てぃーだブログ › 渡久地明の時事解説 › 2018年11月

2018年11月29日

10月のFSC沖縄線は3.7%増

 JAL・ANA両グループの10月の沖縄線実績が11月29日、出そろった。それよると、沖縄発着便の旅客数は(3.7%増)となった。提供席数は0.6%増、利用率は81.1%と前年を2.4ポイント上回った(沖縄観光速報社集計)。

 このうち、県外線の旅客数は5.8%増だった。県内は5.3%減と前年を下回った。(「沖縄観光ニュース」11月29日、17:55)
  

Posted by 渡久地明 at 18:02Comments(0)沖縄観光の近況

2018年11月10日

県民総生産に占める観光産業の位置(2018年予測)

県民総生産に占める観光産業の割合をグラフにした。第3次産業の中に観光収入が占める割合を示した。
沖縄GDPは2018年の見込みで4兆6135億円。産業別には農林水産業など第一次産業が579億円、製造業など第2次産業が6483億円、金融・不動産・輸送・飲食など観光を含むサービス業が3兆18783兆9276億円だ。GDPの構成比で明快に観光産業を区別しているわけではないが、沖縄県はGDP調査とは別に観光収入をアンケート結果から推計しており、2017年度は6979億円だった。18年度も17年度並みの伸びを見込むと観光収入は7398億円になる。これらの大きさを2015年〜18年の推移として描いた。

これをみると、沖縄の第一次産業の割合が1.25%とかなり小さく、第2次産業は14.0%、第3次産業の割合はGDPの84.7%で、観光産業の割合は全体の中で16.0%で第2次産業を上回っているが、まだまだ小さい。

========
Facebookでの伊敷豊さんからのコメントを元に次の2点を追加します。(11月10日)

<追記1>ハワイ
(1)州総生産876億3400万ドル(2017年)
ア. 観光関連産業(州最大の産業)来訪観光客総支出額168.97億ドル(2017年)
  観光客数938万2986人(2017年)
イ. 建設業建設完成工事高82億ドル(2016年)
ウ. 農業生産高8.6億ドル(2015年)
(ハワイ州要覧、在ホノルル総領事館、平成30年8月現在)

<追記2>ホノルルの消費力
ハワイ州の世帯年収中央値は全米50州のうち3位の73,486ドルで、全米平均を31.8%も上回る。ハワイ州産業経済開発観光局(DBEDT)の2016年第4期レポートによると、実質GDPは前期対比の2.0%増、経常ドル個人所得は4.9%増で、このまま2019年までは増加傾向が予想されている。一方で暮らしにかかるコストは全米1位で(P.5参照)、金融サイトMoneyRatesが発表する「生活をするのが大変な州」で6年連続1位に選出。また金融サイトGoBanking.comの調査では、収入に対する生活費の負担がもっとも大きい「収支ぎりぎりの州」1位に挙げられ(略)
(ジェトロ ホノルルスタイル)
========

○の折れ線(上)は一人当たり県民所得(右目盛り)で、もし、観光産業がなければ、下の折れ線まで下がっていたかもしれない。



元の数値データはこれ(沖縄県の県民経済計算)。産業別県内総生産の数値を使った。



2015年を基準に18年の各産業の伸び率を見ると、観光産業が最も大きく伸びたが、他の産業の伸びは小さかった。観光産業が全体を牽引したといえる(他の産業が足を引っ張ったともいえるが、そうは言わないでおこうじゃないか)。

========
FacebookでのKimio Itohさんからの「観光産業は経済波及効果のすそ野が広いのが優位な点です。その波及効果を他の産業に繋げていないのが現状だと思います(略)」というコメントに次のように応えましたので、追記します。(11月11日)

<追記3>
一次、二次産業が観光について、理解が足りないのではないでしょうか。結果、観光産業向けの製品を供給していない。観光マーケットもまだまだ小さい。県民は一日145万人いるのに、観光客は8万人くらいしかいない。農業・製造業のターゲットは当然県民と国内・海外になる。
========  

Posted by 渡久地明 at 10:21Comments(0)沖縄観光の近況