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2009年02月04日

「かんぽの宿」郵便局資産の私物化進行中

 国会のやり取りを聞いているが「かんぽの宿」の安値払い下げは、最初からの筋書き通りだと思われる。

 国民に何のメリットもない郵便局の民営化を、どうしてもやりたいというインセンティブは何だったのだろうと考えればすぐに分かるはずだ。国民のためというのはウソであったことは明かだろう。

 郵便局の優良資産を安く払い下げてもらうことしか最初からなかったのだ。こうなることはズーッと前からいろんな人たちが述べていて(*)、その通りになったのだから、郵政民営化反対といった人たちの見通しや見識が正しかったことがハッキリと証明されたのだ。復権させるべきである。郵便局に限らず間違った規制緩和や民営化は全部元に戻すべきである。

*参照:東京義塾
http://tokyonotes.cocolog-nifty.com/blog/

 ついでにわたしは道路公団の民営化も間違いで、そのうち「かんぽの宿」みたいな不祥事がでてくるのだろうと思っている。

 郵便局の場合、国民から広く集めたカネを、絶対安全な国債など中心に投資するという堅実な運営を行ってきた。政府が保証しているカネだから「貯金」といって、(潰れて元も子もなくなるかも知れない民間の)銀行の「預金」とは区別してきた。

 銀行が潰れて「払い戻すお金がありません」ということが絶対にないと信じられたから、庶民は郵便局に貯金してきたわけだ。それなのに、民営化してしまった。

 民営化すれば、郵便局は国債だけでなく、株を買うなど幅広い投資ができ、金融市場が活性化し、国民はもっと儲かるというふれこみだった。ところが国民が築いた資産をたたき売る、買った方はべらぼうに儲かるという予想どおりのことがおきたわけだ。世界金融危機ではババを引かされるところだったのではないか(もう引いたけど黙ってるだけだったりして)。

 バカな小泉構造改革で郵便局の民営化など規制をなくせ、と主張したのは宮内義彦オリックスグループ最高経営責任者だったことはよく知られている。
 
 数年前から「宮内をマークしておけよ、あれは危険だ」とアドバイスを受けていたほどだ。もっともそのようなアドバイスを聞く前、プロ野球球団を手に入れた頃から、いつの間に高利貸しだったのが日本有数の企業に成長したのだろう、ものづくりの日本では珍しい人がでてきたものだなあ、と不思議に思っていたのだが…。その張本人が「かんぽの宿」の払い下げを受けるという、犯罪的なシナリオがいま進行しているわけだ。

 「かんぽの宿」では鳩山邦夫総務相は男をあげた。ヒーローになっている。途中でオリックスから買収されずに最後までやり通してもらいたいものである。政権代わっても総務相やっていいよ。

 これを突破口に小泉純一郎のバカな構造改革とそれを強力に推進した竹中平蔵たちが何をやったのか徹底的に追及し、責任をとらせるべきだ。



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Posted by 渡久地明 at 00:01│Comments(0)デフレ脱却
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