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2006年11月30日

放送してたんだ。気が付かなかった

11月21日付エントリでTV局のインタビューを受けたけど、放送に使われるかわからないと述べた。

沖縄だけ放送しない全国放送ということで、気が付かなかったが、11月25日に放送してあった。放送前に放送内容は出ていなかったのね。前週の内容を見て放送しなかったとばっかり思っていた。

よみうりテレビ「ウェークアップぷらす」
http://www.ytv.co.jp/wakeup/index.html
の、「沖縄知事選挙与党勝利 どうなる基地問題」にテキストが出ている。(続きを読むにコピペあり)

21日に私が受けたインタビュー内容は全然使われてないが(ま、こういうもんだ)、たまたま大学で年に2回の講義(モンゴル取材で2週間ズラしてもらっていた)があったので、教室にカメラを持ち込んで学生に知事選の感想を聞いた部分がオンエアされている。

なお、文中で琉球大学講師となっているのは、非常勤講師のこと。

アジア最大の基地といわれる、沖縄の在日米軍嘉手納基地。
先月、地元住民の反対を押し切って、
ここに迎撃ミサイル・パトリオットが配備された。

浜田慎也ディレクター
「嘉手納基地です。ミサイル防衛の要、
迎撃ミサイルパトリオットが配備されています。
右側が航空機を対象としたPAC2、
左側が大陸横断ミサイルを迎撃するPAC3です。
今月末30日から本格運用されるとのことです」

ミサイル防衛とは、敵国から撃ち放たれたミサイルを
着弾前にミサイルで迎撃し、防衛するシステムだ。

沖縄における在日米軍基地の「負担の軽減」と、
軍事的な「抑止力の維持」を掲げ、進められている米軍再編。

現在のところ、アメリカ海兵隊およそ8000人をグアムへ
移転することや、宜野湾市の普天間基地を名護市の辺野古沿岸
にV字型の滑走路を建設して移設することなどで、
日米は、すでに合意している。

カリフォルニア生まれの政治学者ダグラス・ラミスさん。
彼はかつて、アメリカの海兵隊員だった

(政治学者ダグラス・ラミスさん)
「基地の中にいる限り、外にいる人間と健全な人間関係は
作れない。構造的な差別の中に入っているから、
加害者になるわけですよね」

そして軍をやめた後、日本の大学で、国際政治を教えた。
現在は、沖縄に住み、政治学者として、多くの本を発表、
アメリカの一国主義的な軍事行動に、警鐘を鳴らしている。

(政治学者 ダグラス・ラミスさん)
「(ミサイル防衛は)沖縄を守るためといわれているが
どうして沖縄へミサイルを撃つのか?それは米軍基地があるから。
ブッシュ政権になってからアメリカには先制攻撃の権利があると。
そう言っているだけでなくアフガニスタンとイラクを攻撃した。
米軍は、戦争をとめる勢力ではなく、戦争を起こす勢力になった」

そんな中、11月19日
沖縄の将来を占う県知事選挙が行われ、
「国外移転」を訴えた革新系の糸数氏を破り、
「V字型滑走路には反対だが、県内移設もありうる」とする
保守系の仲井真氏が当選した。

(新沖縄県知事 仲井真弘多さん)
「失業率をぐっと低めるというような、
経済産業(策)を強く打ち出しましたから。
ここを(有権者に)よく聞いていただいたと。
かなりいい反応がありましたから」

完全失業率 7・9%
(2005年 ワースト1)
一人当たりの年間所得
204万5千円
(2003年ワースト1)

沖縄の完全失業率は7・9%と、全国平均のおよそ2倍、
さらに一人当たりの年間所得でも、最下位という結果が。

仲井真氏は、基地問題よりも、今回雇用問題を、
前面に出したという。

政府も・・・
(20日 塩崎官房長官)
「大事なことは沖縄の経済の活性化ということが
県民の一番の関心だということ」

条件次第で県内移設もありうるとする仲井真氏。
基地問題について、今後、地元や政府の話を聞いた上で
つめていくという。

その本音を専門家はこう分析する。

(琉大大学(国際政治)我部政明 教授)
「仲井真さんは(基地問題で)地元との合意を得て政府と
話をまとめたいと思っている。それ以上に地元から
求められているものは振興策の継続であり、
その振興策が北部だけでなくて、
これまで以上に沖縄県自体にもお金が流れることを、
県知事としては願っていると思う」

有権者は、今回の選挙で基地の県内移設を容認したのか?
未来の沖縄を担う若者たちに、
今回の知事選挙の結果について聞いてみた。

(琉球大学講師・沖縄観光速報新聞編集長
 渡久地明さん)
「選挙に行った人は?8割」

(大学生は)
「失業率が高いので経済政策で、
重点的に施策を行ってほしい」

(大学生は)
「基地は嫌だが、でも無難に経済も大事だから
仲井真さんに入れたという人が多い感じ」

(琉球大学講師・沖縄観光速報新聞編集長
 渡久地明さん)
「(学生に聞くと)保守も革新もあまり期待できないと。
 知事も“軽くなった”なあと」

今回の選挙結果からは伺い知れない、若者の複雑な思い。

選挙後、地元新聞の一面には、早くも、振興策の記事が踊った。
具体的には再編に関係する自治体に対し、工事の進ちょく状況
に合わせて、交付金を支給するなどとしている。

だが、その振興策には、制度面で問題がある、との指摘も。

名護市をはじめとする北部地域は、辺野古沖への普天間移設を
99年に閣議決定して以降、10年にわたり、
年間100億円もの振興策予算を受けている。しかし・・・

(琉球大学(経済学)大城肇教授)
「最初はハコモノが多かった。
できたものの運営費で四苦八苦しているのが現状。
ハードで作ったときの県内への歩留まり、波及効果は小さかった」

確かに、名護市東部の道路沿いは、巨大な建物が目立つ。
山中に、ITの人材育成のために作られた建物まである。

名護市で農業を営む高橋さん。
名護市では、振興策で、ビニールハウスなどを作ったが、
人材が育っておらず、農家は減少、農地が荒れてきているという。

(名護市の農家 高橋創さん)
「実は目に見えない部分で予算がいかされているかどうか。
(人材育成が)おろそかになったところがあるかもしれませんね。
 これからは住民も行政もクメーキ(ていねい)に
 やっていく必要があると思う」

北部振興策の実態ついて、現役の自治体職員が、
カメラの前で、語りはじめた。

(現役自治体職員)
「国が100億円とか出しているが、
市民や県民に下りない仕組みになっている。
借金で苦しんでいる人のケアは出来ず、
勢いハコモノに予算がいってしまって、
市民の方は自殺したり夜逃げしたりする実態が、
北部でも多々見受けられてる
(地元の)建設業界にすらお金が行かない。
どこにもいかないから困っている。東京は潤っている。
なぜなら東京のゼネコンやシンクタンクに
仕事をすべて発注していますから」

安全保障の名目で、基地の移転・機能強化が、
既成事実化していく中、
新知事が選ばれても、沖縄の苦悩がやむことは、ない。

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Posted by 渡久地明 at 21:44│Comments(0)マスコミ評論
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