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2006年03月11日

聖徳太子の借用書

コメント欄にも書いたが、現在の政府の借金が次世代のツケになるという人がいるが、これはウソだ。

それを説明しよう。

まず、いまの借金が次世代のツケになるというのが、ホントだとする。

するといま100兆円の借金をして1000年後に、200兆円返すという証文を差し入れれば、100兆円が手に入り、自由に使えると言うことになる。

借用書は、いまならたぶん国会議事堂かどこかに保管することになるだろう。

で、1000年後、それを支払う必要があるか。ないだろう。あったとしても貨幣価値が激変しており、1000年後の200兆円なんか屁のような額だろう。

同じことを1200年前考えた人がいたとする。日本でいえば聖徳太子の頃か。

で、聖徳太子が都の整備のために当時のカネで一億両が必要で、返済期限を1200年後とした証文を書いて法隆寺に保管、都ができた。

その証文が、現代になって法隆寺から見つかったといって、そのカネを支払う必要があるか、ということになる。

当然、ない。第一、誰が誰に支払うのか。国民から政府が借りたのだから、政府が国民に分配すべき、というなら、現代人は借金のツケをはらうのではなく、受け取るのである。では、政府はその100兆円をどうやって準備するかといえば、一番簡単なのはそんな証文はいまの政府とは無関係といって知らんふりでよい。誰も困らないのだ。

何よりも、聖徳太子が1200年前に都の整備をしたおかげで、現代の日本の繁栄があるのであって、当時の100兆円は十分役に立ち、元を取り、現代人の負債にはなっていない。どころか、その都の価値が現在では1億兆円(?)と評価されるなら、100兆円なんか屁でもない…。

もちろん、聖徳太子が100兆円のカネを現代人から借りて都をつくったというのは、作り話であってそんな事実はないと思うが、仮に現代、全く同じことをしても、十分長期的に見たら、その借金が次世代にツケ送りされるということはない。

それどころか、現代の一時的な政府の借金によって、現代人は当たり前に助かり、次世代は、はるかに、桁違いに繁栄できるのである。


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Posted by 渡久地明 at 20:14│Comments(2)デフレ脱却
この記事へのコメント
NHKの「週刊こどもニュース」で「量的緩和政策」を簡単にいうと次のように説明していた。
すなわち、銀行の銀行である日銀が銀行にお金を沢山与えることで銀行は会社に安い金利でお金を貸し出すから会社は新しい設備を作ったり出来るの仕事が増えて景気が良くなる。(日銀はお金を作ることができるんだ)

「週刊こどもニュース」を見た何時も「こどもかっ」といわれている私は次のような「こども版量的緩和政策」を考えた。


-----「こども版量的緩和政策」------

(1)
日銀が国債を予定の利息を付けて個人や銀行から無理やり買い取る。

(2)
すると、国債が現金に変わった人は使い道が無いので銀行に預けるし銀行は国債が現金になるので「量的緩和政策」同じで銀行に大量のお金が入る。
しかも、現金を受取った個人や銀行は予定の利息まで貰ったので損はしない。

(3)
この「こども版量的緩和政策」で得たお金で銀行は企業に安い金利で貸し出しを行うので景気が回復する、
しかも、問題になっている国の借金まで減ることになる。(いきなり全部返しても良いかな)

(4)
さらに、国は借金がなくなったので新たに国債を発行して、公共事業を増やすことが出来る。公共事業はデコボコの道路を直したり、下水を整備して川をきれいにするとか、福祉事業に投資して病院を作ったりとか、社会的な弱者を助ける事業がいいな。

-----「こども版量的緩和政策」ここまで------


「こども版量的緩和政策」を実行していれば仕事が増えて景気が回復し、国民の生活はずっと豊かになっていたはずだ。汗水流して働く喜びもあるし、汗は流さず利息だけでお金を稼ぐ商売よりずっと良いのではないだろうか。

こども版「量的緩和政策」は一石三鳥くらいの効果がありそうだけど。
どんなもんでしょ。もう遅いかな。
Posted by たけし at 2006年03月12日 09:39
わたしも子どもニュース見てました。定性的な説明なので、話はその通りです。

こども版量的緩和はそのの内容なら、日銀の国債買い切りオペのことです。

現在、毎月1兆2000億円づつ(年間14兆4000億円)、やってます。これについて日銀はやめないといってました。これをもっと大規模にやったら、財政赤字は一挙解決です。国の借金の700兆円をさっさと買い切れという考えです。
Posted by 渡久地明 at 2006年03月12日 10:25
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