2009年09月12日
「辺野古沿岸の新基地建設はキャンセルされたと見ていい」
本日の新報・タイムス二紙は一面トップで
と報じている。共同の特ダネのようで、朝日新聞などの電子版では見当たらなかった。
これについて、軍事ジャーナリストの神浦元彰氏(ブログ右側コラムにリンク)が
と解説している。神浦氏は沖縄米軍は撤退すると予想しており、特に海兵隊の撤退時期について、02年9月に那覇で開いた講演会で
「2008年頃まで(北京オリンピック)」(「沖縄観光ニュース」)
http://www.sokuhou.co.jp/backno/621.html
と見ていた。この講演会のゲストだった吉元政矩元沖縄兼副知事は「2015年までの米軍全面撤退」を見通し、下地幹郎衆議院議員は「普天間の嘉手納統合」を主張していた。これらの議論をまとめた形で沖縄基地問題が片付く可能性が出てきた。
また、本日新報一面は、民主党の岡田克也氏が
と発言したことを疑問視している。
これに関して神浦氏は、普天間の嘉手納統合の可能性が高いと読んでいる。岡田氏のきまじめな性格上、普天間の嘉手納統合を見越して県外といえなかった可能性があるわけだ。この解説そのものも特ダネだろう。
続きを読むに共同の記事と神浦氏のコメントをスクラップしておく。
嘉手納F15削減打診
米、三沢F16撤収も
今年4月 日本難色で保留
と報じている。共同の特ダネのようで、朝日新聞などの電子版では見当たらなかった。
これについて、軍事ジャーナリストの神浦元彰氏(ブログ右側コラムにリンク)が
辺野古沿岸の新基地建設(06年の日米合意)はキャンセルされたと見ていいと思います。(「What's New」9月12日)
「ついに来るべき時がきた」という気持ちです。(「メールで情報と感想」9月12日)
と解説している。神浦氏は沖縄米軍は撤退すると予想しており、特に海兵隊の撤退時期について、02年9月に那覇で開いた講演会で
「2008年頃まで(北京オリンピック)」(「沖縄観光ニュース」)
http://www.sokuhou.co.jp/backno/621.html
と見ていた。この講演会のゲストだった吉元政矩元沖縄兼副知事は「2015年までの米軍全面撤退」を見通し、下地幹郎衆議院議員は「普天間の嘉手納統合」を主張していた。これらの議論をまとめた形で沖縄基地問題が片付く可能性が出てきた。
また、本日新報一面は、民主党の岡田克也氏が
政権公約に「県外」ない
と発言したことを疑問視している。
これに関して神浦氏は、普天間の嘉手納統合の可能性が高いと読んでいる。岡田氏のきまじめな性格上、普天間の嘉手納統合を見越して県外といえなかった可能性があるわけだ。この解説そのものも特ダネだろう。
続きを読むに共同の記事と神浦氏のコメントをスクラップしておく。
(1)共同記事
米、三沢基地F16撤収を打診 ことし4月、日本難色で保留
米政府がことし4月初旬、米軍三沢基地(青森県三沢市)に配備しているF16戦闘機約40機すべてを早ければ年内から撤収させるとともに、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)のF15戦闘機50機余りの一部を削減させる構想を日本側に打診していたことが分かった。複数の日米関係筋が11日、明らかにした。
オバマ米政権の発足に伴う国防戦略の見直しを反映した動き。日本側は北朝鮮情勢や在日米軍再編への影響を懸念し、いずれにも難色を示して保留状態になっているという。日米両政府は現在の米軍配備を前提として在日米軍再編案に合意した。鳩山新政権の発足に伴い、この問題をめぐる協議が始まり、停滞している米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の嘉手納基地への統合案などが再浮上する可能性もある。
三沢基地のF16は冷戦末期の1980年代に旧ソ連をにらんで配備され、冷戦終結後は北朝鮮への外科的先制攻撃(サージカルアタック)を想定しているとされてきた。ただ日米両政府内には、実際に先制攻撃する公算は小さい上、仮に攻撃せざるを得ない事態でも空母やグアムからの攻撃が可能で、三沢基地に配備する価値が低減しているとの指摘があった。
日本政府関係者はF16を撤収させた場合「グアムの米軍基地から次世代型戦闘機F35を巡回の形で駐留させる可能性がある」と予測している。ただF35は量産態勢にまだ入っていない。これを配備するとしても5年以上先で、三沢基地から常駐の米戦闘機がなくなる公算が出てきた。
2009/09/12 02:02 【共同通信】
(2)神浦元彰氏コメント
私の感想を正直にいうと、「ついに来るべき時がきた」という気持ちです。とうとうというか、やっとというか、これから日本の米軍基地は大きく変わります。
それと、もうアメリカは北朝鮮の軍事的な脅威を問題にしないという表明です。
嘉手納の場合、航空自衛隊が那覇基地のF4戦闘機をF15戦闘機に転換しましたから、嘉手納の米空軍のF15は削減か撤退をするとみていました。
しかし米空軍は嘉手納にF22を定期的に駐留させたり、空自との共同訓練に飛来するので、米軍のプレゼンスが低下することはないでしょう。これは米軍再編のひとつで、「駐留なき日米安保体制」に転換するひとつです。しかし日米安保の空洞化にはなりません。戦闘機の性能向上(航続距離や空中給油システムなど)、緊急展開能力の向上して、米軍の前方展開戦略が必要がなくなってきたことを意味します。東アジアにおける米軍のプレゼンスが低下した訳ではありません。正確に計算すれば、米軍のプレゼンスは向上しているはずです。
対中国といっても、沖縄は中国に近すぎるし、アメリカは中国軍の戦闘機と空戦になるとは思っていないと思います。米中は互いに戦略核兵器で狙い合っていますから、直接戦闘を行うことはないでしょう。
それから私は、近い将来、那覇基地の空自と海自の航空部隊は、嘉手納基地に移転すると思っています。これからは嘉手納基地を自衛隊が守って、いつでも米空軍が飛来できる体制を自衛隊が保持するためです。これで米海兵隊・普天間飛行場の一部部隊を嘉手納に移転させることも可能になります。しかし民主党は県外移転か国外移転ですからね。どのように交渉するか、ちょっと見ものですね。
それから那覇基地の自衛隊が嘉手納に移れば、那覇空港は民間に全面返還されます。これからの沖縄の観光や産業発展を思えば、那覇空港が全面民間空港になることは地元にとっても良いことです。
今まで、北朝鮮の崩壊を待って動くと思っていましたが、もうアメリカの事情で待ってられなくなったか、陰湿な北朝鮮とつきあう気にならなくなったか、北朝鮮の能力(脅威)が極端に低下したからでしょう。いい時期に日本は民主党政権になったと思います。
米、三沢基地F16撤収を打診 ことし4月、日本難色で保留
米政府がことし4月初旬、米軍三沢基地(青森県三沢市)に配備しているF16戦闘機約40機すべてを早ければ年内から撤収させるとともに、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)のF15戦闘機50機余りの一部を削減させる構想を日本側に打診していたことが分かった。複数の日米関係筋が11日、明らかにした。
オバマ米政権の発足に伴う国防戦略の見直しを反映した動き。日本側は北朝鮮情勢や在日米軍再編への影響を懸念し、いずれにも難色を示して保留状態になっているという。日米両政府は現在の米軍配備を前提として在日米軍再編案に合意した。鳩山新政権の発足に伴い、この問題をめぐる協議が始まり、停滞している米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の嘉手納基地への統合案などが再浮上する可能性もある。
三沢基地のF16は冷戦末期の1980年代に旧ソ連をにらんで配備され、冷戦終結後は北朝鮮への外科的先制攻撃(サージカルアタック)を想定しているとされてきた。ただ日米両政府内には、実際に先制攻撃する公算は小さい上、仮に攻撃せざるを得ない事態でも空母やグアムからの攻撃が可能で、三沢基地に配備する価値が低減しているとの指摘があった。
日本政府関係者はF16を撤収させた場合「グアムの米軍基地から次世代型戦闘機F35を巡回の形で駐留させる可能性がある」と予測している。ただF35は量産態勢にまだ入っていない。これを配備するとしても5年以上先で、三沢基地から常駐の米戦闘機がなくなる公算が出てきた。
2009/09/12 02:02 【共同通信】
(2)神浦元彰氏コメント
私の感想を正直にいうと、「ついに来るべき時がきた」という気持ちです。とうとうというか、やっとというか、これから日本の米軍基地は大きく変わります。
それと、もうアメリカは北朝鮮の軍事的な脅威を問題にしないという表明です。
嘉手納の場合、航空自衛隊が那覇基地のF4戦闘機をF15戦闘機に転換しましたから、嘉手納の米空軍のF15は削減か撤退をするとみていました。
しかし米空軍は嘉手納にF22を定期的に駐留させたり、空自との共同訓練に飛来するので、米軍のプレゼンスが低下することはないでしょう。これは米軍再編のひとつで、「駐留なき日米安保体制」に転換するひとつです。しかし日米安保の空洞化にはなりません。戦闘機の性能向上(航続距離や空中給油システムなど)、緊急展開能力の向上して、米軍の前方展開戦略が必要がなくなってきたことを意味します。東アジアにおける米軍のプレゼンスが低下した訳ではありません。正確に計算すれば、米軍のプレゼンスは向上しているはずです。
対中国といっても、沖縄は中国に近すぎるし、アメリカは中国軍の戦闘機と空戦になるとは思っていないと思います。米中は互いに戦略核兵器で狙い合っていますから、直接戦闘を行うことはないでしょう。
それから私は、近い将来、那覇基地の空自と海自の航空部隊は、嘉手納基地に移転すると思っています。これからは嘉手納基地を自衛隊が守って、いつでも米空軍が飛来できる体制を自衛隊が保持するためです。これで米海兵隊・普天間飛行場の一部部隊を嘉手納に移転させることも可能になります。しかし民主党は県外移転か国外移転ですからね。どのように交渉するか、ちょっと見ものですね。
それから那覇基地の自衛隊が嘉手納に移れば、那覇空港は民間に全面返還されます。これからの沖縄の観光や産業発展を思えば、那覇空港が全面民間空港になることは地元にとっても良いことです。
今まで、北朝鮮の崩壊を待って動くと思っていましたが、もうアメリカの事情で待ってられなくなったか、陰湿な北朝鮮とつきあう気にならなくなったか、北朝鮮の能力(脅威)が極端に低下したからでしょう。いい時期に日本は民主党政権になったと思います。
Posted by 渡久地明 at 20:29│Comments(1)
│返還基地の跡利用
この記事へのコメント
地域の安定のためには、米軍よりも人民解放軍に駐留していただいた方が、沖縄のためだと思います。
Posted by w at 2009年09月15日 23:24