2006年07月14日

民主党に注文

小沢・菅・鳩山の民主党幹部が揃い踏みする集会が明日ある。それに先立ち、事務方との意見交換会があって、出席する予定だ。

民主党は「沖縄ビジョン」を策定していて、策定に当たっての地元との意見交換会を何回も開き、わたしもその都度「小泉構図改革は間違いであり、それを一層押し進めようとする民主党はよけい間違い」と何度も意見を述べてきた。民主党支持者ではないが、沖縄の声を伝えておく必要はあると思ったので、発言した。このようなことは普段はしたことはないが、当時の民主党沖縄県連代表の島尻昇氏の要請に応じたものだ。沖縄ビジョンは1、2があり、両方の意見交換会にでた。今回、改定するなら3回目になると思う。

「皆様からの意見、提言が沖縄の未来への一助になります。よろしくお願いします」「配付資料のある方は、7月13日までにお送り下さい。当日、コピーを用意します」と沖縄県連からの呼びかけであり、きのう夜、下のペーパーをFAXしてある。

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民主党沖縄ビジョン配付資料

06年7月13日 渡久地明

(1)東アジアの中心に位置する沖縄地理的特性等はますますその重要性を高めていると大きな状況を前提にしているが、ビジョン全体が小さい。

 たとえば、米軍基地が沖縄の進むべき道を妨げているとしながら、(基地返還後は)沖縄があらためて自主自立の新たな道を切り開くことを通じて(略)先端モデル地域になりうると述べるにとどめ、進むべき道についての考察がほとんどなく、匙を投げているように見える。また、日本の進路との関わりについての記述がほとんど見られないのはなぜか。

 「○○年までの完全雇用の達成」という分かりやすい目標を盛り込み、政治の責任をハッキリ示したらどうか。沖縄のGDP成長率や規模などがなぜ明記できないのか。

 政権をとっていれば基地の縮小は当たり前に実現できることが、今般の米軍再編の交渉過程で明快に見えた。辺野古のV字型滑走路は現政権が米政府に「お願い」して合意したものだ。いまさら「地位協定の改定」や「SACO2」では踏み込みが全然足りない。基地の全面返還を前提にビジョンを作り直すべきだ。「基地縮小のために支援してやる」(小泉自民党と同じ)ではなく、「日本豊かにするために沖縄にはこの部分を担って欲しい」という積極的な姿勢が必要だ。

(2)沖縄が求める将来像をもっと丁寧に聞いて、それをどのように120%実現するかという立場からビジョンを再構築、改めて打ち出すべきだ。

 現ビジョンは沖縄の地理的・歴史的特性を枕詞に、これくらいのことをやってやれば満足だろう、というビジョン執筆者のスタンスが丸見えだ。「昆布ロード」とか「時差の設定」といったことは大切ではあるかもしれないが、政権をとる民主党の沖縄ビジョンにしては細かすぎる記述だ。それらはビジョン実現のためのロードマップとか付属文書でよいのではないか。

(3)沖縄が求める将来像として、たとえば「浦添市に整備する①国際標準の大深度港湾施設に米西海岸やシンガポール、香港、中国、台湾などからの輸入品の仕分けや一時保管、加工する中継加工拠点としての機能を持たせ、日本最大の物流拠点にする。フリーポートなど国際標準の制度導入で港湾利用料を抑制したり、最先端の機能で関連企業誘致も同時に進める」としてはどうか。同様の観点から②那覇空港の拡張(国際リゾートの実現)、③南北縦貫軌道(東京、大阪に次ぐ全国3位の道路1キロあたり渋滞損失の解消)を構想・整備すべきだ。

 ビジョンは全体的に沖縄が世界の中でどのような役割を果たしていくかという戦略的思想が希薄だ。米軍が沖縄を拠点にせざるを得なかった地政学的利点がビジョンでは活かされていないのではないか。
以上

(参考:下の記事にいま気が付いた)

在日米軍再編問題、党見解を検討へ…民主

 民主党は13日、在日米軍再編問題で党見解をまとめる方針を固めた。

 同党は昨年8月、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の「県外移転」を模索する「新沖縄ビジョン」を発表した。しかし、日米両政府が同飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設で合意するなど情勢が変化したため、在日米軍再編全体に対する見解を出すことにした。

 民主党は15日に那覇市で党幹部と地元の有識者らとの意見交換会を開いたうえで、見解の検討に入る。
(2006年7月13日23時1分 読売新聞)

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