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2005年07月10日

反対派が正論

郵政民営化法案は参議院に舞台が移ったが、参議院で否決されたときは、改めて衆議院で2/3以上の賛成での可決が必要なわけだ。

これは参議院で頑張って否決してもらわないといけない。

新聞論調など見ると

反対派=抵抗勢力=利権集団

のような印象を受けるが、事の本質はこんなものではない。郵便局を民間に売り渡すことが間違っていることを正面から論じているのが反対派であり、正論である。だから選挙で公認しないなどといった脅しに屈しない、信念に基づく反対票である。正論を吐き、筋を通すことのできる政治家が51人もいたことに国民は拍手をおくっているのだ。

「赤字を税金で補填している」(郵政事業は黒字、税金は投入されていない)

「郵便貯金320兆円を民間に貸し付けるべき」(民間銀行でもキャッシュは余っているのに、借りてはいない。デフレを脱却するのが先だ)

など、かなり間違った認識をしている人がいて、いろんなところで説明をしているのだが、まともに新聞やTVで取り上げられないところを変だと気がつかなければならない。

笑ったのは2、3日前の報道ステーションでニュージーランドの郵便局民営化が失敗したというルポがあったのに、直後に取材した本人が日本は同じにならないと弁解していることだった。ルポそのものは良くできていたのに、取材した現実とは逆の解説をしているのだから、話にならない。ばかばかしい。

========日本国憲法========

第59条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
  衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
  前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
  参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
第60条 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
  予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。


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Posted by 渡久地明 at 16:02│Comments(3)デフレ脱却
この記事へのコメント
はじめまして。
読谷村に住んでいるガロアというものです。

『郵政事業は黒字、税金は投入されていない』ということですが、
税金がすでに投入されていると言うことではなくて、
「郵貯・簡保の資金が不良債権化しており、税金で
穴埋めしないと戻ってこない」という未来形なのではないでしょうか。

いずれにしろ、私としては、公務員がやるよりは、
民にまかせた方がサービス全体としては良くなるのではないかと
思っています。
また、万が一サービスが少しくらいは悪くなるとしても、
大幅な財政赤字を少しでも緩和させるためには、
民営化するのが良いと思います。

NTTが民営化されてなかったら、今頃、日本の
インターネット環境はアジアでも最下位でひどい状況であったと思います。
そして、電話料金も今の何倍もしていたはずです。

郵政の方も似たようなものではないでしょうか。
Posted by ガロア at 2005年09月30日 22:14
初めまして、コメントありがとうございます。

民営化の問題は国民の財産(=320兆円の貯金)をある民間人に払い下げるということが最大の問題です。

なお、これまでの財政投融資は政府が保証しているので不良債権にはなり得ません。

ついでにいえば政府は通貨発行益(セイニアリッジまたはシニョリッジ)をいつでも使えるので、財政破綻はあり得ません。必要なのはGDPに占める政府債務の削減であり、そのためのGDP拡大策です。それは財政、金融、税制のポリシーミックスで実現可能です。
Posted by 渡久地明 at 2005年09月30日 22:14
お返事ありがとうございます。
分かりにくいですので、もう少し質問したいと思います。

『これまでの財政投融資は政府が保証しているので不良債権にはなり得ません。』
ということですが、政府が保証しているというのは、いざというときは税金で穴埋めするという意味ではないのでしょうか。
また、「不良債権」というのは、「回収不能」な資金のことをいうと思うのですが、いくら政府が保証しようが、回収不能となるのは回収不能となるのではないでしょうか。

初歩的な質問かも知れませんが、よろしくお願いします。
Posted by ガロア at 2005年09月30日 22:15
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