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2006年03月09日

普天間移設の本質

軍事アナリストの神浦元彰さんが、昨日の琉球新報記事(フィリピンが年内にも憲法を修正して米軍を受け入れられるようにする)を元に次のように解説している。

==========

(略)

沖縄の米海兵隊はグアムとフィリピンとオーストラリアに移駐する。グアムは市街戦を想定した訓練場が建設され、特殊作戦用の潜水艦や高速輸送艦で緊急展開の部隊が待機し、司令部などの指揮・情報などの中枢機能が整備される。フィリピンはジャングル戦や島嶼潜入の訓練基地となる。オーストラリアは砂漠戦の訓練場や大規模上陸作戦の演習場となる。だからグアムに移転する在沖の8000人の海兵隊というのは、グアムを拠点に動く部隊で、フィリピンやオーストラリアに派遣される部隊を含んでいない。

 北朝鮮問題で片が着けば、残った沖縄のほぼ全ての海兵隊はフィリピンやオーストラリアに移駐して行くと推測している。しかし北朝鮮が存在している限り、韓国の米陸軍がいるので沖縄の海兵隊をカラにすることが出来ないのだ。それだけの理由である。

 しかし米軍は沖縄にベースキャンプだけは残し、いつでも使えるように体制を取りたいと願っている。それがキャンプシュワブ沿岸に建設する1500メートルの滑走路を持つ飛行場兼軍港ということになる。

 だから米軍としては、キャンプシュワブ沿岸の新基地がどうしても欲しいのである。しかし防衛庁は北朝鮮問題が片づけば、沖縄から米海兵隊がいなくなると言明することはできない。北朝鮮の手前、そんなことを言えば大変なことになる。

 これが普天間移転問題の本質である。
 
(略)

神浦さんHP、3月8日付What's New!
http://www.kamiura.com/new.html

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わたしも米海兵隊のグアム移転は移転ではなく撤退だ、といってきた。米側資料でも在沖米軍の撤退の様子はグアムへの撤退とその人数規模、撤退後のヘリポートの機能・運用方法まで細かく予想したものがあった。それもこのブログで紹介してある。

軍事は分からない、という考えはもうやめて、理解した上で上手に料理してはどうか。

嘉手納以南の基地が返還されるに当たって、那覇空港の沖合展開、南北縦貫鉄道、大深度港湾などは軍事とは無関係に開発途上地域である沖縄に必要である。それには軍事と絡めたら話が早いなら、軍事を利用しても良い。その上で中国などが警戒するなら(しないはずだが、面子を重んじて)、特使を送って沖縄県民は戦争をしようとしているのではなく、必要な社会資本を整えているのだと理解を得ておく。日米からバカな指導者が出てきて戦争を始めようとしたなら、体を張って阻止する、と約束する。その約束を守る人が知事になっていて(知事でなくても体を張る人が出てきて)、ホントに沖縄基地を無力化するなら、何も問題はない。


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Posted by 渡久地明 at 20:58│Comments(0)返還基地の跡利用
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