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2006年02月02日

右肩上がりは前提ではない

 琉球大学の台風講座(石島英、大田喬、安谷屋隆司、東盛良夫、杉山卓也、渡久地明)の1コマで観光の話をしている。石島先生は定年退官後、NPO沖縄台風センター研究会を主催しておられて、その新年会が正月31日にあった。
 
 講座とは別にNPO会員の新年会なので、わたしはゲストとしてお招きいただき、観光の話をし、沖縄観光は2018年に1000万人になると述べた。
 
 質問者がいて「右肩上がりを前提にしているのではないですか」というので、
 
 「違う。現実を観測したら結果として右肩上がりとなっており、世界の実例から将来も同じ伸びをすることが分かったのだ」
 
 と答えたのだが…。
 
 この右肩上がりはあり得ない、という迷信がどこからきたのかが一番不思議だ。成熟社会でいままでのような右肩上がりはあり得ない、ということを言う人がいるが、世界の成熟社会では右肩上がりが続いている。アメリカもイギリスもドイツも右肩上がりだが、これらの国と日本では成熟の仕方が違うというのだろうか。そもそも、成熟社会と何であるか。成熟して衰退に向かっているなら、若返って再び活気を取り戻そうと思わないのだろうか。
 
 日本経済復活の会の小野盛司氏が
 
 これで景気がよいと言えるのか。−かつて世界一だった一人当たりのGDPは11位まで急降下−http://www.tek.co.jp/p/ajer06_01.html

 で簡単に景気低迷の理由と解決策を述べているので、読者はぜひ見ていて欲しい。

 右肩上がりはあり得ないのではなく、無理矢理よこばいにしたため、少子化、パート・アルバイトの増加、若年失業率が高まり、格差が開くという衰退そのものが起こっているのである。右肩上がりが自然現象であり、それ以外のことをするなら、代償が必要になる。それをまともに食らっているのがわれわれである。

 痛みを伴う改革が実現した暁にはわれわれの暮らしは良くなるかと思ったら、格差があって何が悪い、という改革だったというわけだ。下らない。本当に腹が立つ。


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Posted by 渡久地明 at 19:30│Comments(0)デフレ脱却
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