2015年11月07日
先に流れに乗った企業が勝ち(by 黒田日銀総裁)
…企業が高水準の収益を、設備投資や賃金支払いなどの支出に必ずしも十分振り向けず、その多くを手許の現預金として保有していることの背景には、現状においても、広い意味での「デフレマインド」が必ずしも払拭されていないということがあると思います。別の見方をすれば、企業が現在の高収益を一時的な追い風による windfall profit であると捉えており、なかなか積極的な活用に踏み出せないでいるということかと思われます。
このような状態から抜け出し、企業がこれまでのマインドセットを大きく転換することは、デフレだった期間の長さを考えれば、もちろん簡単なこと
ではありません。しかし、やるべき方向性は明確です。要は、「日本経済はデフレから脱却しつつある」という見通しを踏まえ、ポストデフレ時代の新た
な経営戦略をしっかり立ててもらうことです。こうした見通しを持った企業にとっては、デフレのもとでは報われなかった「前向きの行動」が全く違っ
たものに見えるはずです。そうした行動なしには、将来の収益を生み出し、現在の企業価値を高めることは難しいと認識されるでしょう。全ての企業が
一度に変わる必要はありません。そうした見通しを持つ企業の数が増えるに従って、経済は活性化していきます。そして、この流れは積極的な企業を中
心に既に進行していますし、これが定着すれば先に流れに乗った企業が勝ちます。
日本銀行は、そのための役割を果たします。この2年…(略)
↑的確だと思う。先に流れに乗った企業が勝ち、というより、早く得するということではないか。黒田日銀総裁の講演より。リンク先はPDF→2%の「物価安定の目標」実現に向けた課題― 内外情勢調査会における講演―
Posted by 渡久地明 at 12:14│Comments(0)
│デフレ脱却