めの夏休みを頂戴しておりました・...
人財・人材・人在?【沖縄よもやま話】at 2005年12月08日 19:21
この記事へのコメント
同感です!したり。
>わたしは日銀那覇支店が言う職業訓練や人材育成への助成よりも、現実の職場を増やすことが解決策であり、そのためにはどんどん品質の高いホテルを増やし、観光産業を伸ばすのがいいと考えている。あるいは、返還軍用地の再開発がよい。つまり、景気を良くするのが先なのだ。沖縄では人材育成と称して補助金をもらっている業者がいくつもあるが、これは変だ。解決策はあるのに、それをやるのが困難だから後回しにして解決策のまわりをぐるぐる回っているだけだ。
Posted by ユーコーさん at 2005年12月06日 08:47
私も東京で沖縄のホテルや旅行会社の東京支店の方と話をしますが、
ここ最近は、新卒を含めて県出身者を採用しない傾向が強いと聞きます。

短期的・中期的には現実の職場を増やすことを推進し、長期的には県外への派遣・研修プログラムといったことも考えていく事も必要ではないでしょうか?

人が人にサービスをする観光産業だからこそ、沖縄のホテルや旅行会社のスタッフの中心は、沖縄県の方々が本来の姿だと考えます。
Posted by 白井旬 at 2005年12月08日 19:29
現状で非常に優秀な沖縄の人たちが有力ホテルの幹部クラスに育っていますが、30年かかったわけです。中にはよそから来た総支配人より仕事が出来る人もいたりしますね。

なぜ30年かかったのか、もっと早くできなかったかを詳細に調べれば、現状の人材育成業界の問題点が見えてくると思います。

すぐ思いつくのは、人材を育成すると言っている人たちの多くが、観光産業とは縁もゆかりもなく、分かっていないってことでしょう。

その観点から、県外での研修プログラムはもっと取り入れられていいですね。
Posted by 渡久地明 at 2005年12月09日 08:17
>なぜ30年かかったのか、もっと早くできなかったかを詳細に調べれば、現状の人材育成業界の問題点が見えてくると思います。

なるほど、自分なりに調べてみようと思います。30年かかったという事は、
おおよそ沖縄の本土復帰から3年後。つまりは海洋博の年から30年かかったという事ですね。

私も旅行会社で7年ほど働きましたが、観光産業の本質・あり方・必要とされる人材をきちんと分かっているのかと言われれば、疑問符がたつところです。

今も観光産業に関わる仕事をしているものとして、少しでもお役に立てれるように日々精進が必要と思う。今日このごろであります。
Posted by 白井旬 at 2005年12月10日 12:42
>なるほど、自分なりに調べてみよう

わたしは、あまり難しく考えていません。答えはたくさんありそうです。そのなかで、国際観光では地域がその地域に独特の人を造るのであって、ありのままの人材がよい。観光客はそれを見るのが楽しい。(注文と違う料理を出すなど基本的なことさえクリアすれば(仮に間違ってもリカバリー出来れば))特別な教育をする必要はない、という結論があり、わたしもこれが正解だと考えています。

「あるべき観光産業の人材は××だから、それに合った人材を造る」では本末転倒になると思います。

むしろ、観光客の側に相手の文化の違いを理解し、楽しむという教養や余裕が必要でしょうね。

たとえば、沖縄に来た外国人では沖縄のすばらしさを瞬時に理解したと思われるバジル・ホールのような感性。それとは逆に沖縄人に腹を立てたとされる人たちに取り入る必要はないです。
Posted by 渡久地明 at 2005年12月11日 13:00
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