2005年06月30日

泡盛学会できる

泡盛の学術研究を、取り巻く文化やマーケティングなども含めて研究するという泡盛学会(会長・山門健一・沖縄大学副学長)が先ほどできた。

東京農業大学の小泉武夫教授が記念講演し、その中で泡盛は仕次という独特な方法で熟成させるが、このやり方はスペインのシェリー酒の熟成方法と全く同じ。沖縄と1万キロ以上離れた東洋と西洋で同じ方法で熟成させているのはほんとうに驚きだといっていた。

間違いなく泡盛の源流はタイの酒でこれが沖縄に伝わり、蒸留方法が沖縄から薩摩に伝えられた。薩摩でできた芋焼酎は熟成させない蒸留酒で、泡盛の方がはるかにうまく、江戸時代には焼酎は琉球の酒であり薩州のものとは全然違うと泡盛が礼賛されている。その記録がいくらでもあると文献を実際に読みながら講演していた。

さらに泡盛が黒麹でつくられるが、この黒麹は世界中で沖縄にしかなく、酸やビタミン類を大量につくり出す優れものであると強調した。しかも、驚いたのは黒麹菌の分離方法を沖縄の西表島や黒島の(昔、泡盛をつくっていたことがあるという)おばあちゃんたちが知っており、桑の木の皮の黒くなっているところを削って蒸した米にまぶすと黒麹菌が簡単にでき、分析したらほとんど黒麹菌、一部黄麹菌もあったことだ、という。

小泉教授はよくTVにもでてきて人気がある人であるが、話も面白い。

芋焼酎は原料の芋が足りなくなるという危機に直面しているのに対し、泡盛の原料は昔からタイの砕米なので原料不足はあり得ない。鹿児島の芋焼酎が芋を輸入したら鹿児島産でなくなる。薩摩は泡盛をマネして、生産量で沖縄を上回ったが、うまさでは泡盛の足元に及ばない。薩摩や熊本にカラカラがあるけど、明らかに沖縄のマネ。私は会津出身だから薩摩との間で色々あるわけで…。(爆笑)



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