2007年10月24日
ハワイに行かなくなった日本人
「ハワイに行けなくなった日本人」と書いたが、「行かなくなった」だけではないかという指摘があった。
ハワイの商品価格が上がったとしても、行けなくなるほどの価格ではないし、国民所得が伸びていないにしても、それくらいの余裕はあるだろうというものだ。
しかし、家計調査で可処分所得を調べてみると実際に減少している。
一方。国税庁の民間給与実態調査結果の平成18年の結果がでて、02〜06年の表があるのでグラフにしてみた。すると300万円以下の給与所得者の割合が増え、300万円以上の割合は減少している。
とはいえ、この変化が日本人のハワイなど海外旅行の動向にそれほど影響を与えるものなのかとも思う。
ハワイの日本人客数を見ると、ハッキリ97年まで増え、98年から減少に転じている。
そこで民間給与実態調査を遡って97年‐98年を境目に階級別給与所得者がどのように変化したかをグラフにした。
下のグラフは98‐06年までの給与の分布である。年収が100万円以下、100‐200万円の人が毎年増加していることがハッキリ分かる。200‐300万円の人の割合も徐々に増えている。

分かれ目は300‐400万円の人の割合で、毎年減少している。400‐500万円それ以上の人たちの割合も毎年減少していることがよく分かる。
つまり、98年以降、昨年まで年収の少ない人がどんどん増え、年収の多い人は減少してきた。今年より来年の収入の方が減るという状態が続いていると言える。低所得者層も富裕層も両方損をしているのがこの10年の傾向である。
このブログでこれまで述べてきたのは、年収の低い人をどんどん減らして、格差を減らせということだった。ま、低所得者層の年収が目に見えて増えるなら、特に年収の多い人を減らす必要はないだろう。
一方、その前のハワイへの日本人客が増えている間の給与はどうなっていたか。89‐97年までの階級別給与所得者の割合が次のグラフである。ガラリと世界観が変わることに一目で気が付くだろう。

最初のグラフと逆に、年収400万円以下の層が毎年減少し、400万円以上の層は毎年拡大していた。多くの人が今年より来年の給料は増えていた。理想的ではないだろうか。
バブル崩壊後、不況になったが、給料は97年まではかろうじて上がっていたのだった。また、円高で海外旅行の割安感があった。それもこれもあって、97年まで日本人はハワイによく出かけた。
しかし、98年以降、年収はマイナスに転じ、世の中は暗くなった。ハワイどころではないという意識に転じたのだと思う。ハワイに行くカネはあるが、わざわざ行かないという人が増えたのは事実だろう。それよりも、まだいったことのない中国がよい、となった。
ハワイの日本人客が減ったのは給料が減って「行けなくなった」ともいえるし、先行き収入の増える見込みがないので「行かなくなった」の両方があると思う。
いずれにしても活気のない、暗い世の中になった。だから日本人を不幸にした構造改革を早くやめるべき(以下略)。
ハワイの商品価格が上がったとしても、行けなくなるほどの価格ではないし、国民所得が伸びていないにしても、それくらいの余裕はあるだろうというものだ。
しかし、家計調査で可処分所得を調べてみると実際に減少している。
一方。国税庁の民間給与実態調査結果の平成18年の結果がでて、02〜06年の表があるのでグラフにしてみた。すると300万円以下の給与所得者の割合が増え、300万円以上の割合は減少している。
とはいえ、この変化が日本人のハワイなど海外旅行の動向にそれほど影響を与えるものなのかとも思う。
ハワイの日本人客数を見ると、ハッキリ97年まで増え、98年から減少に転じている。
そこで民間給与実態調査を遡って97年‐98年を境目に階級別給与所得者がどのように変化したかをグラフにした。
下のグラフは98‐06年までの給与の分布である。年収が100万円以下、100‐200万円の人が毎年増加していることがハッキリ分かる。200‐300万円の人の割合も徐々に増えている。

分かれ目は300‐400万円の人の割合で、毎年減少している。400‐500万円それ以上の人たちの割合も毎年減少していることがよく分かる。
つまり、98年以降、昨年まで年収の少ない人がどんどん増え、年収の多い人は減少してきた。今年より来年の収入の方が減るという状態が続いていると言える。低所得者層も富裕層も両方損をしているのがこの10年の傾向である。
このブログでこれまで述べてきたのは、年収の低い人をどんどん減らして、格差を減らせということだった。ま、低所得者層の年収が目に見えて増えるなら、特に年収の多い人を減らす必要はないだろう。
一方、その前のハワイへの日本人客が増えている間の給与はどうなっていたか。89‐97年までの階級別給与所得者の割合が次のグラフである。ガラリと世界観が変わることに一目で気が付くだろう。

最初のグラフと逆に、年収400万円以下の層が毎年減少し、400万円以上の層は毎年拡大していた。多くの人が今年より来年の給料は増えていた。理想的ではないだろうか。
バブル崩壊後、不況になったが、給料は97年まではかろうじて上がっていたのだった。また、円高で海外旅行の割安感があった。それもこれもあって、97年まで日本人はハワイによく出かけた。
しかし、98年以降、年収はマイナスに転じ、世の中は暗くなった。ハワイどころではないという意識に転じたのだと思う。ハワイに行くカネはあるが、わざわざ行かないという人が増えたのは事実だろう。それよりも、まだいったことのない中国がよい、となった。
ハワイの日本人客が減ったのは給料が減って「行けなくなった」ともいえるし、先行き収入の増える見込みがないので「行かなくなった」の両方があると思う。
いずれにしても活気のない、暗い世の中になった。だから日本人を不幸にした構造改革を早くやめるべき(以下略)。
Posted by 渡久地明 at 11:36│Comments(2)
│デフレ脱却
この記事へのコメント
所得の減少のカーブが急激になっている部分が、気になる。いずれにしても優れた分析である。観光分野だけではなく、その他の生活についても、分析の対象となる。
Posted by Orwell at 2007年10月24日 20:24
>優れた分析
ありがとうございます。その他の生活で目立つ変化がなかなか見付からないのですが、98年から急に自殺者数が増えています。
ありがとうございます。その他の生活で目立つ変化がなかなか見付からないのですが、98年から急に自殺者数が増えています。
Posted by 渡久地明
at 2007年10月27日 17:24
