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2008年05月20日

年金財源の試算を嗤う

 本日の地元紙朝刊は両方とも
 
基礎年金財源最大で消費税18%

と打ちあげている。昨日の夜のTVニュースでも散々取り上げられていて、バカかと思っていたのだが、朝刊を見て嗤った。

2050年までの試算を示して、諸費税率は最大18%になるといっている。

ホントーにこんなあほな試算はない。記事を読むと全然出ていないが、現状の成長が続くということを前提にしているようだ。

しかし、2050年まで、いまと同じようなバカな政治を続けるという前提が間違っているのだから、この試算は意味がない。

前提を変えることこそがいまのわれわれの責任である。そして、変えるのは簡単だ。政界からバカを追放すればよい。

こんな簡単なことを何で新聞は分からないのだろう。政界もバカだが、こんなモノを無批判に、最悪の現状を維持するという前提を受け入れる新聞はタチが悪い。分かってやっているなら、犯罪。分からずにやっているなら真性のバカだが、重過失であり、責任は逃れられない。

もともと新聞もテレビも反権力、弱いモノの味方であったはずだが、最近は徹底して市場原理主義者の洗脳マシンに成り下がっている。

毎日、市場原理至上主義の記事を垂れ流しているうちに、自ら洗脳されてしまったわけだ。

今日の朝刊を見て笑えた人は健全である。

えーっ、そんなに上がるの、とか、社会保障制度の維持のために仕方がなかろう、と感じた人は洗脳がかなり進んでいると自覚すべきだ。

ついでに数値を見ておくと、

2050年には追加財源が最大50兆円必要になるので、消費税額は18%になるそうだ。2050年のGDPはいくらになっているのか記事からは分からない。が、政策転換を行って(前提を変えて)、世界平均並みの経済成長(たったの5%)を日本が取り戻せば、

現状のGDP500兆円は2050年には3800兆円になる。追加財源の50兆円など屁のようなものになる。

人口はどうやらあまり増えない可能性があるので、一人当たりのGDPの分け前は今後どんどん増えていく。ヘタをするとカネがあまりすぎて、個人も豊かになり、社会保障の負担も給付も要らないというくらいのところにも行けるくらいだ。

つまり、今朝の朝刊のような試算は典型的な落第の答案。恥ずかしくて外国人に見せられない紙面だ。学力低すぎ、そのような試算をしたという人間の貧相な価値観そのままだ。

いまの日本はあらゆるところで情けない試算だらけだが、年金の試算はその中でももっともできが悪い。嗤うしかない。無視しすべきではあるが、こういう試算を見て将来を悲観して自殺する人もいるかも知れないので、嗤うところであるとわざわざ書いておこうと思う。



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Posted by 渡久地明 at 22:31│Comments(4)デフレ脱却
この記事へのコメント
なるほど!人間が減るということは分け前が増えるという事になる。それまでの道のりは険しそうですが未来は明るい!!
Posted by kojaking at 2008年05月21日 07:56
>kojakingさん

もともと未来は明るいんですが、暗くすることで徳をする人がいるんでしょうね。

少子高齢化はカネが足りなくなるというのは迷信です。
Posted by 渡久地明 at 2008年05月24日 20:42
はじめまして!
大変勉強になります!
今後ともよろしくお願いします
Posted by とよちゃんねるとよちゃんねる at 2008年05月29日 17:54
>とよちゃんねるさん

いらっしゃいませ。今後ともよろしくお願いします。
Posted by 渡久地明渡久地明 at 2008年06月05日 19:00
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