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2006年12月28日

目標発表せず

改革のなれの果ての見本のような文書が、年末の県観光商工部の定例記者懇談会で配布された。

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資料4 平成18年12月観光商工部定例記者懇談会資料
観光企画課
観光客数、観光収入の年間目標設定期間の変更について
一暦年目標から年度目標へ一
〇 これまで、入城観光客数及び観光客1人あたり県内消費額、これから算出される観光収入の年間目標値については、毎年12月末に次年(暦年)の数値を発表していましたが、これを年度(4月〜翌年3月)の数値で毎年3月に発表することに変更しました。
○ これに伴い、平成19年の暦年の目標値は発表敬しません。19年3月に19年度の目標として発表の予定です。
○ 暦年平成18年の入域観光客数の実績については、従来通り19年1月に発表の予定です。
○ 変更の理由としましては、
(1)誘客動向に大きな要素を占める国内各航空会社の次年度の運航計画、キャンペーン実施計画等が2月中旬頃までに決定されるため、3月の方がより精度の高い目標設定ができること。
(2)仲井眞新知事の公約に基づき、「ビジットおきなわ計画(仮称)」を毎年度の誘客行動計画として3月に策定することとし、その計画のなかで、年間の目標を設定することとしていること。
(3)「ビジットおきなわ計画(仮称)」の内容は、できるだけ予算と連動した具体的な行動計画としたい考えであり、12月末時点では、県の予算案が固まっていないため、具体的な施策展開の内容を示せないこと。
(4)沖縄振興計画の他の指標についても、年度の数値で設定しているものがほとんどであり、目標を暦年とする必要性がないと考えられること。
(5)当面、統計資料としては、可能な限り過去のデータに遡り、暦年・年度両方の数値を集計・掲載していく予定で、統計の連続性としても問題はないと考えられること。
等から、時期的にも適切と判断し平成19年分から変更することとしたものです。

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この文書の配布を受けて、わたしはその場で概ね次のように述べて県の消極姿勢を批判した。

(1)目標の精度を高めるとはどういうことか。われわれは予想をしているのではない。目標を設定するのであって、精度という表現は間違い。

(2)航空会社の方針が出るまで目標を設定しないということは、航空会社に何も影響を与えないということだ。目標は沖縄側の事情に基づいて、どうしても必要な数値を設定するのが筋である。航空会社の政策に影響を与えるためにも、年頭の目標設定が必要だ。

(3)理由の(3)の中に予算と連動した行動計画としたいとあるが、観光客数はこれまで予算と連動していない。ここ数年を見ても、県の観光予算はどんどん減っていくのに観光客は増えた。予算と連動した目標を造るなら観光客は減るではないか。

これに対して、部長は「仲井眞知事の1000万人の公約があり、航空各社の計画通り目標を設定するものではない」と述べた。もちろんこの方針を出したのは部長ではないことは、十分承知しているが、情けない。

年頭の目標というのは非常に大切である。関連業界の心理に影響を与えるからだ。過去毎年目標を設定し、新年会で知事がそれに向けて頑張ろうと挨拶し、業界は気勢を上げてきた。もちろん、目標を下回ったり、上回ったりしたことがあるが、これまでの担当者は(特に下回った場合の)批判にたえてきた。

今年になってそれができない、いやだという軟弱な態度に代わったのは

(昨年(05年暮れ)、部長が「渡久地君もう年末の目標設定はやめてもいいんじゃないか」というので「それは間違いですよ。目標がなかったら新年会でもりあがらんじゃないですか」「そうだな」というやり取りをした記憶があるが)、

単に人事の問題ではないのか。

せっかく大きな声で上のように述べたが、他の人達は全然問題意識がないようで…。新報は事実だけ30行くらい速報していたが。


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Posted by 渡久地明 at 13:18│Comments(0)沖縄観光の近況
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