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2009年02月03日

政府紙幣叩き始まる

 そういえば今朝、新聞記事を読むというTV番組で、朝日新聞記事で「政府紙幣発行の怪」という記事が出ていると紹介したところ、

 コメンテーターが(名前までは覚えていないが)
 
 「歴史に学ばないのでしょうか。ドイツがどんどん紙幣を印刷して、レストランに入ったら食べ終わるころの価格が倍になるというひどいインフレになったのに、こんなことをしたら円の価値が下がって大変ですよ」
 
 というようなことをいっていた。(このコメンテーターは、ドイツはその後、ヒットラーの内需拡大策でアッという間にヨーロッパ最強の工業国になったはずだが、それも知らないらしい。バカ丸出しだ)
 
 政府紙幣発行はわたしも前から主張してきているので、一応反論して置くが、日本には莫大な生産余力があるから、それを全部使うまで政府紙幣はガンガン刷ってかまわない。これが経済理論である。

 なお、同じようなことをして国民が生き返った例はそれこそ歴史に何度もあった。高校の日本市の教科書を読み返してみるべきだ。
 
 わたしが去年、日本市の教科書を斜め読みした限りでも、戦国時代以降江戸時代までに2、3度、小判の改鋳でデフレ不況を脱した事実があった(*)。

*参照:貨幣の散歩道(日銀HP)
http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_27.htm
 
 明治政府がカネを刷って明治維新を成功させたのもよく知られている。60年前には高橋是清がカネを刷って国民にバラ撒き、世界大恐慌からいち早く日本を抜け出させている。
 
 現代ではスティグリッツ教授やバーナンキFRB議長、小渕政権時代に米国のスノー財務長官、市場原理主義者・ショックドクトリンで評判の悪いフリードマン教授も日本にカネを刷ってはどうかとアドバイスしている。

 日本でいち早く政府紙幣発行を主張していたのは次の二人である。

丹羽春喜教授
http://www.niwa-haruki.jp/index.html

小野盛司日本経済復活の会会長
http://www.tek.co.jp/p/

 政府紙幣の発行はいまの日本では正しい政策であり、これまでは専門家の間でしか議論されてこなかった。それが新聞やTVで紹介されるのはうれしく思うが、早速、市場原理主義者らが政府紙幣バッシングを始めているというのがいまの日本である。



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Posted by 渡久地明 at 21:03│Comments(0)デフレ脱却
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「政府紙幣」って何だ?【De la tierra vientosa...】at 2009年02月04日 13:14
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